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−「総合版の震災・復興情報」−

      
「総合版の震災・復興情報」は、毎日の「建設新聞」から注目記事をピックアップして掲載しています。
      
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2011/12/28 【国土交通省】
復旧・復興事業施工確保連絡協が初会合
被災3県が技術者選任の要件緩和を共通して要望

国土交通省が設置した復旧・復興事業の施工確保に関する連絡協議会の初会合が27日、仙台市の東北地方整備局で開かれた。この中で岩手、宮城、福島の被災3県は、技術者の選任を必要とする工事の要件緩和と、実勢価格を即時に反映できる労務費調査制度の設定を共通項目として要望。東北建設業協会連合会は被災地と被災地以外の業者による「復興JV」を提案した。
復旧・復興事業が本格化する中、技術者・技能者の不足や労務単価の上昇、入札不調案件の増加などの問題が顕著になっていることから、国、被災3県・仙台市と建設業団体が意見交換し、円滑な事業の実施を目指そうというもの。
国交省がまとめた3県・仙台市の不調・不落発生率(11月現在)を見ると、仙台市の土木が41%で最も高く、これに宮城県の土木と舗装工事の各26%、福島県の土木の15%、岩手県(全工事)の7%が続く。
月別の推移は、仙台市の土木が6月以降30%以上と高い水準で推移し、3県では災害査定が終了し復旧工事が本格化した9月以降に件数が増加している。
こうした不調・不落が増加した理由について国交省では、特に型枠、鉄筋の技能者の確保が難しく、工期内に完成できる見通しが立たないため入札に参加できないほか、がれき処理の労務費が高いため特に小規模工事については応札しづらい状況にあると見ている。
被災3県の要望のうち技術者選任制度は、建設業法で土木2500万円以上、建築5000万円以上について技術者の選任を義務付けているものだが、要件の緩和を要望した。
また、労務費調査は10月調査の結果を翌年4月から適用するもので「急激な市場の変化に対応できない制度」と指摘。その上で労働者を確保するためにも「実勢価格を即時に反映する労務費調査制度」を求めた。
このほか、東北建協連は被災地以外の建設業者と地元業者による「復興JV」を提案。専門工事団体からは、「これまでリストラや賃金カットを行い若い労働者が入らなくなり体力的に復旧・復興に携わるのは厳しい」といった意見も上がった。

※下(12/27掲載分)に関連記事。


2011/12/28 【東北地方整備局】
港湾施設の災害査定完了・総額3311億円

東北地方整備局は27日、東日本大震災で被災した港湾関係施設すべての災害査定が完了したと発表した。件数は689件、災害復旧規模は総額3311億円となった。引き続き、各港の産業・物流復興プランに基づき復旧事業を推進する。
県別の件数・金額は青森県が35件・298億円、岩手県が199件・1284億円、宮城県が305件・988億円、福島県が150件・741億円。
主な復旧事業を見ると、八戸港では北防波堤の復旧により港湾機能を暫定的に回復。引き続き港湾機能の回復に向け本格復旧を進める。
釜石港と大船港の湾口防波堤については、中央防災会議専門部会の提言を踏まえ、発生頻度の高い津波(明治三陸地震津波)を想定しつつ、設計津波を超える高さの津波に備え「粘り強い構造」を採用する。復旧費用は釜石港が約490億円、大船渡港が約200億円。両港とも5年後の完成を目指している。


2011/12/27 【国土交通省】
復旧・復興連絡協がきょう(27日)、仙台で初会合
技術者、労務費問題を検討

国土交通省は復旧・復興事業の円滑な施工に向けて「復旧・復興事業の施工確保に関する連絡協議会」を設置し、きょう(27日)仙台市の東北地方整備局で初会合を開く。
復旧・復興事業が進むにつれ、被災地では技術者・技能者の不足や労務単価の上昇、入札不調の増加などの問題が浮上している。
このため、国、地方自治体、関係業界団体が情報を交換し、円滑な施工の確保を目指す。
国交省以外の構成機関は国が厚生労働省、農林水産省、林野庁、水産庁、自治体が岩手、宮城、福島の被災3県・仙台市、業界団体が日本建設業連合会、全国建設業協会、建設産業専門団体連合会、全国鉄筋工事業協会、日本建設大工工事業協会、日本建設躯体工事業団体連合会。オブザーバーとして政府の東日本大震災復興対策本部と岩手、宮城、福島の現地対策本部も参加する。
検討する議題は@技術者・技能者の不足への対応A労務単価上昇への対応B入札不調案件の増加への対応Cその他復旧・復興事業の施工確保に資する事項―など。今後、月1回程度をメドに仙台か東京で開催する。

※建設ニュース面に掲載。


2011/12/26 【国土交通省】
被災マンションの実態調査・2012年1月12日まで募集

国土交通省は、東日本大震災の被災マンションや、老朽マンションの実態把握に乗り出す。そのため、現状調査などを担当する民間団体などを来年1月12日(必着)まで募集する。調査結果は12年3月までにまとめる方針だ。
これらの調査は「11年度マンション再生環境整備事業」の一環として実施する。事業内容は@老朽マンション・管理不全マンションの実態調査とデータベース化A東日本大震災で被災したマンションのうち、全壊判定されるなど被害が大きかったマンションの現状と今後の復旧予定に関する調査B被災時に管理組合が地方自治体や自治会と連携して取り組んだ活動や、防災のための平常時の活動などの調査―を想定している。
老朽マンションなどの現状調査は8団体を採択し、500万円を上限に調査費を補助する。被災マンション調査は1団体・上限1、000万円、管理組合活動調査は1団体・上限1、500万円とする。
事業の詳細や必要書類は、同省住宅局ホームページで確認できる。


2011/12/22 【国土交通省】
建設投資見通しを見直し・3兆2500億円を積み増し13%増

国土交通省は、東日本大震災の復旧・復興に向けて数次にわたり補正予算が編成されたことを受けて、6月に発表した2011年度の建設投資見通し(名目値)を見直した。6月時点では考慮していなかった第2次・第3次補正予算などを算入した結果、6月時点から3兆2500億円を積み増し、前年度に比べ13%増の46兆4700億円になると推計した。政府建設投資が25.8%増の20兆8500億円と04年度以来7年ぶりに20兆円を超える見込み、民間建設投資も4.4%増の25兆6200億円になる見通しだ。
11年度の建設投資を工事種類別に見ると、建築投資が10.3%増の24兆5600億円、土木投資が16.2%増の21兆9100億円。国内総生産に占める割合は0.8ポイント増の9.7%となる。
政府建設投資のうち、東日本大震災関連の投資額は4兆8700億円と推計。6月時点では2兆4100億円としていたことから、2兆4600億円の上方修正となった。工事種類別では、土木投資が3兆1300億円、建築投資が1兆7400億円。内容別では、応急仮設住宅の供与が4100億円、災害公営住宅の整備などが1500億円、学校・社会福祉施設・官庁施設などの災害復旧・防災機能強化が1兆1800億円、公共土木施設・有料道路・空港・農地・農業用施設の災害復旧などが3兆1300億円とした。
このほか、災害廃棄物処理や放射能の除染作業などに要する費用として9514億円を推計しているが、建設投資の定義に合わないため、今回の見通しには算入していない。また、推計に当たっては補正予算に盛り込まれた事業が年度内にすべて実施されることを前提にしているため、実際の投資額は減る可能性が高い。
民間建設投資のうち住宅投資は、上半期の新設住宅着工戸数が増加したことを受け、前年度比8.4%増の13兆9900億円になると推計。民間非住宅建設投資も復旧・復興需要を見越して、6月時点から2100億円増やし、前年度比4.3%増の12兆6400億円になる。

※建設ニュース面に掲載。


2011/12/21 【政府】

4次補正が閣議決定・ゼロ国に1640億円

政府は20日、総額2兆5345億円の第4次補正予算案を閣議決定した。公共事業の発注平準化措置として、2011年度の支出を伴わない「ゼロ国債」に1640億円を確保し、12年度に予定していた直轄事業と補助事業を一部前倒しで発注する。このほか、中小企業の資金繰り支援にも7413億円を確保する。次期通常国会に提出する。
円高などによる国内の先行き不透明感が広がる状況を踏まえ、必要性・追加的財政需要に対応した。4次にわたる補正予算の編成は15次に及んだ1947年以来となる。
11年度予算の歳出総額は11月に成立した3次補正の段階で過去最大だったが、4次補正が成立すればこれをさらに更新し、予算総額は107兆5105億円まで膨らむことになる。
公共事業のゼロ国債1640億円は、国土交通省が発注平準化を目的に計上。冬場に工期をとりにくい豪雪地域などを対象に、11年度末までに発注作業を終え、年度明けすぐに着工する。大半は直轄事業に充当する見通しだが、一部は補助事業にも振り分ける。
4次補正に盛り込まれたこのほかの主な項目は▽災害対策費67億円▽中小企業資金繰り支援7413億円▽地方交付税交付金3608億円▽食と農林漁業の再生に必要な経費1574億円―などとなっている。


津波防災地域づくり法の政令案・津波防護施設に2分の1補助

政府は20日、津波防災地域づくり法の政令案を閣議決定した。法に基づく津波防護施設として▽津波浸水防止機能を持つ盛土構造物▽護岸▽胸壁▽閘門(こうもん)―を規定した上で、こうした施設を新設・改良する工事に対する国庫補助率を2分の1とすることなどを定めた。法施行日を12月27日とすることも決めた。
この法律は、東日本大震災の津波で甚大な被害が生じた教訓を踏まえ、津波に強い地域づくりを全国で推進することが狙い。都道府県が津波浸水の恐れがある区域や浸水した場合に想定される水深を設定した上で、特に危険性が高い地域で一定の開発・建築などを制限できる仕組みを創設。市町村が津波防災地域づくりを総合的に推進するための「津波防災推進計画」を策定すれば、その計画区域内での土地区画整理事業や津波避難建築物の容積率規制に対する特例も設ける。
今回の政令案では、津波防護施設の定義や手続きなどを明確化した。それによると、津波防護施設区域で許可が不要な行為として、▽地表から深さ1b以内の土地掘削・切土▽地表から高さ3b以内の盛土▽鉄骨造、コンクリート造、石造、れんが造などを除く施設・工作物の新築・改築―を規定。津波防護施設管理者以外の者が工事を行う場合には、工事の設計・実施計画、維持の実施計画を記載した承認申請書を管理者に提出しなければならないこととした。
津波避難ビルなどの津波避難施設をめぐっては、改築・増築によって構造耐力上主要な部分を変更する場合などは届け出が必要とした。また、津波災害警戒区域で避難を優先する避難促進施設として、▽老人福祉施設▽有料老人ホーム▽障害者支援施設▽保護施設▽児童福祉施設▽学校▽病院▽診療所▽助産所―などを位置付けた。



2011/12/21 【東北地区用地対策連絡会】
迅速な復興用地取得へ土地情報連絡部会を設置 ・ 初会合開く

東北地方整備局をはじめ主要発注機関で構成する東北地区用地対策連絡会は東日本大震災の復興事業を進めるに当たり、土地価格の情報を共有するための情報連絡部会を設置し19日、東北整備局内で初会合を開催した。この中では、不動産鑑定評価書の情報を共有していく方針を確認したほか、各県への情報連絡会議設置を要請した。
復興事業を進めるに当たっては、まず事業用地の取得や用地補償をスムーズに行わなければならないが、特に沿岸部の被災地では物件の補償問題に加え、集団移転に当たって行政が取得する土地価格の算定についても問題が発生する可能性が高い。
このため東北用対連は、評価方法や取得する土地価格について一層、情報連絡・共有を図るため、土地価格の情報連絡部会の設置を決めた。
連絡部会では、不動産鑑定士が作成する不動産鑑定評価書を構成機関が共有することにより、極端な価格のバラツキを避ける。
さらに、各県ごとに情報連絡会議を設置し、具体的な事業個所に関する土地取得価格の情報を共有する。岩手と宮城の両県は2012年1月にも設立する見込みだが、福島は見通しが立っていないという。
今後、部会は必要に応じて随時開く。
復興道路など直轄事業の用地協議は12年夏ごろから本格化する。

※建設ニュース面に掲載。


2011/12/20 【東北整備局東北技術事務所】
災害対策へ無人化活用の試験施工
情報化施工技術を活用し、短所を補完

東北地方整備局東北技術事務所は、宮城県多賀城市の同事務所内で情報化施工技術を活用した無人化施工の活用試験を行っている。二次災害の危険があり、作業員を投入できない災害復旧現場で迅速に作業を行うのが目的。マシンガイダンスを搭載した無人化施工機械を稼働させ、操作性や施工効率を確認する。今月末まで試験を行い、1月にもデータをまとめる。
岩手・宮城内陸地震の災害復旧現場では土砂ダムの仮排水路掘削などで無人化施工技術を導入したが、モニターの視認性の問題で有人施工に比べ作業効率が半分程度に低下するほか、熟練オペレーターが少なく手配に時間がかかることなどが課題となっていた。
東北技術事務所では日本建設機械化協会施工技術総合研究所の協力を得て、マシンガイダンスによる操作支援システム機器の構築や、現場適用性調査、情報化施工を活用した無人化施工手法の取りまとめを行う。
試験施工は、構内の一角を復旧現場に見立て、GPS対応のマシンガイダンスを搭載した遠隔操縦式油圧ショベルを導入。排水路掘削(溝掘り)と搬路造成(盛土造成)についてそれぞれ@有人施工Aマシンガイダンスを活用した遠隔操作Bマシンガイダンスを活用しない遠隔操作―の3種類を行い、作業時間や出来型精度の違いを確認する。
オペレーターは重機と離れた場所に設置した事務所に居ながら、現場の状況と設計データが映し出された3台のモニターを確認しながら遠隔操作を行う。
オペレーターを務める今井工務店(長野県小谷村)の岡田和義氏は「ガイダンスがあることにより、ショベルの切り出し位置が分かり、より正確に作業を進めることができる」と太鼓判を押す。
東北技術事務所によると、災害対策を目的にした情報化・無人化の試験施工は全国初となる。

                  
                ※モニターを見ながら操作      ※遠隔操作式油圧ショベル
                              (クリックで拡大
※建設ニュース面に掲載。


2011/12/20 【国土交通省】
がれき処理の建設工事相当額を経審の完工高で評価へ

東日本大震災で発生した災害廃棄物(がれき)の処理をめぐり国土交通省は、業務委託契約の中に建設工事が含まれている場合には、その相当額を経営事項審査(経審)の完成工事高として評価できるとの考え方をまとめ、19日付で地方整備局や都道府県などの審査行政庁に通知した。
大震災で発生したがれきの処理に当たっては、被災地の自治体が地区ブロックごとにゼネコンなどで構成する共同企業体(JV)を選定することが多い。その際の契約方式として、がれきの収集・運搬に加え、焼却施設の建設、土地の更地化などをパッケージで業務委託するケースも目立つ。
がれきの収集・運搬といった役務の提供だけを内容とする業務委託契約の場合、建設工事の請負とは見なされないことから、通常は経審での完成工事高の対象とはならない。しかし、震災の復旧・復興を円滑化する観点から国交省は、今回のように建設工事が含まれている場合には請負と見なし、完成工事高として評価できることとした。
具体的には、発注者が示す要求水準書などに、がれきの焼却施設などの工事が業務内容に含まれているケースなどを想定。契約金額のうち建設工事に相当する金額だけを完成工事高に含めることが可能との考え方も示した。

※建設ニュース面に掲載。


2011/12/20 【厚生労働省】
医療施設等復旧補助11次・東北は17施設に交付

厚生労働省は、東日本大震災等で被災した医療施設に対する災害復旧費補助金の第11次内示(12月12日付け)を行った。
全国総額は4億2288万4000円で、このうち東北地方は岩手4施設、宮城7施設、福島6施設の合計17施設に交付。内示額は、岩手県が6838万9000円、宮城県が2億1854万1000円、福島県が4491万7000円となっている。
◎岩手県 ▽大船渡市国民健康保険綾里診療所(大船渡市) ▽大船渡市国民健康保険歯科診療所(大船渡市) ▽大船渡市国民健康保険越喜来診療所(大船渡市) ▽堀耳鼻咽喉科眼科医院(釜石市)
◎宮城県 ▽整形外科・外科神崎クリニック(仙台市) ▽登米市立米谷病院(登米市) ▽仙台市立病院(仙台市) ▽かかず整形外科(仙台市) ▽おだか医院(気仙沼市) ▽松森整形外科クリニック(仙台市) ▽仙台徳洲会病院(仙台市)
◎福島県 ▽泉崎南東北診療所(泉崎村) ▽かねこクリニック(西郷村) ▽小針医院(矢吹町) ▽太陽の国病院(西郷村) ▽白河厚生総合病院(公的医療機関施設)(白河市) ▽白河厚生総合病院(病院内保育所)(白河市)
※各医療施設の補助額は本紙一面を参照。


2011/12/17 【東北農政局】
農地除染対策の実証試験工事と関連業務5件を公告
除染工法と手順の作成めざす
参加表明は業務が1月6日、工事が1月10日まで

東北農政局は16日、福島第一原子力発電所事故により放射能物質で汚染された農地の除染対策工法の確立と作業マニュアルの作成に向けて、3件の実証試験工事と、同工事に関連する農地等放射性物質含有量測定と工事等施工監理および資料作成の2件の業務を公告した。
農林水産省では、放射能物質で汚染された農地の除染技術の開発を進めているが、2011年度第3次補正予算にはこれまで開発を進めてきた農地の放射能物質除染技術を基に、さまざまな現地条件において施工レベルでの実証工事を行い、作業手順や安全な作業工程、除去効果などを検証する農地除染対策実証事業費として22億円を計上している。
今回の実証試験工事およびこれに関連する業務は、同実証事業を受けて、計画的避難区域となっている福島県飯舘村の土壌の放射性セシウム濃度が異なる3地区を対象に実証工事を行い、現地で適用可能な対策工法の確立ならびに作業マニュアルの作成を目指すもの。
農地除染対策実証事業農地除染対策実証試験(その1)工事は、原発に近く放射性セシウム濃度が2万5000ベクレル以上のある同村長泥地区において、表土削り取り工(運搬式)=9.1f(水田3.2f、畑5.9f)、同(吸引式)=1.9f(水田1.0f、畑0.9f)の農地除染工と、水路除染工=1.0q、農道除染工=1.0qを行う。
同(その2)工事は、放射性セシウム濃度が1万〜2万5000ベクレルの小宮地区で、同じく表土削り取り工(運搬式)=10.9f(水田10.9f)、同(吸引式)=1.9f(水田1.0f)の農地除染工、水路除染工=1.65q、農道除染工=0.4qを実施。
同(その3)工事は、放射性セシウム濃度が5000〜1万ベクレルの草野地区で、表土削り取り工(運搬式)=5.8f(水田5.8f)のほか、水による土壌攪拌.除去工=0.6f(水田0.6f)および反転耕=0.6f(水田0.6f)の農地除染工、および水路除染工=1.6q、農道除染工=0.4qを行う。
入札参加資格は、(その1)と(その2)工事が、東北農政局の土木一式工事のA等級、(その3)工事が同B等級で、施工実績として3件ともに、1996年4月1日以降に元請けとして完成・引渡しが完了した、農地の区画整理工事(水路工事等に伴う農地の原形復旧工事も含む)または土壌汚染に対する対策工事(土壌汚染の内容や工法は問わない)の実績を有することなどを求める。
参加表明書の提出は、2012年1月10日までで、開札は1月31日10時30分から行う。なお、(その1)と(その2)工事は入札ボンドの適用となり、入札保証金の納付等に係る書類を1月20日〜1月30日17時まで(持参の場合は31日の開札1時間前まで)提出する。
また、同工事に関連して、「平成23年度〜平成24年度農地除染対策実証事業農地等放射性物質含有量測定業務」と「同農地除染対策実証試験工事等施工監理その他資料作成業務」の2件の業務委託に向けて簡易公募型プロポーザルを公示した。
測定業務は、実証試験工事が行われる農地およびその周辺において、農地土壌の放射性物質濃度や空間線量等を測定し、それらの結果をとりまとめるもの。施工監理等業務は、実証試験工事ならびに測定業務の施工監理を行うとともに、実証試験工事の各工法の除染効果の分析や実証試験工事内容を基にして作業手順、歩掛等をとりまとめ、作業マニュアルを作成するもの。
2件の業務ともに、参加表明書の提出は1月6日12時まで、技術提案書の提出は1月19日までとしている。
なお、これら工事、業務の工期は12年6月29日まで。



2011/12/17 【厚生労働省】
医療施設等復旧補助10次・東北は12施設に交付

厚生労働省は、東日本大震災等で被災した医療施設に対する災害復旧費補助金の第10次内示(12月5日付け)を行った。
全国総額は4億4567万9000円で、このうち東北地方は岩手5施設、宮城6施設、福島5施設の合計16施設に交付され、内示額は岩手県が5166万7000円、宮城県が2億8773万9000円、福島県が1066万2000円となっている。内示を受けた各医療施設の補助額は次の通り。
《岩手県》 ▽岩崎外科医院(一関市) ▽一関中央クリニック(一関市) ▽一関市国民健康保険藤沢病院(藤沢町) ▽岩手県立千厩病院(一関市) ▽石倉クリニック(大船渡市)
《宮城県》 ▽石巻市牡鹿病院(石巻市) ▽石巻市医師会附属准看護学校(石巻市) ▽仙塩総合病院(病院群輪番制病院)(多賀城市) ▽仙塩総合病院(病院内保育所)(多賀城市) ▽涌谷町国民健康保険病院(涌谷町) ▽永仁会病院(大崎市)
《福島県》 ▽大槻内科小児科クリニック(郡山市) ▽寿泉堂綜合病院(郡山市) ▽福島県立会津総合病院(会津若松市) ▽黒河内内科小児科精神科医院(会津若松市) ▽白虎ファミリークリニック(会津若松市)
※各医療施設の補助額は本紙一面を参照。



2011/12/16 【厚生労働省】
放射線障害防止指針の最終案 ・下請けに放射線管理担当者を

厚生労働省の除染作業等に従事する労働者の放射線障害防止対策に関する専門家検討会は13日、除染作業の放射線障害防止のためのガイドラインの最終案を固めた。除染作業などに従事する労働者の被ばく状況の管理は元方(元請け)事業者が一元的に行うことを原則とし、元請け事業者に「放射線管理者」を選任して下請け事業者を指導するよう求め、下請け事業者にも「放射線管理担当者」の選任を求める。来週中にも正式なガイドラインとして発表する。
9日の会合では、これまでの議論を踏まえて修正したガイドライン案を同省が提示。元請け事業者が放射線管理者を選任することを明記し、下請け事業者にもこれに準ずる放射線管理担当者を選任するよう求めた。
修正案によると、放射線管理者は発注者と協議して汚染検査場の設置、汚染検査の実施、下請け事業者の放射線管理担当者の指導などの役割を担う。放射線管理担当者は、作業に従事する労働者の放射線量の測定、結果の記録などを担当する。
修正案は有期契約労働者や派遣労働者を使用する際の留意事項も盛り込んだ。3ヵ月未満の契約を結ぶ労働者は通常3ヵ月周期の線量算定を1ヵ月周期で行うよう規定したほか、被ばく管理を適切に行うためには、契約期間を1ヵ月以上とすることが望ましいとした。

※建設ニュース面に掲載。


2011/12/16 【TOMネット】
東北復興フォーラムを開催 コミュニティ再生し復興へ

まちづくりを支援するTOMネット(林秀樹代表理事)の東北復興フォーラムが、仙台市のエル・パーク仙台で開催され、宮城県多賀城市の震災復興委員会会長を務め、同市の復興計画策定に携わってきた柳井雅也東北学院大学教授が「震災復興に向けたまちづくり」と題して講演した。
この中で柳井教授は、仮設住宅で暮らす高齢者が買い物で不便な思いをしていたり何もすることがない状況に置かれている現状を説明し、今後復興まちづくりの核となる高台移転(高所移転)などについて「高台に住むのは高齢者。限界集落をつくることになる。移転した後の生活を考えることが重要だ」と指摘した。
その後、コミュニティを再生してどう復興を遂げるのかを、柳井教授やTOMネット幹部らがリレートークを行った。

※建設ニュース面に掲載。


2011/12/15 【地域型復興住宅連絡会議】
地域型復興住宅の供給へ設計・生産指針案まとまる
長期優良住宅、スケルトン・インフィルなど


被災3県の設計団体、国、県などによる地域型復興住宅連絡会議が14日、仙台市のパレスへいあんで開かれ、地域型復興住宅の普及に向けた「設計と生産システムガイドライン案」をまとめた。設計事務所や工務店に活用してもらおうというもの。長期優良住宅性能を基本に、スケルトン・インフィルシステムを導入し将来的に成長可能なプランとした。今後は各県ごとに推進協議会を設立するなど設計・生産体制を構築する。
地域型復興住宅は、被災地の住宅復興を目的に、地域の工務店や設計事務所、木材業者らが連携して生産する、地場産材を活用した木造住宅。
消費者にとっては税制の優遇や補助制度の活用により住宅建設の費用負担が軽減されるほか、プランの自由度が高く高品質な住宅を取得することができる。一方、住宅生産者にとっては地域の建築関係団体が国、県と連携して信頼性の高い生産システムを構築することにより、消費者へのPR効果が高く信頼性が得られるほか、モデル設計例により設計・積算が合理的にでき、コストダウンを図ることができる。
ガイドライン案には▽長期利用▽将来成長▽環境対応▽廉価▽地域適合▽需要対応―の6つのコンセプトと、設計と生産システムの具体的な指針を示した。
設計に当たっては、長期優良住宅の性能を基本とし、「耐震等級2級以上、劣化対策等級3以上、維持管理対策等級3以上、エネルギー対策等級4以上」を求めるほか、木材、資材の規格化と施工手順の合理化を図る。
また、プランニングでは、構造躯体と間仕切り、内装などを分けて将来的に変更可能で自由度の高い設計手法「スケルトン・インフィルシステム」を採用。さらに、省エネルギー・創エネルギー、地域特性を踏まえたプラン・デザイン、価格の低減などに配慮する。
生産体制については、地域工務店、地域設計事務所、森林・木材業者、製材・プレカット事業者、地域建材店、資材・部材業者が連携するイメージ。各県地域型復興住宅連絡会議を推進協議会に改組した上で、普及に取り組む。
ガイドライン案にはこのほか、3県それぞれのモデルプランを盛り込んだ。岩手は「時代と時代を継ぐ家」「四季を感じる家」「海と共生する家」。宮城は店舗付き2階建て住宅や高床(水害対応)プラン、福島は2階建てと平家の具体的な設計を例示した。
連絡会議では近くガイドラインを正式に策定し、それを基に各県ごとに実際の生産・供給体制を構築し、早期実現を目指す。

※建設ニュース面に掲載。


2011/12/15 【全国測量設計業協会連合会】
岩手・宮城・福島の被災現地を視察 技術的見地から踏査


全国測量設計業協会連合会(本島庸介会長)の幹部は、12、13日の両日、東日本大震災による被災地の現場視察を行った。
12日の現場視察には、本島会長のほか、野瀬操副会長、吉田昭夫副会長、田中稔副会長、宮清博全測連業務部長の5人が、岩手県の宮古市鍬ヶ崎、田老地区と岩泉町小本地区を技術的見地から踏査した。
本島会長は「復旧・復興に向け、特に測量は基本に係る部分。計画策定に当たっても測量や地籍確定が大事だ」とした上で、「全測連は44都道府県2、600社の会員がいる。被災地の現場視察結果を広く情報発信し、全測連としてマンパワー的、技術的応援体制を作っていかなければならない」と強調した。
また、復興道路の整備に関し吉田副会長は「復旧・復興の実務段階には地元企業の機動力が不可欠。東北地方整備局では復興道路整備に当たってCM方式を導入する予定と聞いているが、われわれ会員企業にはCMに対する意識や知識を持っている企業が多く、十分対応が可能だ」との認識を示した。
また、13日には仙台市の若林区荒浜や高砂ふ頭を視察した後、福島県に移動し福島県測量設計業協会会員と情報交換を行った。

※建設ニュース面に掲載。


2011/12/14 【東北地方整備局契約課】
国道45号釜石山田 ・ 吉浜道路工事を公告
本局発注 ・ WTO適用の復興道路初弾
長期保証、一括発注、入札期間短縮など新手法導入
申請受付は1月10日、11日まで

東北地方整備局は13日、WTO適用一般競争の対象となる復興道路の「国道45号釜石山田道路工事」と「国道45号吉浜道路工事」を公告した。
今回の工事は、東日本大震災の復興道路として緊急に整備を図る観点から、複数工事を合わせて発注ロット拡大するとともに、NATMトンネルと橋梁下部、異工種のPC橋上部工を一括した発注とした。また、標準U型に準じて総合評価の技術提案のテーマ数を2から1に減らし、提出資料作成の負担を軽減して入札・契約期間の短縮する一方、トンネルや橋梁への長期保証を導入し、品質を確保する新たな手法を採用している。
※各案件の詳細は、本紙14日付一面を参照。


2011/12/14 【環境省】
放射性物質の除染に関するガイドラインまとまる
土壌や建物など、対象ごとに作業手順や収集運搬方法など

環境省は、福島第一原子力発電所事故による放射性物質の除染に関するガイドラインをまとめた。1時間当たり0・23マイクロシーベルト以上の区域で実施する除染について、放射線量の測定方法、土壌や建物など除染対象ごとの作業の進め方、汚染土壌の収集・運搬方法などを定めている。ガイドラインはきょう(14日)から同省ホームページで公開する。
建物などの除染は、放射性セシウムが多く含まれている落葉など、手作業で除去できるものをまず取り除き、その後も除染効果がない場合に放水洗浄などで対応する。特に屋根については、取り除き易い堆積物をブラッシング洗浄で除去。効果が得られない場合に高圧洗浄する。高圧洗浄でも線量率が低下しない際には、コンクリート屋根・屋上の削り取りやブラスト除染を行う。
作業の各段階で線量率を測定し、1bの高さの位置で線量率が毎時0・23マイクロシーベルトを下回れば原則それ以上の作業は行わない。
校庭や園庭、公園の土壌の除染は、放射性セシウムが土壌の表層近くに付着し、特に線量が高い雨樋や樹木の根元などを手作業で除去。放射線量が校庭全体にわたって高いケースでは、重機などを使用して土地表面の被覆、表土の削り取りを行う。汚染土壌の拡散を防止するため、表層土と下層土を入れ替える手法も推奨している。
除去土壌の保管については、汚染土壌を容器に入れることで、放射性物質の飛散や流出を防止。放射線量は、収集・運搬する除去土壌の量を減らしてり、遮へいすることで低減する。※建設ニュース面に掲載。

※建設ニュース面に掲載。


2011/12/14 【RHC JAPAN】
内部被爆検査事業を実施
労務管理で導入の企業が増加

RHC JAPAN(東京都港区)は、全国を対象に尿による内部被ばく検査事業を実施している。
同社は、被災地支援事業の一貫として、内部被ばく診療に携わる東京大学の専門医らと協力し、南相馬市の児童(2148人)に対して無料で検査を実施した実績を持つ。
最近では、福島県を中心とした放射能による被ばくリスクのある地域の企業からの問い合わせが多く、企業側の労務管理、安全配慮義務の一貫として通常の健康診断に加え、同社の内部被ばく検査を導入する企業が増えてきているとのこと。同社は、国内3、000を超える医療機関と連携しており、検査後の診察も可能。
問い合わせ先(電話 03−5575−7086)、Mail:info@naibu-hibaku.jp

※建設ニュース面に掲載。


2011/12/13 【厚生労働省】
放射線障害防止指針案示す・放射線管理者の選任を

厚生労働省は、除染作業に従事する労働者の放射線障害を防止するためのガイドライン案をまとめ、9日に開いた「除染作業等に従事する労働者の放射線障害防止対策に関する専門家検討会」に提示した。ガイドライン案では、除染作業を請負う事業者に対して、労働者の放射線量を測定するための汚染検査場を現場の中か近隣に設けたり、衛生管理者の管理の下で「放射線管理者」を選任するなどの安全衛生管理体制を構築するよう求めている。
除染作業に従事する労働者の放射線障害の防止に関しては、11月に公表された同検討会の報告書をベースに、厚労省が除染則を定める。除染則は、労働者が受ける被ばく線量の限度を「5年間で100_シーベルトかつ1年間で50_シーベルト」とするなどの内容で、2012年1月1日に施行する予定だ。
ガイドラインには規制として法令に定める除染則の規定に加え、事業者が実施することが望ましい取り組みを盛り込む。
ガイドライン案は、事業者が汚染検査場を除染現場内か、現場とそれ以外の場所の境界に設置することを原則として定めるとした。地形条件などで設置が難しい場合には、近隣に設置することも認める。
複数の現場を同時に請負うケースでは、汚染検査場までの移動の際に密閉された車両を利用するなど、汚染拡大措置を講じることも求める。発注規模が小さいケースでは、発注者が共同の汚染検査場を設置することも推奨する。
また、ガイドラインには、除染事業者の安全衛生管理についても記載する予定。衛生管理者の専任が義務付けられる常時50人以上の労働者を使用する現場を対象に、線量の測定や測定結果の記録、汚染検査などを統括する「放射線管理者」の選任が望ましいとした。
現場に関係するすべての請負人で安全衛生協議組織を設置し、▽新規従事者の特別教育▽事前調査▽汚染検査▽労働災害発生時の応急措置―などについて協議することも求める。
検討会は、ガイドラインとともに、除染作業を行う事業者・労働者に対する特別教育テキストも年内にまとめる。

※建設ニュース面に掲載。


2011/12/13 【政府】
復興特区法の基本方針案 ・ 復興一体事業を創設

政府の東日本大震災復興対策本部事務局は、7日に成立した復興特区法の基本方針案をまとめ、復興特区制度で受けられる規制緩和などの基本的な枠組み、特例措置の内容などを明示した。基本方針案では、土地区画整理事業や農業用配水施設の新設などを一体的に施工する「復興一体事業」を創設するとしたほか、復興整備事業として行う土地区画整理事業の業務をUR都市機構が受託できる特例措置も講じる。
復興特区制度は、東日本大震災の特定被災地域に指定された11道県222市町村を対象に、国がワンストップで総合的に規制・手続きの特例措置などを講じる仕組み。第3次補正予算に盛り込んだ復興交付金を活用した財政支援も実施する。
基本方針案では、復興整備事業の1つの類型として、土地区画整理事業などの市街地整備と農業生産基盤の整備を一体的に行うことができる復興一体事業を創設すると規定。復興一体事業では、盛土やかさ上げなどの措置を講じた土地を住宅・学校などを集約する区域内への換地の申し出をできるようにする。
また、大都市の既成市街地での業務を基本としているUR都市機構が、復興整備事業で行う土地区画整理事業などに関する業務を受託することを特例として認め、事業の円滑な実施を後押しする。
基本方針案は、16日まで意見募集を行い、年明け早々の閣議決定を目指している。

※建設ニュース面に掲載。


2011/12/12 【内閣府】
全国防災対策費・1兆円 緊急・即効性高い施策に限定

内閣府は、東日本大震災の集中復興期間である今後5年間に1兆円程度を投じる「全国防災対策費」の考え方を整理し、7日の中央防災会議防災対策推進検討会議に提示した。復興財源を活用する全国防災対策は、緊急性・即効性の高い防災・減災のための施策に限定することを求め、津波から避難するための仕組みやそれに伴う施設整備、首都中枢機能の維持確保などの具体例も示した。2012年度の予算編成にこの考え方を反映するよう財務省に要請する。
7月にまとめられた東日本大震災の復興基本方針によると、今後5年間の集中復興期間で復旧・復興事業に約19兆円を投じ、このうち約1兆円を全国防災対策費に投じるとされている。
第3次補正予算では、この1兆円のうち2、051億円を学校施設の耐震化・防災機能強化に、2、493億円を道路・治水・港湾整備事業などに、1、208億円を医療施設などの防災対策に充当。残る約4、000億円については12年度以降の予算で手当てすることになっている。
内閣府は、全国防災対策費を充てる場合の必要条件として▽東日本大震災の教訓▽緊急性▽即効性―を提示。たとえば緊急性の観点では、東日本大震災の大規模な余震・津波による再度の災害や将来の発生が懸念される地震・津波(東海・南海・東南海三連動地震、首都直下地震など)に備えた策を実施すべきとした。即効性に関しては、少なくとも集中復興期間である5年以内に効果が発揮される施策であることを求めた。
内閣府は、こうした基本的な考え方に基づく具体的な施策として▽津波避難総合システム▽避難路・避難先の体制整備▽ハザードマップの整備・普及―などを挙げる一方、これらの施策と一体的に取り組む震災・防災対策を目的とした社会資本整備についても、全国防災対策費に関する基本的な考え方を適用するとした。さらに首都中枢機能の維持確保についても国土交通省が設置した検討会の議論も踏まえ、予算に反映させる。
災害対策基本法をはじめとした現行の災害対策法制の見直しについては、東日本大震災のような巨大災害の発生時の国と地方の役割分担を見直す方向で検討。早ければ2012年秋にも災害対策基本法などの関連法改正案をまとめる考え。

※建設ニュース面に掲載。


2011/12/12 【日本道路建設業協会東北支部】
2011年度委員会活動報告会
本復旧の円滑実施へ問題点共有

日本道路建設業協会東北支部(早稲田高茂支部長)の2011年度委員会活動報告会が8日、仙台市のホテル法華クラブ仙台で行われた。
当日は会員約80人が出席し、▽企画運営委員会▽広報委員会▽技術委員会▽公共工事委員会▽安全環境委員会▽防災委員会―の6委員会が今年度の活動を振り返った。
このうち企画運営委員会は震災対応の概要に加え、東北地方整備局、ネクスコ東日本東北支社と締結している防災協定の見直しの検討や、震災後にネクスコと本格復旧に向けた意見交換会を開いたことを報告。高速道路の本復旧が前例のない大規模工事となるため、施工上の問題点など課題と対応を話し合っている。また、技術委員会も同様にこの取り組みやアンケート調査を実施して諸課題の共有を図っていることを説明。このほか、今年度は東北整備局からアスファルト混合物事前審査機関の指定を受け、審査機関として業務をスタートさせているほか、道路保全技術センターから移管された舗装施工管理技術者資格試験も今年度から実施した。
また、公共工事委員会は東北整備局との道路建設に関する研究会を実施。次年度も継続する。また、宮城県土木部との意見交換も行い、復旧工事の課題を話し合った。
防災委員会は、「道建協東北支部の役割として、震災の対応状況、対応策を記録として取りまとめ、今後の参考として発信することが責務」とし、震災対応の状況を報告。仮設トイレや散水車をはじめとした資機材のほか、生活支援物資の提供、運搬を行うとともに、会員各社が道路復旧支援の活動を展開したことを説明した。さらに防災委員会では、今回の震災対応の反省点や評価を踏まえて災害協定をより実効性のあるものにするため、運用面の改善を図る検討を行っている。具体的には、ネクスコとの連絡体制、対策本部の設置基準、通信不通時の対策を話し合った。
このほか広報委員会からは道の駅へのAED寄贈や、ロードレポーターの取り組みを継続する方針が示されたほか、安全環境委員会は安全講習会や官民合同パトロールの実施などを報告した。

※建設ニュース面に掲載。


2011/12/12 【日本建設業連合会東北支部】
震災対応アンケート結果まとまる
復旧、物資提供など347件

日本建設業連合会東北支部(赤沼聖吾支部長)は東日本大震災の対応に関するアンケート結果をまとめた。それによると発注機関からの要請やボランティア活動など対応件数は347件に上った。
今後の災害対応に役立てようと総務・企画委員会が会員66社を対象に調査した。このうち48社(72・7l)が回答した。
発注機関からの要請は192件。宮城県内の自治体が36lを占める70件で最も多く、発災当日から仙台市の要請を受けて南蒲生浄化センターのがれき撤去、被災状況確認を行ったほか、地下鉄南北線の応急復旧、宮城県の要請による石巻港復旧などに当たった。このほか、国土交通省と電力関係が各26件(14l)、道路・その他が23件(12l)、鉄道関係が17件(9l)、岩手県内の自治体が14件(7l)、国に準じる機関が9件(5l)、福島県内の自治体7件(4l)と続く。
一方、ボランティア活動は138件。物資の提供が106件で77lを占めたほか、労務提供21件(15l)、義援金寄付が4件(3l)などとなった。
このほか、地元建設業者からの支援要請も宮城県内で14件、岩手県内3件と計17件あった。がれき撤去や重機、オペレーターの提供、人員派遣など幅広く対応した。
東北支部では「大震災発生後に通信、物流、主要交通機関、ライフラインがまひしている状況下にもかかわらず、復旧作業やボランティア活動に尽力し、多大な社会貢献をしている状況が分かった」としている。

※建設ニュース面に掲載。


2011/12/12 【国会】
復興庁設置法が成立・設置期間は10年間

東日本大震災の復興事業を統括する復興庁設置法が9日の参院本会議で可決、成立した。自民党・公明党の要請を受け、復興庁の権限を強化する方向に政府提出法案を修正。復興庁が復興事業の企画立案、予算要求、予算配分などを一括で実施することができるようにする。事業の予算執行は各省庁が担う。
復興庁には、復興相と副大臣2人を配置し、被災した岩手県、宮城県、福島県の東北3県の県庁所在地に出先機関の「復興局」を設置する。復興相に各省庁に対する勧告権を与えるなど、各省庁よりも一段高い位置付けとする。
復興に関係する公共事業などの予算編成は▽地元要望▽企画立案▽予算要求▽予算配分―などの一連の流れを復興庁が一括で行う。支出負担に関する実施計画の作成、執行(契約、発注、検査)は予算配分を受けた各省庁が担当する。
予算面だけでなく、各省庁に対する方針の提示から運用の監視、政策の見直しなど、震災復興のすべてのプロセスを復興庁が管理する。復興庁自らが重要な法案整備や企画立案を行ったり、各省庁に指示できるようにする。復興特区の指定や復興交付金の配分も決めることができる。
復興庁は2012年3月までに発足させる。設置期限は、復興基本方針で定める復興期間と同じ20年度までの10年間とする。

※建設ニュース面に掲載。


2011/12/09 【東北地方整備局】
日本建設業連合会東北支部と意見交換会を開催
CMは測量、用地など事業の「川上」に
入札手続き最大1ヵ月短縮

東北地方整備局と日本建設業連合会東北支部(赤沼聖吾支部長)の意見交換会が8日、開かれた。この中で整備局は、トンネルや橋梁工事に長期保証制度を適用することや異業種JVを検討していく考えを明らかにした。また、事業の効率化に向けて、工事の大型化に加え、WTOへの標準U型適用などで入札・契約手続き期間を最大1ヵ月短縮するほか、検討中のCM方式について施工部分ではなく測量や用地取得など事業の上流部に導入したい考えを示した。
東北整備局によると2011年度第3次補正予算は、東北に直轄1279億円と補助290億円を合わせて1569億円配分されているが、災害査定が終わっていない河川・海岸関係の災害復旧費を含めると2000億円以上に膨らむ見込み。査定が終わりしだい追加配分される。
こうした膨大な事業量を迅速に執行するため、▽復旧・復興工事等の大型化▽入札・契約手続き期間の短縮▽新規事業個所の事業執行に民間技術を活用▽発注者間の協力体制確保―に取り組む。
復旧・復興工事等の大型化では発注ロットの大型化とともに、一部工事を対象に事務所発注工事の範囲を現行の3億円未満からWTO(6億9000万円)未満に拡大する。
入札・契約手続きについては、提出資料の簡素化により公告から入札執行(開札)までの期間を短縮する。具体的にはWTOに標準U型を適用することで技術提案のテーマ数が2テーマから1テーマになり、提出資料を作成する負担が軽減される。また、施工計画の提出を求めない実績重視簡易型の適用を増やす。これらにより簡易と標準U型が約10日間、標準T型は約25日間、WTO対象は約1ヵ月間短縮される。
また、復興道路・復興支援道路の総延長が584q、このうち新規事業区間は224qに及ぶことから、事業執行に当たって民間技術を活用する。整備局では特に事業着手から着工までの数年間、測量、地質調査、設計、用地取得、関係機関との協議を円滑に進めることが復興を成功させるカギと認識。それらをトータルで管理する発注者支援業務として※CM(コンストラクション・マネジメント)方式を来年度にも導入する方向で検討している。
岩崎泰彦副局長は「これまでは施工でCMを試行してきたが、今回は事業の川上の部分での活用を検討している」と説明した。
このほか発注者間で「人材や資機材のバッティング」が考えられることから情報共有を図り、協力体制を確保する。
冒頭、徳山日出男局長は「いよいよ復興のモード。どうスムーズに進めるかが発注者、受注者にとって大きな問題だ」と述べ、迅速な復興に協力を要請。これを受けて赤沼支部長は「われわれとしても復興に向け、また社会資本整備の理解促進に向け努力していく」と応じた。
意見交換では、日建連側が「工事を大型化するのはうれしいが、今までと同じような管理技術者の施工経験を求められると入りづらくなる」とし施工経験の基準緩和を要望。併せて「現場代理人のマネジメント力を評価してほしい」と提案した。これを受けて整備局は、「基準をあまり落とすわけにはいかないが、工事の内容を見ながら検討したい」と回答した。
また、日建連側がコンサルタントと施工業者による異業種JVの活用について聞くと、整備局は「新規の部分が多く、全体のノウハウが不足している。異業種の組み合せもあり得る」との考えを示した。
このほか長期保証制度の運用について川嶋直樹企画部長は「トンネルや橋梁に長期保証を取り入れる。手続きを簡素化する一方、品質を確保するのもわれわれの責務。長期保証を取り入れることによってそういったところもカバーできる」と述べた。※CM方式=建設生産管理システムの1つで、発注者から委託されたCMR(コンストラクション・マネジャー)が設計・発注・施工の各段階で工程管理、品質管理、コスト管理などのマネジメント業務を行う。

※建設ニュース面に掲載。


2011/12/09 【日本空調衛生工事業協会東北支部・
          日本電設工業協会東北支部・
                      東北の主要発注機関】
2011年度・建築設備工事東北ブロック会議
連携した災害対応の在り方検討

日本空調衛生工事業協会東北支部(小野寺宏允支部長)、日本電設工業協会東北支部(大山正征支部長)と東北の主要発注機関による2011年度建築設備工事東北ブロック会議が8日、仙台市の江陽グランドホテルで開催された。
ブロック会議には、両団体から本部・支部を合わせて48人、発注者側からは東北地方整備局、東北防衛局、東北各県・仙台市の営繕・施設担当者16人が出席した。
初めに、日空衛東北の小野寺支部長が「建設業界では労働者不足、資機材単価の高騰などが予想される。協力して復興を進めるとともに、震災の反省を踏まえて各発注機関との連携や対応の在り方もしっかりと考えていきたい」とあいさつ。また、東北整備局営繕部の船木寮一設備技術対策官が、「今回の震災ではライフラインの途絶や節電に迫られたことも大きな問題。ライフラインを支える皆さんが担う役目は今後ますます大きくなる」と述べた。
意見交換のテーマは、▽工期延長に伴う増加費用の負担の明確化▽一般競争入札の予定価格の事前公表▽復興による今後の建築・設備工事の見通し▽分離発注の促進▽災害時の設備業界としての対応―の5項目。
震災発生時は各団体、各企業が迅速な対応に当たったが、今後も見据えた災害時の対応をあらためて考える必要があるため今回のテーマに設定。災害時の対応について、行政との連携の在り方や改善点、要請事項について行政側に意見を求めた。これについては、被災県と隣接県の各団体が連携できるよう、移動手段や燃料の課題を含めた応援体制を構築する必要性のほか、技術者の雇用確保や人材の有効活用を求める声があった。また、今後輻輳(ふくそう)化が予想される建築・設備工事の見通しでは、復旧工事による一般工事への影響は不明としたが、今後相当数出てくる復旧工事にもさらなる協力を求めた。
さらに業界側は、これまで継続して要望してきた分離発注について震災復旧工事においても配慮を求め、東北整備局や東北防衛局、宮城県や仙台市で今後の発注でも分離発注に努めるとする回答があった。
このほか、予定価格の事前公表について見直しを要請。福島県では原則事後公表としている一方、青森県や仙台市は事前公表を継続する方針で、積算内訳書や工事費構成費目内訳書の添付などで積算の有無を確認していることを説明した。秋田県では昨年度から一般土木工事で事後公表をモデル的に試行しているものの、建築・設備工事に適用する予定はないと回答した。
工期延長に伴う増加費用負担の明確化については、東北整備局が、公共建築工事共通費積算基準の改定により工期に応じた共通仮設費率や現場管理費率の算定ができ、4月から適用していると報告した。

※建設ニュース面に掲載。


2011/12/09 【厚生労働省】
放射線障害防止規則案まとまる
除染労働者の被ばく線量限度・5年で100mSv以下に

厚生労働省は、東日本大震災で生じた放射性物質などの除染作業に従事する労働者の健康障害を防止する(仮称)電離放射線障害防止規則案(除染則)をまとめた。労働者が受ける被ばく線量の限度を「5年間で100_シーベルトかつ1年間で50_シーベルト」を超えない量と定めるとともに、測定結果を30年間保存することも義務付ける。2012年1月1日に施行する。
有識者会議の「除線作業等に従事する労働者の放射線障害防止に関する専門家検討会」の報告書をベースにまとめた。放射性物質汚染対処特別措置法に基づき指定する「除染特別地域」(年間追加被ばく線量1_シーベルト以上の地域)などで汚染土壌の除去や汚染の拡散防止措置などに従事する労働者を対象としている。
労働者が受ける被ばく線量の限度は、5年間で100_シーベルト、1年間で50_シーベルトをいずれも超えない範囲で定める。妊娠する可能性がある女性労働者は3カ月間で5_シーベルトと線量の限度を低く設定している。
除染作業を行う事業者は、事前に作業方法・線量測定方法・被ばく低減などに関する作業計画を策定し、関係する労働者への周知を求める。労働者が受ける被ばく線量の結果は、事業者が30年間保存するか、5年間保存した後に厚労省の指定機関に引き渡す。雇い入れや配置転換の時点と、その後6カ月に1回被ばく歴の有無を調べる特別健康診断の実施も求めた。健康診断の結果も30年間保存する。
放射性物質を扱う労働者の健康障害を防止する規則には、医療施設や原子力発電所などの屋内作業を対象とする電離則があるが、主に屋外で行われる除染作業を想定したものはこれまでなかった。厚労省は12日まで除染則に関する意見募集を行い、2012年1月1日に施行する。除染の作業内容などに関し、実用的な対策を盛り込んだガイドラインも12月中にまとめる予定でいる。

※建設ニュース面に掲載。


2011/12/08 【国会】
津波防災地域づくり法が成立
危険性の高い地域で一定の開発・建築を制限

津波に強い地域づくりを目的とした「津波防災地域づくり法」が7日、参議院本会議で可決、成立した。都道府県が、津波浸水の恐れがある区域や浸水した場合に想定される水深を設定した上で、特に危険性が高い地域で一定の開発・建築などを制限できる仕組みを創設する。市町村が津波防災地域づくりを総合堤に推進するための「津波防災推進計画」を策定すれば、その計画区域内での土地区画整理事業や津波避難建築物の容積率規制に特例措置を講じて、防災機能を強化する。
この法律は、東日本大震災の津波で甚大な被害が生じた教訓を踏まえ、津波に強い地域づくりを全国で推進することが狙い。公布から2ヵ月以内に施行する。
法運用に当たっては、まず国交相が津波防災地域づくりの推進に関する基本的な指針を定める。基本指針では、津波浸水想定や津波防災推進計画の設定、津波災害警戒区域、津波災害特別警戒区域の指定などの基本的な考え方を示す。
都道府県は、津波災害が発生する恐れがある区域の地形・地質などを調べる基礎調査を実施した上で、基本指針に基づいて津波浸水想定を設定。津波被害の恐れがある区域を「津波災害警戒区域」、特に危険性が高い区域を「津波災害特別警戒区域」に指定する。特別警戒区域では、社会福祉施設や学校、医療施設の建設に伴う開発行為や、津波に対して安全な構造を持つ建物以外の建築を制限する。
市町村が策定する津波防災推進計画は、▽津波防災地域づくりの総合的な推進に関する基本的な方針▽津波浸水想定に定める浸水区域での土地利用・警戒避難態勢の整備に関する事項▽津波防災地域づくりの推進に向けた事業―などで構成する。津波防災推進計画区域内の土地区画整理事業では「津波防災住宅等建設区」を定めて移転を促進する。また、津波からの避難に役立つ建築物の容積率を緩和する。


2011/12/08 【国会】
復興特区法が成立・被災地に規制緩和や特例措置など

東日本大震災の被災地に規制・手続きの特例措置や税財政上の支援措置を与える復興特区法が7日の参議院本会議で可決・成立した。国会審議の中で、政府提出法案に、被災自治体が規制緩和措置などに対する意見書を国会に提出できる規定を設けたり、復興交付金の使途を拡大するなどの修正を行った。
復興特区制度は、震災で「特定被災地域」に指定された11道県222市町村が実施する復興事業を対象に、国がワンストップで総合支援を行う仕組み。被災自治体は、復興プロジェクトを進める上で必要な規制・手続きの特例措置などを復興推進計画、復興整備計画、復興交付金事業計画として国に提出する。
同制度で可能な特例措置には▽土地利用再編を行うたための特別措置▽工場立地法の緑地規制の特例▽小水力発電に関する省庁協議の簡素化▽用途規制の緩和▽津波避難建物の容積率緩和―などがある。総額1兆9、307億円(地方負担含む)に上る復興交付金を財源に財政支援も行う。
7日に成立した復興特別法は、自治体が特例措置に関する意見書を国会提出し、議員立法で規制緩和を拡充できるよう政府提出法案を修正。復興交付金の使途に、電力事業者が賠償すべき原発事故関連の損害などを追加した。


2011/12/08 【地域型復興住宅連絡会議】
来年3月メドに消費者向けパンフ作成
岩手・福島・宮城で合計3万5000部発行へ

被災3県の地域型復興住宅連絡会議が6日、仙台市の宮城県建築設計会館で開かれ、来年3月をメドに復興住宅の消費者向けパンフレットを作成する方針を承認した。
パンフレットは各県建築士事務所協会が中心となって進めている地域型復興住宅の普及を目指して、住宅金融支援機構と同連絡会議が共同で作成する。
内容は、各県ごとの復興住宅と標準工事費の具体的プランを3つほど例示し、被災者の復興住宅づくりを支援する。発行部数は岩手と福島両県がそれぞれ1万部、宮城県は1万5000部を想定している。
会議では住宅金融支援機構の麻生隆東北支店長が「消費者に周知し、希望のともしびとして使えるツールにしたい」と述べた。
また、アドバイザーとして出席した国土交通省国土技術政策総合研究所の水流潤太郎副所長は「市町村が整備する木造の災害公営住宅に、この成果を使ってもらうことも考えられる」と期待感を示した。
各県ごとの地域型復興住宅プランは14日の全体会議で最終取りまとめが報告される。

※建設ニュース面に掲載。


2011/12/07 【東北地方整備局】
東北整備局・復興道路の整備へ12年度にもCM導入


東北地方整備局は、復興道路整備に当たって2012年度にもCM(コンストラクション・マネジメント)方式を導入する。5日、徳山日出男局長が会見で明らかにした。
この中で徳山局長は東北で試行的に導入した胆沢、森吉山両ダムのCM方式の仕組みにこだわらず、国際的に通用する仕組みを柔軟に検討しているとした。CMRの範囲や発注方式など具体的な内容について外部の意見を聞きながら詰めていく考え。導入に当たっては試行ではなく、「持続可能で業界が育成されていくような方法」を本格実施する見込みだ。
CM方式については国土交通省が11月4日に開いた社会資本整備審議会道路分科会基本政策部会で、三陸沿岸道路などの復興道路・復興支援道路に採用する方針を示していた。


2011/12/02 【国土交通省】
復興道路整備の体制強化へ42人を東北に長期派遣

第3次補正予算が成立し復興道路整備が本格的にスタートしたことを受けて国土交通省は1日、全国の地方整備局職員42人を東北地方整備局の5事務所に長期派遣し、体制強化を図った。
派遣先は三陸国道事務所に29人、岩手河川国道事務所に4人、仙台河川国道事務所に5人、福島河川国道事務所と磐城国道事務所に各2人。これに河川・海岸堤防の復旧で長期派遣中の23人を合わせた65人の長期派遣は過去最大規模となる。
三陸沿岸道路を中心とした復興道路の総延長は584q。このうち3次補正で認められた新規区間は38%に当たる224q、事業中区間は27%に当たる155qで、両区間の残事業費は約1兆4000億円となっている。
国交省はこれまで、全国の地方整備局からテック・フォースやリエゾンの短期派遣により自治体や被災者支援を行っていたが、今回の長期派遣により、復興道路整備の早期完成を目指す。

※建設ニュース面に掲載。


2011/12/01 【東北防衛局】
2011年度・3次補正分の発注見通しを公表
WTO対象の6件含め工事13件

東北防衛局は第3次補正予算分の発注見通しを公表した。それによると、すべて東日本大震災により被災した施設の整備事業で、工事はWTO対象6件を含む13件とし、いずれも詳細図面の作成を含む。業務は工事監理業務のみ10件となっている。
工事、業務のいずれも一般競争入札で発注を予定し、公告時期は工事13件がすべて第3・四半期、業務8件はすべて第4・四半期を見込んでいる。3次補正分の工事のうち、一部は近く公告する予定で、WTO対象案件など残る工事も12月下旬をメドに公告する見通し。なお、このほか当初予算や1次補正で予算を確保している未発注の工事についても、年内をメドに公告する見通し。
3次補正分のWTO対象案件は、宮城県の松島基地でかさ上げや誘導路整備を行う「松島(23震災関連)格納庫舗装等工事」、宮城県の船岡駐屯地と仙台駐屯地でそれぞれ庁舎を新設する「船岡外(23震災関連)庁舎新設等建築その他工事」、6県の駐屯地を対象とする「陸自八戸外(23震災関連)電源設備新設等電気その他工事」の3件が15億円以上30億円未満。
このほか、宮城県松島基地の格納庫を改修する「松島(23震災関連)格納庫改修建築その他工事」、青森駐屯地と岩手駐屯地でそれぞれ庁舎を新設する「青森外(23震災関連)庁舎新設等建築その他工事」、青森県大湊航空基地で燃料タンク新設などを行う「大空(23震災関連)燃料施設整備土木その他工事」の3件が6億9000万円以上15億円未満となっている。
※詳細は、12月1日付本紙一面を参照。


2011/12/01 【日本財団】
福祉拠点施設に対する助成・東北分は21事業

日本財団(東京都港区)は東日本大震災で被災した福祉拠点施設に対する助成事業を決定した。
件数は全国で23団体、27事業で助成総額は1億4、904万円。東北分は岩手県が釜石市身体障害者協議会(釜石市)の母子寮改修による工場再建など3事業、宮城県が仙台つるがや福祉会(仙台市)やみどり会(同)など14事業、福島県が心愛会(郡山市)や誠心会(いわき市)など4事業の合計21事業。
日本財団は「東日本大震災で被災した団体」を対象に今回の助成事業を5月から9月末まで公募していた。補助率も通常の改修助成80lから100lに変更し、被災した福祉施設や機器、支援車輌などの支援体制を整えていた。
※詳細は、12月1日付本紙一面を参照。


2011/12/01 【東北地方整備局】
広報講演会を開催 災害時の情報発信はツイッター活用を

東北地方整備局の広報講演会が、仙台市のハーネル仙台で行われた。
広報講演会は毎年、広報のレベルアップ、スキル向上のために開催しているもので、今年は、ユニバーサルワークス代表の清家順氏が「災害発生時のインターネットによる情報発信」と題して講演し、約140人が聴講した。
清家氏は講演で、災害時に通信回線の障害やサーバ損傷、アクセス増加などでウェブが機能しなくなることを踏まえ、代替ツールとして、公式ウェブサイトがダウンしても発信可能なTwitter(ツイッター)の活用や、代行発信を依頼するなど自治体間協定を結んでおくことを提案した。ツイッターの活用事例として、宮城県気仙沼市危機管理課が、東日本大震災発生時に行動指示情報を中心にツイート(書き込むこと)した内容を紹介した。

※建設ニュース面に掲載。


2011/11/30 【東北圏広域地方計画協議会】
シンポジウム「東日本大震災、被災地からの証言」
「規制緩和が不十分」「マニュアルにとらわれるな」
防災、復興の課題浮き彫り

「規制緩和が不十分」「マニュアルにとらわれると危険」「個人、企業の発展に税金投入を」−。28日に東京都千代田区の日本教育会館で開かれたシンポジウム「東日本大震災、被災地からの証言」では自治体首長や企業幹部の証言から、復興や防災上のさまざまな課題が浮き彫りになった。会場には全国から自治体関係者など約800人が集まり、今後の安全・安心の地域づくりや防災対策のヒントを探った。
シンポジウムは東北圏広域地方計画協議会(会長・高橋宏明東北経済連合会会長)が、東日本大震災から得た課題、教訓を全国に発信しようと行ったもの。
徳山日出男東北地方整備局長をはじめ上野善晴岩手県副知事、戸羽太岩手県陸前高田市長、菅原茂宮城県気仙沼市長、立谷秀清福島県相馬市長、岩手県内でスーパー「マイヤ」を展開する米谷春夫社長、トヨタ自動車の神島清司総務室長の7人が震災後の取り組みや課題を説明した後、「東北圏の教訓と課題を生かすために」と題して意見交換した。
自治体の首長からは産業復興を重視し、規制緩和など柔軟な対応を国に求める意見が相次いだ。
戸羽陸前高田市長は被災企業に対する支援制度の充実を訴え、菅原気仙沼市長は「個人や企業の資産形成に対して税金を使えない大原則がある。8ヵ月間で徐々に緩和されているが不十分だ。これによって復興が遅れている」と指摘。さらに「復旧の原則は現状回復だが、被災した企業や個人が将来に向けてより発展するために税金をどう使うかが課題。やがて成長する三陸のために税金を投入してほしい」と要望した。
立谷相馬市長は「被災者が立ち上がるためには雇用が問題。じっくり腰を据えて、被災者が立ち上がるために何をすべきか考えなければならない」と述べた。
国と自治体の役割について上野岩手県副知事は「国は縦割り意識が残っているのが課題」と強調し、「復興庁が自動的に設置され、そこに行けばすべてのことがワンストップでできる枠組み」や「現場主義徹底のため基礎自治体に権限を移譲できるスキーム」を作っておくべきとの考えを示した。
また、戸羽陸前高田市長は「マニュアルを住民と一緒に作ることは大事だが、一方でそれにとらわれすぎてもいけない」と自分で判断することの重要さを説いた。
今後の備えについて米谷氏は「リスクマネジメントの中でも特に、地震が発生した時どうするかというクライシスマネジメントの準備が必要」と強調。併せて強力なリーダーシップの下、実践的な防災訓練を行うことが重要と訴えた。
このほか、トヨタの神島氏は「即断即決をできる人材がいるかどうか。企業も行政も人の面で厚みを持つべき」と指摘。徳山局長は「平時と非常時の切り替えが重要だ。平時に正しいことでも非常時に非常識になることがたくさんある」と述べ、非常時における国、自治体、民間の役割を考えるべきとの考えを示した。

                   
              ※シンポジウムにて、発言する戸羽陸前高田市長(クリックで拡大)。

※建設ニュース面に掲載。11/29掲載(本ページ)に関連記事。




2011/11/30 【厚生労働省】
医療施設等復旧補助9次・東北は12施設に交付

厚生労働省は、東日本大震災等で被災した医療施設に対する災害復旧費補助金の第9次内示(11月21日付け)を行った。
全国総額は3億9521万7000円で、このうち東北地方は岩手、宮城、福島の各県4施設ずつ12施設に交付され、内示額は岩手県が7027万4000円、宮城県が7632万1000円、福島県が2261万7000円となっている。内示を受けた各医療施設は次の通り。
《岩手県》▽平野内科医院(釜石市) ▽湊医院(釜石市) ▽小泉医院(釜石市) ▽せいてつ記念病院(釜石市)
《宮城県》▽宮城県立こども病院(仙台市) ▽猪苗代病院(気仙沼市) ▽佐藤徹内科クリニック(南三陸町) ▽村岡外科クリニック(気仙沼市)
《福島県》▽渡辺病院(南相馬市) ▽南相馬市立総合病院(南相馬市) ▽相馬中央病院(相馬市) ▽小野田病院(南相馬市)
※補助額は本紙一面を参照。



2011/11/30 【環境省】
石綿飛散防止対策徹底を 被災自治体に通達

環境省は、東日本大震災で被災した建築物の解体工事の発注者に、アスベスト飛散防止対策の徹底を求める。28日付で、宮城県など7県に解体工事の発注段階で対策の実施を盛り込むよう通達した。各県が市町村に対しても対策の実施を求める。民間建築物の解体工事についても、国土交通省を通じて関係業界団体や事業者に対策の徹底を呼び掛けていく方針だ。
被災建築物の解体工事をめぐっては、6月に茨城県で、さらに11月にも栃木県でアスベストの飛散事例が見つかっている。
第3次補正予算の成立で、震災で半壊・一部損壊した建築物の解体工事が今後急増することが見込まれる。一方、環境省によると被災地では、飛散防止対策への認識が甘かったり、技術力のない請負者が解体工事を施工し、アスベストが飛散していると懸念する声が広がっているという。
このため同省では▽青県▽岩手県▽宮城県▽福島県▽茨城県▽栃木県▽千葉県−の7県に通達し、公共施設の解体工事を発注する県下の市町村に対策の徹底を呼び掛けるよう求めた。
契約時に、石綿作業主任者など有資格者の配置を徹底するよう要請。作業時の具体策としても、同省の「建築物の解体等に係る石綿飛散防止対策マニュアル2007」を参照し、アスベスト含有建材を除去する場合に常時散水するなどの湿潤化、集じん・排気装置の適切な維持管理などの実施を求めた。

※建設ニュース面に掲載。




2011/11/29 【東北圏広域地方計画協議会】
東京でシンポジウム開催 震災時の課題、教訓を証言

東北圏広域地方計画協議会(会長・高橋宏明東北経済連合会長)の主催による東北圏広域地方計画シンポジウム「東日本大震災、被災地からの証言」が28日、東京都千代田区の日本教育会館で開かれた。当日は約800人が参加する中、被災地の首長や企業の社長らが教訓、課題などを訴えた。
冒頭、高橋会長は今回の震災を踏まえて「通信環境や輸送路の代替機能確保など貴重な教訓が得られた。これを今後の地域づくりに生かすために、全国に発信し、災害に強い、地域づくりを進めていかなければならない」と強調した。
岩手県陸前高田市の戸羽太市長は「現在の法律が復旧、復興を妨げる現実がある」とし、仮設店舗を設置する場合に農業振興地域であることなどが課題になっていることを指摘し、「非常事態には国から自治体に権限を委譲するなどスピード感ある対応が絶対必要」と訴えた。
菅原茂宮城県気仙沼市長は「三陸道がもっと早く整備されていれば命の道として多くの人が助かったのではないか」と述べ、国が1 0年後の開通を目指している三陸沿岸道について「7年ぐらいで造ってほしい」と早期開通を求めた。
また、岩手県の陸前高田市や大船渡市にあるスーパー「マイヤ」の米谷春夫社長は、震災を想定した対応マニュアルを事前に策定し、訓練を行っていたことが迅速な避難につながったことを説明した。
このほか、トヨタ自動車の神島清司氏、立谷秀清福島県相馬市長、上野善晴岩手県副知事、徳山日出男東北地方整備局長が震災時の取り組みを証言した。

※建設ニュース面に掲載。




2011/11/29 【鹿島】
鹿島秋田営業所主催で技術キャンペーンを開催
地震津波対策、再生エネなど中心に

鹿島秋田営業所が主催する「鹿島技術キャンペーンinあきた2011」が25日、秋田市のイヤタカで開かれ、地方自治体、設計事務所、民間企業などから約100人が参加した。
冒頭にあいさつに立った柴田一之秋田営業所長は、「当社は地震発生直後から、地元業者やコンサルタントとともに復旧・復興に活動を続けており、今回のテーマを設定するに当たって、東日本大震災に関連する事項は避けて通れなかった。今回のキャンペーンが皆さんの事業に役立つよう願っている」と述べた。
続いて▽東日本大震災の概要と鹿島の地震津波技術(講師・池谷毅技術研究所主席研究員)▽再生可能エネルギーの今後と鹿島の取り組み(講師・土谷学環境本部新エネルギーグループ長)▽鹿島の環境配慮建築への取組み(講師・弘本真一建築設計本部設備設計統括グループチーフ)▽耐震・制震・免震について考える(講師・竹中康雄建築設計本部設構造設計統括グループシニアマネージャー)―の4つの講演を行った。
最初のテーマでは地震や津波、地盤液状化、土木構造物の被害の概要を紹介し、それぞれの対策技術を紹介。「防波堤などについては最大級の津波の発生を想定した粘り強い構造にすることが必要」とし、鹿島としては津波の想定のための解析、防災施設の構造形式や鉛直避難所などの検討を進めているとした。
液状化対策としては、離れた地点から自在ボーリングで地盤改良を行うCurveX工法などを紹介。今回の震災でも施工個所に影響はなかったと語った。土木構造物の技術については、耐震性の高いHiDuc橋脚構造、土中構造物の内側からの補強などに有効なセラミックキャップバー(CCb)を概説した。
再生可能エネルギーに関する話題では、主に風力発電と太陽光発電に関する最近の話題と基礎知識、施工事例と自社の取り組みを解説。特に風力発電については「予定の発電量を達成できないのは事前の風況調査の精度が原因ではないか」と指摘した。また、スマートグリッドやバイオ燃料の分野での取り組みも示した。
環境配慮建築のテーマでは、「KIビルZEB化リニューアル」「Akasaka K TOWER」「鹿島技術研究所本館研究棟」の3件を例に挙げ、省エネルギー化と二酸化炭素削減を目指す技術を例示。人密度検知人感センサーによる空調・照明制御システムや、対流促進型放射空調システム、負荷の状況に応じて空調の運転モードを変えるマルチ・アドバンスシステム、明るさ感演出タスク・アンビエント照明システムなどを概説した。
制震・免震技術に関しては、施工例を挙げながら、超高層ビルなどに免震構法を採用できるウインカー工法をはじめとした技術メニューを紹介した。



2011/11/28 【東北地方整備局】
宮城を皮切りに復興道路会議を開催
スタートダッシュへ連携強化

早期復興のリーディングプロジェクトとなる復興道路の整備促進に向けて東北地方整備局は25、26日に岩手、宮城、福島の3県で復興道路会議を開催した。皮切りとなった宮城では、徳山日出男東北整備局長が「スタートダッシュが復興のカギ」と強調し、関係自治体の首長に協力を要請した。
国土交通省が復興道路と位置付け10年後の全線開通を目指しているのは三陸沿岸道路359`b(新規事業化区間148`b)、宮古盛岡横断道路100`b(同48`b)、東北横断自動車道釜石秋田線80`b(同17`b)、東北中央自動車道45`b(同11`b)の計584`b。このうち新規事業化区間224`bについては国の第3次補正予算で事業費930億円が盛り込まれている。
宮城県内では三陸沿岸道路23`bと、仙塩道路、矢本石巻道路の4車線化の新規事業化が認められた。これに事業中の区間29`bを含めた事業費は約2、700億円を試算している。
進行役を務めた徳山東北整備局長は、高規格道路の事業着手から開通までに平均18年かかっていることを説明した上で、「復興予算は長期になる覚悟が必要」と述べたほか、「1、2年目に前倒するスタートダッシュがカギ」と強調した。
また、東北整備局は円滑な事業推進に向けた課題として、「事業進捗への合意形成」を掲げ、全国的な復興事業への理解や事業調整、手続きなどに関する関係機関の協力、県民の協力が必要とした。このうち手続き関係で予想される課題としては、埋蔵文化財調査が通常の50倍、必要な道路用地が県内だけで8年分に上る見込みを示した。
会議では村井嘉浩知事は「事業促進と一日も早い全線開通を目指して協力してほしい」と呼び掛け、これを受けて関連自治体の首長が全面的に協力することを約束した。東北経済連合会の高橋宏明会長は「経済界としても機会があるごとに必要性と早期完成を訴えたい」と述べた。

※建設ニュース面に掲載。




2011/11/28 【日本建設大工工事業協会】
2011年度の型枠大工雇用実態調査
来年度は震災の影響で深刻な「ひっ迫」の可能性

日本建設大工工事業協会(日建大協、三野輪賢二会長)は、2011年度の型枠大工雇用の実態調査報告をまとめた。職長を含む技能工の総数は10年度と比べ5l減少。09年度以降、2年間で17lと大幅に減っている実態が明らかになった。一方、東日本大震災の復興需要が12年4月以降本格化し、「12年度の型枠技能工の逼迫(ひっぱく)は、いままで建設業界が経験したことのないほど深刻なものになる」と警鐘を鳴らしている。
8月31日時点の雇用状況を調査。非会員企業2社を含む187社が回答。職長と技能工を合わせた型枠就労者数は1万0、373人で、10年度と比べ5l減少した。
地域別では全地域で減少。特に近畿(前年度比14l減)と東海・中部(10l減)で大幅に減った。アンケート協力会社からは「東日本大震災の影響で東北地方からの出稼ぎが極端に減少。関東地域の技能工不足の影響で、ほかの地域より低単価が続く近畿・東海地域からの職人流失が起こっている」という声が寄せられた。
今後の技能工の過不足については、11月末の時点で81lが「逼迫する」と答えた。従来であれば需要が減る2月末の予測でも、60lが「逼迫する」と回答。「余裕がある」と見る企業(20l)を大幅に上回った。特に関東地域では82lが逼迫を予測している。
技能工の1日の平均工賃は、1万3、296円で、技能工不足を背景に前年より2l上昇した。しかし、ゼネコンからの発注施工金額は現状を反映せず、施工会社の経営を圧迫しているという。
技能工の年齢構成では、55.64歳の年齢層が前回の22lから24lに増加。一方、15.24歳の割合は7lから6lに低下した。65歳以上では退職が進み、9lから6lに低下した。「単価の暴落により、若い世代の新規入職が減る一方、団塊世代の退職やリストラが進んだ」と協会では見ている。
今回の報告では、今後10年間の就業者数と年齢構成の変化も予測した。10年後の21年のシミュレーションでは、高齢化による自然減だけで技能工は14l減少。若年層の取り込みが進まないと、16年度以降、減少のスピードが加速するという。年齢構成は、21年に45歳以上が66lを占め、平均年齢は53歳程度まで上昇。一方、20歳代後半.45歳の層は28l程度。
調査結果を踏まえ、1月以降、国土交通省や日本建設業連合会に対して、基幹技能者の配置の義務化や元請けのダンピング防止など、技能者の就業環境の改善を訴えていく方針だ。

※建設ニュース面に掲載。




2011/11/24 【東北地方整備局】
東北港湾の復旧基本方針 ・ 湾口防波堤復旧は5年以内

東北地方整備局は「東北港湾の復旧・復興基本方針」をまとめた。
対象は、八戸、久慈、宮古、釜石、大船渡、石巻、仙台塩釜、相馬、小名浜の9港湾および岩手県、宮城県、福島県に位置する地方港湾13港。
港湾機能の早期回復へ向けて、産業・物流上特に重要な港湾施設についてはおおむね2年以内をメドにすべての施設の本格復旧を完了する。復旧に期間を要する施設(防波堤)は計画的に復旧を進めるとし、各港に設置された復興会議で施設ごとに復旧スケジュールを策定して、公表する。
地盤沈下した施設はかさ上げで対応し、技術上の基準と利用者の意見を踏まえてかさ上げ高を決める。防波堤は港湾利用企業の操業再開と歩調を合わせて復旧。湾口防波堤はおおむね5年以内の復旧を目指す。地方港湾では岩手県八木港、宮城県松島港のかさ上げや、女川港などで将来の港湾・漁港の利用再編の検討を進める。
各港の津波防災施設の復旧方針は次の通り。▽八戸港=既存の防潮堤と合わせ必要に応じ新たな防護ラインを形成▽久慈港=これまで同様、防潮堤と湾口防波堤を総合的に組み合わせた防護ラインを形成▽宮古港=既存の防護ラインを元に海岸保全施設の早期復旧、ならびに未整備区間の整備を行う▽釜石港=湾口防波堤と防潮堤を組み合わせた総合的対策を行う。湾口防波堤は5年以内での完了を目指し復旧に着手するとともに防潮堤等の海岸保全施設の復旧を進める▽大船渡港=同▽石巻港=防潮壁を設置。防潮壁の一部が民有護岸にかかる場合は、護岸を公共帰属した上で設置▽仙台塩釜港=同、塩釜港区では他機関とも連携した防護も検討▽相馬港=防護ラインの設定や防波堤の補強などの津波対策を検討▽小名浜港=同

※建設ニュース面に掲載。




2011/11/25 【国土交通省】

第3次補正予算の執行へ通達・復旧復興事業は適切な規模での発注を

第3次補正予算の成立を受けて国土交通省は、被災地での復旧・復興事業の迅速化・効率化に向けて適切な規模での発注に努めることなどを、各発注機関に21日付で通達した。下請けに対する請負代金の適切な支払いをはじめ、建設業法関係規定の順守を元請けに徹底することも要請。都道府県政令市にも参考送付した上で、管内市町村に周知徹底を求めた。
この通達は「平成23年度第3次補正予算等に係る国土交通所管事業の執行について」と題し、事務次官名で地方整備局など直轄事業を所管する機関のほか、気象庁などの外局や独立行政法人などに宛てて送付した。
この中では、東日本大震災から早期復旧・復興するため、補正予算による追加事業を速やかに実施する必要性を強調。その上で、入札契約手続きの実施に当たり、透明性・競争性を確保するとともに、総合評価方式での提出資料の簡素化などにより可能な限り手続き期間の短縮に努めるよう求めた。また、復旧・復興事業について、事業執行の迅速化、効率化に役立つよう、適切な規模の発注に努めることとした。
工事の発注に当たっては、被災地での前金払い割合の引き上げをはじめとした特例の活用や、地域建設業経営強化融資制度での支払い事務の迅速化などによって、建設業の資金繰り対策を特に強化するよう求めた。さらに、下請けに対する請負代金額の設定やその支払いが適切に行われるよう、建設業法など関係規定の順守を元請けに徹底する必要性も指摘した。
中小建設業への配慮としては、6月に閣議決定した「中小企業者に関する国等の契約の方針」の趣旨を踏まえ、被災者雇用などにも配慮しつつ、地域の中小建設業者などの受注機会確保に努めるよう求めた。


公益的民間施設の復旧事業に前金払の取り組みを要請

国土交通省は、社会福祉施設や私立学校といった公益的民間施設の東日本大震災での復旧事業に際し、建設業者への前金払を適切に実施するための取り組みを、22日付で都道府県などに要請した。
国や地方自治体が被災地での公共工事の前金払割合を引き上げる特例を設けたことを踏まえ、これら施設でも国などに準じた対応が必要とした。復旧事業以外についても前金払への配慮を促した。国交省によると「公益的民間施設に対する前金払の要請は初めて」という。
東日本大震災の復旧・復興を円滑化するため国交省は今年4月、公共事業の前金払割合の上限を工事で4割から5割、業務で3割から4割に引き上げた。同省の調べによると、7月末現在で前金払割合を引き上げた公共機関の数は110機関となっている。
公益的民間施設は、事業主体が民間企業・団体でありながら公益的な役割を持つ施設で、私立学校や社会福祉施設(医療・介護施設、障害者支援施設、児童福祉施設など)が含まれる。これらの施設には前金払は義務付けられていないが、国や地方自治体の補助金が交付されている現状を踏まえ、国や地方自治体に準じた特段の配慮を求めることにした。
また、復旧・復興以外の公共事業や、被災地以外での公共事業についても、これに準じた配慮を行うことが望ましいとした。
要請に当たっては、各都道府県の建設業担当部局に対し、公益的民間施設の関係部局や関係団体についての周知・徹底を求めたほか、前金払の主体となる建設業保証会社に業務体制の整備を促した。このほか、公益的民間施設を所管する文部科学省や厚生労働省に加え、建設業団体にも参考通知した。

※建設ニュース面に掲載。




2011/11/25 【日本建設業連合会】
大規模自然災害発生時の対応基準を策定
12時間以内の緊急災害対応−など規定

日本建設業連合会(日建連)は、大規模自然災害発生時の活動や体制整備の在り方を示した「災害対応基準」を策定した。この中では就業時間中に災害が発生した場合、12時間以内に緊急災害対応を行うことなどを規定している。
4月に発足した「新日建連」としての災害対応活動を、会員の理解と協力の下で迅速・組織的に行うことを目指したもの。今後この基準に沿って、災害対応のマニュアル類を整備する。
大規模災害時の活動を、関係行政機関からの要請に基づくものと、自主的判断によるものに分けて提示。行政機関の要請を踏まえたものは、応急危険度判定士の派遣や災害協定に基づく対応など。自主判断による活動は、節電計画などの策定や義援金拠出の呼び掛け、意見表明・要望活動などがある。
災害発生時の対応については、「緊急災害対策本部の設置〜関係行政機関・会員会社との連絡・調整〜緊急災害対応活動の開始」―といった活動の流れを明示。さらに、各活動を実施する目標時間を、災害が就業時間中に発生した場合と、夜間・休日に発生した場合に分けて設定している。
例えば、東京23区内で震度6弱、その他地域で震度6強以上の大規模地震が発生した場合、緊急災害対策本部を、就業時間中では3時間以内、夜間・休日では6時間以内に設置する。また、緊急災害対応は、就業時間中では12時間以内、夜間・休日では24時間以内に開始する。
応急復旧工事は、日建連各支部が国土交通省の各地方整備局と締結している災害協定に基づき、各支部の対策本部が主体となって実施。資機材の調達・運搬は、支部長・副支部長会社を中心に、支部会員会社と連携して対応する。

※建設ニュース面に掲載。




2011/11/24 【国土交通省】
住宅エコポイント制度が復活
新築は10月21日以降分が対象

国土交通省は、第3次補正予算で復活した住宅エコポイント制度の実施要領をまとめた。エコ住宅の新築は10月21日〜2012年10月31日の着工分を対象とし、被災地には原則として1戸当たりポイント30万、その他地域には15万ポイントを付与。エコリフォームは2011年11月21日〜2012年10月31日の工事着手分が対象で、30万ポイントを上限とする。ポイントは被災地の産品・商品券、義援金などに交換できる。
住宅エコポイント制度は、一定の環境性能を持つ住宅の新築やエコリフォームに対し、商品券などに交換できるポイントを付与する仕組み。2010年3月から運用を始め、一度は2011年7月着工分で制度を打ち切った。しかし、被災地復興を後押しする観点から、第3次補正予算に復活のための事業費を計上していた。
新たな制度の名称は「復興支援・住宅エコポイント制度」で、全体の枠組みは従来の制度を踏襲する。ただし、被災地と被災地以外で付与するポイントに差がある点などが異なる。
エコ住宅の新築に当たっては、2011年10月21日〜2012年10月31日の着工分を対象とする。工事内容は▽省エネ法のトップランナー基準(住宅事業建築主の判断の基準)相当の住宅▽省エネ基準(1999年基準)を満たす木造住宅−のいずれかに該当することが要件。発行するポイント数は被災地が30万ポイント、その他地域が15万ポイント。これに併せて太陽光発電システムを設置する場合は2万ポイントを加算する。
エコリフォームは2011年11月21日〜2012年10月31日の工事着手分が対象で、工事内容は▽窓の断熱改修▽外壁、屋根、天井、床の断熱改修−を想定。これらに併せて、バリアフリー改修や住宅設備(太陽熱利用システム、節水型トイレ、高断熱浴槽)の設置、リフォーム瑕疵(かし)保険への加入を実施する場合はそれぞれポイントを加算する。耐震改修の場合は上限を超えてポイントを付与する。
ポイントの申請期限は▽エコ住宅の新築(一戸建て)が2013年4月30日▽エコ住宅の新築(共同住宅など)が2013年10月31日(ただし、11階建以上は2014年10月31日)▽エコリフォームが2013年1月31日(ただし、10階建以下で耐震改修を行う場合は2013年10月31日、11階建て以上で耐震改修を行う場合は2014年10月31日)−とする。
同制度に関する相談は、住宅エコポイント事務局(電話 0570−200−121)まで。

※建設ニュース面に掲載。




2011/11/24 【中小企業庁】
復旧・復興への地元中小企業活用を国、自治体に要請

中小企業庁は、第3次補正予算の成立に伴い、東日本大震災の復旧・復興工事などで中小企業の受注機会の増大を図るよう、国の発注機関や全国の地方自治体など359団体に要請した。東北4県に対しては、復旧・復興事業のスピード感を失わないため、大手企業が元請けとして受注する際でも、地域の中小企業が下請けとして活用されるよう配慮を求めた。
要請は、国の各府省と所管の独立行政法人、都道府県、人口10万人以上の市などを対象とした。3次補正に限らず、すでに成立済みの当初予算、1次・2次補正でも中小企業の受注機会の確保を求めている。
要請の具体的な内容は、6月に閣議決定した国の契約方針に盛り込まれた▽適正な納期・工期の設定と迅速な支払い▽分離・分割発注の推進▽官公需適格組合などの活用▽適切な地域要件の設定▽地域精通度の適切な評価▽中小企業向け工事の早期発注―など。
被災した青森県、岩手県、宮城県、福島県の4県には、大手企業が復興事業を受注する場合でも、地域の中小企業が2次・3次下請けとして活用されることを求めた。
総額約12兆1025億円に上る3次補正は、公共事業費に1兆4734億円、東日本大震災復興交付金に1兆5612億円を計上するなど、東日本大震災の本格的な復旧・復興事業を後押し。被災地外の公共事業に対しても、全国的な防災力向上を目的とする全国防災対策に5752億円を計上している。

※建設ニュース面に掲載。




2011/11/24 【日本道路建設協会東北支部】
道の駅2ヵ所にAED贈る
今年は「さんりく(岩手県大船渡市)」と「よつくら港(福島県いわき市)」

日本道路建設業協会東北支部(早稲田高茂支部長)は、道の駅「さんりく」(岩手県大船渡市)、「よつくら港」(福島県いわき市)にAED(自動体外式除細動器)を寄贈した。
道建協では2008年から、CSR活動の一環で道の駅にAEDを寄贈する活動を続けている。昨年度までに全国56の道の駅に寄贈し、今年は20ヵ所を予定。東北支部では昨年度までに6駅に寄贈しており、今回は東日本大震災からの復興を後押しするため、岩手県大船渡市の「さんりく」と福島県いわき市の「よつくら港」を選んだ。
「よつくら港」は開業時からAEDが配備されていたものの、今回の津波で流されてしまったという。贈呈式では、早稲田支部長から白土健二駅長、佐藤雄二理事長にAEDが手渡された。また、「さんりく」でも同様に贈呈式を行い、AEDを受け取った平田和多利駅長は「AEDが備わることは通行者や利用者の大きな安心になる。早く取り扱い方法を習得して、万一の場合に備えておきたい」と話していた。

                   
              ※よつくら港での贈呈式(手前左が早稲田支部長)(クリックで拡大)。

※建設ニュース面に掲載。




2011/11/22 【政府】
3次補正予算が成立・総額12兆で震災復興本格化


※記事は「きょうの建設情報」を参照。



2011/11/22 【国土交通省】

国交省の第3次補正・事業費5389億円を配分


第3次補正予算の成立を受けて国土交通省は、関係予算の配分を決めた。配分対象額(事業費ベース)は5389億円で、内訳は復旧・復興関係が2193億円、全国防災関係が3196億円。第3次補正に計上した予算のうち、東日本大震災の発生を踏まえ被災地の復旧・復興を強力に推進する経費と、全国で災害に強い社会基盤整備を緊急的に進めるための経費を配分した。
道路局関係では2290億2500万円を配分。三陸沿岸道路などの復興道路・復興支援道路の緊急整備に930億3100万円、被災地の道路防災・震災対策などに98億8700万円を計上した。また、一般国道1号(静岡県)、一般国道55号(高知県)など、被災地以外の道路防災・震災対策には1261億0700万円を充てた。
水管理・国土保全局関係の配分対象額は813億2000万円。北上川下流、鳴瀬川(いずれも宮城県)をはじめ被災地の河川津波対策などに213億円、木曽川下流(三重県)、高知海岸(高知県)などの全国防災に600億円を振り向けた。
港湾局関係の配分対象額は144億7100万円。このうち、久慈港(岩手県)、石巻港(宮城県)など被災地港湾の耐震強化岸壁、防波堤の整備などには58億2000万円、徳島小松島港(徳島県)、御前崎港(静岡県)など東海、東南海・南海地震に備えた耐震強化岸壁、防波堤の整備などには84億6600万円を充当した。
住宅局関係では、被災地でサービス付き高齢者向け住宅を整備する費用を民間団体に補助する「高齢者等居住安定化推進事業」に500億円、被災地で中小住宅生産者が供給する木造長期優良住宅の整備費を民間団体に補助する「木のまち・木のいえ整備促進事業」に98億6000万円を計上した。
官庁営繕関係では76億3300万円を配分。内訳は被災した官庁施設の復旧に4億5000万円、全国の官庁施設の防災機能強化に71億8300万円とした。



岩手、宮城で三陸沿岸道の着工式・復興道路整備が始動
関連自治体の復興まちづくりに弾み

国土交通省が復興道路として位置付けている三陸沿岸道路の着工式が19、20日、それぞれ宮城、岩手両県内で行われた。復興道路は早期復興のリーディングプロジェクトとして今後10年での完成が目標。これにより関連自治体の復興まちづくりにも弾みがつく。着工式では関係自治体が早期開通に期待を寄せるとともに、復興に向けた決意を示した。

◎志津川T(宮城)着工へ

19日の式典は宮城県南三陸町の志津川トンネル工事東工区坑口で行われた。東北地方整備局、宮城県、三陸沿岸道路沿線市町村が主催し、津島恭一国土交通省大臣政務官をはじめ国、県、自治体、商工会や農業組合など約100人が出席した。
初めに上演されたビデオレター「三陸の奇跡」では、岩手県釜石市の小中学校の児童・生徒たちが、震災の6日前に開通した三陸道釜石山田道路によって命が救われたことから、「命の道」として三陸道の重要性を訴えた。
続いて、主催者らがあいさつ。村井嘉浩宮城県知事は「復興道路の整備が三陸沿岸地域復興の弾みになる。本当にうれしい。一日も早い全線完成に向け県として全力で対応する」と強調した。
三陸沿岸市町村を代表して、菅原茂気仙沼市長が「ここから、私たちの復興が始まる。被災民が力付けられ、沿岸市町村が一体となって本当の意味での復興に取り組んでいく」と復興に向けた決意を述べた。その後、出席者15人が一斉に鍬(くわ)入れを行い、早期完成と工事の安全を祈願した。
宮城県内の三陸縦貫自動車計画区間は延長126q。このうち、74qが開通し、供用率は59%。残る29qは事業に着手しているが、23qが未着手となっている。
また、志津川トンネル(登米市.南三陸町)は、三陸道未開通区間の最南端・登米志津川道路(登米IC〜志津川IC)16.1q区間にあり、延長は1432m。東工区(南三陸町側)を前田建設工業が、西工区(登米市側)を東洋建設が担当する。それぞれ事業費は、約18億円、約14億円で、工期は、2013年10月、11月まで。登米志津川道路は総事業費が550億円。登米東和ICまで開通しており、同トンネルを含む残り11.1qを2015年をメドに完成させる。

◎尾肝要T(岩手)で着工式

岩手県側では20日、三陸北縦貫道路尾肝要道路の尾肝要トンネル着工式が田野畑村の現地で行われた。
津川祥吾国土交通大臣政務官をはじめ国、県、市町村関係者および工事関係者など約70人が出席。初めに達増拓也岩手県知事が「復興道路は、復興をけん引する基幹事業として期待が寄せられている。県としても関係者と一体となって全線開通に取り組んでいく」と述べたほか、三陸沿岸道路等沿線市町村を代表して野田武則釜石市長が「震災により道路の重要性が明確なものとして住民の胸に刻まれた。将来に希望の持てるまちの再建に向け全力で取り組んでいきたい」とあいさつ。続いて、関係者による鍬(くわ)入れが行われ、サイレンとともに重機が稼働した。
延長2736mの尾肝要トンネルは、田野畑村田野畑と同村巣合を結ぶ延長4500mの尾肝要道路の構造物として建設。北と南の2工区から工事を進める。貫通は12年10月を予定、道路の供用開始は13年度を見込んでおり、完成により所要時間は現在より約5分短縮される。施工は2工区ともハザマが担当する。
国交省が復興道路に位置付けているのは三陸沿岸道路359q、東北横断自動車道釜石秋田線80q、東北中央自動車道45q、宮古盛岡横断道路100qの4路線584q。うち新規区間は224qで、3次補正予算では復興支援道路と合わせ事業費約920億円を配分した。

               
      ※宮城県南三陸町での式典(クリックで拡大)  ※岩手県田野畑村での鍬入れ(クリックで拡大

※建設ニュース面に掲載。




大震災での公共工事損害を経審の完工高に計上可能

東日本大震災への対応として国土交通省は、経営事項審査(経審)での完成工事高に関し特例措置を講じることを決めた。大震災の被災地で被害を受けた公共工事について、元請けが不可抗力による損害額の発注者負担分を受領している場合、この受領金額を完成工事高以外の勘定科目に計上していても、経審上の完成工事高・元請完成工事高として取り扱うことを可能とする。こうした考え方を14日付で審査行政庁や建設業団体に通知した。
大震災では、完成前の構造物が数多く津波などで流された。公共工事標準請負契約約款では、天災など不可抗力で工事目的物に損害が発生した場合、損害額から請負金額の100分の1を差し引いた分を発注者が負担することになっている。しかし、この発注者負担分は、経審の完成工事高として評価されないため、被災地の建設業界からは総合評点の低下を懸念する声が上がっていた。
こうした状況を踏まえ国交省は、被災建設業への特例として、大震災の損害分を経審の完成工事高として評価することにした。対象工事は、東日本大震災に際し災害救助法が適用された市町村の区域で震災の被害を受けた公共工事のうち、不可抗力による損害に対する発注者からの支払いが行われたもの。民間発注者の工事や下請工事は対象とならない。
元請けが発注者負担分を受領した日の事業年度に、受け取った金額を完成工事高・元請完成工事高に加えて審査を申請できるが、その際には損害の認定通知書の写しなど受領金額の確認が可能な書類の添付が必要。
他方、通知では、工事進行基準などによりすでに完成工事高として計上されている出来高相当額がある場合、今回の特例措置によって二重に評価することがないよう、審査行政庁などに注意を促している。

※建設ニュース面に掲載。



2011/11/22 【東北地方整備局】
2011年度第3次補正予算の概要を発表
東北は直轄・補助合わせ約1567億円

東北地方整備局は21日、2011年度第3次補正予算の概要を発表した。
東日本大震災の被災地の復旧・復興を強力に推進するための経費、ならびに震災を教訓に災害に強い社会基盤整備や国民生活の安全・安心の確保に向けた取り組みを緊急に進めるための全国防災経費について、地域の状況に即しつつ必要な事業について配分。東北地方整備局関係では、直轄事業に1278億7700万円、補助事業に290億4000万円の合計1569億1700万円を計上した。
内訳は、治水に129億8500万円、海岸に5000万円、道路に1112億8400万円(うち全国防災=83億6600万円)、港湾に41億9000万円、空港に2億3400万円、社会資本整備総合交付金に269億2000万円(うち全国防災=26億2200万円)、官庁営繕に12億5400万円(うち全国防災=11億6600万円)が配分されている。
主な事業では、復旧・復興関係として▽東日本大震災により被災した官庁施設の復旧=8800万円▽被災地の早期復興を図るため三陸沿岸道路等の太平洋沿岸軸、沿岸部と東北道を結ぶ横断軸の強化などの復興道路・復興支援道路の緊急整備(総延長584q、うち新規区間224q)=930億3100万円▽法面・盛土等の防災対策や橋梁の耐震補強など道路の防災・震災対策等=98億8700万円▽津波や液状化の被災を踏まえ堤防嵩上げ、水門等耐震・液状化対策等=54億8600万円▽新たな崩壊の恐れのある個所等における土砂災害対策=1億2000万円▽大規模災害に備えた河川管理施設の機能確保等=10億0500万円▽被災地の海岸保全施設の整備(岩手県久慈港の津波防波堤整備)=5000万円▽港湾の防災・震災対策等(宮城県石巻港の廃棄物埋立護岸)=41億9000万円▽空港の耐震化=2億3400万円−を計上した。ただし、東日本大震災により被災した河川、海岸、道路、港湾等の公共土木施設の復旧事業は、災害申請手続き中のため計上されていない。
一方、全国防災関係では▽道路の防災・震災対策等=83億6600万円▽既存不適格建築物の耐震化=2億5600万円▽防災拠点として所要の耐震性能を満たない防災合同庁舎等の地震防災機能強化(仙台第1合同庁舎増築棟建設事業など)=9億1000万円−を計上し各事業を推進する。



2011/11/22 【東北東興会青年部会】
石巻専修大のリチャード教授が震災テーマに講演

東海興業東北支店(石原和久支店長)の協力企業で構成する東北東興会の青年部会(岩淵仁委員長)は15日、仙台市のホテル白萩で研修会を開催した。
初めに、岩淵委員長が「世間で尋常ではないことが起きる時に強い絆が生まれるのではないか。われわれも強い絆で復興に当たろう」とあいさつ。続いて、石原支店長が「復興は建設業が頑張らなければならない。研修会を復旧・復興の糧にしてほしい」と呼び掛けた。
この後、石巻専修大学のリチャード・ハルバーシュタット准教授が「震災と日本と私」と題して講演した。リチャード氏は日本の永住者資格を取得し、宮城県石巻市に在住。講演で震災直後を「情報やライフラインがなくてとても恐かった」と振り返り、「英国大使館から原発事故などの説明を受けた。国外を含めた避難を勧められ、石巻を離れるか非常に悩んだ」と当時の心境を明かした。
石巻に残った理由について「大切な友だちがたくさんいる。困っている友だちを置いて逃げるのは卑劣で、もし避難していたら自分自身を許せなかったはず」と話した。

                   
              ※講演するリチャード・ハルバーシュタット氏(クリックで拡大)。

※建設ニュース面に掲載。



2011/11/22 【東北経済連合会】
インフラ整備促進を国交省などに要望

東北経済連合会(高橋宏明会長)は16日、北海道経済連合会、北陸経済連合会と共同で、国土交通省、経済産業省、内閣府、民主党、自民党に対し、東日本大震災被災地域の早期復興に向けた支援策やインフラ整備促進など5項目を要望した。
要望は、9月に仙台市で開いた第16回三経連経済懇談会で決議されたもの。被災地域の早期復興に向けた支援策では、復興のシンボルとなる国際リニアコライダーの東北への誘致など8施策。インフラ整備促進については、災害時のインフラのリダンダンシー(多重性)の重要性を訴え、各地域の高規格幹線道路の整備促進と、北海道、北陸新幹線の早期整備、国際交流・物流の拠点となる空港・港湾の機能強化・整備を要望した。

※建設ニュース面に掲載。



2011/11/22 【日本道路協会】
11月30日、仙台市で震災テーマに講演会

日本道路協会は30日、仙台市戦災復興記念館で道路講演会を開催する。
東北地方整備局の川瀧弘之道路部長が「最近の道路の話題」、徳山日出男局長が「東日本大震災への対応と復興」と題して講演するほか、土木研究所構造物メンテナンスセンター上席研究員が「東北太平洋沖地震の橋梁被災と道路示方書改訂の動き」について紹介する。
定員270人、入場は無料だが事前申込みが必要となる。問い合わせは東北建設協会管理事業部(電話 022−268−4454)まで。

※建設ニュース面に掲載。



2011/11/10 【日本橋梁建設協会】
仙台市で技術発表会・橋梁被害調査結果を報告
橋梁マップ・台帳整備、エリア発注を提言

日本橋梁建設協会(昼間祐治会長)は8日、仙台市の仙台国際センターで2011年度橋梁技術発表会・講演会を開き、東日本大震災の橋梁被害調査結果を報告した。それによると、調査した約3、000橋の2割で損傷を確認。損傷部位は路面が最も多かった。また、今後の地震対策に向けて橋梁マップや橋梁台帳の整備、調査・詳細設計付きの発注、路線単位・エリア単位での包括発注などを提言した。
橋梁被害調査は3月14日から5月31日まで、東北6県と関東1都6県、新潟県、長野県を対象に延べ2、310人、958パーティが行った。
調査橋梁数は地方整備局の594橋、自治体の2、301橋のほか、道路会社、JR東日本、農政局などを合わせた3、004橋。このうち20lに当たる611橋に損傷が認められた。
損傷橋梁に注目すると、31lで走行性に支障があり徐行規制や通行止めを行ったほか、68lで耐荷性に問題があり何らかの補修や詳細調査の必要があることが分かった。また、損傷部位は路面が60lと最も多く、次いで支承部の36l。上部工の損傷は「古い背の高い鋼製支承のトラス橋」が20l近くを占めた。
竣工年と損傷の関係を見ると、橋梁全体では道路橋示方書が改訂され、耐震設計が反映された1980年以降のものは損傷橋梁が少なく、支承部も96年の改訂を境に減少している。
調査結果を踏まえて、同協会東日本大震災復興対策本部の谷中聡久氏は、高速道路ネットワークの早期確立、橋梁の耐震補強・耐震設計を教訓に挙げた。
また、今後の地震対策に向けて、津波の影響を受けない緊急時のルート整備が急務と強調したほか、震災発生後に効率的な橋梁調査を行うため、橋梁マップや橋梁台帳の整備と電子化が必要と提言。さらに早期復旧を図るため、調査・詳細設計付き工事の発注や、地元建設業者との連携や業務分担が可能になる路線単位・エリア単位での包括発注を求めた。
技術発表会・講演会には約230人が参加。冒頭、あいさつに立った中島威夫副会長は東日本大震災の復旧・復興について「財政面に特化した議論や建前論が中心となっているが、本来は地域にとって何が必要かを議論しなければいけない。インフラの中でも道路や橋がすべての復旧・復興に先立って進められなければならない」と道路、橋梁の復旧を最優先で進めるべきとの考えを強調した。
当日はこのほか、保全委員会保全技術小委員会の柿沼努氏が「支承部の損傷と対策事例.経年劣化から地震による被害まで.」、企画委員会国際小委員会の得地智信氏が「HueyPLong橋(米国・ルイジアナ州)の工事報告.トラス橋拡幅(新旧トラスの一体化)工事における製作・架設・プロジェクト運営.」、技術委員会製作小委員会の大庭哲也氏が「鋼構造物の耐久性向上に関する取り組み」についてそれぞれ発表した。引き続き、東北地方整備局の池口正晃企画調整官が「東日本大震災の対応」と題して講演した。


2011/11/10 【国土交通省】
津波防災地域づくり技術検討会が初会合
特定開発行為の許可基準整理

国土交通省は8日、「津波防災地域づくりに係る技術検討会」の初会合を開き、津波防災地域づくりの技術的な検討に着手した。建築物に衝突する津波の水位上昇を見越した基準水位の設定方法を定めるとともに、津波防護施設の技術基準や特別警戒区域での一定の開発行為の許可基準を明確化する。12月までに成果をまとめる方針だ。
津波防災地域づくりをめぐっては、東日本大震災の津波で甚大な被害が生じた教訓を踏まえ、津波に強い地域づくりを全国で推進する観点から、津波防災地域づくり法案が今臨時国会に提出された。国土交通相が策定する津波防災地域づくりに関する基本指針を踏まえ、都道府県知事が津波浸水の恐れがある地域や水深を設定。その上で、特に危険性が高い地域を「津波災害特別警戒区域」に指定し、同区域内で学校や社会福祉施設、医療施設などを建設しようとする場合(特定開発行為)、一定の基準を満たすことを義務付ける仕組みを創設する。
今回の検討会では、法案成立後にこうした枠組みを迅速・円滑に運用するため、技術的な事項を整理する。検討事項は@津波のせき上げ高の評価手法A特定開発行為の許可基準B津波防護施設の技術基準―などを想定している。
津波のせき上げとは、建築物に津波が衝突した際に水位が上昇することで、これを考慮して基準水位を設定する。特定開発行為では、津波に対する構造上の安全性を確保するとともに、居室の床を基準水位以上にする必要が出てくる。このため、基準水位の算定方法などを具体化していく。
また、特定開発行為の許可基準の検討に当たっては、学校など対象建物の地盤部分となる盛土・切土について、擁壁の設置など安全上必要な措置を明示する。その際には、民間開発業者にとって過度の負担とならないよう、必要最低限の基準とする。
津波防護施設は、津波災害の防止・軽減に役立つ盛土構造物(二線堤の機能を持つ道路、鉄道など)を指す。検討会では、津波による浸水を確実に防止するための構造上の技術基準を明確化させる。


2011/11/10 【中小企業庁】
中企庁・被災中小企業の復旧支援補助・東北3県に210億円

中小企業庁は、東日本大震災で被災した中小企業の復興を支援する「中小企業等グループ等復旧整備補助金事業」(2次分)の対象者を公表した。
東北分は、岩手3、宮城16、福島15の合計34グループ。申請件数は岩手県35件、宮城県146件、福島県75件で、各県とも計画認定審査会で審査し決定した。
補助総額は210億円(うち国費140億円)。内訳は、岩手が49億円(国費33億円、県費16億円)、宮城県が58億円(国費38億円、県費20億円)、福島県が103億円(国費69億円、県費34億円)で、福島が最も多かった。
各県の状況は岩手県で山田町の山ア水産など7者でグループを組んだ山田広域ベイサイドプラングループや大船渡市の太平洋セメントなど19者の太平洋セメント大船渡工場グループなど3グループ。宮城県は多賀城市のフクダ電子多賀城研究所など3者の循環器系医療機器のサプライチェーングループ、村田町の三丸化学など13者の村田工業団地関連企業グループのほか、多賀城市や塩釜市、大崎市の商店街が認定された。
福島原発事故の影響で1次の申請を見送った福島県は今回が初で、いわき市のこいと旅館など18者のいわき湯本温泉郷宿泊観光グループや、福島市の双葉旅館など21者の飯坂温泉旅館協同組合震災復興画連絡会、はるみや旅館など9者の土湯温泉地域観光関連施設復興グループなどが選ばれた。
3次事業(国費1249億円)も公募中で、補助金交付に必要な復興事業計画の募集を8日に締め切っており、12月下旬をメドに交付決定する予定となっている。
※詳細は本紙に掲載の一覧表参照。


2011/11/09 【土木学会東北など】
7団体合同 第4次合同報告会を開催
道路・鉄道の被害・復旧状況を発表

土木学会東北支部など7団体で構成する「東日本大震災に関する東北支部学術合同調査委員会」は4日、仙台市のウェスティンホテル仙台で第4次報告会を開き、道路・鉄道の被害と復旧状況について報告した。
約350人が集まる中、東日本旅客鉄道東北工事事務所の末弘保次長は「鉄道構造物の被害と復旧」について発表した。それによると、新幹線構造物の被害は3月11日の本震で約1、200ヵ所、4月7日の余震で約550ヵ所、計1、750ヵ所に上り、広範囲にわたって被害が発生した。このうち半数近い約810ヵ所が電化柱の損傷だった。
また、津波被害を除く在来線の主な被害は約2、900`b、約4、400ヵ所。津波被害は23駅が流失したほか、約1、680ヵ所となった。随時運転を再開し、今後は石巻線石巻.渡波と仙石線矢本.石巻が年度内、八戸線種市.久慈が2012年度当初の運転再開を見込んでいる。このほか、運転再開の見込みが立っていない区間の復旧については国、自治体と協議を進めている。
引き続き東日本高速道路東北支社の安井利美副支社長が高速道路の被災状況と応急復旧の概要について説明した。
それによると、東北自動車道、磐越自動車道、常磐自動車道、仙台東部道路の4路線、869・8`bで、屋内設備22ヵ所、建物157ヵ所、通信線路58ヵ所、路上設備102ヵ所が損傷。震災発生翌日の一般開放率は34lにとどまっていたが、応急復旧や点検により13日目には98lに回復した。
また、9月5日から13路線の本復旧工事に着手、今月7日から24時間体制で進めている。総事業費は約490億円で、12年度内の完了を予定している。
報告会ではこのほか、岩手、宮城、福島3県と仙台市が被災状況や復興計画を説明した。


2011/11/09 【中小企業庁】
2011年度地域商業活性化支援補助の募集を開始
被災商店街の耐震化など補助・最大1億、25日まで募集

中小企業庁は「2011年度地域商業活性化支援補助」の募集を開始した。東日本大震災で被災した商店街の復興を加速するための施設整備のほか、全国の商店街が実施する耐震化などの防災事業を対象に、最大1億円を補助する。25日まで全国の経済産業局で募集を受け付ける。
補助事業は、被災した商店街が実施する復興イベントや、賑わい創出に向けて実施する施設整備事業、被災地域以外の商店街が災害に強い商店街の整備を行う事業を支援する目的で、第3次補正予算案に必要経費を計上。予算成立を前提に補助事業者を募集する。
このうち施設整備関連では、被災地の商店街を対象に▽空き店舗対策▽子育て支援施設整備▽コミュニティ施設整備―などを補助。被災地外では、災害時の食料備蓄倉庫設置、商店街施設の耐震化などを対象とする。補助率は3分の2で、最大1億円まで補助する仕組みとなっている。


2011/11/07 【日本原子力研究開発機構】
除染作業の実証実験に係る個別除染活動
(伊達市下小国地区)試行業務を公告

日本原子力研究開発機構は、福島県第1原子力発電所事故に伴う除染技術の実証実験等の一環として、福島県伊達市霊山町下小国地区を対象に試行的に行う除染活動作業の一般競争入札を公告した。入札説明書の交付は11月14日まで、開札は、12月1日14時に行う。
参加資格は、日本原子力研究開発機構競争参加資格審査において資格を有すると認められている者。競争参加資格審査を受けていない者は、開札の前までにその審査を受け、資格を有すること。
福島県第1原子力発電所事故に伴い、今後、必要となる除染のガイドラインの策定、除染の効果的な実施のために必要となる技術の実証実験等一環。汚染状況に応じた除染計画に基づき、効果的な除染技術の実証等を行うための試行的に行う除染活動作業および発生する除去表層土等の一時保管。伊達市霊山町下小国地区内(特定避難勧奨地点設定エリア)の@家屋類(一般家屋55軒、中央集会所11軒)A畑・牧草地等B森林等C道路等(道路脇歩道、側溝、側溝蓋上部、周辺を含む)を対象に、手作業による清浄のほか、重機を使った表層土の掘削、道路の再舗装などを行う。工期は2012年1月31日まで。
問い合わせは、日本原子力研究開発機構契約部契約第2課(電話029−282−1122)まで。


2011/11/07 【建設業振興基金】
原発事故の損害賠償 建設業向け算定方法まとめる

学識経験者で構成する建設業振興基金の建設業経理研究会は、文部科学省や東京電力が示している東日本大震災の原子力発電所事故に伴う損害賠償額の算定式を、建設業に適用する場合の考え方をまとめた。今後、東電や福島県建設業協会などの関係機関に提示するとともに、振興基金のホームページに公表する。
文科省や東電が示した損害賠償の考え方は、全産業に幅広く適用することを想定している。これを建設業に円滑に適用することを目指し、国土交通省の要請に基づいて中立的な立場から検討した。具体的な作業は、研究会の下に損害査定研究部会(部会長・東海幹夫青山学院大学教授)を設置して進めた。
東電が示した逸失利益を算定する計算式にどの費用を当てはめたらよいかを、@原発の避難区域など対象区域内に本店や営業所がある場合A事故当時、対象区域内で工事を受注していた場合B対象区域内に本店・営業所がなく、事故当時、工事を受注していなくても、対象区域内で工事を受注する確立が高い場合―に分けて具体的に解説。
このうちBについては、「対象区域内の工事現場から発生した過去3年程度の収益額が、当該企業の収益全体の一定の額を占めている」など、対象区域内で継続的に営業活動を行っている事業者が対象になるとした。この際、損害賠償額の算定は、対象区域内に本店・営業所がある場合と同様に、「経常的な営業活動における逸失利益の計算」を適用する。
研究部会では、建設業者向けの解説書も作成する考え。


2011/11/04 【東北整備局】
震災の教訓テーマに広域圏計画シンポ
11月28日、東京都で
整備局、陸前高田市、気仙沼市、相馬市、企業など発表

東北地方整備局は今月28日、東京都千代田区の日本教育会館一ツ橋ホールで東北圏広域地方計画シンポジウム「東日本大震災、被災地からの証言.東北圏の教訓と課題を生かすために.」を開催する。
災害対応を通じて得られた貴重な教訓や課題を東北圏広域地方計画などの地域づくりに生かそうというもの。徳山日出男局長をはじめ岩手県陸前高田市長、宮城県気仙沼市長、福島県相馬市長や企業の代表者らが震災に直面した時に何を考え、どう行動したのかを伝える。
開催時間は11時〜16時。参加無料だが、事前申込みが必要。希望者は11日までに東北整備局東北圏広域地方計画推進室(電話:022−225−2171)まで。


2011/11/04 【厚生労働省】
被災医療施設等復旧補助の第7次内示
宮城・福島の11施設に

厚生労働省は、東日本大震災等で被災した医療施設に対する災害復旧費補助金の第7次内示(11月1日付け)を行った。
宮城、福島両県の医療施設に総額2億2696万3000円を補助する。内訳は、宮城県が9施設で2億1651万4000円、福島県が3施設で1044万9000円。
今回内示を受けた医療施設の補助額は次の通り。
《宮城県》▽栗原市立栗原中央病院(栗原市)▽宮城県立循環器・呼吸器病センター(栗原市)▽宮城県立がんセンター(名取市)▽坂総合病院(塩釜市)▽みやぎ東部循環器科(東松島市)▽佐久間眼科小児科医院(石巻市)▽うつみレディスクリニック(東松島市)▽よしろう内科(石巻市)▽佐藤整形外科医院(石巻市)
《福島県》▽とりごえ整形外科クリニック(石川町)▽かみや内科クリニック(小野町)▽青山医院(田村市)
※各施設の内示額は本紙参照。


2011/11/02 【文部科学省】
全国3700棟分を3次補正計上・学校耐震を2011年度に前倒し

全国の地方自治体が2012年度に計画している公立学校の耐震工事が、11年度に前倒しで実施されることになりそうだ。文部科学省は、第3次補正予算案に約3700棟分の耐震化予算として1627億円を計上、12年度概算要求時の自治体要望を一部前倒しで認める格好となる。3次補正で実施する耐震工事には、地方交付税交付金の充当などで通常より地方負担が大幅に軽減されるため、多くの自治体が計画の前倒しを希望することが予想される。
政府は、総額約12兆1000億円の3次補正の大半を東日本大震災の復旧・復興事業に割いたが、震災の教訓を踏まえた全国の防災対策費にも5752億円を計上した。公立学校の耐震化には、野党の要望に応じて予算を追加したこともあり、このうち3割に当たる1627億円を配分している。
文科省では、12年度に耐震化を計画する自治体から3352億円の要望を受けていたが、このうち1627億円を3次補正で対応する。11月中旬が見込まれる3次補正の成立後、この補助金の交付を受ける自治体も、地方負担分を計上した補正予算案を編成する。12月議会などで予算の議決が必要になるため、最短でも年明け以降に発注手続きに入ることが考えられる。
工事規模しだいでは、工事契約も議会承認の必要が出てくるため、自治体にとって着工までのスケジュールは相当厳しくなるが、すでに12年度の実施に向けて各自治体が計画を進めているため、前倒しへの対応は可能だと文科省はみている。
また、文科省が3次補正に計上した国庫補助分とは別枠で、総務省が同じ3次補正に盛り込んだ地方交付税交付金を学校耐震に充当する特別措置を講じる。これにより、耐震工事の地方負担は通常の約3割から1割程度にまで軽減されるため、多くの自治体が負担を軽減できる11年度の前倒しを希望することが予想される。
文科省では、小中学校の耐震化を15年度までに完了させる目標を打ち出している。3次補正の1627億円と12年度概算要求の2325億円で合計5200棟分の耐震化を実施し、12年度末時点で耐震化率を90%まで引き上げる考えでいる。


2011/11/01 【政府】
津波防災地域づくり法案を閣議決定 特別警戒区域で開発など制限

政府は10月28日、津波防災地域づくり法案を閣議決定した。国土交通省が策定する津波防災地域づくりに関する基本指針を踏まえ、都道府県が津波浸水の恐れがある地域や水深を設定。その上で、特に危険性が高い地域を「津波災害特別警戒区域」に指定し、開発・建築などを制限できる仕組みを創設する。市町村はハードとソフトを組み合わせた津波防災推進計画を策定し、土地区画整理事業や容積率規制の特例措置をなど講じることで、津波に強い地域づくりを推進していく。
この法案は、東日本大震災の津波で甚大な被害が生じた教訓を踏まえ、津波に強い地域づくりを全国で推進することが狙い。人命を最優先することを前提として、ハード・ソフト施策を組み合わせつつ、「多重防御」によって津波災害の防止・軽減を目指す。
国交省の定める基本指針では、津波浸水想定や津波防災推進計画の設定、津波災害警戒区域、津波災害特別警戒区域の指定などについて、基本的な方向性を示す。国や地方自治体の責務については「津波防災地域づくりに関する施策を、民間の資金、経営能力、技術的能力の活用に配慮しつつ、地域の実情に応じ適切に組み合わせて一体的に講じるよう努める」とする。
都道府県は津波災害が発生する恐れがある区域の地形・地質などを調べる基礎調査を実施した上で、基本指針に基づき、津波浸水想定を設定。津波被害の恐れがある区域を「津波災害警戒区域」、特に危険性が高い区域を「津波災害特別警戒区域」に指定する。特別警戒区域では、社会福祉施設や学校、医療施設の建設に伴う開発行為や、津波に対して安全な構造を持つ建物以外の建築を制限する。
市町村が策定する津波防災推進計画は、▽津波防災地域づくりの総合的な推進に関する基本的な方針▽津波浸水想定に定める浸水区域での土地利用・警戒避難態勢の整備に関する事項▽津波防災地域づくりの推進に向けた事業―などで構成。このうち、津波防災推進事業には▽海岸保全施設、港湾施設、漁港施設、幹線管理施設、保安施設の整備▽津波防護施設の整備▽一団地の津波防災拠点市街地形成施設の整備▽避難路、避難施設、公園、緑地などの整備▽土地区画整理事業、市街地再開発事業▽集団移転促進事業▽地籍調査▽民間の資金・経営能力・技術的能力の活用―などの事項を盛り込む。
津波防災推進計画区域内の土地区画整理事業では「津波防災住宅等建設区」を定め、移転を促進する。また、津波からの避難に役立つ建築物の容積率を緩和する。


2011/11/01 【厚生労働省】

医療施設等復旧補助金6次・東北の11施設に内示

厚生労働省は、東日本大震災等で被災した医療施設に対する災害復旧費補助金の第6次内示(10月27日付け)を行った。
東北地方の医療施設に総額8033万8000円を補助する。内訳は、岩手県が4施設で4930万5000円、宮城県が3施設で2331万5000円、福島県が4施設で771万8000円。
内示を受けた医療施設は次の通り。
《岩手県》 ▽奥州病院 ▽奥州市総合水沢病院 ▽水沢学苑看護専門学校 ▽岩手県立胆沢病院
《宮城県》 ▽栗原市立若柳病院 ▽石巻赤十字病院(公的医療機関施設分、災害拠点病院分) ▽美里町立南郷病院
《福島県》 ▽医療生協わたり病院 ▽大原看護専門学校 ▽大原綜合病院附属大原医療センター ▽大原綜合病院
※補助額は本紙参照。


災害拠点病院の要件見直し 基幹病院はすべて耐震化へ

厚生労働省は「災害拠点病院のあり方検討会」(座長、大友康裕東京医科歯科大学教授)での検討を踏まえ、災害拠点病院の指定要件の見直し(案)を固めた。東日本大震災の教訓を踏まえ、災害医療を提供する拠点病院の耐震化を促進する。3次医療圏(都道府県ごと)に設置している基幹災害拠点病院については「病院機能を維持するために必要なすべての施設が耐震構造を有すること」とし、2次医療圏ごとに原則1ヵ所設置している地域災害拠点病院については「診療機能を有する施設が耐震構造を有すること」を要件とする。
検討会では、災害発生時に被災地の傷病者を受け入れる災害拠点病院は「すべての施設を耐震化することが望ましい」との考えで委員の意見が一致。ただ、施設の耐震化には時間と建設コストがかるため、各都道府県の災害医療の中核となる基幹災害拠点病院の耐震化を優先することとした。
地域災害拠点病院については、医療機関の負担を低減して耐震化を加速する必要があると判断。「診療機能を有する施設」のみ耐震構造を有することを要件とする。
このほか、通信・電気・水と、ヘリポートの確保についても指定要件を見直す。
通信手段については、広域災害・救急医療情報システム(EMIS)を活用できる医療環境づくりを前提とし、最低限、衛星回線インターネットが利用できる環境整備を求め、MCA無線を含めた複数の通信手段の保有を奨める。
また、医療機能を発揮するためには発電容量の確保が必要なことから、通常時の6割程度の受電容量を持つ自家発電の保有を義務付ける一方、断水に備え、停電時でも使用可能な井戸設備の整備を求める。
ヘリポートは、現行の指定要件でも原則として病院敷地内に有することとされているが、災害拠点病院の中には用地を確保できなかったり、屋上などにスペースを確保できない病院もある。このため新しい指定要件では、基幹災害拠点病院のみ病院敷地内にヘリポートを有することとし、設置が困難な場合は病院近隣にスペースを確保することを要請する。


2011/10/31 【汚染廃棄物仮置保管施設研究会】
6社が仙台で「研究会」を設立
遮へい率90%を実証済(V−3型)
5タイプの汚染廃棄物の仮置保管施設を提案

汚染廃棄物中間貯蔵施設の普及を目指し、昭和コンクリート工業、大成建設、共和コンクリート、シーアイ化成、東栄コンクリート工業、吉田セメント(福島県須賀川市)の6社が26日、仙台市内で「汚染廃棄物仮置保管施設研究会」を設立した。同研究会では、実証実験で90%の遮へい効果を確認している5タイプの「汚染廃棄物仮置保管施設」を提案。今後、汚染廃棄物処理に困っている各自治体に対し、同施設をアピールしていく考えだ。
東京電力福島第一原子力発電所事故以降、放射性物質を含む土壌や、下水汚泥、焼却灰などの処理問題で、将来の最終処分に向け、中間貯蔵施設の設置が求められている。こうした中、昭和コンクリート工業と大成建設が共同で、7月に汚染廃棄物仮置管理施設の構想を開始。8月に福島県内の教育施設で汚染された土壌について、同施設のV−3型による実証実験を行った。90%の放射線遮へい効果が得られたことから、同研究会設立に向けた準備委員会を設置。昭和コンクリート工業の村瀬大一郎社長が委員長を務め準備を進めてきた。
研究会は、各企業や業界が持つ「施工能力」「技術力」「プレキャスト製品能力」「現地と企業の関係」を最大限に生かし中間仮置保管施設の普及を目指す。
汚染廃棄物仮置保管施設は、遮へい性の高いコンクリート素材を使うことで外部環境への放射能漏れを守り、遮水シートで雨水による汚染物質の流失を防ぐ。プレキャスト製品は組み立てやすく工期が約2週間と即効性があり、リユースが可能などの特徴がある。また、地上設置と地下埋設が選択できる。
5タイプのうち、実証実験を行った基本的なV−3型(遮蔽率:90%)は、7・1m×9・1m×2・0mのプレキャストコンクリート製L型擁壁内を破れにくい遮水シートで覆い、その中に、大型の土嚢袋詰め状態にした汚染廃棄物を入れ、コンクリートパネルでふたをする。容量は110立米程度と比較的に小規模で、汚染放射線8000ベクレル以下の汚染廃棄物を簡易的に保管できる。
そのほか、T型は10万ベクレル以上に対応。コンクリートを400oの厚みとし、外部への放射線量を99%減衰。U型は放射線量8000ベクレル以上に対応するプレキャストコンクリートの箱体(遮蔽率:150o厚=80% 200o厚=90%、400o厚=99%)。V−1型(300o厚 遮蔽率:95%)とV−2型(300o厚 遮蔽率:95%)は移動式テント型となっている。1施設当たり300万円程度で、施工費も含めると約600万円となる。
すでに多数の問い合わせが来ており、依頼のあった新潟、福島県内の自治体での具体化について検討を進めている。
当日、仙台市のホテル白萩で開かれた設立総会では、昭和コンクリート工業の村瀬社長が会長に就任した。村瀬会長は、「コンクリート素材とプレキャスト製品の強みを認識して、困っている自治体と国民に、汚染廃棄物仮置保管施設をアピールしたい」とあいさつした。
同研究会では、施設の研究・開発を促進するほか、研究成果を土木学会で発表するなどの広報活動、営業方法の確立と各種マニュアルの整備、技術・広報部会の開催を行う。
研究・開発では規模に応じ、擁壁高、搬入方法、シート設置方法、ふた構造などの標準的な構造や、壁厚の違いによる遮へい効果、プレキャスト製品間の継ぎ手構造などを実証試験する。試験は2012年1月.2月に福島県内で行う予定だ。
問い合わせは同研究会事務局(昭和コンクリート工業東北支店内、電話:022−227−2100)まで。

                 
                  ※V−3型概要。(クリックで拡大


2011/10/31 【政府】
復興特区法案が閣議決定 推進・整備・交付金計画策定へ

政府は28日、東日本大震災の被災地に規制・手続きの特例措置や税財政上の支援措置などを与える復興特区法案を閣議決定した。被災地の自治体が提出する規制・手続き・税制に関する「復興推進計画」、土地利用の再編に関する「復興整備計画」、財政に関する「復興交付金事業計画」を政府が認定し、被災地の復興事業をワンストップで、総合的に支援する。
政府は法案成立後、復興特区基本方針をまとめる。自治体はこの基本方針に従い、復興推進計画、復興整備計画、復興交付金事業計画をまとめ、政府に提出する。
復興推進計画に盛り込む特例措置は▽建築基準法の用途制限▽農地転用許可・林地開発許可の一元化▽工場立地法などの緑地規制の特例▽法人税の特別控除―など。
一方の復興整備計画では、津波被害を受けた地域などを念頭に▽市街地開発事業▽土地改良事業▽集団移転促進事業▽液状化対策事業―などに関する許認可などの特例措置を盛り込む。また、土地区画整理事業と農地の改良などを一体的に施行する「復興一体事業」の実施も可能とした。
法案ではまた、第3次補正予算案に1兆5、612億円を盛り込んだ復興交付金を活用する自治体が事業計画を政府に提出することも規定。交付金は▽道路整備事業▽土地区画整理事業▽病院耐震化事業▽学校整備事業▽農業農村整備事業―など5省40事業を対象とし、事業間流用や年度間調整などの執行上の弾力化を図ることで、自由度の高い性質とする。
政府は復興特区を活用した事業のイメージとして、メガソーラーやバイオマスエネルギー製造施設など再生可能エネルギーの大量導入を図る地域づくり▽研究開発拠点や拠点医療機関を整備した医療関連産業の集積拠点の形成―などを例示している。


2011/10/28 【建設経済研究所】
東日本大震災と建設産業テーマに報告書
「公共事業費の確保を」建設業の震災対応踏まえ提言

建設経済研究所は、「東日本大震災と建設産業」をテーマにした報告書をまとめた。この中では、大震災の復旧活動で生じた課題などを検証した上で、その教訓を踏まえた今後の改善点として▽資金繰りへの配慮▽CM方式の活用などによる本復旧工事の早期発注▽「災害対応空白地域」の発生防止に向けた公共事業費の確保▽建設業と行政の事業継続計画(BCP)の整合性向上▽労働者確保・労働災害に関する課題への対応―などをを提言した。
報告書は大震災での建設産業の活動について、「これまでの諸対応を振り返ると、被害者の救出、そして迅速な初期復旧で、建設企業、建設業団体の果たした役割は大きく、災害国・日本での役割と必要性があらためて明確となった」と評価。さらに「被災地外も含めた日本の長期的な国土の安全を確保する上で、建設業に期待される役割はこれまでにも増して大きい」との認識を示した。
一方で、震災対応によって浮き彫りになった課題とその対応策も示した。例えば、応急復旧工事やがれき処理で費用の支払いが遅れた自治体があったことを踏まえ、行政に対し「復旧に多忙な中であっても、建設企業が復旧活動に全力で取り組めるよう資金繰りには十分に配慮すべき」と強調した。
また、被災地の本復旧工事を早期に発注できるよう、行政側の体制を整備する必要性も指摘。その際には、ほかの自治体から工事発注経験者を支援してもらうことに加え、民間企業が発注業務の一部を担う形式のCM方式を導入することも提起した。
さらに日本は災害が多発する国土であるとの認識に基づき、災害時の復旧に当たる能力と意思を持つ建設企業が地元に存在しない「災害対応空白地域」を生み出させないことが重要とした。このため、2012年度当初予算での公共事業関係費は、過去の大幅な削減の経緯や、被災地以外の工事量といった観点を考慮して確保すべきと訴えた。
建設企業が災害後に迅速な活動を展開する能力を確保する観点からは、BCPの策定企業を増やすとともに、建設企業と行政のBCPの整合性を向上させるべきとした。
労働者の確保をめぐっては、応急仮設住宅の建設を除き不足が顕在化するケースは少なかったが、「今後、通常の公共工事と本復旧工事が発注されれば、状況が変わる可能性もある」と警戒感を示した上で、「建築の鉄筋工・型枠工、土木の鉄筋工などについて、首都圏や近畿圏ですでに不足傾向が指摘されており、注視が必要」とした。
このほか、被災地のがれきには、アスベストを含め危険物や有害物が存在していることから、復旧工事で建設業に従事したことがない被災者を受け入れる場合などには、安全教育を徹底し事故を未然に防ぐことが必要とした。


2011/10/28 【厚生労働省】
放射性物質の除染・廃棄物処理などの円滑な実施に向け
安衛法に新省令・指針 1月1日施行

厚生労働省は、放射性物質の除染・廃棄物処理などの円滑な実施に向けて第2の電離放射線障害防止規則(電離則)ともいえる新たな省令を規定し、労働安全衛生法に加える。障害防止のための具体的なガイドラインも同時に策定する。11月下旬まで集中的に検討を行い、パブリックコメントや労働政策審議会と放射線審議会への諮問・答申を経て、2012年1月1日から施行する。
新たな省令とガイドラインは、東日本大震災に伴う東京電力福島原子力発電所の事故によって放出された放射性物質の除染作業や廃棄物処理などの作業に従事する労働者の健康障害を防止することが目的。既存の電離則は、放射性物質を扱う原子力発電所や医療・研究施設で労働や研究に従事する人の健康障害防止を目的としたもので、これらの施設外での人の被ばくの可能性を想定した法令はこれまでなかった。
省令の制定とガイドラインの策定に当たっては、可能な限りいろいろな除染作業の実態や廃棄物処理・運搬・処分の作業内容を把握する。ガイドラインには個人レベルで除染に取り組んでいる住民や農業従事者にも活用できるよう、具体的かつ実用的な対策を盛り込む。
同省は、森晃爾産業医科大学教授を座長とする検討会を中心に論点整理を進めていく。
検討会は、環境省が学識者などの意見を踏まえて制定した放射性物質汚染対処特措法が、12年1月1日から全面施行されるため、10月中にも施行する予定の改正電離則とも整合させた省令案の取りまとめを急ぐ。
検討会では▽被ばく線量管理の対象者▽線量管理の対象とする「一定の区域(地域)」▽線量管理の対象とする「一定の作業」―などに対する考え方が主な論点となる見通しだ。


2011/10/27 【政府】

応急仮設の寒さ対策へ追加工事を県に要請

政府の応急仮設住宅の居住環境等に関するプロジェクトチームは、東日本大震災で建設した応急仮設住宅の課題解消に向けた中間報告をまとめた。応急仮設住宅の構造設備の課題に対し、寒さ対策、バリアフリー対策、防火防犯対策などの対応方針を提示。寒さ対策については、追加工事など当面の対応をとるよう各県に要請した。
PTが応急仮設住宅を設置した50市町村と入居者2013世帯にアンケートを行い、この中で示された居住環境の課題への対応方針をまとめた。
住宅の構造設備に関する対応としては▽寒さ対策▽バリアフリー対策▽防火防犯対策▽雨風対策−などの追加工事の実施を提案した。
特に寒さ対策に関しては、本格的な冬の到来を控えて対策が不十分と判断。断熱材の追加、窓の二重サッシ化、畳の後付けなどの費用を災害救助法に基づく国庫負担の対象とすることを決め、応急仮設住宅を設置する各県に優先的な追加工事の実施を求めた。



被災者就労支援会議雇用支援策まとまる
復旧・復興事業で50万人の雇用創出

政府の被災者等就労支援・雇用創出推進会議は25日の会合で、東日本大震災の被災者に対する第3段階の雇用支援策をまとめた。第3次補正予算案で実施する復旧・復興事業などで50万人の雇用を新たに創出。太陽光パネル取付など成長分野の公共職業訓練を拡充するなど、人材育成でも新たな支援措置を講じ、7万人程度の雇用下支え効果を発揮させる。
復旧・復興事業に充てられた第3次補正予算案では、災害復旧・復興などインフラ整備のための公共事業や中小企業・農業支援策、被災地の自治体が活用できる自由度が高い交付金である「東日本大震災復興交付金」などを配分。推進会議では、総額5.7兆円に上るこれらの復旧・復興事業で35万人の雇用創出効果を見込んでいる。
さらに、国と被災県が連携し、将来的に被災地の雇用創出の中核を担う事業に対する支援策も実施。施設・設備の再建や教育訓練などの総合的な支援措置を講じる「事業復興型雇用創出事業」の実施などで、15万人の雇用を生み出す。
職業訓練の充実などで復興を支える人材育成にも力を入れ、7万人程度の雇用の下支えも行う。このうち4万人は、民間教育訓練機関などを活用した公共職業訓練や求職者支援訓練で拡充する。
特に、環境エネルギー分野などの新たな雇用機会が見込まれる分野を対象に「成長分野人材育成プログラム(仮称)」を立ち上げる。太陽光パネルの取付、省エネガラスコーティング、非破壊検査などを行う民間企業に委託し、現場の実態に合った実践的な職業訓練を実施するとしている。
25日の会合で国土交通省の津川祥吾政務官は「3次補正により、本格的な復興が始まれば被災地には特需が訪れるが、復興期間が過ぎれば仕事は急速に減る」とした上で「維持管理をいかに地元に担ってもらえるかを意識し、復興後を見据えて事業を考えていく」と雇用支援の重要性を訴えた。



2011/10/26 【防衛省】
防衛省・2011年度3次補正予算案の概要
施設復旧に約275億

防衛省は、第3次補正予算案に施設復旧関連経費として約275億円を計上した。このうちの多くが東北防衛局所管の被災施設復旧事業に配分される見通し。
東北地域の主な事業は、陸上自衛隊の多賀城駐屯地、仙台駐屯地、大和駐屯地、霞目駐屯地の復旧や、海上自衛隊大湊基地や八戸基地の護岸や基地復旧、航空自衛隊松島基地の復旧など。
このほか、災害時に活動拠点となる駐屯地や基地の庁舎耐震化などにも、省全体で約125億円を計上している。
東北防衛局が所管し、3次補正で予算が確保された復旧事業については12月ごろをメドに工事発注すると見られる。その際、設計施工一括発注の案件も増える見込みだ。


2011/10/25 【農林水産省】
農林水産省の2011年度3次補正・公共事業費に6772億

農林水産省は、第3次補正予算案に公共事業費として6772億円を計上した。大半を東日本大震災の災害復旧事業に配分しており、農地・農業用施設で2080億円、漁港・海岸で2346億円、治山・林道施設で392億円などとした。また、台風12号・15号の災害復旧対策でも1206億円を計上している。
農地・農業用施設の復旧事業では、災害復旧事業と災害防止を目的に行う施設の改築・補強や農地の土地区画整理事業に2061億円、塩害が生じている農地の除塩事業に19億円を配分する。
漁港・海岸の災害復旧でも、地震・津波で被害を受けた施設の災害復旧に2277億円を計上したことに加え、被災個所を含めた一連の構造物の強化を災害関連事業と位置付け、事業費に69億円を盛り込んでいる。
治山・林道などの山林施設の復旧にも392億円を計上し、被災した施設の災害復旧と災害防止のための改良事業を実施する。また、緊急治山対策として184億円を計上し、被災地の山腹崩壊などの復旧や海岸防災林の復旧・再生に加え、海岸防災林機能強化対策なども実施。全国防災対策として東海・東南海地震などの発生が想定される地域などで、津波などに備えた海岸防災林の防潮堤などを整備する。
台風12号と15号など、東日本大震災以外の災害復旧対策でも▽農地・農業用施設353億円▽漁港47億円▽山林施設806億円―の総額1206億円を計上している。
このほか、被災地の木質系がれきをエネルギー利用するため、民間事業者が実施する木質バイオマス発電施設・熱供給施設・木質燃料製造施設などの整備費の補助事業費に95億円を計上。がれき処理の終了後は、未利用間伐材を活用してエネルギーを安定供給し、林業活性化や雇用確保などにも貢献させる。


2011/10/25 【建設経済研究所など】
2011年度の建設投資見通し 8.5%増の44.6兆円

2011年度の建設投資(名目値)は、前年度に比べ8.5%増の44兆6400億円になる見通しであることが、建設経済研究所などのまとめで分かった。東日本大震災の復旧・復興に向けた第3次補正予算の全体像が明確となり、11年度当初予算の5%執行留保が解除されたことで、政府建設投資が大幅に増加すると予測。民間建設投資も堅調に推移していることから、前回4月の調査時点から5200億円を積み増した。12年度は2.9%増の45兆9300億円となる見通しだ。
11年度の政府建設投資は13.3%増の18兆7800億円と予測。震災対応の補正予算が3次にわたり編成されたため、1978年以来の高い伸び率となる。12年度は、震災復興予算の建設投資額が約1兆5000億円確保される見通しであることに加え、11年度第3次補正予算の建設投資(約4兆2000億円)の8割が翌年度の執行になるとみられることなどから、1.1%増の18兆9800億円になるとした。


2011/10/24 【国土交通省】
国交省の第3次補正予算案・復旧復興に7865億円
国費総額1兆2448億円を計上

※記事本文は「きょうの建設情報」を参照。


2011/10/24 【東北建設業協会連合会】
災害対応施策検討委員会が再開 ・ 災害対応の実態を調査
1700社以上にアンケートを実施へ 2012年6月メドに報告書

東北建設業協会連合会(佐藤博俊会長)は20日、仙台市の宮城県建設産業会館で災害対応施策検討委員会の初会合を開催した。東日本大震災での建設業の対応について課題を明らかにし、今後の災害対応に生かそうというもの。東北地方整備局と連携し震災対応のアンケート調査を行うほか、2009年に同委員会がまとめた災害対応施策の報告書について問題・課題を抽出。その上で、12年6月をメドに新たな災害対応施策の提言をまとめる。
災害対応施策検討委員会はもともと岩手・宮城内陸地震を受けて08年に設置された組織で、翌09年4月に▽災害対策支援隊(建設業テックフォース)の創設▽情報の共有化▽災害対応に向けた会員企業の体制確立▽行政機関の指示重複時の対応▽災害対策支援活動の契約の在り方▽初動活動時・パトロール時の労災保険の在り方▽情報提供およびマスコミ対応▽協定書の見直し―の8項目からなる提言を報告書としてまとめた。
今回はこの報告書が東日本大震災でどこまで生かされたかを検証し、課題を整理するほか、会員企業へのアンケートやヒアリング、座談会などを通じて震災対応の実態調査を行う。
アンケート調査は東北地方整備局、国土技術政策総合研究所と共同で行う。災害対応に当たった企業だけでなく、被災県以外の後方支援も把握しようと6県の会員企業1、700社以上を対象にした。調査内容は▽地震、津波等による被災状況▽震災以降の雇用状況▽震災発生後1週間の支援活動▽支援活動に要した人材、建設機械、建設資材の確保の方法▽災害協定、BCP・災害対応マニュアル、防災訓練▽支援活動を実施する上で感じたこと―などで、すでに調査依頼は送付済み。
初会合では委員長に金内剛東北建設協会理事、副委員長に日本建設情報総合センターの川端壽男東北地方センター長を選任。委員会の目的や今後の調査方針、スケジュールなどを確認した。
今後のスケジュールとしては、年内に東北整備局が主体となってアンケートによる震災対応の実態調査結果をまとめ、12年3月までに報告書のフォローアップと問題・課題の抽出を実施。6月までに災害対応施策の提案をまとめる。
会議後に会見した金内委員長は「前回の提言を見直し、建設業が震災対応の役割を果たせる提案にしたい」と述べ、実効性を担保するために建設業へのインセンティブも必要との考えを示した。


2011/10/24 【政府】
2011年度・第3次補正案を閣議決定 公共事業費1.5兆円を追加

政府は21日、東日本大震災からの復興事業などに対する第3次補正予算案を閣議決定した。総額12兆1025億円の補正予算案のうち、東日本大震災の復旧・復興関連の公共事業費1兆4734億円を追加するとともに、被災地の地方自治体向けの「東日本大震災復興交付金」に1兆5612億円を計上した。自民党・公明党の提案に応える格好で、全国防災対策費には500億円を追加し5752億円を確保することにした。
3次補正は、総額12兆1025億円のうち、大半の11兆7335億円を東日本大震災の関連経費とした。主に震災の応急復旧などに対応した1次・2次補正と異なり、本格的な復興事業にも予算を配分している。復興関連以外では、台風12号で被害を受けた公共土木施設復旧にも3203億円を計上している。
公共事業費1兆4734億円の内訳は、東日本大震災で被害を受けた公共土木施設(河川、道路、海岸、港湾、農地・農業用施設など)の復旧に8706億円、復興のた事業に1990億円、施設費等(学校施設、鉄道施設など)に4038億円などとした。
東日本大震災復興交付金では、復興特区に指定された被災自治体などが土地区画整理事業や防災集団移転事業などのハード・ソフト事業を行う際、自由度の高い交付金として事業費を支援する。
震災を教訓として全国の防災機能強化を図る全国防災対策費については、野党の提案を受け、政府・与党案に500億円を追加した。公立学校の耐震化にこの追加分500億円を配分して1630億円とし、学校耐震化の早期完成を目指す方針だ。公共事業以外でも、震災で発生したがれき処理費に3860億円などを計上した。
3次補正予算案は開会中の臨時国会に28日にも提出される見通しだ。


2011/10/24 【文部科学省】
文科省の3次補正
被災学校施設に1711億、全国の学校耐震に2048億

文部科学省は、21日に閣議決定した第3次補正予算案に、学校施設の耐震化事業費として2048億円を盛り込んだ。公立学校に1627億円、国立大学などに270億円、私立学校などに150億円を配分し、学校施設の耐震化や防災機能強化などを図る。東日本大震災で被害を受けた学校施設の復旧にも1711億円を計上し、津波被害を受けた公立学校の移転新築など、本格的な復旧工事に着手する。
東日本大震災の教訓を生かし、全国の防災対策を強化する視点で、学校施設の耐震化の事業費を積み増し、耐震化のスピードアップを図る。特に、公立学校は2011年度当初予算と1次補正を加えると予算額は2772億円に上ることになる。
国立大学などの耐震化にも270億円を計上。建物本体に加え、非構造部材(天井、外壁など)の耐震化に200億円、大学附属病院の自家発電設備の整備に70億円をそれぞれ配分する。私立学校の耐震化でも150億円を計上し、耐震化補助や耐震・改築に対する低利融資の条件緩和などを図るとした。
被災地の学校施設の復旧費1711億円の内訳は、津波被害を受けた公立学校の移転・新築や大規模修繕に476億円、国立大学の復旧に656億円、公立社会教育施設などに329億円、私立学校の復興特別補助・交付金に83億円などとなっている。
このほか、被災地の大学に、産業・医療再生・まちづくりの担い手を育成する「地域復興センター」の機能を確保するとし、施設整備費として国立大学に80億円、私立大学に5億円をそれぞれ計上している。


2011/10/24 【全国水土里ネット】
農業施設の再生を 仙台で土地改良大会

全国水土里ネット(野中広務会長)と水土里ネットみやぎ(伊藤康志会長)は20日、仙台市の国際センターで、「3・11東日本大震災復興支援水土里の集い 〜第34回全国土地改良大会inみやぎ〜」を開催した。
初めに、水土里ネットみやぎの伊藤会長が「国土の再生が農の再生だ」、全国水土里ネットの野中会長が「過疎化、高齢化、担い手の不足などの問題が山積している中で、農業水利施設の老朽化はさらに農村地域に被害を及ぼす。将来に健全な農を受け継ぐため、前へ一歩でも前進しよう」と、参加した1200人に呼び掛けた。
来賓として岩本司農林水産副大臣、村井嘉浩宮城県知事、奥山恵美子市長らが出席。岩本副大臣は「農業水利施設の長寿命化、防災・減災対策、大区画整備による農地集積の規模拡大、保全管理の推進をする必要がある。国としても必要な予算を確保に努めたい」と述べた。
被災地の会員らは、震災被害のほか、農地復旧と来年の作付けに向けたがれき処理やヘドロ除去、除塩事業などの取り組みを報告した。
また、宮城県は今月策定した「みやぎ農業・農村復興計画」を説明。復旧期(2011〜2013年)に農業生産基盤、海岸堤防や集落排水施設の早期復旧に取り組む。各市町の農地の集約化や経営の大規模化計画の策定支援、ゾーニングに基づく生産基盤整備を行い、再生期(2014〜2017年)、発展期(2018〜2020年)に水田の大区画化・汎用化や畑地・園芸施設用地の整備を推進していく。
このほか、水土里ネット理事で宮城大学理事兼大学院食産業学研究科長の加藤徹氏が今後の農業の復興などについて基調講演。最後に、水土里ネット名取の伊藤秀利氏と小島ますみ氏が大会宣言をし、大会の幕を閉じた。


2011/10/21 【東北整備局】
第3回公共事業評価監視委 ・ 2事業を継続妥当と判断
国道45号の仙塩道路と矢本石巻道路

東北地方整備局の第3回事業評価監視委員会(委員長・平山健一JSTイノベーションサテライト岩手館長)が18日、整備局内で開かれ、道路2事業を対応方針通り事業継続が妥当と判断した。
審議対象となったのは、▽一般国道45号仙塩道路▽一般国道45号矢本石巻道路―の2事業。
仙塩道路は仙台市宮城野区中野から宮城県利府町春日に至る延長7.8qで、早期の4車線化、(仮)多賀城ICの必要性が高いことから事業継続とする対応方針を示していた。
また、矢本石巻道路は、宮城県東松島市川下から石巻市桃生町太田に至る26.5q。石巻赤十字病院へのアクセス強化、地域経済活性化や災害・緊急時の交通体系強化のため、追加ICの整備を図るもので、全体事業費は追加IC整備の用地費20億円を追加し1496億円に見直している。早期の追加ICの整備の必要性が高いとして事業継続の対応方針を挙げていた。
これらについて審議した結果、委員は対応方針どおり事業継続が妥当と判断。仙塩道路については委員から、多賀城IC予定地周辺の史跡に対して配慮するよう求める声があったほか、多賀城市内にICが設置されていないことに加えて市近傍ICへのアクセス道路の混雑解消を図る必要があることから、早急にICの整備を進めるよう求めた。また、「インターチェンジの形状については整備期間を短縮し、コストを抑える取り組みを推進し、一般の人にアピールすること」「拠点病院と高速道路の位置関係について今後整理すること」といった意見が出された。


2011/10/20 【全国管工事業協同組合連合会】
東日本大震災の教訓踏まえて応急復旧対応の手引き改訂

全国管工事業協同組合連合会(全管連、大澤規郎会長)は、東日本大震災における応急復旧の教訓を踏まえ、2009年度に策定した「地震等緊急時における応急復旧工事対応マニュアル」を見直す。11月中にワーキンググループを設置してマニュアルの改定に向けた検討に着手。12年6月の定例理事会までに改定(案)をまとめる。
全管連は「起きてからどうするのかではなく、起きる前にどうするのか」(大澤会長)という問題意識を役員と理事が共有。09年度に日本水道協会(日水協)や管工機材の商社や建設機械メーカー、建機リース会社らと災害協定を締結するなど、大規模広域災害の発生を視野に入れた、支援・応援要請への即応体制づくりを進めてきた。
今回の大震災では、同マニュアルと災害協定が機能し、厚生労働省や日水協などとの円滑な連携、迅速な応急復旧が実現。同省や被災地の水道事業体などから高い評価を得た。
その一方で、被災県の各支部からは「マニュアルはほかの地域から被災地域への応援を前提としたもので、自らが被災地となった場合には活用できない」などの指摘があった。そこで全管連は、会員団体や災害協定を締結している資機材メーカーなどの震災経験や意見を生かし、「次なる災害」に備えてマニュアルを改定する必要があると判断した。
全管連は、改定作業を始めるに当たり▽自らの活動エリアが被災地となった場合の応急復旧への対応▽応急復旧応援における見直し―の2つのワーキンググループを設置。東日本大震災での応急復旧などにおける課題を抽出し、災害発生時の初動体制▽情報収集と共有▽災害リスク低減―などの観点から見直しを進めることにしている。


2011/10/20 【全国マンション管理組合連合会・東北マンション管理組合連合会】
被災マンションの復興支援セミナー開催
関係機関への復旧・復興支援要望を決議

全国マンション管理組合連合会(穐山精吾会長)と東北マンション管理組合連合会(鎌田坦会長)の共催による被災マンション復興支援セミナーが16日、仙台市の仙台サンプラザで開かれ、約120人が被災マンションの復旧・復興に向けた支援を関係機関に要望していくことを決議した。
冒頭、穐山会長は「被害の状況や、戸建て住宅と違って復旧するための工事に管理組合が関わらなければいけないことを十分に理解してほしい」とあいさつした。
この後、鎌田東北管連会長がマンションの被災状況を説明。会員アンケートに基づいて仙台市内のマンションの60lが何らかの被害を受けていることを説明したほか、「外部から見ると損傷がないように見えるが、外壁に大きな傷がついたり、専有部分の壁に穴があいたりしている例がたくさんある。専門家は非耐震壁の破壊ではないので心配しなくていいと言うが、居住者にとってダメージは大きい」と訴えた。
セミナーでは最後に、▽専有部分だけでなく共有部部も含めた支援制度を基本とし、支援の対象は管理組合とすること▽管理組合に対する専門家(建築設備、建築、法律等)派遣制度の創設▽専門家を活用する管理組合に対する助成制度の創設―を国や自治体に要望していくことを決議した。


2011/10/19 【環境省】
除染基本方針の骨子案まとまる・11月の閣議決定へ

環境省は、福島第一原子力発電所事故で発生した放射性物質の除染に関する「放射性物質汚染対処特措法に基づく基本方針」の骨子案をまとめた。追加被爆線量が年間1_シーベルト以上の区域を「除染実施地区」、計画的避難区域・警戒区域を「除染特別地域」に指定し、住宅、事業所、公共施設などの建物や、生活圏周辺などを対象に除染事業を進めるとした。
基本方針では、原子力政策を推進してきた国の責任で除染を実施するとし、財政負担も国が行うと規定。2013年8月末までに追加被爆線量を半減させる目標を掲げるとともに、学校や公園などは優先的に除染を行うことで、追加被爆線量を60%減少させることを目指すとした。
除染の対象となる地域では▽表土のはぎ取り、建物の洗浄▽道路側溝などの清掃▽枝打ち・落葉除去などの除染―などの措置を講じる。特に追加被爆線量が高い地域では、国がモデル事業を実施して除染技術や作業員の安全を確保するための方法を確立する。
また、基本方針では除染事業を請負う事業者に放射線防護などの労働安全衛生を確実に行うよう指導するとしたほか、地元雇用の確保への配慮、セメントや再生採石など廃棄物の再利用にも可能な限り取り組むとした。 基本方針は、26日まで意見募集を行い、11月に閣議決定する見通し。環境省では除染事業の必要経費として、編成中の3次補正予算に2、000億円、2012年度概算要求に4、536億円を盛り込む考えだ。


2011/10/19 【厚生労働省】
医療施設等復旧補助金5次内示・東北は19施設に

厚生労働省は、東日本大震災で被災した医療施設に対する災害復旧費補助金の第5次内示(10月17日付け)を行った。
東北6県の医療施設に総額4822万9000円を補助する。内訳は、青森県が1施設で99万9000円、岩手県が9施設で1451万2000円、宮城県が4施設で2752万2000円、福島県が5施設で519万6000円。
内示を受けた医療施設の補助額は次の通り。
《青森県》▽八戸看護専門学校 《岩手県》▽盛岡市立病院 ▽岩手医科大学附属病院= ▽岩手医科大学附属病院花巻温泉病院 ▽遠山病院 ▽岩手県立一関高等看護学院 ▽工藤医院 ▽岩手県立江刺病院 ▽金子整形外科医院 ▽さいき整形外科医院 《宮城県》▽蔵王町国民健康保険蔵王病院 ▽宮城利府掖済会病院 ▽阿部こどもクリニック ▽三浦泌尿器科医院 《福島県》▽会津若松看護専門学院 ▽高田厚生病院= ▽坂下厚生病院 ▽クリニック荒木 ▽会津中央病院
※各施設の補助額は本紙参照。


2011/10/18 【国土交通省】

東北に2事務所新設 2012年度概算要求に計上

国土交通省は2012年度予算の概算要求に、東北地方整備局管内への「南三陸国道事務所」と「仙台海岸事務所」の設置を盛り込んだ。
南三陸国道事務所は岩手県内に設置。三陸国道事務所と連携しながら、復興道路として10年以内の全線開通を予定している三陸沿岸道路を整備する。事務所は新設するが、職員数や事務所の規模、建設場所は今後、検討する。
一方、仙台海岸事務所は宮城県岩沼市にある仙台海岸出張所を廃止し、事務所に格上げする。東日本大震災で甚大な被害を受けた仙台南部海岸の復旧に当たる。今後、現出張所の活用を視野に施設の在り方を検討する。
また、東北整備局の副局長を現在の2人体制から3人体制に増やす。3人目の副局長は復旧・復興を担当し、自治体や国出先機関との調整役となる。全国の整備局で3人体制は初となる。


震災踏まえ広域地方計画見直し 小澤国交審議官が懇談

国土政策や北海道開発を総括する小澤敬市国土交通審議官は14日に専門紙と懇談し、国土形成計画法に基づく広域地方計画について「東日本大震災の教訓を踏まえた早急な点検と、その結果を踏まえた適切な見直しが必要」との考えを示した。また、「大震災に備えて首都機能のバックアップを考えておくことも重要」と述べ、近く有識者会議を設けて、その在り方の検討に着手する意向を表明した。
小澤国交審は地域建設業について、「東日本大震災だけでなく、台風被害や豪雪対応など、非常時に大きな役割を果たす大切な存在であることが再認識された」と評価。その一方で「地域の疲弊によって、人材や機械を抱えることが難しくなっていることも事実。地域の雇用と経済を守るため、地域維持型契約方式の導入などを推進していかなければならない」と訴えた。
また、前田武志国交相が提唱する「低炭素・循環型社会の構築」に向けた取り組みとしては、「こうした方針を具体化するため、今後、国交省として基本的な考え方をまとめる方針だ。その際には、中長期的・広域的な視点から策定に関与していく」と述べた。
北海道開発をめぐっては「2008年度から10年間を計画期間とする北海道総合開発計画の中間点検に取り組み、計画改定のベースとして活用していく」と話した。


交通分野・国際展開成長がカギ 北村国交審議官が懇談

国土交通省の交通分野や国際展開を総括する北村隆志国土交通審議官は、就任後初めて専門紙と懇談し「東日本大震災や円高など、今の国難とも言える厳しい状況を乗り越えるには、交通分野や国際展開の成長が大きな役割を果たすはずだ」と就任の抱負を語った。
東日本大震災による鉄道被害では、多くの列車が運行する日中に災害が発生したにも関わらず「一両の脱線もなかったのは日本の技術力の高さの証明。過去の経験を踏まえた耐震化などの成果が発揮された」と鉄道各社の取り組みを評価。
一方で、いまだ復旧に至っていない三陸鉄道に対しては「財政基盤が脆弱で自らの復旧は困難。3次補正予算などで国の支援を充実させたい」と積極的に対応する考えを示した。
国際展開については、年間80兆円との推計もあるアジアのインフラ需要に対し、日本企業の受注額が「1兆円にも満たない」と述べた上で「新幹線や高速道路などの高い技術を世界に生かすのは単に日本企業の利益というだけでなく、国際貢献にもつながる」とその意義を強調。日本の受注額を伸ばすため「個別事業ではなく、インフラ整備をパッケージで構想段階から受注できるよう働き掛けていく」との方針を語った。


2011/10/18 【日本橋梁建設協会】
11月8日、仙台で橋梁技術発表会

日本橋梁建設協会は11月8日、仙台市の仙台国際センターで橋梁技術発表会・講演会を開催する。
2006年度から毎年開催しているもの。6回目の今回は東日本大震災復興対策本部が被害調査報告を行うほか、保全委員会が「支承部の損傷と対策事例」、企画委員が「HueyP。Long橋工事報告―トラス橋拡幅(新旧トラスの一体化)工事における製作・架設・プロジェクト運営―」、技術委員会が「鋼構造物の耐久性向上に関する取り組み」について発表する。
また、東北地方整備局の池口正晃企画調整官が東日本大震災の対応をテーマに講演する。
開催時間は13時10分から17時まで。参加は無料だが、事前申込みが必要。定員200人。問い合わせは、同協会東北事務所(電話022−262−4855)まで。


2011/10/18 【東北地方整備局・東北建設業青年会意見交換会】
被災地に技術者流出−山形、秋田の会員が危ぐ
仕事少ないのに労務単価上昇

専門工事業者が被災地に流出し、技術者不足が顕著になっている―。14日に行われた東北建設業青年会(舩山克也会長)と東北地方整備局の意見交換会で、山形や秋田の会員からこんな声が聞こえてきた。問題は単なる人材不足にとどまらず、「仕事が少ないのに労務単価が上がっている」状況だという。今後、復旧・復興工事が本格化するにつれ、技術者の移動や労務費上昇に拍車が掛かりそうなだけに、こうした問題が一層深刻になりそうだ。
意見交換には青年会から舩山会長をはじめ副会長、理事など13人、東北整備局からは伊藤友良技術調整管理官が出席した。
この中で、山形からは「専門工事業が被災地に集中し、特に山形では仕事が少ないにもかかわらず単価が上がっている。初めて経験する状態だが、これからも続くことを危ぐしている」「少しずつ流出しはじめ、探してもなかなか確保できない。かといって(被災地並みの)単価は出せない」と現状を訴える声が相次いだ。具体的には管工事などの設備業者や型枠、鉄筋工、足場大工、屋根の板金工など幅広い職種で不足しているという。
また、秋田の会員も「専門工事の流出は確かにある。被災地と秋田で値段にかい離がなくても、仕事が多い被災地に流れる」と同様の状況にあることを説明。福島は「県によって労務単価は差がある。福島は6県最低なので宮城に流れている。今後、災害復旧が本格化するため、地元だけでは人手が足りなくなる」と訴えた。
これを受けて伊藤管理官は「太平洋側だけに人材が集中すると、日本海側の工事に対応できなくなる。豪雨などの災害も多発している。常に災害復旧をできる体制でなければならない。随時情報共有をしていきたい」と理解を示した。
意見交換ではこのほか、青年会側が除雪などの道路維持管理業務について「通年雇用し技術力を高めたいが、人材確保が困難」と述べたことを受けて、伊藤管理官は道路維持業務の複数年契約について現在は半数ほどに2年契約を適用しているが、「理想は安定して何年も維持工事ができること」とし、試行を踏まえて2年以上の長いスパンで実施したい考えを示した。


2011/10/18 【東北地方整備局・東北建設業青年会意見交換会】
被災地に技術者流出−山形、秋田の会員が危ぐ
仕事少ないのに労務単価上昇

専門工事業者が被災地に流出し、技術者不足が顕著になっている―。14日に行われた東北建設業青年会(舩山克也会長)と東北地方整備局の意見交換会で、山形や秋田の会員からこんな声が聞こえてきた。問題は単なる人材不足にとどまらず、「仕事が少ないのに労務単価が上がっている」状況だという。今後、復旧・復興工事が本格化するにつれ、技術者の移動や労務費上昇に拍車が掛かりそうなだけに、こうした問題が一層深刻になりそうだ。
意見交換には青年会から舩山会長をはじめ副会長、理事など13人、東北整備局からは伊藤友良技術調整管理官が出席した。
この中で、山形からは「専門工事業が被災地に集中し、特に山形では仕事が少ないにもかかわらず単価が上がっている。初めて経験する状態だが、これからも続くことを危ぐしている」「少しずつ流出しはじめ、探してもなかなか確保できない。かといって(被災地並みの)単価は出せない」と現状を訴える声が相次いだ。具体的には管工事などの設備業者や型枠、鉄筋工、足場大工、屋根の板金工など幅広い職種で不足しているという。
また、秋田の会員も「専門工事の流出は確かにある。被災地と秋田で値段にかい離がなくても、仕事が多い被災地に流れる」と同様の状況にあることを説明。福島は「県によって労務単価は差がある。福島は6県最低なので宮城に流れている。今後、災害復旧が本格化するため、地元だけでは人手が足りなくなる」と訴えた。
これを受けて伊藤管理官は「太平洋側だけに人材が集中すると、日本海側の工事に対応できなくなる。豪雨などの災害も多発している。常に災害復旧をできる体制でなければならない。随時情報共有をしていきたい」と理解を示した。
意見交換ではこのほか、青年会側が除雪などの道路維持管理業務について「通年雇用し技術力を高めたいが、人材確保が困難」と述べたことを受けて、伊藤管理官は道路維持業務の複数年契約について現在は半数ほどに2年契約を適用しているが、「理想は安定して何年も維持工事ができること」とし、試行を踏まえて2年以上の長いスパンで実施したい考えを示した。



2011/10/17 【政府】
復興庁設置の法案骨子まとまる
復興大臣に勧告権、被災3県に復興局

政府は、東日本大震災の復興事業の総合調整を担う、復興庁設置法案の骨子をまとめた。骨子では、復興庁が復興交付金・復興調整金などについて地方自治体からの要望を一括して受け付けて配分計画を策定するとし、復興大臣に各省への勧告権も与えると規定した。岩手県、宮城県、福島県の被災3県には地方機関の「復興局」も設置する。
復興庁には、大臣1人、副大臣1人、政務官3人を配置。岩手県、宮城県、福島県の各県庁所在地に設置する復興局には各政務官をそれぞれ配置する。首相を議長とし、閣僚級をメンバーとする「復興推進会議(仮称)」や、関係する地方自治体の首長や有識者らによる「復興推進委員会(仮称」も設置する。
具体的な所掌事務として▽規制・手続き(公営住宅、エネルギー、農林水産物加工)▽土地利用再編▽税制・財政・金融上の特例(産業集積、雇用創出、研究開発、住宅など)―に関する自治体からの要望を一元的に受け付け、復興特区制度を活用して特例措置を講じる。
編成中の3次補正予算などに盛り込まれる復興交付金と復興調整金については、ハード・ソフト事業を問わずに予算を一括計上し、自治体への配分も行う。各省が行う直轄公共事業や補助事業についても、復旧・復興事業を統一的に進めるため、事業実施に関する総合調整、予算要求の事前調整を行う。必要な際には各省に勧告する権限も与える。
復興庁の設置期間は復興基本方針で定める復興期間と同じ2020年度までの10年間。政府は次期臨時国会への法案提出、12月の公布を目指している。



2011/10/17 【国土交通省】

執行留保解除に伴い留保金を追加配分・東北は交付金119億

公共事業関係費などの5%執行留保が解除されたことを受けて国土交通省は14日、社会資本整備総合交付金や補助金の留保分を追加配分した。配分額は、社会資本整備総合交付金が事業費ベースで1701億7100万円、住宅対策や市街地整備などの補助金が292億4300万円の計1994億1400万円となっている。
公共事業関係費などの5%執行留保は、東日本大震災の復興財源を確保する目的で本年4月から実施されていたが、第3次補正予算編成のメドが付いたため10月7日の閣議で解除が決まった。
追加配分の分野別内訳(事業費ベース)は、▽道路整備補助=5100万円
 ▽住宅対策補助=244億2300万円 ▽市街地整備補助=43億9600万円 ▽道路環境整備補助=1500万円 ▽下水道補助=4100万円 ▽国営公園等補助=3億1600万円 ▽社会資本整備総合交付金=1701億7100万円。
このうち東北地方への配分は、交付金が合計118億8800万円。青森県=16億4700万円、岩手県=21億6400万円、宮城県=21億0900万円、秋田県=19億2500万円、山形県=24億4500万円、福島県=24億4500万円となっている。


第2回災害対策等緊急推進費・東北は郡山市道に配分

国土交通省は、2011年度第2回災害対策等緊急事業推進費の配分を決めた。東日本大震災の被災地域での再度災害防止対策として計7件5億5100万円、豪雨で被災した地域の再度災害防止対策として計17件17億5800万円を充てた。
災害対策等緊急事業推進費は、洪水・高潮・地震・津波など自然災害を受けた地域、または公共交通にかかわる重大な事故が発生した個所で緊急に実施すべき事業の経費となる。
東日本大震災の再度災害防止対策は、道路の橋梁支承部の耐震性向上や法面工、海岸護岸の嵩上げなどを緊急に実施する。また、豪雨被害への対応としては、河道掘削や堤防の嵩上げ、道路の法面工などを実施する。
東北地方では、福島県郡山市の「道路行進防災等対策事業(市道笹川多田野線)」に対して国費6200万円(事業費1億2400万円)が配分された。
同市道は、東日本大震災により橋梁の支承および橋脚の桁座が破損し、一時全面通行止めとなった。破損した支承と桁座は災害復旧事業で対応するものの、残りの支承も余震により破損する恐れがあることから、災害対策等緊急事業推進費を活用して取り替えを行う。


新社整重点計画の選定基準
低炭素・循環型社会の実現を組み入れ

国土交通省は12日、社会資本整備重点計画見直しに関する中間報告案のたたき台を、社会資本整備審議会と交通政策審議会の合同計画部会に示した。東日本大震災の教訓を踏まえ大規模災害リスクを低減させる視点を重視するとともに、前田武志国交相が提唱する「低炭素・循環型社会の実現」という理念を、計画期間内に重点的・優先的に実施する事業の選定基準などに組み入れた点が特徴だ。新計画は2012年夏の閣議決定を見込んでいる。
社会資本整備重点計画は、社会資本整備を重点的・効果的に進めていくため今後の公共投資の方向性を示すもの。計画期間は5年間を想定している。国交省は当初、今夏までに新計画をまとめる予定でいたが、3月11日の東日本大震災を踏まえ計画の在り方を再検討する必要があると判断。結果として、策定が1年遅れることになった。
今回のたたき台では、前回8月の計画部会で示した考え方を一部修正した。具体的には、計画期間内に重点的・優先的に実施する事業の基準に「いま整備しないと、低炭素・循環型社会をはじめとする『持続可能な国土・地域づくり』の実現に大きな支障をもたらす恐れのあるもの」を加えた。また、国土保全、安全・安心の確保、離島など条件不利地域の自立・発展・活性化の支援などは、「不断に取り組みを進めていくべきもの」に位置付けた。
政策課題別の取り組みとしては、@国土保全A地球環境B暮らしの安全C地域の活性化D少子・高齢化E人口減少F快適な暮らしと環境G交流の促進、文化・産業振興H国際競争力―という計9分野について、それぞれ方向性を提示した。



2011/10/17 【中小企業庁】
中小企業施設復旧補助 ・ 19日から募集開始

中小企業庁は、東日本大震災で被災した中小企業を対象に「中小企業等グループ施設等復旧整備補助事業」の募集を19日から開始する。14日の閣議で使用を認めらた2011年度予算の予備費1、249億円を活用し、被災した6県で応募を受け付ける。提出期限は11月8日まで。
対象地域は青森県、岩手県、宮城県、福島県、茨城県、千葉県の6県。中小企業グループが提出する復興事業計画を各県が審査し、地域経済や雇用に果たす役割を認めた事業について、中小企業庁が補助金を交付する。



2011/10/14 【国土交通省】
復旧現場の実態調査へ・技術者配置、発注量を把握

国土交通省は、東日本大震災の復旧・復興工事で、現場技術者の配置状況を調べることを決めた。被災3県の建設業者を対象にアンケート調査を実施し、技術者数や手持ち工事量などを把握する。発注者からは地域要件の設定状況などを聞き取る。被災地で発注量に見合った技術者が確保できるかどうかを検証するのが狙い。調査の結果によっては、震災時に専任制を緩和することなどを含め、技術者配置の適正化に向けた対策につながる可能性もある。
現行の技術者制度では、公共施設などの建設工事で請負金額が2、500万円(建築一式は5、000万円)以上の場合、監理技術者や主任技術者を専任配置することが義務付けられている。被災地では復旧・復興工事が本格化しつつあり、編成中の第3次補正予算案が執行されればさらに多くの発注が見込まれる。こうした中で国交省は、被災地で工事の品質や安全性を確保するための方策を検討する必要があると判断。その際の客観的なデータを把握するため、実態調査を行うことにした。
調査は、被災3県の受注者・発注者双方を対象に実施。受注者である建設業者には、技術者数や手持ち工事量などをアンケートする。技術者の専任状況もチェックする。発注者には工事発注見込みや地域要件の設定状況を尋ねる。これらを総合して、復旧・復興工事の発注量と、被災地の建設業が抱える技術者数のバランスに不均衡が生じていないかどうかを把握する。
仮に不均衡が生じていることが確認された場合には、被災地での技術者の専任制や雇用要件の見直しなどを含め、何らかの対策を講じることを視野に入れている。



2011/10/14 【東北地方整備局・東北6県・仙台市】
「東日本大震災と道路」パネル展が閉幕
約6万人が来場「災害時の道路の役割大きい!」

東北地方整備局、6県・仙台市が8月下旬から開催していた「東日本大震災と道路」パネル展が好評のうちに幕を閉じた。10月2日までの来場者数は約6万人。「災害時における道路の役割は大きい」と道路整備の重要性に理解を示す声が相次いだ。
パネル展は震災で学んだ教訓を共有することや、被災地に対する思いを風化させないことを目的に、6県持ち回りで開催。被災前後の状況、道路啓開、復旧工事、道路の果たした役割などを紹介した。
来場者はJR仙台駅(仙台市)が4万4015人で最も多く、JR秋田駅(秋田市)が3755人、霞城セントラル(山形市)が3748人、サンロード青森(青森市)が3235人、福島サティ(福島市)が3066人、岩手県民情報交流センター(盛岡市)が1441人。日本海側でも震災への関心が高いことが分かった。
併せて行ったアンケートには来場者から「次の世代に伝えていかなければならないと思った」「災害時に避難路や防潮堤の役目を果たした道路の役割は大きい」「災害を想定した道路整備を進めてほしい」などの声が寄せられた。



2011/10/13 【政府】
土地利用再編に特例措置 ・ 復興特区制度概要固まる

政府は、東日本大震災の被災地に地域限定の支援措置を実施する復興特区制度の概要を固めた。規制や財政・金融上の特例措置とともに、津波で甚大な被害を受けた地域の土地利用再編に対し、都市計画・農地・森林などの枠組みを超えた迅速な手続きなどで支援する。次期臨時国会に「復興特区法案」を提出し、早期の施行を目指す。
被災地の地方自治体が実施する土地利用再編、再生可能エネルギー導入促進、医療関連産業の集積拠点の形成などの復興事業を支援するため、必要な特例措置を講じる。
土地利用再編時の特例措置としては、市街化調整区域での開発許可や農地転用許可などを特例として認めることに加え、これらの都市計画や農地利用などの複数の手続きをワンストップで処理できるようにする。
住宅地と農地が混在する実態を解消するため▽住宅地と農地を一体的に交換・整備する事業▽市街化調整区域内での土地区画整理事業の実施▽防災集団移転促進事業で医療施設も国費負担の対象に追加―など、新事業制度の実施も可能にする。
被災地の雇用創出に貢献できるよう、雇用している被災者に対する給与支給額の10lを控除する税制上の支援措置も与える。東日本大震災復興交付金(仮称)や復興特区支援利子補給金(仮称)などで、事業を実施する自治体の負担も軽減する。



2011/10/13 【厚生労働省】
医療施設等復旧費補助第4次・東北は3件に内示

厚生労働省は、東日本大震災で被災した医療施設に対する災害復旧費補助金の第4次内示(10月6日付け)を行った。
福島県と茨城県の医療施設に総額9億8925万7000円を補助する。
東北関係で内示を受けた医療施設と補助額は次の通り。《福島県》総額:1億2710万円 (▽いわき市立磐城共立高等看護学院 ▽いわき市立総合磐城共立病院 ▽太田綜合病院附属太田西ノ内病院)
※施設ごとの補助額は本紙参照。



2011/10/12 【政府】
2011年度3次補正の基本方針・震災復興対策に6.1兆円
全国防災に5000億

政府は、総額を約12兆円とする第3次補正予算案の骨格と財源を示した基本方針を7日の臨時閣議で決定した。東日本大震災の復興対策等事業費に約6兆1000円の確保を目指すとしたほか、「全国防災対策費」の名目で約5000億円を計上し、全国の公立小中学校の耐震化などに予算配分する。与野党協議を経た上で政府案とし、次期臨時国会に提出する。
基本方針では、3次補正に盛り込む主な歳出項目として、復興対策等事業費に約6兆1000億円、災害関連融資関係経費に約6000億円、全国防災対策費に約5000億円、除染等経費に約2000億円、地方交付税加算に約1兆6000億円、などを示した。台風12号の災害復旧事業にも約3000億円を計上する見通しだ。
復興対策等事業費では、津波被害を受けた市街地の復興まちづくりや盛土造成地の滑動崩落対策、液状化対策などで早期の実施が見込まれる全事業に対応可能な経費を予算措置する。災害公営住宅は1次補正の計上分と合わせて3万戸を確保する考えでいる。
インフラ関連でも三陸縦貫道など復興道路・復興支援道路の整備、河川や港湾などの津波対策・土砂災害対策などに予算計上する。1次・2次補正に引き続き、医療施設、学校施設、水産施設、中小企業施設の復旧にも経費を盛り込む。
復興財源は、所得税額に4%、法人税に10%の時限的な増税で賄うとしたほか、日本郵政、日本たばこ産業株式の売却など税外収入も充てる。これらの増税や国債発行に関係する措置を盛り込んだ「復興財源確保法(仮称)」も定める。



2011/10/11 【中小企業基盤整備機構】
罹災企業に対する仮設施設整備事業・3県5件の一般競争を公告
参加申請は18日まで

中小企業基盤整備機構は、東日本大震災罹災企業に対する仮設施設整備事業の一環として、岩手県岩泉町の2件、宮城県気仙沼市と南三陸町、福島県いわき市の合計5件の工事の条件付一般競争入札を公告した。
競争参加資格申請書および資料の提出は10月18日10時まで、入札および開札は岩手県2件と福島県1件が10月20日14時から、宮城県2件が21日13時から行う。
参加資格は、各整備個所に最寄の管内に本店を有し、建築工事業の許可を得た総合評点が950点未満の者。また、2001年10月1日以降に元請けとしてS造または軽量S造の新築または改修工事の建築一式工事の施工実績を有することなどとしている。



2011/10/11 【矢作建設工業】
地山補強土工法など3技術をPR
復旧・復興を技術で支援へ・キャラバン開始

矢作建設工業(名古屋市山田文男社長)は11日から11月18日まで、土木技術商品の全国キャラバンを展開する。震災の復旧・復興に役立つ3技術を軸に東北で積極展開を目指す。
販促を強化するのはバーチカルパンウォール工法、ハイブリッドソイルミキサー工法、フィルウォール工法の3技術。
バーチカルパンウォール工法は垂直施工用の地山補強土工法。法面にパネルを据付け、グラウト注入により地山を補強する。切土法面を垂直にすることで掘削残土量の低減、用地買収費の低減が図れるほか、法面の上下空間の有効利用が期待できるため、居住地の高台移転における切土への適用が可能となる。フィルウォール工法はプレキャストコンクリート板を使用し垂直に土を盛り上げて補強する盛土補強工法。垂直の支圧プレートと水平の摩擦プレートの相乗効果により高い抵抗力を発揮。津波防止の道路盛土への適用が想定される。
また、ハイブリッドソイルミキサー工法はバックホーを利用した独自機械により固化材と土を混合し地盤改良する工法。液状化対策や盛土の安定対策など防災分野での活躍が期待される。
同社では特に東北の復旧・復興に当たってこれらの技術が活用されると判断。行政やコンサルタントにPRしていく。



2011/10/07 【東北農政局】
内陸被災地は年度内完了
直轄災害復旧事業の実施状況

東北農政局の東日本大震災の直轄災害復旧事業実施状況によると、東北管内では全10地区で事業が進む。
内陸部を中心とする地震被災地区では▽迫川上流・荒砥沢ダム▽迫川上流▽白河矢吹▽阿武隈川上流―の4地区で直轄災害復旧事業費を決定した。地震被災地区の本復旧は今年度末の完了を予定する。このうち荒砥沢ダムでは、岩手・宮城内陸地震からの復旧中に今回の地震で送水路全体が被災。栗原市若柳川南地区の迫川上流でもパイプラインが被災し、復旧工事を行っている。また、白河矢吹地区では堤体の亀裂や沈下が見られた羽鳥ダムや、パイプラインの復旧工事に着手。ダムは沈下、亀裂の範囲を撤去して再び盛り立てするとともに、下流側の法面の腹付けを行う。このほか阿武隈川上流地区は復旧工事着手に向け準備を進めており、残る河南地区は直轄災害復旧事業計画を検討中だ。
津波被災地区は▽定川▽仙台東▽名取川▽亘理山元▽亘理・山元農地海岸―の5地区で事業計画を検討中。被災直後に仮設ポンプにより排水し、排水路のがれき撤去で流路を確保した。また、梅雨期、台風期に備えた被災ポンプの応急仮復旧によって、従前の7割まで排水能力が回復した。
定川、名取川、亘理山元地区ではこれまでに排水機場の応急仮復旧工事が完了。また、仙台東地区(特定代行)では、高砂南、大堀、二郷堀、藤塚の4ヵ所の排水機場単位で排水施設、排水機場の機械設備の各整備を図るとともに、4ヵ所の排水機場の建物の補修を一括して実施する計画。近く排水路や排水機場の応急復旧工事に着手する。また、農地海岸亘理・山元地区では9月にTP+5・0bの高さの応急仮堤防が完成した。
今後、市町が策定する復興計画と整合を図りながら各地区で本格復旧を開始するほか、農地復旧へ除塩を進めたい考え。
なお、農地等の災害復旧事業の災害査定の予定件数は5385件(9月末現在)で、9月末には約半数の2549件が完了。年内には全件が終了する見込み。


2011/10/07 【環境省】
都道府県にがれき受入要請
自治体の受入能力を調査

環境省は、東日本大震災で発生したがれきの受け入れを全国の都道府県に求めた。4日の「災害廃棄物の広域処理推進会議」に参加した被災3県と沖縄県を除く43都道府県などに対し、宮城県と岩手県のがれき処理を要請。受入側自治体の受入可能量などを把握し、被災県とのマッチングなどを図る広域処理の推進体制も構築する。
環境省は、がれきの受入協力を4月にも全国42都道府県と572市町村などに要請し、受入処理能力などを調査。年間最大488万dの受入が可能との回答を得たが、放射性物質による汚染を懸念する意見もあり、同省としても当面は広域処理を見合わせていた。
しかし、その後の調査で岩手県のがれきの放射線量が十分に安全との結果が出たことから、あらためてがれきの受け入れを自治体に要請し、がれき処理のスピードアップを狙う。
同省では、自治体に対する受入処理能力などの再調査を行うとともに、地方環境事務所を通じた広域処理の推進体制を構築する。がれきの受入を希望する民間のリサイクル業者、産業廃棄物処理業者などは、所在地の自治体を通じて地方環境事務所への登録を求める。
震災で発生したがれきをめぐっては、すでに山形県が受け入れを始めているほか、東京都が30日に岩手県と協定を結んだ。大阪府も受け入れに向けて検討している。


2011/10/07 【厚生労働省】
厚労省の震災復旧費補助・医療施設9件に内示

厚生労働省は、東日本大震災で被災した医療施設に対する災害復旧費補助金の第3次内示を行った。災害査定を終了した宮城県・茨城県内の医療施設9件に総額1億0491万7000円を補助する。
東北関係で内示を受けた医療施設と補助額は次の通り。
《宮城県》▽大崎市民病院鹿島台分院(大崎市)▽大崎市民病院(大崎市)▽みやぎ県南中核病院(大河原町)▽栗原市立栗駒病院
※補助額は本紙参照。


2011/10/06 【アグアジャパン】
放射性物資の飛散防止にアスベスト処理剤を活用

AGUAJAPAN(アグアジャパン、東京都港区)が販売するアスベスト処理剤「AGUA−A3000」が、福島第一原子力発電所や福島県飯舘村の特別養護「いいたてホーム」で放射性物質の飛散防止に活用されている。
災害廃棄物の処理や復興事業に伴う解体工事でアスベストなど有害な粉じんによる健康被害が懸念される中、有効な対策として注目を集めそうだ。
同処理剤は100l無機の水性で、不燃、無臭、揮発性有機化合物を含まないといったことが特徴。これらが評価され、福島第一原発の原子炉、タービン建屋・外壁、いいたてホーム敷地内の一部で放射性物質の飛散防止に活用された。
同社は2007年に設立。船舶内でのアスベスト処理方法の研究から開発した同処理剤は、国交省認定の石綿飛散防止剤であるほか、それを活用した圧縮固化工法の事業化は経産省と国交省共管の新連携事業に認定され、浜松市では廃石綿の処分方法に採用されている。
問い合わせは同社(電話 03−3504−1965)まで。

                        
                     ※福島第一原発におけるAGUA散布の様子。    


2011/10/04 【東北整備局仙台港湾空港技術調査事務所】
被災ケーソンの再利用施工方策検討業務を委託
日本港湾コンサルに委託

東北地方整備局仙台港湾空港技術調査事務所は、簡易公募型プロポーザル方式により選定を進めていた「被災ケーソンの再利用のための施工方策検討業務」の委託者を日本港湾コンサルタントに決定した。
今回のプロポーザルでは、参加表明のあった日本港湾コンサルタント、港湾空港建設技術サービスセンター、東光コンサルタンツの3者に技術提案書の提出を要請。特定テーマに設定した「被災ケーソンの再浮上させるに当たっての留意点」や「被災ケーソンの検査および補修に当たっての留意点」などを評価し、日本港湾コンサルタントを委託先に特定。9月30日の見積りあわせの結果、1、810万円で契約した。なお、予定価格は1、830万円だった。
東日本大震災の大津波によって東北地方の太平洋側の防波堤は甚大な被害を受けたが、今回の業務は、この被災した東北地方整備局管内の重力式防波堤について、ケーソンを再利用するための施工方策を検討するもの。
対象施設は、八戸港=八太郎地区・北防波堤(中央部、ハネ部)、宮古港=竜神崎地区・竜神防波堤、出崎地区・出崎防波堤、釜石港=湾口地区・湾口防波堤(北堤浅部、北堤深部、南堤浅部、南堤深部)、大船渡港=湾口地区・湾口防波堤、相馬港=本港地区・沖防波堤。
これらの各施設の被災状況や、被災ケーソンの再浮上・据直しを行うに当たっての施工条件、制約条件の整理、これまでの再浮上・据直し事例の収集など、資料の収集・整理を行うとともに、ケーソン再利用の検討として▽再浮上および据直しの課題整理▽被災ケーソンの傾斜角、水没ケーソンの水深等に応じた再浮上させるための施工方法の検討▽損傷部の検査、補修方法の検討▽再浮上が困難なケーソンについて、有効に再利用するための方策、撤去せず存置する場合の船舶航行や環境への影響等についの評価―を実施する。
さらに、同業務では、これらの再利用方策の検討内容を踏まえ、再利用手順の検討、概算の工期および工費、課題や対応策の検討などを行う。
履行期限は、2012年2月24日まで。


2011/10/04 【東北整備局仙台港湾空港技術調査事務所】
波浪観測施設復旧工事の入札結果
りんかい日産建設が落札

東北地方整備局仙台港湾空港技術調査事務所は、9月28日に「波浪観測施設復旧工事」の一般競争入札を行い、施工体制確認等の結果、りんかい日産建設が落札した。
今回の工事は、東日本大震災の被災した波浪観測装置の復旧工および観測用ケーブルの更新、総合試験を行うもの。対象は、青森県八戸港内、岩手県久慈港内、宮古港内、釜石港内、宮城県石巻港内、仙台塩釜港仙台港区内、福島県小名浜港内の各施設。工期は、2012年3月26日まで。
なお、落札金額、入札参加者は本紙参照。


2011/10/04 【建設経営サービス】
全国2番目の金融取扱店舗・宮城営業所を開設
復興担う建設業の資金繰りを支援

東日本建設業保証グループの建設経営サービス(東京都中央区椋尾民雄社長)は3日、仙台市内に宮城営業所を開設した。地域建設業経営強化融資と下請債権保全支援事業を通じて、東日本大震災の復旧・復興を担う建設業の資金繰りを支援するのが目的。金融商品を取り扱う営業所は愛知営業所に次いで2番目となる。
金融業務を行う営業所は以前から宮城に設置する計画だったが、震災の影響により資金繰りに苦労する企業が増えていることから、早期開設に向けて準備を進め、9月13日には監督官庁に金融事業の取扱い届出を提出していた。
宮城営業所は仙台市青葉区にある東日本建設業保証宮城支店内に設置。佐藤俊行所長と金融事業担当者の2人を専任で配置し、保証会社宮城支店の職員が業務を兼務する。
地域建設業経営強化融資制度は、公共工事請負代金債権を担保に工事完了前の融資を可能にする仕組み。国土交通省が6月から融資対象に被災地域のがれき処理を追加したことを受けて、同社では被災地域限定の復興応援金利キャンペーンを実施している。被災地域に本店がある元請企業や被災地域でがれき処理を行う元請企業を対象に、通常金利より0・4%低い2・5%で融資する。
一方、下請債権保全支援事業は下請企業や資材会社が持つ手形債券について、ファクタリング(債権買取)会社が手形を買い取ることにより、下請企業などの債権保全、早期資金化を支援する制度。利用者には▽取引先の倒産などで不渡りになった場合でも、手形割引と異なり、手形受取人に買い戻しの義務が発生しない「ノンリコース」▽手形買取料率が年3%に固定▽元請企業が有効な経営事項審査を受けるなど一定の要件を満たせば、1次だけでなく2次下請も利用できる―といったメリットがある。手形買取料率は一律年3%(実質は手形額面額の1%未満)となる。
会見した椋尾社長は「25年前に建設業のための会社として発足し、建設業に育てられてきた。こういう時こそ、少しでも役に立ちたい」と話し、佐藤所長は「PRに努めて、多くの人にこの制度を理解してもらいたい」と抱負を述べた。
同営業所は東北6県のうち岩手、宮城、山形、福島の4県をカバー。宮城以外の3県でも保証会社の支店職員が問い合わせなどに対応する。
問い合わせは宮城営業所(電話:022―262―8622)まで。


2011/10/03 【UIA2011東京大会日本組織委員会】
災害と復興をテーマに
仙台でシンポジウムを開催

UIA2011東京大会日本組織委員会は9月29日、東日本大震災で被災した仙台市のメディアテークで、「災害と復興」をテーマにシンポジウムを開催した。日本建築家協会東北支部が後援。JIA東北支部の岩手、宮城、福島の3地域会や被災した会員らが震災発生からこれまでの活動を報告したほか、世界の建築家や来場者と意見交換会を行った。
報告の中で、宮城地域会の針生承一氏は、名取市に提案した「海のいぐね」と「陸の浮島」によるまちづくり計画を説明した。提案は受け入れられず、名取市復興計画では盛土道路による多重防御などでのまちづくりが決まったが、針生氏は「緑地周辺プロジェクトの実施を検討している。人間のスケールを越えた堤防に対抗して、木造で人間らしいまちづくりがしたい」と今後の取り組みへの意気込みを語った。
福島地域会の辺見美津夫会長は、応急木造仮設住宅建設の成果を報告。福島県がプロポーザル公募した応急仮設住宅は、経済性、効率性を重視するため建設業者へ向けたものだったが、JIAでは場所性とコミュニティー性を重視し、整然としていない、まちのような配置計画を提案し、1位と2位を獲得した。他の建設業者に対しても提案を持ち掛け、4000戸すべてのプランニングを実施した。辺見会長は仮設住宅で復興に関わる中で「福島の被災者はふるさとへ帰れない。建築家は土地が与えられて初めて何かできる。むなしさを痛感した」と話した。
被災した宮城県の渋谷尚氏は、荒浜地域1200世帯のまちづくりについて提案内容を報告。その中で、▽子供の安全確保のための歩行通学路の整備▽一律に居住できない地域を作らない住環境整備事業▽500戸の公営住宅の建設▽住む場所の選択―を提案した。公営住宅については、海抜高度6bを居住区とするため、1階部分はピロティー構造とし駐車場や子供の遊び場に利用するとしている。
続いて、地震や津波の被災を経験したオーストラリアやパキスタン、イタリアの建築士らと意見を交換した。「施工者や設計者に対して訴訟はないか」「仮設住宅の工期や費用は」などの質問のほか、「津波や地震への理解力を挙げることで逃げることができたのでは」などの意見が出た。

                        
                 ※メディアテークで開かれたシンポジウム。(クリックで拡大)    


2011/10/03 【東北防衛局】
マン・テックと協和コンサルに委託
15施設の耐震診断

東北防衛局は庁舎など計15施設の耐震診断を委託するため、2件の一般競争入札を行った結果、「青森外(23)庁舎等耐震調査」はマン・テック、「仙台外(23)公務員宿舎耐震調査」は協和コンサルタンツにそれぞれ落札決定した。ともに8月31日に開札して低入札価格調査を実施し、それぞれ最低札の両者に落札決定・契約したもの。
業務内容はすべて1次診断とし、「青森外(23)庁舎等耐震調査」は青森、八戸、弘前地区にある隊舎と庁舎計7棟が対象で、履行期限は来年1月31日まで。「仙台外(23)公務員宿舎耐震調査」は仙台、多賀城、八戸地区の宿舎計8棟が対象で、履行期限は同じく2月29日まで。
※受注金額、入札者、対象施設の構造規模などは本紙参照。


2011/10/03 【宮城労働局、日建連東北】
災害復旧工事の労働災害防止を
第25回・施工者団体連絡協議会を開催

宮城労働局と日本建設業連合会東北支部安全環境対策委員会(委員長・竹浪浩清水建設東北支店長)の第25回建設施工者団体連絡協議会が9月29日、仙台市のKKRホテル仙台で開かれた。この中で労働局は災害復旧工事での労働災害が多発し、2011年8月末現在で建設業の労働災害が前年同月に比べ25%増加、死亡者数は昨年1年間をすでに上回っていることから、災害復旧工事の労働災害防止対策徹底を要請した。日建連側は会員の2010年の労働災害について休業4日以上の死傷者数が過去最低の55人を記録したことを報告した。
宮城県内における建設業の労働災害は昨年、休業4日以上が前年比13人(5%)減の271人、死亡災害は1人減の6人にとどまった。しかし、11年は震災復旧工事の災害が多発していることから8月末現在で休業4日以上が230人に上り、前年同月の184人と比べ46人(25%)増加。死亡者数は7人で、昨年1年間の6人を上回った。
冒頭、宮城労働局の能坂正徳労働基準部長は「これから復興が進めばさらに災害が増えることが懸念される。決して増えることのないようにしてほしい」と安全対策の徹底を要請。特に足場からの墜落防止を図るため、リスク軽減措置の継続を求めた。
これを受けて竹浪委員長は「今後とも地道な安全教育を継続するとともに、死亡災害、重篤災害ゼロを目指し、会員各社が業界のリーダーという意識を持って安全対策を進めたい」と応じた。
この後、労働局側が労働災害防止に向けた今年度の取り組みを説明。特に災害復旧工事の災害防止を図るため、▽現場ごとの基本的な安全衛生管理体制の徹底▽墜落・転落災害の防止▽重機災害の防止▽石綿ばく露防止対策―を重点的に実施する方針を説明した。
一方、日建連側は会員企業63社を対象にした昨年1年間の労働災害調査結果を説明した。それによると、休業4日以上の死傷者数は東北で前年比11人減の55人となり、前年に引き続き過去最低を更新した。死亡者数は岩手県内で熱中症により1人発生し、前年より3人減少した。また、新規入場者(1日.15日)の休業4日以上死傷者の割合は31%で2年連続で40%を下回った。


2011/10/01 【国土交通省】
2012年度の概算要求
東日本大震災復旧・復興対策費に1.1兆円
公共事業関係費は5%増の4兆4837億円

※記事は、「きょうの建設情報」を参照。


2011/09/30 【国土交通省】
第三次補正予算案に1兆2030億円を要求

国土交通省は、第三次補正予算案に事業費ベースで総額1兆2030億円を要求している。東日本大震災の復旧に4010億円、復興に4530億円を盛り込むとともに、全国で防災対策を進めていくための費用として3490億円を計上。このほか、東日本大震災復興交付金(仮称)の国交省分として、1兆3380億円を見積もっている。28日の民主党・国土交通部門会議に示した。
被災地の復旧に向けては、公共土木施設や空港、官庁施設などの復旧に3910億円、官庁施設の復旧に20億円などを計上。復興に当たっては、住宅金融支援機構による災害復興住宅融資などに1510億円、住宅エコポイントやフラット35Sなどによる住宅・建築物の省エネ化推進に890億円などを充てる。また、三陸縦貫道などの復興道路・復興支援道路の整備や東北地方の高速道路無料開放に1180億円、河川港湾の津波対策、土砂災害対策などに280億円、道路の防災・耐震対策などに120億円を振り向ける。地方公共団体が行う防災対策事業を進めるため、社会資本整備総合交付金を280億円積み増す。
全国で防災対策を進めていく観点からは、道路の防災・耐震対策などに1270億円、河川・港湾の津波対策などに700億円、公共施設の耐震化対策などに80億円、官庁施設の防災機能強化に70億円などを計上。社会資本整備総合交付金は1100億円を充てる。
東日本大震災復興交付金(仮称)は、使途について被災自治体の自由度が高い交付金で、内閣府が一括計上する。国交省関係では▽都市再生区画整理事業▽防災集団移転促進事業▽住宅地区改良事業▽災害公営住宅整備事業▽復興まちづくりとして行われる道路、下水道、都市公園などのインフラ整備―などを対象となる。


2011/09/30 【東北地方整備局】
総合評価で加点、指名基準に反映
10月から実施・震災対応業者を優遇
局長・事務所長表彰の企業対象

東北地方整備局は10月から、東北独自の取り組みとして東日本大震災の緊急対応で表彰された企業を入札時や技術審査時に優遇する。工事については一般競争・総合評価落札方式の評価項目に加えるほか、指名競争入札の指名段階で評価。コンサルタント業務では公募型の指名段階や、指名競争入札と標準プロポーザルの技術審査で評価する。併せて、総合評価方式については、工事成績評定点の評価基準を見直すほか、配置予定技術者の工事成績評価を加える。
一般競争・総合評価落札方式で発注する工事については、@東日本大震災の緊急対応により表彰された活動実績の有無を評価項目に追加A過去3ヵ年の平均工事成績評点の評価基準の見直しB配置予定技術者の施工経験で提出した工事の成績を評価項目に追加―の3点を行う。
震災対応の評価については、震災時に率先して対応した企業に対する評価と、今後の緊急対応に対して迅速な対応が図れる企業の育成が目的。既存の災害協定に基づく活動実績は落札者の6割、参加者の4割が加点されており差が付きにくいことから、これとは別に評価することにした。2013年度末までの措置。
評価対象は整備局長表彰と事務所長表彰の受賞者で、2点加算される。局長表彰は工事が283社、コンサルタント業務が81社表彰された。
工事成績評点は平均点が毎年上昇し2年前と比べ1点上がったことから、3ヵ年の平均工事成績評点の評価基準を見直し、配点対象を1点ずつ引き上げる。具体的には08.10年度までの平均点が77点以上で3点、73点以上77点未満で1点、73点未満が0点となる。
配置予定技術者については、「国土交通省直轄工事における総合評価落札方式の運用ガイドライン」の必須項目となっていたが、東北では評価対象としていなかった。配置予定技術者の能力を的確に評価するため、07年度以降に東北整備局発注工事で完成した工事の施工経験における工事成績評定点が77点以上に1点、73点以上77点未満に0・5点配点する。
併せて、建設コンサルタント業務では公募型(プロポーザル方式、総合評価落札方式、競争入札)について、指名段階の技術評価項目に東日本大震災の緊急対応により表彰された活動実績の有無を加える。実績がある場合は、東北管内全域で評価対象とする。評価は12年度末までの2年間限定とする。
また、工事と建設コンサルタント業務における指名競争入札方式や標準プロポーザル方式の技術審査基準に日本大震災の緊急対応により表彰された活動実績の有無を反映させる。工事は13年度末まで、業務は12年度末までとなる。


2011/09/29 【東北地方整備局・東北建設業協会連合会】
東北整備局と東北建協連が意見交換
地元業者の維持が重要
防災業務計画の見直し検討―整備局

東北地方整備局と東北建設業協会連合会(佐藤博俊会長)の意見交換会が28日、仙台市の東北整備局庁舎で開かれ、迅速な災害対応とそれを支える地域建設業の維持が重要との認識を共有した。徳山日出男局長は安全・安心を確保するために地元建設業が欠かせないとの考えを示す一方、より災害対応を迅速にするためマニュアルとなる防災業務計画の見直しを検討していることを明らかにした。また、連合会側は復旧・復興に当たっての地元活用や必要な予算確保を求めた。
冒頭、徳山局長は豪雪、地震、豪雨と自然災害が多発する日本を「災害列島」と称した上で、「そういう時に頼りになるのが地元の建設業で、なくてはならない存在だ。健全な地元建設業の存在を1つの目指すものとして堂々と言えるようになった」と強調した。また、今年度の8月末現在の予算執行状況について、6県すべてで前年同期を上回ったことを明らかにしたほか、3次補正予算について「太平洋側と日本海側のバランスを取りながら地域の建設業を守っていく」との見通しを示した。
これを受けて佐藤東北建協連会長は「今年は災害が多い。安全・安心を享受できる強靱な国をつくるためしっかりとしたビジョンと必要なライフライン整備の予算を確保することが最も重要であり、公共事業費の5l留保を早く解除してほしい」と必要な予算確保を求めたほか、「東北、日本の復興に地域建設業が一丸となってまい進する」と決意を示した。
この後、川嶋直樹企画部長が高速道路ネットワーク形成の重要性について説明した。それによると青森と東京を結ぶネットワークは総延長2523q、ルート数は24ルートだが、全3361qが開通した場合、ルート数は593倍の1万4240ルートに増える。
また、東日本大震災の道路啓開作業における建設業者の活動実態を報告した。26社が直轄国道25ヵ所と県道・市道15ヵ所の計40ヵ所を実施。要請を受けてから6時間以内に18ヵ所、24時間以内に34ヵ所で作業を開始した。道路啓開が速やかに行われた理由としては、「自社で建設機械、運搬機械、オペレーターを所有」「リース会社と災害協定を結ぶなど通常から関係会社と協力関係を構築」などを挙げた。
意見交換では、連合会側が各県の実情を踏まえて課題を指摘した。
佐藤会長は「難易度の高いものは大手業者で良いが、地域で対応可能なものは地元に発注してほしい」とあらためて地元活用を要望した。
宇部貞宏岩手県協会長は岩手県が沿岸部の道路復旧に当たって指名競争入札を採用しなかったとし、県への指導を求めたほか、一関遊水池の早期防波堤整備を要請した。
三瓶英才福島県協会長は放射性汚染が今後の復旧・復興の障害になると指摘した。「東北道から東側はほとんどが汚染されており、災害の仕事が動いてくるとストップせざるを得ない。中間的に汚染されたものを置くところをつくることが大事」と述べ、国土交通省が汚染物質への対応をリードしていくべきとの考えを示した。
これに対し徳山局長は「これから復興に向けた工事が動き出すと汚染された土や草が動くので大問題だ。政府全体でどういう形にするのかしっかり判断しなければならない」と述べた。
地震被害が少なかった青森、山形、秋田からは日本海沿岸自動車道の整備促進など東北全体としてバランスの取れた整備を求める声が相次いだ。渋谷忠昌山形県協会長は「縦軸の日沿道とともに横軸のネットワークを一緒に進めてほしい」と強調、今誠康青森県協会副会長も秋田、青森間の移動時間が長いとしと日沿道の早期開通を要望した。村岡淑郎秋田県協会長は「太平洋ベルト地帯から日本海側への新たな国土軸を考えるべき」と提言した。
最後に徳山局長は「災害は避けて通れない。災害時に素早く応援できる体制を充実させるためにマニュアルとなる防災業務計画の見直しを検討したい」と述べた。


2011/09/28 【東北地方整備局】
防波堤の復旧方針案
「粘り強い構造」の具体的指針を提示
越流洗掘型など4類型

東北地方整備局の第3回東北港湾における津波・震災対策技術検討委員会(委員長・高山知司京都大学名誉教授)が26日、仙台市の花京院スクエアで開かれ、防波堤に求められる「粘り強い構造」の具体的指針を示した。被災要因に応じて被災防波堤を「越流洗掘型」「津波波力型」「堤頭部洗掘型」「引波水位差型」の4パターンに区分。いずれの場合もケーソン背面(港内側)を被覆コンクリートや腹付石の設置などによる強化が必要とした。
第2回委員会までに、防波堤は原形復旧を基本とするが1000年に1度のレベル2の津波が来ても大きく変形せず、すぐに修復可能な「粘り強い構造」とする方針を確認していた。
今回の委員会では、太平洋側で被災した25の防波堤を「越流洗掘型」「津波波力型」「堤頭部洗掘型」「引波水位差型」の4パターンに区分。それぞれの代表的な防波堤を例に「粘り強い構造」とするための具体策を提言した。
「越流洗掘型」は津波力に対してケーソンは安定しているが、越流により背面のマウンドや地盤面が洗掘されることでケーソンが滑落したもの。代表的な八戸港八太郎防波堤(中央部)については、ケーソン上部にコンクリートを打設し越流水の力を抑制するほか、ケーソン背面の洗掘対策として基礎捨て石の表面に被覆ブロックなどで強化する方針を示した。
「津波波力型」は津波そのものの直接的な威力でケーソンが不安定となり、滑動、転倒、支持力破壊などダメージを受けたパターン。例示された釜石湾口防波堤、大船渡湾口防波堤、相馬港沖防波堤では、背面に腹付石を設置するなど滑動抵抗力を増大させる対策が必要と指摘。ただ、腹付石により港内側のマウンドが高くなることで洗掘が起こるため、越流洗掘を緩和する上部工の形状の選定と洗掘を防止できる腹付石の被覆材使用が検討課題となる。
「堤頭部洗掘型」は防波堤が津波を一時的に堰き止めたものの、流れが防波堤端部に集中。洗掘が発生した結果、支持力不足でケーソンが滑落した。宮古港の竜神崎防波堤は前面と背面の基礎割石の表面に被覆材を設置することで、基礎捨石の飛散や洗掘を抑制・防止できるとした。
「引波水位差型」は第一波の津波力や越流に伴う洗掘だけでは不安定にならないが、港内側から港外側に海水が排出されにくい平面形状だったため、引波時に湾内外の水位差が大きくなり支持力の破壊につながったもの。代表的な女川港津波防波堤については、基礎捨石マウンドの飛散・洗掘を防止するため被覆ブロックを設置。併せてブロックが被災してもマウンドの飛散・洗掘を防止するために被覆ブロック下の基礎マウンドをアスファルトマスチックで固結させるかマッチなどを設置する方針を示した。
委員会の提言を踏まえて東北整備局では今後、港湾空港技術研究所と連携しながら、水理模型実験を実施。背面部分の強化材の選択や、腹付石とした場合、重さや厚さをどうするかなど具体的な設計指針を2012年5月までに固める。併行して災害査定が完了した防波堤から順次、本復旧工事に入り、指針が固まりしだい設計に反映させる方針だ。
委員会終了後に高山委員長は「防波堤の復旧・復興は港を有する地域の復興に大きく影響する。しっかり対応することが必要だ」とした。


2011/09/27 【日建連東北】
社会資本整備、建設産業の在り方考える
6県意見交換会のテーマ固まる
東日本大震災に焦点

日本建設業連合会東北支部(赤沼聖吾支部長)は2011年度東北6県意見交換会のテーマを固めた。東日本大震災に焦点を当て社会資本整備の在り方や建設産業の重要性について話し合うほか、公共調達制度の改善として、予定価格の事後公表や2段階選抜方式の導入を要望する。意見交換会は10月18日の秋田県を皮切りにスタートする。
6県との意見交換会は旧日本土木工業協会の時から東北支部が独自に行っているもので、受発注者が共通の課題について話し合うことにより、社会資本整備の理解促進や公共工事の生産性向上、品質確保につなげてきた。
今年度は「県民の安全・安心な生活を再構築するために」と「公共工事における諸制度の改善」の2つを大テーマに設定した。
このうち安全・安心な生活の再構築では、主に東日本大震災を教訓にした社会資本整備の在り方について考える。震災時には東北縦貫自動車道や国道4号の縦軸と太平洋沿岸地区に通じる横軸を早期に開通させたことにより、被災地への物資、人員の輸送に大きな役割を果たしたほか、高盛土構造の仙台東部道路が津波の来襲を防いだ。こうした事例を踏まえて防災、減災の観点から見た社会資本整備について意見を交わす。
併せて震災時に尽力した建設産業の重要性を確認するほか、災害協定の問題点などを明らかにする。
公共工事における諸制度の改善では、▽公共事業調達の改善▽総合評価方式の改善▽円滑な施工による生産性向上と品質確保―をテーマに掲げた。
公共事業調達については総価契約単価合意方式、施工プロセスを通じた検査、出来高部分払の一体的推進を要望するほか、予定価格の事後公表を求める。
総合評価落札方式については簡易・標準・高度技術提案型や施工体制確認型の的確な運用、入札手続き段階で入札業者を絞り込む2段階選抜方式の導入などを要望する。
円滑な施工による生産性向上、品質確保では、ワンデーレスポンス、三者会議、工事調整会議の継続実施・普及拡大を求める。
意見交換会は今のところ秋田、青森、岩手、山形の4県の日程が決まっている。詳細は次の通り。▽10月18日=秋田県(アキタパークホテル)▽同24日=青森県(青森国際ホテル)▽11月14日=岩手県(盛岡地区合同庁舎)▽同17日=山形県(ホテルメトロポリタン山形)


2011/09/26 【宮城県山元町・福島県新地町・JR東日本】
JR常磐線の新ルート案
内陸へ移転でJRと合意

宮城県山元町、福島県新地町、東日本旅客鉄道、東北運輸局は21日、JR常磐線の新ルート案について、「第3回JR常磐線(亘理.相馬間)復興調整会議」内で合意した。東日本大震災の津波で被災した東北の太平洋沿岸部のJR線について、関係機関との復旧案の合意が得られたのは初。今後、年内に策定される山元町、新地町の復興計画での考え方を基に、用地買収や造成、レール建設の工期などの建設スケジュールを示していく。
新ルート案は、旧新地駅の南2`b地点から宮城県亘理町の浜吉田駅まで約15`bのレールを西側へ移転する。農地や山、津波で流されてしまった宅地などに整備する。
区間内にあった山下、坂元、新地の3駅はレール移設に併せて新たに建設する。新新地駅は旧新地駅のやや南に広がる市街地に近付ける計画で、震災以前から進めていた土地区画整理事業の中で区画変更などを想定。駅周辺は、駅前広場やシンボルロード、商業施設を設ける。新坂元駅は国道6号線よりもさらに西側の農地に、新山下駅は山下地区と旧山下駅との中間地点の農地に移転。両駅とも、移転後の駅前開発では広場や住宅、商業施設を建設する。
両町が策定する復興計画で、海岸防潮堤や高盛土構造とする県道相馬亘せた。日本海側拠点港湾を今秋までに選定し、「中国、韓国、ロシアなどの経済発展をわが国の成長に取り込みたい」と語った。理線を含むまちづくりの方針が固まり次第、JR東日本が新ルートの構造を決定する。
なお、旧ルートについては、県道相馬亘理線の新ルートに利用する方向で検討されている。
JR東日本では、常磐線のほか、山田線、大船渡線、気仙沼線、仙石線、石巻線についても各関係自治体、東北運輸局と復旧の検討・調整を行っている。山田線、大船渡線、気仙沼線は現ルートでの復旧を目指す方向で進めている。被害が大きかった仙石線野蒜駅などや、石巻線の女川町の駅では、山側へ移設したいとの意向が各自治体から出ており、意向に沿って検討している。

                     
                        ※新ルート案。(クリックで拡大


2011/09/26 【日本学術会議】
新法制定で地元採用枠・復興事業で雇用確保を

日本学術会議の東日本大震災対策委員会は、震災復興における就業支援と産業再生支援に関する提言をまとめた。被災失業者の雇用を確保するため、復興関連の公共事業で地元優先雇用を担保する新法を制定、受注する企業に地元採用枠を義務付けることを政府に求めた。被災者が建設重機の操作免許を取得する際に教育訓練を受けられる助成金制度の充実なども要請した。
東日本大震災が原因で休業・失業した人の数は、岩手県、宮城県、福島県の3県だけで、少なくとも14万人に達すると推計されている。阪神・淡路大震災の際には、近隣の大阪などが雇用の受け皿になったが、東日本大震災の被災地は通勤可能範囲が限定されるため、若年層などを中心に、雇用を求め首都圏や東海地方に転居するケースが増えている。
提言では、民間企業の経営再建を雇用の原動力としながらも、再生に時間を要するのではあれば、政府・自治体が労働者を直接雇用したり、公共事業で雇用を創出することも必要だと指摘。
阪神・淡路大震災の際には、復興事業などで被災失業者の雇用を義務付ける特措法が制定されたが、大手ゼネコンなどが社内の従業員を他地域から派遣した結果、特措法に基づき雇用された被災失業者は3年でわずか105人にとどまった。
東日本大震災でも、厚生労働省などが被災者の優先雇用を地方自治体や受注企業に求めているが、提言では「どこまで被災失業者の雇用につながっているか、疑問視する声も挙がっている」としている。
こうした事例を踏まえ、学術会議の提言では、公共事業を受注する事業主に地元採用枠を義務付ける新法を制定するよう提案し、府省の壁を超え、政府一体で取り組むよう求めた。被災失業者に建設重機の操作免許取得を支援するため、助成金制度、失業給付、求職者支援制度の適用拡大で教育訓練を拡充することも合わせて要求した。


2011/09/21 【全国知事会】
第3次補正予算の編成に対する緊急要請まとまる
震災復興の財政負担軽減策を

全国知事会は、第3次補正予算の編成に対する緊急要請をまとめた。東日本大震災の復旧・復興で短期的に膨大な財政負担が生じる被災県の実情を踏まえ、国庫補助事業の補助率のかさ上げや対象拡大、手続きの弾力的運用などを求める。阪神・淡路大震災を大幅に上回る復興基金の早期設置も要望している。
緊急要請では、通常の財政スキームで被災地の自治体が復旧・復興事業を行えば、短期間に膨大な財政負担が生じるとし、国庫補助率の引き上げ、対象事業の拡大などの弾力的運用を図ることを訴えた。また、直轄事業負担金や国庫補助の裏負担などが復興の妨げとならないよう地方負担に対する配慮も求めている。
合わせて、地方自治体の裁量で事業を柔軟に執行できるよう、復旧・復興事業を集約し、複数年度に対応する自由度の高い交付金の創設も求めた。復興基金は、阪神・淡路大震災を上回る規模であるだけでなく、特別交付税の特例交付などの支援策が必要だとした。
被災地以外でも、円高に伴う産業空洞化を防ぐため、総合特区制度を活用した法人税率の引き下げを行い、立地競争力を高めるよう提案。成長分野の産業に対する国内立地・設備投資の支援拡充も同時に要請した。
緊急要請には、全国的な緊急防災・減災事業を実施する予算措置も盛り込み、地方自治体も必要な税財源の確保に国と連携して対処する考えを示している。
3次補正予算の編成では、すでに9日までに各府省の予算案が財務省に提出されており、査定後の10月中旬にも国会に提出される見通し。


2011/09/21 【東北整備局】
GPS波浪計が復旧
青森除く太平洋側6基

東北地方整備局は東日本大震災で被災した太平洋側のGPS波浪計が復旧したと発表した。
2006年度から整備を進め、東北では太平洋側7基と日本海側3基の計10基を設置。震災により太平洋側の7基が被災し、観測データが電送できない状態だったが、順次復旧作業を進め、15日までに青森東岸沖の1基を除く6基が復旧し、観測データをインターネットで閲覧できるようになった。
青森東岸沖はGPS波浪計本体を陸上に引き上げ、不具合の原因を調査した上で、年度内の復旧を目指している。


2011/09/17 【厚生労働省】
厚労省の災害復旧補助・医療施設4件に内示

厚生労働省は、東日本大震災で被災した医療施設向けの災害復旧費補助金の第2次内示を行った。災害査定を終えた岩手県内の公的医療施設4件に総額4119万9000円を補助する。
内示を受けた医療施設と補助額は次の通り。▽岩手県立中央病院(盛岡市)=72万6000円、▽岩手県立宮古病院(宮古市)=3059万8000円、▽岩手県立遠野病院(遠野市)=771万1000円、▽岩手県立磐井病院(一関市)=208万4000円


2011/09/16 【新日本製鐵】
津波堆積物を高速で改良
仙台での実証実験を報道陣に公開

新日本製鐵(宗岡正二社長)と新日鉄エンジニアリング(高橋誠社長)は14日、仙台市の仙台港背後地で津波堆積物の土壌改良実証実験を行い、報道陣に公開した。ツイスター工法(回転式破砕混合工法)とカルシア改質材を活用することにより、高効率で水分やがれき類を取り除くことができる。自治体やゼネコンなどに盛土材などでの活用をアピールしていく。
津波堆積土砂は環境省の推計によると宮城県内で1100万立米が見込まれている。
土壌改良に採用するカルシア改質材は、鉄鋼副産物の製鋼スラグを主原料として成分管理や粒度調整を行った製品。泥土と混合させることにより、セメント改良効果が表れ、再泥化することのない高強度な改質が可能になる。
もともと海底の浚渫土の改良に使用していたもので、これまでに全国で20万立米以上の利用実績があり、中部国際空港アクセス道路の路床材として使われた。
今回の実験では石巻市内から搬入した津波堆積土に、その2割程度のカルシア改質材を混入。ツイスター工法で高速回転による混合・かくはんを行った後、40oメッシュのふるいに掛け、土壌とがれきを分別した。また、改良土はコーン指数で800`ニュートンの強度を確認した。
処理能力はツイスターの機種によって異なるが、1時間当たり最高200立米を処理できる。処理費用は1立米当たり4000円〜6000円。最終処分するケースと比べ1万円前後安くなるという。

                   
                      ※改良土の生成状況。(クリックで拡大


2011/09/16 【東日本高速道路東北支社】
東北管内の舗装本格復旧5件の入札結果
NIPPOらに決まる

東日本高速道路東北支社は東日本大震災で被害を受けた高速道路復旧に向け、東北自動車道北上、福島、磐越自動車道郡山(上り線)、いわき、仙台東部道路仙台の各管内の舗装災害復旧工事の落札者を決定した。
それによると、福島管内はNIPPO、北上管内は三井住建道路、郡山管内(上り線)は佐藤渡辺、いわき管内はガイアートT・K、仙台管内は日本道路が落札した。
※落札金額ほか詳細は本紙結果欄を参照。

工事概要は北上管内が東北道一関IC〜花巻ICのほか、秋田道北上JCT〜湯田IC、釜石道花巻JCT〜東和ICの各舗装本格復旧で、オーバーレイ工(表層t4p)約11万u、同(基層t6p)約11万u、レベリング工約3000t。福島管内は東北道本宮IC〜白石IC(下り線)で、オーバーレイ工(表層t4p)約27万u、同(基層t6p)約27万u、レベリング工約2万7000t。
郡山(上り線)管内は磐越道小野IC〜猪苗代磐梯高原IC(上り線)で、オーバーレイ工(表層t4p)約18万u、同(基層t6p)約16万u、レベリング工約1万4000t。いわき管内は磐越道いわきJCT〜小野ICで、オーバーレイ工(表層t4p)約15万u、同(基層t6p)約15万u、レベリング工約9000t。
残る仙台東部道路の仙台管内は三陸道、仙台北部道路、常磐道で、オーバーレイ工(表層t4p)約28万u、同(基層t6p)約28万u、レベリング工約1万5000t。
工期は東北道北上管内が2012年11月28日まで、磐越道郡山(上り線)管内が2012年11月25日まで、いわき管内が2012年12月1日まで、福島管内と仙台東部道路仙台管内が2013年1月27日まで。


2011/09/16 【国土交通省】
環境と安全・安心の調和を − 復旧・復興の提言まとめる

国土交通省の社会資本整備審議会・交通政策審議会交通体系分科会は、14日に開いた合同の環境部会で、東日本大震災からの復旧・復興に当たり、環境と安全・安心の確保が調和した計画づくりや事業の実施を求める提言をまとめた。低炭素社会の実現に向けて、集約型の都市構造への転換や再生可能エネルギーの導入、住宅・建築物の省エネ化などを促進する必要性を指摘した。
提言は、東日本大震災からの復旧・復興について「被災者の生活再建と安全・安心の確保が最優先で取り組まれる課題であり、全国的には電力需給のひっ迫の解消が急務」としつつ、「それと同時に、将来世代のために良好な環境を形成し、引き継ぐ責任がある」との認識を提示。その上で、▽低炭素社会▽自然共生社会・生物多様性保全▽循環型社会―という3つの視点から、復旧・復興の在り方を示した。
低炭素社会の実現に当たっては、2010年8月に国交省が策定した「低炭素都市づくりガイドライン」などの活用によって、集約型都市構造に転換することが重要とした。また、固定価格買取制度を活用しつつ、太陽光・風力・水力・地熱・バイオマスなどの再生可能エネルギー導入を促進し、蓄電池やスマートグリッドを使って、自立分散型のスマートエネルギーシステムの確立を目指すこととした。さらに、ライフサイクル全体を通じたCO2排出量をマイナスにするLCCM住宅の普及促進も求めた。
自然共生社会などの構築に当たり、河川堤防などに多自然型工法を採用するほか、津波被害の跡地を沼地や湿地などに再生するなど、自然との共生や生物多様性保全の観点から活用することが重要とした。循環型社会を実現するため、再生可能な災害廃棄物の種類を把握した上で、その種類ごとに活用方法を検討する必要性を指摘。特にコンクリートくずは、公園緑地や宅地盛土などへの活用を促進すべきとした。


2011/09/15 【東北大学】
復興に向けた大学の役割テーマに 震災6ヵ月後報告会

東北大学(井上明久総長)の東日本大震災6ヵ月後報告会が13日、仙台市のトラストシティカンファレンス仙台で行われた。震災から半年が経過し、大学の取り組みを共有するとともに復興に向けた大学の役割を考えることをテーマとして、基調報告、特別講演のほか研究状況報告が行われた。
基調報告では、宮城県震災復興・企画部長の伊藤和彦氏が「宮城県での取り組みと東北大学への期待」と題して講演。一つの節目とする仮設住宅完成戸数が2万戸を超えて目標に近づきつつあることや、宮城県の震災復興計画案の内容を紹介。高台移転や水産業の再構築、再生可能エネルギーを活用したエコタウンの形成、学術・研究機関との連携を復興のポイントに挙げた。また、「産業の再生がなければその地域の永続的な発展が望めない。社会資本整備とバランスを取りながら、雇用、産業の再生にも力を入れたい」と話し、東北大学の横断的な研究や政治・行政への影響力に期待を込めた。
このほか、過去の大震災から復興を学ぶため、神戸市危機管理室専門役の太田敏一氏が「阪神・淡路大震災からの神戸市の復興―計画策定とその実施」と題して特別講演したほか、東北大学、岩手大学、福島大学それぞれの取り組みも報告された。
また、東北大学の研究状況についても紹介があり、8題を発表。この中で、東日本大震災アーカイブプロジェクト「みちのく震録伝」が本格始動するに当たりこの概要が説明された。震災の記録、記憶、事例、知見を収集して分野横断的な研究を展開し、震災の実態の解明や復興に関する知見を提供。国内外、未来に伝えていこうというもので、災害記録・記憶の伝承や低頻度巨大災害、東海・東南海・南海地震の防災対策などに役立てる。期間は10年をメドとし、情報を公開していく。


2011/09/14 【東北大学】
70年ぶりに本格研究所設立へ
東北大学の災害科学国際研究所
12年度概算要求に施設新営の要望も

東北大学(井上明久総長)は、13日に開いた東日本大震災6ヵ月後報告会の中で、70年ぶりの本格的な研究所設立となる「災害科学国際研究所」(仮称)の概要を報告した。研究所は4月に立ち上げた災害復興新生研究機構の要と位置付け、6つの研究部門を設けて減災技術の再構築やデジタルアーカイブの構築などを主要な課題として研究を進める。2012年4月の設立を目指す。東北大では12年度概算要求に同機構の組織、研究棟となる施設新営の要望を出している。
東北大学は、震災から間もない4月に「東北大学災害復興新生研究機構」を立ち上げた。同機構は、これまで経験したことのない大震災からの復興・地域再生に被災地の知の拠点として貢献することを目的とするもの。復興・地域再生に寄与するプロジェクトの推進をはじめ、総合大学として同大学が持つポテンシャルの集結による復興・地域再生支援、東北や日本のみならず災害復興を目的とした総合研究開発の世界的拠点を目指している。
新設予定の災害科学国際研究所による「災害科学国際研究推進プロジェクト」をはじめ、工学・理学・環境科学研究科などによる「環境エネルギープロジェクト」、工学・経済学・農学研究科等による「地域産業復興プロジェクト」などの7テーマの震災復興プロジェクトを進めている。
このうち、災害科学国際研究所では、新たな学術的研究組織として国内外の研究機関と協力しながら災害科学の世界最先端の研究を推進。▽災害リスク研究▽地域・都市再生研究▽災害理学研究▽情報管理社会連携▽災害医学研究▽人間・社会対応研究―の6つの研究部門を立ち上げ、広域複合巨大災害の減災に向けた調査研究をはじめ、地震・津波発生メカニズムの解明や被災地支援学の構築、自然災害デジタルアーカイブの構築などの研究課題を進める。国内外の研究機関や被災自治体、関連団体、民間企業などと連携し、被災地大学とは、岩手大学と津波災害や被災地支援学の分野で、福島大学とは除染科学や放射能観測などの分野で連携を密にする考え。研究所の設立は震災からおよそ1年後となる12年4月を目指して、現在体制を整備しているところ。
井上総長は、「東北大学としては70年ぶりの本格的な研究所設立となる。研究成果から、今後発生が懸念されている東海、南海、東南海地震での防災、減災に対しても有効な知見が得られるだろう。先導的な研究を組織的に進め、地域社会に貢献していきたい」と話した。
なお、東北大学では、12年度概算要求に災害復興新生研究機構の組織、研究棟となる施設新営の要望を出している。


2011/09/14 【内閣府】
国・地方間の費用負担も検証・災害対策法制の検討を開始

内閣府は12日、東日本大震災を踏まえて災害対策を再構築するための「災害対策法制のあり方に関する研究会」の初会合を開いた。研究会では、復旧・復興を円滑化する枠組みも検討課題に挙げ、国・地方の復旧費用の負担の在り方などを議論する。11月中旬までに論点をまとめる。
内閣府は、東日本大震災の応急対応で得られた教訓を踏まえ、検討会に対して▽復旧・復興の円滑化のための枠組み▽大規模広域災害に対する即応体制▽避難から生活再建・事業再建に至るまでの一貫した被災者支援―の在り方をそれぞれ検討するよう求めた。
復旧・復興では、激甚災害や地方自治体への補助制度などの仕組みを整理し、国・地方自治体間の費用負担の在り方を検証する。東日本大震災の発生後に制定された関連法の恒久制度化などについても考える。
東日本大震災で被災した大槌町や陸前高田市などで行政機能が失われたことを教訓に、大規模広域災害が発生した際の国と地方自治体の役割分担や初動対応、被災者の生活再建なども議論する。
初会合で内閣府の後藤斎副大臣は「災害による被害をゼロにするのは難しい。被害を抑制するという視点で検討を進めてほしい」とあいさつ。研究会は地方自治体に対するアンケートなども行い、11月中旬までに意見集約する。研究会での議論の成果を災害対策基本法の改正などに反映させる。


2011/09/13 【東北大学・森環境技術研究所】
高橋東北大教授がヘドロ再資源化社会実験
ボンテラン工法でミニ堤防を造成

東北大学の高橋弘教授は9月2日.8日まで、仙台市若林区藤塚地区で、森環境研究所(山形県新庄市 森雅人所長)と共同開発したボンテラン工法による津波堆積物(ヘドロ)の再資源化社会実験を行った。東日本大震災の被災地では、がれき撤去業務の提案型発注も始まり、受注を狙う業者側でがれきやヘドロの最終処分での再利用方法が注目を集めている。
ボンテラン工法は、高含水比汚泥リサイクルシステムで、国土交通省のNETISに登録済み。同工法で作られる繊維質固化処理土は、従来のセメントのみを使う固化処理土に比べ、強度は2.3倍。乾湿で劣化せず、液状化に対しても耐震設計上強い地盤材料だ。さらに、粘性があり、変形係数が小さいため、強い力が働いたときに応力集中が起きないという利点もある。
今回のような木くずや瓦などさまざまなごみや有害物質が混ざっているヘドロでの施工事例はなく、高橋教授が室内実験を経て、キャタピラージャパンに委託し現場実験をする運びとなった。
藤塚地内3000uでの社会実験では、地盤を情報化施工によって15p剥ぎ取った。450立米のヘドロから分級機(トロンメル)で異物を取り除き約8割を再利用した。震災から月日が経ったこともあり含水量は8・8%で少なく、加水調整の上30%まで引き上げた。1立米当たり古紙25sを投入し攪拌(かくはん)。固化材として劣化しないよう1立米当たり80sのセメントを添加し、繊維質固化処理土を完成した。転圧前までの一連の工程を行い、実際に盛土でミニ堤防を造成することに成功した。
高橋教授は、「コスト削減は厳しい。セメントのみの工法よりも1〜1・5割高い」としたものの、性能性の良さから「50〜100年保つことができる盛土材料だ」と強調した。その上で「ゼネコンにこの工法を提案に組み込んでもらいたい」と期待を寄せた。
森所長は「今回の震災で、阿武隈川ではボンテラン工法の部分だけ大丈夫だった。ボンテランは強いと証明されている」と強調した。
なお、塩釜市の中倉埋立処分場でも被覆土に使うための同工法の社会実験を実施した。今後、宮城県気仙沼市でも10月中旬から社会実験を行う予定でいる。

                
        ※分級土、古紙、セメントを攪拌        ※ミニ堤防を造成(クリックで拡大
             (クリックで拡大


2011/09/13 【水環境学会】
浸水深2mで建物流出率上昇
震災被害などテーマに講演会

日本水環境学会(中島淳会長)は11日、「東日本大震災による被害報告と水環境保全に向けた課題」をテーマとした講演会を開いた。当日は約120人が参加した。
初めに、東北大学大学院工学研究科・災害制御研究センターの越村俊一准教授が「2011年東北地方太平洋沖津波災害―東北地方の再生に向けて―」と題して基調講演を行った。この中で越村准教授は、浸水深2b以上を境に建物の流出率が上昇し、6b以上では建物のほとんどが流出したというデータを報告。雪国である新潟県の条例を例に挙げ、RC造、S造の1階部分は基礎とみなされる高床式の家屋を紹介し、津波浸水地域でも有効だと提案した。さらに、宮城県女川町では6棟のRC、SRC造のビルが流出、転倒したことも踏まえ、「津波に強い建物の要件を早急に見直す必要がある」と強調した。
また、津波防護施設の効果を多面的に捉える必要性のほか、1000年に1度発生するような規模の津波に対しては構造物での防護は難しいとし、ハード、ソフトのあらゆる対策を組み合わせて被害を抑える減災の考え方に基づいて今後の対策を考えていく必要性を訴えた。
引き続き、南蒲生浄化センター、宮城県の農業・漁業集落排水施設、仙台市の水道について被害状況が報告された。


2011/09/13 【農林水産省】
2011年度3次補正の検討項目・農地復興へ被災水田大区画化など

農林水産省は、第3次補正予算案に関する主な検討項目をまとめた。東日本大震災で大きな被害を受けた東北地方を「新たな食料供給基地」として再生するため、壊滅的な被害のあった水田の大区画化のほか、農地・農業用施設の復旧、拠点漁港の岸壁整備などを実施する。東北地方全体をカバーする物流拠点のモデル整備などにも取り組む。
農水省は、被災した農業・農村や水産業の復興マスタープランに基づいて予算案を編成、9日までに財務省に提出した。予算案は財務省の査定後に固まり、10月中旬にも国会提出される見通しだ。
農業の復興では、市町村が策定する復興計画と連携し、地域農業の再興に向けた農業基盤の整備計画を策定。津波で壊滅した海辺の農地などでは、県・市町村に対する補助事業として水田の大区画化を進める。災害復旧と同時に水田の大規模集約を図る計画だ。1次・2次補正にも予算計上した農地・農業用施設の災害復旧、除塩事業などでも予算を積み増す。
水産業では、被災した漁協などの水産業協同利用施設(荷捌き施設、加工処理施設など)について、衛生機能を高度化する施設なども含めて再整備する。拠点漁港の岸壁や高度衛生管理荷捌き所なども整備し、流通機能の回復・強化も図る。 被災地での再生可能エネルギーの導入調査を行うほか、小水力発電施設や木質バイオマス利活用施設の整備などでも必要経費の計上を目指す。
また、東北地方全体をカバーする物流網を構築するため、地方自治体、、食品・物流業者などで設置する協議会に補助金を交付し「複層的物流拠点」をモデル的に整備するとしている。


2011/09/13 【厚生労働省】

医療・介護の復興基本方針示す
医療機能は集約・連携体制のモデルづくり

厚生労働省は、東日本大震災からの復興に向けた医療・介護などの分野別基本方針を示した。医療は全半壊した施設を単に復旧するのではなく、医療機能の集約・連携、在宅医療の推進といった方向性を踏まえた、新たな医療提供体制のモデルづくりを目指す。介護サービスについては、被災市町村が策定する「地域包括ケアのまちづくり復興計画」(仮称)に基づき、介護基盤を整備する。
被災地の医療については、全壊した病院を中心に病院・病床機能の分化・強化、集約、連携を検討する。一方で、首都圏直下型・東海・東南海・南海地震などの発生を想定し、岩手・宮城・福島―の被災3県以外の都道府県も含めた全国618ヵ所(被災3県は33ヵ所)の災害拠点病院で防災対策を推進する。
介護については、被災市町村がそれぞれ策定する「地域包括ケアのまちづくり復興計画」に基づき、介護サービスや住まいの場を提供する基盤整備を進める。事業の実施に当たっては、復興特区の活用も検討する。
このほか、水道施設の復旧と耐震化も進める。津波によって家屋が流出した地域約4万7、000戸の水道の復旧を進めるとともに、被災地域の復興に合わせて隣接する水道事業体の施設を連結し、「水道の広域化」を推進する。



2011年度第3次補正で2333億・被災地域の「暮らし再生」へ

厚生労働省は2011年度第三次補正予算として、東日本大震災で被災した「地域における暮らしの再生」に2333億
円、「雇用機会創出への支援」に1510億円を財務省に要求した。震災と円高の影響による失業者の雇用機会創出への支援にも2000億円を手当てするよう求めた。
 「地域における暮らしの再生」の内訳は、地域医療提供体制の再構築に720億円、地域包括ケアの再構築に119億
円、地域の「絆」の再構築などに202億円、障害福祉サービスの再構築に20億円、子育てサービスの再構築に16億
円、被災施設の災害復旧に628億円など。
地域医療提供体制は、被災した岩手県・宮城県・福島県の地域医療再生基金を積み増し、民間を含む被災医療機関の再整備を進める。
地域包括ケアは、被災市町村が策定する復興計画に基づき、小規模特別養護老人ホーム・グループホームと、在宅サービスなどを行う拠点を整備。高齢者の介護を支え、長期化する避難生活をサポートするための施設を整備する。
 「雇用機会創出への支援」は、将来的に被災地の雇用創出の中核になることが期待される事業を行う民間企業が、被災者を雇用することを支援する「事業復興型雇用創出事業」を創設する。全員参加・世代継承型の雇用創出が期待される事業を地方自治体が民間企業・NPOなどに委託して実施する「生涯現役・全員参加・世代継承型雇用創出事業」も創設する。
震災と円高による雇用悪化には、重点分野雇用創出事業の基金に2000億円を積み増して対応する。都道府県や市町村による直接雇用、または民間企業やNPOなどに委託して雇用を生み出す「震災等緊急雇用対応事業」を拡充、延長する。


2011/09/12 【建設新聞社】
建設業の一般求人数が被災3県で前年の2〜3倍
雇用のミスマッチが課題 本紙独自集計

東日本大震災後、被災3県で建設業の求人数が大幅に伸びている。復旧・復興工事の本格化が求人数に反映しており、4月以降、岩手、宮城、福島の3県では前年に比べ2.3倍に増えた。求人数が伸びている一方で、建設や土木の職業を希望する求職者は少ない状況にあり、雇用のマッチングが課題になっている。新規入職者の柔軟な受け入れや、資格取得面もネックになっていると見られ、各労働局では雇用相談や資格取得訓練コースの紹介といった就職支援や求人開拓を強化している。
建設業の新規求人数(学卒者を除く)の推移を見ると、全国では4月以降、前年同月に比べ3割増加。7月は5万2095人で前年同月に比べ27.5%増となった。
このうち、震災で被害の大きかった3県ではさらに求人数の伸びが顕著となっている。
建設業における新規求人数の推移を見ると、宮城県は4月から毎月2000人を超え、前年同月に比べ2倍以上の伸びを示している。すでに、11年度の合計は7月までの4ヵ月で9726人となり、早くも10年度の合計9648人を上回った。
岩手県は、4月以降3ヵ月連続で3桁増が続き、7月も7割増の伸びとなった。毎月1000人から1200人の求人がある。
福島県でも建設業の求人数は4月以降、毎月1000人を上回り、10年度月平均は671人だったのに対し、11年度月平均は1498人となり前年に比べ123・2%増となっている。
各労働局によると、こうした求人数の伸びは災害復旧工事関連によるものが多く、被災3県ではがれき撤去や建物の修繕、解体工事などが活発化している状況が求人数にも現れているという。このほか、サービス業に含まれる警備業の求人も伸びており、工事の増加に伴って交通誘導員の需要が出てきている。
ただ、求職者を見ると、求人数の伸びに対して建設・土木の職業を希望する人は少ない傾向がある。これについては、資格や免許の有無がネックになっていたり、前に就いていた業種で引き続き働きたいとの希望も多く、求人数が必ずしも雇用につながらないという現状がある。また、再就職を求める人の「安定した仕事に就きたい」というニーズとは裏腹に、非正規の求人も多数を占めている。
各労働局では、企業との面接会や雇用相談の機会を増やすとともに、即戦力を求める企業側のニーズに応えられるよう、求職者に建設重機の操作など資格取得の支援メニューを紹介するなど就職支援を強化。ミスマッチ是正に努めるとともに、企業側に対しても被災者の雇用に助成金が支払われることをPRするなど、求人開拓にも努める。


2011/09/12 【環境省】
三陸復興公園整備の議論開始
東北4県に長距離海岸歩道も

環境省の中央環境審議会自然環境部会は5日に開いた会合で、東日本大震災の被災地にある既存の自然公園を再編する「三陸復興国立公園(仮称)」の整備に関する検討を本格的にスタートさせた。被災した公園施設の再整備・再編に加え、青森県、岩手県、宮城県、福島県の4県をまたぐ海岸長距離歩道を整備する。2012年3月までに構想をまとめる。
三陸復興国立公園の整備は、東日本大震災復興構想会議の提言に盛り込まれた。震災による津波で大規模な被害を受けた東北地方沿岸の自然公園を再編し、水産業・防災と連携した自然公園を整備して復興に貢献するのが狙い。
環境省は、8月の自然環境部会に同公園の整備構想の審議を諮問、5日の会合から構想づくりの議論を始めた。同部会が来年2月にまとめる中間報告を基に、同省が同年3月に構想を策定、12年度中に公園区域・公園計画を指定する見通しだ。 新たな公園づくりのテーマは▽生物多様性と森・里・海のつながり▽農林漁業との連携と地域との協働▽防災との連携と津波経験の継承▽観光振興・地元雇用―など。
青森県八戸市から福島県相馬市に至る海岸長距離歩道を整備し、沿岸の自然と生活・産業・文化をつなぎ、災害時には防災避難路として活用する。また、災害廃棄物を再生資材として活用し、利用者の避難場所となる「展望の丘」を整備して復興のシンボルとする。


2011/09/12 【東北整備局】
台風12号の天然ダム対応へ テックフォースを派遣

台風12号による豪雨で甚大な被害が発生した奈良、和歌山両県の被害拡大防止と技術的な支援のため、東北地方整備局は8日、テックフォース1班6人を近畿地方整備局に派遣した。
奈良県と和歌山県では台風12号による土砂崩れで12ヵ所の河道閉塞(天然ダム)が確認されており、このうち4ヵ所は決壊の危険性が高い。このため、近畿地方整備局は、2008年6月の岩手・宮城内陸地震で天然ダムに対応した経験を持つ東北整備局にテックフォースの派遣を要請。
東北整備局は、天然ダム対策に携わった職員6人を選抜し、管内の各事務所から召集。本局正面玄関で行われた出発式では、災害対策本部長代理の川嶋直樹企画部長が「東日本大震災では全国のテックフォースに助けられた。今回はその恩返し。経験・知識を生かし活躍することを願う」と激励。派遣隊隊長の土田恒年岩手河川国道事務所河川管理課長は「現地の一日も早い復旧へ全力を尽くしたい」と述べ、現地に向かった。


2011/09/09 【東北経済連合会】
震災の影響に関する調査結果 ・ 物流コスト増、原材料価格上昇

厚生労働省の「東日本大震災復旧・復興工事安全推進本部(事務局・建設業労働災害防止協会)は、被災地の安全衛生を推進する基幹的組織として被災県ごとに連絡会議(仮称)を設置することを決めた。各県ごとに異なる実情をそれぞれの安全衛生対策に反映させ、労働災害を防止する。
連絡会議は、県労働局が中心となって設置。組織化に当たっては、それぞれの県の実情に応じて既存の発注機関連絡会議や、労働災害防止連絡協議会などの枠組みを積極的に活用し、これに県の公共工事担当部署や大手・地場ゼネコン団体などを加える。
また今後、近接・密接した場所で工事が輻輳(ふくそう)して行われ、労働災害が発生する危険性が高まる恐れがある。そこで、同本部が被災地に設置する考えだった「エリア別協議会」について、協議会の構成、エリアの設定、実施する安全衛生対策の内容とも、県ごとに設置する連絡会議の判断に委ねる。


2011/09/09 【東日本高速道路東北支社】
NEXCO・高速道路の本格復旧 世紀東急工業などに決定

東日本高速道路東北支社は東日本大震災で損傷した高速道路を本格復旧させるため、このほど東北自動車道仙台、古川、福島、磐越自動車道郡山、常磐自動車道いわきの各管内の舗装災害復旧を施工する業者として、仙台管内は世紀東急工業、古川管内は東亜道路工業、福島管内(上り線)は常盤工業、郡山管内(下り線)は大林道路、いわき管内は大成ロテック−を決定した。
工事概要は仙台管内が白石ICから泉IC間のオーバーレイ工(表層4p)約23万u、同(基層6p)約23万u、レベリング工約3000tで、工期は2013年1月20日まで。古川管内が東北道泉ICから一関IC間および仙台北部道路利府しらかし台ICから富谷JCT間のオーバーレイ工(表層4p)約16万u、同(基層6p)約17万u、レベリング工約1万5000tで、工期が12年11月21日まで。福島管内(上り線)は本宮ICから白石IC間のオーバーレイ工(表層4p)約22万u、同(基層6p)約22万u、レベリング工約9000tで、工期は13年1月17日まで。郡山管内(下り線)は小野ICから猪苗代磐梯高原IC間のオーバーレイ工(表層4p)約19万u、同(基層6p)約17万u、レベリング工約1万3000tで、工期が12年11月22日まで。いわき管内はいわき勿来ICから広野IC間のオーバーレイ工(表層4p)約21万u、同(基層6p)約12万u、レベリング工約2万9000tで、工期が13年1月22日までとなっている。
落札金額および詳細は本紙参照。


2011/09/08 【厚生労働省】
被災県に連絡会議を設置へ ・ 安全対策に実情を反映

厚生労働省の「東日本大震災復旧・復興工事安全推進本部(事務局・建設業労働災害防止協会)は、被災地の安全衛生を推進する基幹的組織として被災県ごとに連絡会議(仮称)を設置することを決めた。各県ごとに異なる実情をそれぞれの安全衛生対策に反映させ、労働災害を防止する。
連絡会議は、県労働局が中心となって設置。組織化に当たっては、それぞれの県の実情に応じて既存の発注機関連絡会議や、労働災害防止連絡協議会などの枠組みを積極的に活用し、これに県の公共工事担当部署や大手・地場ゼネコン団体などを加える。
また今後、近接・密接した場所で工事が輻輳(ふくそう)して行われ、労働災害が発生する危険性が高まる恐れがある。そこで、同本部が被災地に設置する考えだった「エリア別協議会」について、協議会の構成、エリアの設定、実施する安全衛生対策の内容とも、県ごとに設置する連絡会議の判断に委ねる。


2011/09/06 【東日本大震災に関する東北支部学術合同調査委員会】
7団体合同調査委員会の第3次報告
がれき、多重防御、まちづくりをテーマに
農地の津波土砂も利用可能

土木学会東北支部など7団体で構成する「東日本大震災に関する東北支部学術合同調査委員会」(委員長・真野明東北大学教授)は2日、仙台市のウェスティンホテル仙台で第3次報告会を開き、▽がれき処理▽多重防御▽まちづくり―の3テーマについて発表した。がれき処理では、仙台市で実施している津波堆積物の道路盛土試験施工について、農地の津波土砂にセメント材を混入することで盛土材として適応可能であることが報告された。今後詳しく検証していく。
合同調査会は土木学会、地盤工学会、日本地すべり学会、日本コンクリート学会、建築学会、日本都市計画学会の各東北支部と東北建設協会で構成。第3次報告会には480人が参加した。
がれき処理については、津波堆積土砂の道路盛土の適用検討、コンクリートがらの有効利用方法、廃棄物マネジメントの在り方検討が報告された。
津波堆積土砂の検討では、土木学会の復興施工技術テーマ委員会が、仙台市のがれき処分場「井土搬入場」で道路盛土を試験施工した結果を報告した。それによると、井土搬入場の津波堆積土砂は、市街地から発生したもので、これについて▽分級した土砂は道路盛土材として十分適用可能▽積込み、運搬、捲出し、転圧で選定した機械は実施工で十分可能▽管理基準は「道路土工―盛土工指針」を目標に、30ab捲出し、6回転圧で十分な締め固め効果が得られる―などの結果を示した。今後、農地の津波堆積土砂について利用を検討していくとした。農地の津波堆積土砂は粘性土分が多く固まりにくいことから、セメント材などを混入することで適応させていく考えだ。
コンクリートがらの有効利用としては、盛土材や砕石、ケーソン中詰め材(砂の代替)、かご工や袋詰め根固め工などの中詰め材(玉石代替)、捨石、防潮堤などのCSG材、再生骨材などで検討されている。
廃棄物マネジメントの在り方については、さまざまな課題が挙げられた。がれきを再利用した場合に、建設副産物(建設資材)に準じた取り扱いができる仕組みづくりが必要だとしたほか、時間、品質、コストにも直結する処理レベルの問題や、需要と供給のバランスの確保のためのマネジメントの必要性を指摘した。
また、多重防御のテーマでは、東北大学の越村俊一准教授が仙台市を例に津波シミュレーションの利用について報告した。津波の再現と、市の復興計画案に沿った土地利用と海抜高度6・2bの海岸防潮堤と高さ6bの県道塩釜亘理線(現道)の多重防護を想定したシミュレーション結果を比較。多重防護により、盛土道路の西側では浸水深が減少したが、食い止めた津波が南北に分散した東側では浸水深が増す地域が出てきた。越村氏は、浸水面積の減少や浸水深の低減だけでなく、市街化区域と市街化調整区域でのばく露人口やばく露家屋棟数、流失家屋の棟数、生存空間の増加、費用対効果など「津波防護施設の効果の評価尺度が必要だ」とした。
そのほか、まちづくりについて、東北芸術工科大学の相羽康郎教授は、「安全だけを優先するのではなく総合的なまちづくりとして居住環境の質を高めることが重要だ」と強調し、道路の階段構造を確保した大街区計画を提案した。
なお、第4回報告会は11月上旬に開催される。


2011/09/06 【日本免震構造協会】
免震・制振の建物は被害無し
第14回免震フォーラムで報告

東日本大震災によって構造体に被害を受けた免震・制振建築物は無かった―。日本免震構造協会応答制御建築物調査委員会の深澤義和委員長は、同協会が9月1日に開いた第14回免震フォーラムで、このような調査状況を報告した。今後さらに調査・評価を進め、12月末をメドに成果をまとる計画だ。
調査委員会は、協会の正会員97社に対し、東北・関東・東海地区を中心とした免震・制振建築物の被害状況を調査。これまでに、免震構造301件(うち東北3県は69件)、制振構造130件(東北3県は12件)で回答を得た。
いずれの建築物も、設計時の目標通りの挙動を示し、主要構造物が被害を受けたとの報告は無かった。
ただし、免震部材については、積層ゴムの部分的な突出やボルトの緩み、球体転がり支承のオイル漏れ、鉛ダンパーのクラックなどの損傷を確認した。部材の損傷は、関東や大阪など、被災地から離れた地区からも報告があった。制振部材は、鋼材ダンパーの残留変形や塗装はがれなどをわずかに確認した。委員会では、報告数が少ないのは、ダンパーが目視で確認しにくい場所にあるためとみている。
損傷の報告が多かったのが、免震建築物の天井や床、壁などに設置するエキスパンションジョイントだ。報告数は88件で、広範囲で発生している。
委員会では、エキスパンションジョイントメーカーが事前に作動確認を十分に行う必要性を指摘するとともに、構造・意匠の各設計者と施工者が地震時の可動範囲などを十分に考慮すべきとした。
調査委員会は、大震災による免震・制振建築物の挙動について、調査・解析・評価をするために設置された。今後12月末をメドに、改善策のガイドラインや、効果的な事例をまとめて公表する。


2011/09/05 【東北整備局】
仙台空港の復旧・復興計画素案まとまる
2012年度末までに排水対策実施
中長期でB滑走路かさ上げ

東北地方整備局は2日、仙台空港の復旧・復興計画素案をまとめ、第2回仙台空港復旧・復興の在り方検討委員会(委員長・奥村誠東北大学教授)に示した。短期として2012年度末までに実施する排水対策や、中長期で実施するB滑走路・C平行誘導路かさ上げ、避難ルートの確保など6項目の対策案を盛り込んだ。当日出された委員らの意見を踏まえ、10月に開かれる第3回検討委員会までに最終案をまとめる。
仙台空港では、早期復旧に向けて被災した舗装版の打ち替えと、サンドコンパクションパイル工法による液状化対策を実施しているほか、空港地下にあるアクセス鉄道のトンネルが覆土部の偏在によりねじれが発生したため、変状抑制を目的に盛土工に着手している。
復旧・復興計画素案は、今後実施する▽仙台空港の排水対策(短期)▽B滑走路およびC平行誘導路かさ上げによる浸水および津波漂流物対策(中長期)▽避難ルートの確保(同)▽駐車場の車両流出防止対策(同)▽航空機の流出防止対策(同)▽特殊車両の避難場所確保(同)−の6項目を示した。
震災で平均15pの地盤沈下が発生し、豪雨時には既設の調整池だけでは対応が困難になる。このため排水対策として、敷地南側2ヵ所に調整池とポンプ場をセットで新設する。詳細検討に当たっては維持管理費抑制の観点からポンプ施設規模を小さくするための検討が必要になる。
津波冠水対策としてはB滑走路の一部延長1519m、幅45mについて最大1.16mのかさ上げを行うことで、点検・復旧作業の早期着手が可能となるほか、津波漂流物の漂着を低減する。また、C平行誘導路のかさ上げにより、A滑走路からの津波漂流物の漂着を抑制する。
津波被害により仙台空港ターミナルビルや庁舎に避難した約1800人が孤立した。これを踏まえ、敷地外への避難ルートを西端に確保する。
駐車場の車両流出防止対策では、漂流物対策施設の設置を検討する。
航空機の流出防止対策としては、今回の津波と同規模の浸水深を想定し、標高3m以上の防災エプロンを新設する。防災エプロンは南北190m、東西217.5mのエリアを想定。小型航空機47機が避難できる。整備に当たっては最大54pのかさ上げが必要になる。
また、消防車や除雪車など特殊車両の避難場所として地盤が高めの敷地西側に設置するほか、3000m拡張用地付近に特殊車両の避難所と初動対応を目的として多目的広場を設置するとともに防災拠点施設の配置を検討課題に挙げた。
各対策は空港敷地外での津波対策を考慮せず、最大限の数値とした。このため、自治体で策定作業を進めている復興計画で防潮堤や二線堤が盛り込まれた場合、自治体と協議の上で数値の見直しが必要となる。


2011/09/05 【中国・北京建工】
被災地への支援を検討
技術交流などを視野

中国のゼネコン・北京建工グループで日本協力プロジェクトの代表を務める平桂祥氏が8月31日、建設新聞社を訪問し、東日本大震災で被災した宮城、福島両県に何らかの支援を行いたい考えを明らかにした。
平氏は「2008年の四川省地震の時には日本から多くの支援を受けたことから、その感謝の気持ちを持って被災地を訪れた」と訪日の目的を説明。津波被害が甚大だった宮城県名取市閖上地区の視察を踏まえ、「東日本大震災の被災地は人類にとって大きな損害だ。被災地の要望に応じて何かできることがあれば貢献したい」と話した。
北京建工は北京オリンピックの主要施設など多くのビッグプロジェクトを手掛けた、中国でもトップ10に入るスーパーゼネコン。具体的な貢献の内容としては、地元企業との技術交流などを想定しているようだ。
平氏は宮城県建設業協会や宮城県建築士事務所協会など宮城、福島両県の建設関連団体や宮城県庁を訪問し、支援の意向を伝えた。


2011/09/05 【建設コンサルタンツ協会東北支部】
東海地震想定し災害演習・連絡網を確認

建設コンサルタンツ協会東北支部(遠藤敏雄支部長)は1日、2011年度災害時対応演習を行った。
震度7の東海・東南海・南海地震を想定し、建コン協が全国各支部と共同で行ったもの。協会本部に災害対策本部、中部、近畿、四国支部にそれぞれ災害対策現地本部を設置した。
東北では災害対策支部を設置し、災害時行動計画に基づいて遠藤支部長らが災害本部や会員各社との連絡網などを確認した。
演習に当たって遠藤支部長は「東日本大震災の被害はあまりに大きく、今後発生が予測されている大地震に対して全国的に関心が高まっている。いざという時に的確に支援できるよう新たな気持ちで演習に取り組んでほしい」と呼び掛けた。


2011/09/05 【日本建設業連合会東北支部】
災害対策本部会議を開催

◎広域災害に対応した協定見直しを
日本建設業連合会東北支部(赤沼聖吾支部長)は2日、2011年度防災訓練に併せて災害対策本部会議を開き、広域災害に対応した災害協定見直しについて話し合った。
正副支部長、事務局長など7人が出席。冒頭、赤沼支部長は東日本大震災の対応を振り返り「情報が錯綜する中、初期体制の重要性を痛感した」と述べた。
この後、荒井宏明事務局長が「災害時における応急対策業務要領」について、震度6以上の地震が発生した場合、対策本部を設置するよう改めたことなどを説明した。
意見交換では、東北地方整備局との災害協定の見直しについて話し合った。現行の協定では個々の構造物が損壊した場合、日建連を通さず行政が会員各社に対応を要請することになっているが、広域的な津波災害では協会が会員に要請したほうが機動的に動くことが可能になる。また、重機類をオペレーター付きで出動させる場合、労務に該当するため契約が必要となる。これらへの対応を検討課題に挙げた。
日建連では10月6日に開かれる東北整備局との建設事業システム検討委員会で協定見直しについて協議したい考え。

◎調達可能資機材を把握・2011年度の防災訓練
また、防災訓練はマグニチュード8・2の宮城県沖地震が発生したと想定。仙台市青葉区一番町で路面陥没災害が発生し、東北整備局から応援要請があったものと仮定した。
これを受けて日建連は災害対策本部を設置。復旧作業に必要な人員や調達可能な資機材を把握するため、ファクスで災害応急対策に関する応援要請を発送した。


2011/09/03 【厚生労働省】
東北は3施設に約1億余
医療施設緊急整備費補助金を内示

厚生労働省は8月31日、2011年度医療施設災害対策緊急整備費補助金の交付決定の内示を行った。全国で6県に総額4億5757万3000円を交付。このうち東北分は、青森県が9569万円、宮城県が542万9000円の合計1億0111万9000円となっている。
この補助金は、東日本大震災の影響で電力不足が見込まれる地域に所在する救命救急センターや総合周産期母子医療センターに対して、安定した電力供給の確保を図ることを目的とするもの。5月31日の厚生労働省医政局長通知に基づき、これらの施設が実施する自家発電設備の整備事業に対して、必要な工事費の2分の1を補助金として交付する。
青森県の交付先は2施設で、青森県立中央病院(青森市)と八戸市立市民病院(八戸市)。宮城県は1施設で、仙台赤十字病院(仙台市太白区)。
(交付金額は本紙参照。)


2011/09/02 【農林水産省】
新たな土地改良長期計画の策定へ論点整理
土地改良施設の耐震化盛り込む

農林水産省は1日、「食料・農業・農村政策審議会農業農村振興整備部会」(部会長・佐藤洋平東京大学名誉教授)の会合を開き、新たな土地改良長期計画の策定に向けた論点整理を行った。東日本大震災の被災地を災害に強い「新たな食料供給基地」として再生・復興すること、土地改良施設の耐震強化に減災の視点を盛り込むことなどを確認した。
東日本大震災による農地・農業用施設に対する甚大な被害を踏まえ、部会では、大規模地震を想定した土地改良施設の耐震化や農業水利施設の老朽化などの課題に対応した、2012年度から5年間の新たな土地改良長期計画の策定を7月からスタートした。
1日の会合では、8月に全国9ヵ所で行った地方懇談会での意見を含め、農水省が整理した今後の論点を提示。被災地に対しては、低コスト化や高付加価値化など地域特性に応じた先進的農業の展開に必要な生産基盤整備を国内農業のモデルとして推進するため、ほ場の大区画化や排水対策の強化を進め、新たな食料供給基地として復興を目指すべきとした。
全国的にも、ハード・ソフト一体となった災害に強い農村社会の形成を目標に掲げ、老朽化したため池の補修・補強、土地改良施設の耐震強化などの防災対策を進めると同時に、ハザードマップや防災情報伝達体制の整備などの減災対策を推進すべきとした。ため池のかさ上げなどで洪水調節能力を高めたり、水田の貯留能力を活用して、集中豪雨などに対する減災対策も講じるとした。
農水省は、同部会から12月中旬に新たな土地改良長期計画の答申を受け、年内にも新計画を閣議決定する考えでいる。


2011/09/01 【東北地方整備局】
三陸道などのルート決定
復興道路として早期整備

東北地方整備局は三陸沿岸道路、東北横断自動車道釜石秋田線(花巻.釜石間)、東北中央自動車道(霊山.相馬間)のルートを決定した。
三陸沿岸道路の決定ルートは@歌津.本吉A気仙沼.唐桑南B唐桑北.陸前高田C吉浜.釜石D山田.宮古E宮古.田老F田老.岩泉G田野畑南.尾肝要H尾肝要.普代I普代.久慈J侍浜.階上―の11区間。区間中には一般的なインターチェンジ(IC)と比べコストを削減できる簡易型ICを22ヵ所設置する。
また、東北横断道釜石秋田線は釜石西.釜石、遠野.遠野住田の2区間。東北中央道は相馬西.相馬と阿武隈.阿武隈東の2区間が決定した。
三陸沿岸道路と太平洋沿岸と東北道をつなぐ横断軸は、復興道路、復興支援道路に位置付けられ、今後、事業評価手続きを経て事業に着手。11年度以降、測量、設計、用地買収に着手し、順次着工。おおむね10年での全線供用を目指す。


2011/09/01 【プレストレスト・コンクリート建設業協会】
人工地盤活用の街づくり−を被災自治体へ積極的に提案

プレストレスト・コンクリート建設業協会(PC建協、勝木恒男会長)は8月29日、津波対策の街づくりとしてプレストレストコンクリート(PC)の人工地盤を活用する提言をまとめた。東日本大震災でPCが津波に強いことが分かり、橋梁だけでなく、人工地盤でも活用できることを示した。
人工地盤としてPC構造を採用するメリットは、▽ひび割れを制御し、耐久性に優れた構造物を構築できる▽柱が少ないことで荷さばき場や魚市場、駐車場など大空間が得られる▽耐荷重が大きい▽基礎から柱の施工まで地元建設業で対応可能なため地元還元率が高い―など。
具体的な例として@住宅用地(平地)A住宅用地(傾斜地)B駐車場(荷さばき場)C駐車場(係留施設など)D避難所(道の駅)―の5パターンを示し、それぞれについてイメージ図と活用例を提示。
@では、人工地盤上部に2階建て戸建て住宅用地を作り出す。トップコンクリートを鉄筋コンクリート現場打ち、柱の間隔を15m、柱の高さを10mとし、90m×60mのユニットで36所帯が配置できる。工事費は概算で1uあたり20万円。
人工地盤の実績は北海道の青苗漁港やウトロ漁港、羅臼漁港などがある。
今後、東日本大震災の被災地の事業者やコンサルタント会社へ伝える。また、地方整備局や県など復興プランを検討する行政機関に提案する方針。
勝木会長は、「これまではPC技術の認知度が低かったり、理解者も少なかった。協会でも社会や市場との対話活動を増やして、技術を発信をしていきたい」と話している。

                   
                   ※PCの人工地盤による住宅用地の整備イメージ


2011/09/01 【青森、岩手、宮城、福島建築士事務所協会】
復興フォーラムなどを予定・復興支援Cの活動内容


青森、岩手、宮城、福島の建築士事務所協会による日事連復興支援センター連絡会議が8月31日、仙台市の秋保温泉・緑水亭で開かれ、震災後の取り組みや建築復興支援センターの活動状況を報告した。
建築復興支援センターは被災建築物に関する相談や復興住宅支援に向けて日本建築士事務所協会連合会本部と共同で岩手、宮城、福島の3協会がそれぞれ設置したもの。
岩手は被災住宅相談をはじめ復旧・復興に関する技術力向上講習会、リフォームトラブル対策講座などを実施。今後は建築防災やまちづくりに関する調査・研究を継続するほか、10月中旬に震災復興体験者講演会、下旬に震災復興フォーラムを開催する。
福島は「住宅リフォーム安心事業者リスト」の作成や高校生を対象に地域防災授業を実施したほか、9月10日に福島市で「地震に負けない家づくり、宅地・住まいに求める安心」をテーマとしたフォーラムを開催する。
また、建築相談業務は8月26日現在で1429件を実施。月別推移では3月が103件だったが、4月は457件に急増。その後5月が355件、6月が190件、7月278件、8月46件となった。被害状況は壁が20%、躯体部が11%、屋根と「家の傾き」がそれぞれ9%となっている。
宮城は建築相談業務が2058件に上った。このうち木造が1481件、非木造が577件。現地調査を伴う場合は有料で木造が1棟1万5000円〜2万円、非木造は1棟3万円で意匠と構造の専門家が調査に当たっている。また、復旧・復興に必要な技術の勉強会を随時開催しているほか、仮設住宅への慰問などを行っている。
会議ではこのほか、全国の協会から集まった支援金の取り扱いを協議。一部を災害支援基金として活用する方針を固めた。基金の具体的活用法は今後検討するが、大規模災害が発生した場合、北海道・東北ブロックで柔軟に使える資金を想定している。


2011/09/01 【東日本高速道路東北支社】
5日に安全祈願祭を実施
約4000個所の本復旧開始へ


東日本高速道路東北支社(鈴木辰夫支社長)は、東日本大震災で被災した高速道路の本復旧工事が5日に着手することから、古川、郡山、いわきの各管理事務所で安全祈願式を行う。古川では9時から、郡山といわきは8時から工事と走行者の安全を祈願する。
同社では、震災の翌日から、緊急交通路確保のため東北道などを緊急補修工事で通行可能としてきた。路面の段差などの応急復旧工事も継続してきたが、道路本体を震災前の状態に戻し、今後の余震や災害に備え強い道路とするため、5日から本復旧工事に着手することとなった。東北管内約1、300`bのうち530`bで工事規制をかけ、舗装、法面、防護柵など約4、000ヵ所を復旧する。2012年12月の完了を目指す。


2011/09/01 【東北地方整備局ほか】
JR仙台駅で震災・道路テーマにパネル展
道路の重要性訴える


東北地方整備局と東北6県、仙台市は8月26日から28日の3日間、JR仙台駅で「東日本大震災と道路」のパネル展を開催した。
震災の状況や震災後の道路啓開と復旧、道路の果たした役割やこれからの道づくりについて、訪れた人々にパネル展示とビデオ上映で伝えた。
初日の開会式では、「くしの歯作戦」で緊急車両・物資輸送の道路啓開に取り組んだ東北整備局の徳山日出男局長が「多くの人にパネルを見てもらい、思い・教訓が伝わることを期待したい」とあいさつした。また、被災地からは宮城県気仙沼市の菅原茂市長と南三陸町の佐藤仁町長が出席。道路の重要性を改めて感じたとし、いち早い道路復旧に感謝の意を述べた。


2011/08/30 【国土交通省】
来年2月末まで再延長
建設業許可などの特例措置

国土交通省は、東日本大震災に伴う建設業許可などに関する特例措置の運用方針を決めた。被災3県に主たる営業所がある建設業者は建設業許可や経営事項審査の有効期間が2012年2月29日まで自動的に再延長となる。被災した建設業者も申し出に基づき、同年2月29日までの範囲で許可・審査行政庁による個別の延長を可能とする。震災で営業所が流出し、仮事務所で営業を継続している場合、建設業許可更新申請時に仮移転先を報告すれば13年3月31日までは元の営業所で営業していたものと見なす。30日に各地方整備局・都道府県・政令市などに通知する。
政府が26日、許認可の有効期間を8月31日から12年2月29日まで再延長する政令案を閣議決定したことを踏まえた措置。政令はきょう(30日)公布し施行する。
建設業許可の有効期間については、政令で被災3県の建設業者は2月29日まで自動的に再延長することとした。他県の建設業者でも被災した場合は申し出により、許可行政庁が個別に延長可能だ。13年3月31日までの更新申請に際しては、▽被災により直前の決算期の財務諸表の提出できないと認められた場合、確定している最新の財務諸表による審査を認める▽直近の財務諸表では財産的基礎を満たしていない場合、一期前の財務諸表による審査を認め、その財務諸表が財産的基礎を満たしていれば一定の条件の下で更新を認める−こととした。
さらに、震災前の営業所が流出などで実態を失ったものの、元の営業所で営業の意志があり、仮移転により営業を継続している場合は、仮移転先の報告を求める。その際13年3月31日までは元の営業所で営業を行っていると見なす。
経審の有効期間延長も建設業許可と同様に取り扱う。13年3月31日までを審査基準日とする経審については、▽被災により直前の決算期での財務諸表などが提出できないと認められた場合、直近の経審で用いた数値による受審を認める▽直近の経審で用いた数値による受審者は、翌年以降の経審で確認可能な決算期の数値での受審を認める−こととした。


2011/08/29 【政府】
政府の復興対策本部・復興事業の工程表まとまる
三陸沿岸道の10年後全線供用を明記

政府の東日本大震災復興対策本部は26日、復興事業の工程表をまとめた。
▽海岸対策▽河川対策▽下水道▽道路・港湾などの交通網▽農地・農漁用施設▽漁港・漁場など▽土砂災害対策▽地盤沈下・液状化対策▽災害廃棄物の処理―の9項目。
このうち交通網では、復興道路・復興支援道路に位置付けた三陸沿岸道路について10年後の全線供用を明記した。海岸対策や基幹的農業用施設の本復旧完了は最終的に5年後になる見通し。港湾施設は2年以内の復旧を目指す。漁港は13年度末までに復旧にメド。災害廃棄物は14年3月を目標にすべての処分を終える。
(主な事業スケジュールは本紙参照。)


2011/08/29 【国土交通省】
被災地の投機的土地取引を監視
被災3県と仙台市に情報提供へ

国土交通省は、東日本大震災の被災地での投機的な土地取得を防ぐため、震災後の土地取引の登記情報や取引価格を被災3県(岩手県、宮城県、福島県)と仙台市に提供する。自治体による監視を強めることに加え、契約締結前の届出を求める監視区域指定などの手段で投機的取引を防止する。
対策は、被災3県と仙台市の土地対策担当部署に対し、震災後の3月以降の登記異動情報と取引価格の情報を提供し、実態の把握を促す。
投機目的の取引が確認された場合は、県知事が国土利用計画法に基づく監視区域指定などを行い、契約前の届出を求めたり、届出対象の拡大を図る。場合によっては契約締結の中止を勧告する。



2011/08/29 【東北整備局】
「三陸沿岸道路の新たな考え方」まとまる
コスト低減など6点の設計見直し盛り込む

東北地方整備局は、コンパクトICによる低コスト実現など6つの設計見直しを盛り込んだ「三陸沿岸道路の新たな考え方」をまとめた。
三陸沿岸道路については平時の暮らしを支え、災害時に命を守る観点から全線整備が必要とする一方、厳しい財政状況により効率的な整備が求められることから、基本設計を見直し、低コストを実現していく方針だ。
設計見直しのポイントとして▽強靱性の確保▽低コストの実現▽復興まちづくりの支援▽拠点と連結するインターチェンジ等の弾力的配置▽避難機能の強化▽ICTによる通行可能性把握―の6項目を掲げた。
強靱性の確保では、被災区域を避けるルート設定や津波の影響を受けない高さの確保が必要とした。
低コストの実現では、車線数を4車線から2車線に変更し、従来のトランペット型ICをコンパクトICに移行にすることで事業費を3分の2に抑えることができる。
ICの設置場所は自治体が描く復興計画にあわせ利便性を考慮した配置とすることで、復興まちづくりを支援するほか、産業や防災拠点、救急医療施設など拠点となる地域へのアクセス性に配慮する。
また、避難機能の強化では、避難階段の設置や緊急避難路との接続を設計に組み込む。
ICTについては、ITSスポットを活用し、車の走行ルートや走行速度などの情報を収集することにより、通行可能ルートやリアルタイムな道路交通状況など高精度な交通情報の把握が可能になる。



2011/08/29 【観光振興議連】
カジノ整備法案を決定
臨時国会に提出へ

カジノを含む「特定複合観光施設(IR)」の整備を総合的・集中的に推進する体制の構築を規定した「特定複合観光施設区域の整備の推進に関する法律案」が25日、超党派の「国際観光産業振興議員連盟」(会長・古賀一成民主党衆院議員)の総会で決定した。総会後に会見した古賀会長は、同法案を今秋に開会予定の臨時国会に提出するとした上で、「(IRの整備により)東日本大震災の復興だけでなく、空港・港湾のハブ機能が低下し競争力が落ちている日本全体の再生を推進したい」と意気込みを述べた。
同法案は、IRの定義や基本理念、国の責務、整備推進に必要な組織・体制などを規定したもの。IRの整備に向けた具体的な制度設計や必要な法整備は、今回の法案で規定した組織が進めることになる。
法案では、IRをカジノや会議場、ホテルなどが一体となった施設で、特別に認可された民間事業者が設置・運営するものと定義している。IRを整備できるのは、地方公共団体の申請に基づいて国土交通大臣が認定した「特定複合観光施設区域」のみ。
IRを総合的・集中的に整備するため、首相を本部長とする「特定複合観光施設区域整備推進本部」を設置。また、カジノ施設関係者の許認可や処分、監視・管理機関として、内閣府の外局である「カジノ管理委員会」も設ける。
このほか、カジノ施設の設置・運営者から納付金を徴収し、東日本大震災など大規模災害の復興費用に当てることも規定している。
さらに、必要な法・制度面の措置を、今回の法律の施行から2年以内をメドに実施することも定めている。



2011/08/26 【キッズ元気プロジェクト】
最終報告−総額998万円余の支援金集まる
宮城、岩手、福島へ寄付

当社で企画した東日本大震災で、ご両親を亡くされた小学生、中学生に支援金を送る「キッズ元気プロジェクト」の趣旨に賛同された読者、スポンサーをはじめ多くの皆様方から総額998万1、030円の支援金が寄託されました。5月〜7月までの3ヵ月間に寄せられたもので、当社では、被災地の宮城、岩手、福島の3県のご両親を亡くされた震災孤児の方々に各県の福祉関連部局を通じお渡しします。各県別の震災孤児は宮城県が117人、岩手県が91人、福島県が21人で、人数によって寄託された金額を各県に配分いたしました。(宮城県=508万0862円、岩手県=400万円、福島県=90万0、168円)
当初は夏休み期間中に孤児の方々に直接お渡しする計画でありましたが、行政サイドから「個人情報保護法の問題もあり一企業に対し孤児の方々の住所を教えることは難しい」との回答がありました。これを受け、社内で検討した結果、@自治体や日本赤十字の集まる義捐金とは違い震災孤児の方々に直接渡すA1人でも欠けることがなく、同じ金額を渡す、平等性、公平性の厳守B寄託された方々への浄財の配布先の透明性C時間を置かずにスピーディに渡す―などの点を考慮し、各県が震災で親を亡くした子どもたちを短期、中長期に支援をしていくために設立した基金に送ることになりました。
▽東日本大震災みやぎこども育英募金(宮城県) ▽いわての学び希望基金(岩手県) ▽東日本大震災ふくしまこども寄附金(福島県)
上記の記事の通り、河合社長をはじめ当社役員が宮城、岩手、福島の3県を訪れ、皆様方からいただいた支援金をお渡し致しました。紙面上でございますが、当社の企画にご賛同され支援金を寄託された皆様方に心より御礼申し上げ、ご報告に返させていただきます。
◎宮城県に508万円を寄付−早期に子どもたちへ配分を
建設新聞社は、キッズ元気プロジェクトとして集まった支援金のうち、508万0862円を宮城県が開設した「東日本大震災みやぎこども育英募金」に寄付した。同社の河合良太郎社長は18日、宮城県庁を訪れ、三浦秀一副知事に目録を手渡した。
河合社長は「早く子どもたちに届けるということで、たくさんの読者、スポンサーの方々が賛同してくれたことが大きい。ご協力してくださった方々の思いをわれわれが代表して届けに来ました」と話した。
これを受け、三浦副知事は「大変感謝しています。両親を亡くされた孤児の方はほぼ確定しましたが、両親のどちらかを亡くされた遺児の数が日を追うごとに増えています。一日でも早く震災から立ち直って日常の生活に戻ってほしい。皆さま方からのご厚意を予算に積み立てて親を亡くされた子どもたちのためにしっかり使っていきたい」と答えた。
宮城県は、育英募金を活用する基金を設立し9月議会に予算を計上する方針。議会で承認され次第、子供たちに第一次分として一定金額を配分し、その後、中長期にわたって支援していくこととしている。


                    
                 ※三浦副知事に目録を手渡す建設新聞社・河合社長(左)。


◎岩手県に支援金400万円を寄附
建設新聞社は東日本大震災で両親を亡くした児童等を支援するため実施した「キッズ元気プロジェクト」の支援金のうち400万円を岩手県に寄附した。
19日に同社の河合良紀常務と小島義弘編集長が岩手県庁を訪れ、菅野洋樹岩手県教育委員会教育長と面会。小島編集長が「岩手県では、東日本大震災により親を失った子どもたちが社会に出るまでに必要な資金等を援助するいわての学び希望基金を設置されたと伺った。弊社のスポンサーや購読者からご賛同をいただき寄託されたキッズ元気プロジェクト支援金を津波・震災孤児等のために役立てて欲しい」と話し、河合常務が菅野教育長に支援金の目録を手渡した。
菅野教育長は「いわての学び希望基金に寄附を頂き、本当にありがとうございます。この基金には日本国内のみならず、世界の方々からもご支援をいただいています。建設新聞社に寄託された方々の少しでも早く、孤児の方に渡して頂きたいとの気持ちも理解できます。県としても、当座の資金として子どもたちに使って頂けるよう、10月には給付を始めたいと思っています」と基金への寄付に感謝の意を表した。

                    
               ※菅野洋樹岩手県教育長に目録を手渡す建設新聞社・河合常務(右)。


◎福島県に90万円を寄付

8月24日には、建設新聞社の小島編集長が、福島県の「東日本大震災ふくしまこども寄附金」の担当窓口となる保健福祉部児童家庭課を訪れ、キッズ元気プロジェクトに寄せられた支援金90万円を宍戸志津子児童家庭課長に手渡した。
小島編集長は「読者、スポンサーの方々から震災で親を亡くされた子どもたちのために寄せられた支援金であり、一刻でも早く配分していただきたい。」とスピード感を持った支援金の配分を要望した。
これを受けて、宍戸課長は「福島県でも多くの子どもたちが親を亡くされています。こうした子どもたちが震災前に抱いていたそれぞれの夢を失うことなく、着実に前に進んでいけるよう皆様方からの善意の支援金を使っていきたい」とお礼を述べた。
◎支援金を寄託していただいた皆さま(敬称略)
▽10万円=カルマイタツヤ  ▽1万円=スエヨシドボク ▽30万円=川邊組 ▽20万円=川邊誠一 ▽1万3633円=川邉組社員一同 ▽30万円=大分建設新聞社 ▽20万円=川邉伴子 ▽1万1246円=大分建設新聞社社員一同 ▽5万円=国土交通省建設専門紙記者会一同 ▽1万円=高橋量太 ▽1000円=ササキリエ ▽1万円=カトウリョウイチ ▽3000円=ホウジョウヨシアキ ▽2万円=トウホクデンシキキ ▽1万円=鈴木隆一 ▽5万7000円=コハラケンコウシャイン ▽5万2000円=建設新聞社役員一同 ▽5万円=トクメイ ▽50万円=河北建設 ▽1万円=オカモトナオヒサ ▽20万円=21世紀の都市を考える会 ▽2万円=八木山少年野球クラブ後援会一同 ▽1万円=伊藤忠則 ▽1万円=及川広信 ▽5000円=比良博行 ▽1万円=トクメイ ▽16万1600円=ライト工業東北統括支店、同社安全衛生協力会 ▽10万円=ミツバシヨウコウカイ ▽10万円=ゴウダコウムテント ▽100万円=不二サッシ東北 ▽8万円=カワウチ ▽5000円=千田正志 ▽50万円=深松組 ▽50万円=丸本組 ▽50万円=只野組 ▽50万円=鷹觜建設 ▽5万円=読売センター泉東部店 ▽1万円=ウラカワシンジ ▽10万円=北海道建設新聞社 ▽5万2429円=丸本工業所 ▽1万円=シロキカズユキ ▽5000円=マツモトヒデオ ▽1000円=トクメイ ▽10万5000円=北海道建設新聞社 ▽10万円=東新工機 ▽5万3700円=キモトソウケン ▽3万円=ウヌマ地域総研 ▽347万6922円=岡部 ▽9万9800円=ワイムズテニスキカク ▽1万円=ウラカワシンジ ▽5万2000円=尾鈴電気社員一同 ▽2万円=齋木久枝 ▽1万円=岩ア史知 ▽10万円=トウコウセツビコウギョウ ▽8万円=茶畑若手OB会 ▽5500円=建設プレス社員一同 ▽168円(銀行利息)より



2011/08/26 【国土交通省】
早急な災害対応を訴える
2010年度国土交通白書案

国土交通省は、「災害から国民の命と暮らしを守る国土づくり」をテーマとした2010年度国土交通白書案をまとめ、24日の民主党・国土交通部門会議に示した。東日本大震災に起因する住宅・インフラなどの被害や経済活動への深刻な影響を明らかにした上で、震災発生時からの国交省などによる復旧・復興の取り組みを解説。次の災害に備える上での課題として、住宅・インフラなどの耐震性不足や、建設業をはじめ災害時に重要な役割を果たす主体の機能低下などを挙げ、「国土の安全・安心なくして日本の持続的発展はない」という考え方に基づき、早急な対応の必要性を訴えている。きょう(26日)の閣議に報告する。
白書案によると、観測史上最大のマグニチュード9を記録した東日本大震災では、津波高の最高値9・3b以上、遡上(そじょう)高30b以上という大津波が各地を襲い、8月11日時点の死者・行方不明者が2万0、425人、広域にわたる避難者が最大約47万人、経済被害額が原発事故被害を除いて約17兆円と、いずれも阪神・淡路大震災を大きく上回る戦後最大の被害をもたらした。
住宅の被害は津波や液状化により全壊11万2、975棟、半壊が14万5、375棟。海岸・河川では地殻変動により広範な地盤沈下が発生し、岩手・宮城・福島の海岸堤防は6割以上が全半壊した。道路は高速道路15路線、直轄国道69区間が通行止めとなり、鉄道は22事業者64路線で運転を休止。港湾は青森県八戸市から茨城県まで計11ヵ所すべての国際拠点港湾・重要港湾が被災し、空港も仙台空港が津波で浸水するなど大きな被害を受けた。
経済活動への影響も深刻で、訪日外国人旅行者数は3月に前年比50l減、4月に63l減となり、東北・北関東に寄港する外貿定期コンテナの貨物量は7月に入っても83l減となっている。
こうした未曾有の被害をもたらした大震災に対し、国交省は総力を結集して初動・応急復旧対応に当たった。道路では、高速道路を早期復旧させた上で「くしの歯作戦」を展開。三陸沿岸部までの道路を啓開した。港湾も3月24日までに全11港で一部供用を開始し、空港も3月29日に仙台空港で3、000b滑走路の運用が可能となった。一方で、壊滅的な被害を受けた生活道路や地方鉄道の復旧などが課題として横たわっている。
被災者の生活支援に向けては、5万2352戸に及ぶ応急仮設住宅の要請に対し、8月11日現在で4万7、170戸が完成。民間賃貸住宅の借り上げを合わせると入居戸数は8万5、090戸に達している。ただし、大量の仮設住宅を迅速に供給する上で、建設用地や資材、人員の不足が浮き彫りとなった。
白書案では、東海、東南海・南海、首都直下など今後の発生確率が高い地震や、新燃岳・桜島といった火山の噴火、多発するゲリラ豪雨など、自然の猛威が広がる現状に対し、「国土の安全・安心なくして日本の持続的発展はない」という基本的な認識を提示。その上で、ハード・ソフトの施策を組み合わせた多重防御による「津波防災まちづくり」を推進するための制度の創設や、災害に強いしなやかな国土構造への再構築に取り組んでいく必要があるとした。



2011/08/24 【中小企業基盤整備機構】
施工業者の参加要件緩和
9月から・事業用仮設施設整備

中小企業基盤整備機構は、東日本大震災で被災した中小企業の仮設店舗・事務所・工場など事務用仮設施設整備について、発注の在り方を見直した。従来の設計・施工一括発注を、設計・工事監理と施工に分離。施工者選定に当たっては一般競争入札を導入するとともに、より地元業者が参入しやすいよう参加要件を緩和した。9月中旬にも入札を開始する。
これまで中小機構では、中小企業の早期事業再開を支援するため、プレハブ建築事業者や経営事項審査の総合評価点950点以上の業者を対象に、スピード感を重視した設計・施工の一括発注を行ってきた。今後の施工者選定は、地元中小企業事業者の活用をより拡大するため、経営事項審査の総合評価点950点未満であっても、「建築工事に伴う給排水や電気設備工事の経験」があれば参加を可能とした。
今後、1区画10平方b.50平方bの小規模な事務所、物販用店舗、倉庫など、工期短縮を図れるユニットハウス方式や、特殊な設計を要しない標準仕様の事務所、物販用店舗、倉庫のプレハブ建築について、参加要件の緩和を適用する。
なお、対象地域は、国が定めた被災地域で、東北では青森、岩手、宮城、福島の4県。
現在、岩手県、宮城県、福島県の地元設計事務所に対しプレハブ建築の仮設施設の設計・工事監理業務を公募し、実施者を選定中。設計を基に、9月中旬以降、順次一般競争入札で施工業者を決定する。
仮設整備の申し込みは現在440件程度。うち260件が設計・施工一括発注で着手済みだ。



2011/08/24 【中小企業基盤整備機構】
施工業者の参加要件緩和
9月から・事業用仮設施設整備

中小企業基盤整備機構は、東日本大震災で被災した中小企業の仮設店舗・事務所・工場など事務用仮設施設整備について、発注の在り方を見直した。従来の設計・施工一括発注を、設計・工事監理と施工に分離。施工者選定に当たっては一般競争入札を導入するとともに、より地元業者が参入しやすいよう参加要件を緩和した。9月中旬にも入札を開始する。
これまで中小機構では、中小企業の早期事業再開を支援するため、プレハブ建築事業者や経営事項審査の総合評価点950点以上の業者を対象に、スピード感を重視した設計・施工の一括発注を行ってきた。今後の施工者選定は、地元中小企業事業者の活用をより拡大するため、経営事項審査の総合評価点950点未満であっても、「建築工事に伴う給排水や電気設備工事の経験」があれば参加を可能とした。
今後、1区画10平方b.50平方bの小規模な事務所、物販用店舗、倉庫など、工期短縮を図れるユニットハウス方式や、特殊な設計を要しない標準仕様の事務所、物販用店舗、倉庫のプレハブ建築について、参加要件の緩和を適用する。
なお、対象地域は、国が定めた被災地域で、東北では青森、岩手、宮城、福島の4県。
現在、岩手県、宮城県、福島県の地元設計事務所に対しプレハブ建築の仮設施設の設計・工事監理業務を公募し、実施者を選定中。設計を基に、9月中旬以降、順次一般競争入札で施工業者を決定する。
仮設整備の申し込みは現在440件程度。うち260件が設計・施工一括発注で着手済みだ。



2011/08/24 【建築基本法制定準備会】
震災復興へ3項目の提言をまとめ
関係機関や被災自治体に送付

建築基本法制定準備会(会長・神田順東京大学教授)は、東日本大震災の復興に当たり、津波による破壊メカニズムといった新たな知見の適切な活用に向けた指針・ガイドラインの整備など3項目の提言をまとめ、関係機関や被災自治体に送付した。
準備会がこれまで進めてきた、建築基準法に代わる新たな法体系の検討成果を、震災復興の場で生かすことを目指している。
提言は、▽自然の脅威に対する新たな知見の活用方法▽地域の特性に応じたまちづくりと、建築基準などの考え方▽復興に向けた専門家の知見と能力の活用―の3項目。
このうち「新たな知見の活用」では、津波や地盤の液状化などで分かった知見を生かすため、画一的・強制的な規制の在り方を否定。その上で、知見を踏まえた専門家の知識と能力を多面的に活用できるよう、学会や業界団体が指針やガイドラインを整備すべきとした。
「地域特性に応じた街づくり」に向けては、条例や協定によって地域ごとに基準を制定することや、特区制度の適用などを提案している。
「専門家の知識・能力の活用」では、復興計画の立案・実践の際に、地域ごとの合意形成の重要性を指摘。この過程で、専門家の知識と能力を機動的に活用できる仕組みを早急に整備するよう求めた。
準備会では、今回の提言内容のより詳しい説明の要望や具体的な対応要望を、被災自治体などから求められることを期待している。



2011/08/24 【環境省】
災害廃棄物処理・公共施設撤去も補助対象に

環境省は、東日本大震災で被害を受けた公共施設が国庫補助の対象外であるために撤去が進んでいない問題で、災害廃棄物処理事業の対象を拡大し、公共施設の撤去にも補助を適用する方針を決めた。補助率は平均95%とする。
災害廃棄物処理事業では、全壊した民間住宅などが補助対象となる一方、県・市町村の公共施設は補助の対象外であることから、被災地では全壊・半壊した公共施設のみが撤去されない状態が続いている。
補助対象に加える公共施設は、学校、庁舎、警察など公共施設全般。市町村が県に撤去を委託することも可能とする。第1次補正予算に計上した予算が不足すれば、3次補正に予算を積み増す。



2011/08/24 【国土交通省】
建設業許可の有効期間を延長
岩手・宮城・福島の被災3県が対象

東日本大震災への対応として国土交通省は、岩手・宮城・福島の被災3県を対象に、建設業許可などの有効期間を半年程度再延長する方針を固めた。再延長の対象は@建設業許可A経営事項審査B解体工事業登録C浄化槽工事業登録―を想定。近く政府として関係政令を閣議決定した上で、8月中に関係告示とともに公布する見込みだ。
許認可の有効期間延長をめぐっては、政府が3月に災害救助法に基づく特定被災地域を対象として有効期間を一律に8月31日まで延長した。しかし、被災3県では建設業許可などの更新手続きを行っていない者が多数存在している。国交省によると、例えば建設業許可については、被災3県で約2、700業者が8月末までの更新が必要なのに対し、7月20日時点で約1、000業者が手続きを終えていない。建設業関係で更新手続きが進まないのは▽営業所の場所を移転すると、工事の受注が困難となる恐れがある▽更新などに必要な財務関係資料が提出できない―といった特有の事情があるという。
このため国交省は、震災の復旧・復興に深刻な影響を与えかねない許認可について、有効期間を再延長する必要があると判断した。再延長措置の対象は、岩手・宮城・福島に主たる営業所などを有する者とし、半年後の2012年2月末までをメドに有効期間を延ばす考えだ。



2011/08/23 【東北大学・森環境技術研究所】
ヘドロを盛土材などに再利用へ実証実験
剥ぎ取り、改良、盛土の過程を検証
高橋東北大教授ら・ボンテラン工法活用

高橋弘東北大学大学院教授と森環境技術研究所(山形県新庄市)は、仙台市と宮城県塩釜市の2ヵ所でボンテラン工法(繊維質固化処理土工法)を活用した津波堆積物(ヘドロ)の再資源化実験を行う。仙台市では情報化施工によるヘドロ剥ぎ取りから泥土改良、人工地盤盛土まで一連の施工過程を検証。塩釜市では埋立処分場の覆土材として再利用する。実験は今週から9月中旬まで行われる見込み。
東日本大震災で発生したヘドロには有機物による硫化水素やアンモニアが含まれ、悪臭の原因となっている。また、海底から巻き上げられた塩分を含むヘドロに覆われた農地では、塩分濃度が上昇する塩害のほか、土壌の水はけが悪くなり、根腐れなどの生育障害が懸念されている。
高橋教授らは、今回の震災でこうしたヘドロが全体で2600万dに上ると推定。ボンテラン工法を導入し、改良土を道路などの盛土材としてリサイクルするよう提言していた。
ボンテラン工法は高橋教授と森環境技術研究所が山形県と連携し共同開発した、水分を多く含むヘドロや建設汚泥などを効率的に処理しリサイクルする技術。破砕した古紙と高分子系改良剤などを汚泥に加えて固化することで、盛土・埋め戻し材として活用することができる。
仙台市若林区藤塚地区の農地では、雑草を除去した後、情報化施工によりバックホーやブルドーザーで津波堆積物を表面から10p程度剥ぎ取る。これをボンテラン工法により改良し、人工地盤盛土材として活用する。工程は9月2日から9日まで1週間を見込んでいる。
今年度内に事業着手すれば、塩害を受けた農地の塩分が除去されることになり、来年度から農地として機能が回復し、作付けが可能になるという。
一方、塩釜市では、同市から依頼を受けて中倉埋立処分場に持ち込まれた津波堆積物を改良する。同処分場は空き容量がなくなり、もともと7月で終了する予定だったが、震災後に500立方bの堆積物が持ち込まれたことから、これを泥土とごみに仕分けした後、泥土だけを改良。最終的に処分場の覆土材として活用する。
作業は今週から9月4日まで、2週間程度となる見込み。
高橋教授は「環境配慮型の復旧工事が可能となり、迅速な災害復旧作業に大きく貢献できる」と期待している。



2011/08/23 【厚生労働省】
3施設に補助内示・医療施設復旧

厚生労働省は、東日本大震災で被災した医療施設に対する災害復旧費補助金の一次内示を行った。災害査定を終えた医療施設3件の復旧工事に総額1億0282万円を補助するとしている。
医療施設向けの災害復旧費補助は、第1次補正予算に36億1805万5000円を計上しており、復旧工事費の3分の2を補助することになっている。
内示を受けた医療施設は次の通り。▽岩手県立中部病院(岩手県北上市)、▽気仙沼市立病院(宮城県気仙沼市)、▽福島赤十字病院(福島市)
(補助額は本紙参照。)


2011/08/23 【中小企業基盤整備機構】
設計期間・工期を短縮
仮設工場・店舗整備を迅速化

中小企業基盤整備機構は、東日本大震災の被災企業向け仮設工場・店舗整備の迅速化を図る。用地確保や法規制などを理由に整備が遅れるケースがあり、設計期間・工期の短縮や建築確認手続きの円滑化などの対策を講じる。現地職員の増員など実施体制も強化する。
中小機構では、被災企業の事業再開を支援する「仮設工場・仮設店舗等整備事業」を4月から開始したが、用地確保や個別の設計が長期に及んだり、建築関連の法規制などが理由で事業が遅れるケースも多い。
こうした状況を受けて中小機構は、仮設工場・仮設店舗整備の迅速化を図るための具体策をまとめた。設計期間はこれまで事業者のニーズ調整に時間を要する場合が多かったため、地盤調査後に施設レイアウト案を示してニーズをあらかじめ調整、その後の詳細設計も2週間程度で終えるようにする。地盤が良好な土地に限って仕様を標準化したユニットタイプの導入で工期短縮も図る。
建築確認手続きについても円滑化する。完成後2年3ヵ月以内に施設を撤去する場合、建築基準法第85条第2項に基づく「応急仮設建築物」として、建築確認手続きを行わない。施設利用が2年3ヵ月を超える「一般建築物」として着工する施設については、建築確認を行う特定行政庁に事前相談を行って手続きの円滑化を図る。
また、中小機構の現地の実施体制を現行の48人体制から67人体制に増員し、被災地の各県ごとに事業の進ちょく管理を行う役員や管理職員を配置。施設整備の要望が多い市町村には重点的に職員を配置する。


2011/08/22 【東北地方整備局】
東北港湾の復旧基本方針案
石巻港、仙台港は新たに防潮壁
2年以内に機能回復

東北地方整備局は18日、東日本大震災で被災した東北港湾の復旧・復興方針を取りまとめる検討委員会の第2回会合を開き、基本方針案を提示した。2年以内をメドに岸壁の復旧を行い、地盤沈下に対してはかさ上げで対応する。また、各港湾の津波対策として釜石港、大船渡港ではこれまでと同様に湾口防波堤と防潮堤を組み合わせ、石巻港、仙台塩釜港では新たに防潮壁を設置して津波から防護することなどが示された。方針案は今週中にも策定し、公表される。
各港復興会議で策定された復旧・復興方針を踏まえながら、それぞれの港湾の連携策や役割などを明確化し、東北港湾全体の復旧・復興について基本的な考え方や方策を取りまとめた。
対象は八戸、久慈、宮古、釜石、大船渡、石巻、仙台塩釜、相馬、小名浜の9港湾および、岩手県、宮城県、福島県に位置する地方港湾13港。
基本方針案では、港湾施設の被災状況や産業、物流への影響を総括。これを踏まえ、港湾機能の早期回復や防波堤、防潮堤の計画的復旧、さらに港湾の事業継続計画の策定など、ハード・ソフトによる総合的な対策で災害に強い港湾づくりを進めるとした。
早期回復が求められる港湾機能復旧のメドは2年以内に設定。この期間で岸壁の段階的な復旧を完了させる。
(以下略。続きは本紙ニュース面で。)


2011/08/22 【厚生労働省】
被爆線量追跡DB構築へ
福島第一原発作業員の健康管理指針

厚生労働省は「東電福島第一原発作業員の長期健康管理に関するグランドデザイン」をまとめた。離職後も被ばく線量を追跡できるデータベースを構築し、これを基に緊急作業に従事したすべての作業員の長期的な健康管理を行っていく。9月中に長期健康管理に関する最終報告書をまとめてデータベースの管理主体を決定。速やかにデータベースの構築に着手し、できれば2012年1月から運用を始めたい考えだ。
東京電力のまとめによると、第一原発での作業者数は、東日本大震災が発生した3月11日から7月20日現在までに実数で約1万6000人に達している。ただ、これまで第一原発で緊急作業に従事してきた建設労働者などを、業種別・作業別などの属性別では把握できていないという。
新たに構築するデータベースでは、緊急作業に従事した労働者に識別(ID)番号を付与し、個人識別情報(氏名、所属事業場、住所)を把握。その上で▽緊急作業従事前・従事中および従事後の被ばく線量と従事作業中の作業内容▽健康診断などの情報▽健康相談・保健指導などの情報▽そのほか健康管理に必要な生活習慣などに関する情報―を集積。将来、疫学研究などにも生かせるようにする。これらの情報は労働者が離職前のものについては事業者から提供を求め、離職後の健康診断の結果などについては、労働者が任意で提出できるようにする。
緊急作業に従事した労働者は、在職中は所属事業場が健康管理を行うことを原則とし、離職者の健康管理は新たに設置する健康相談窓口で対応する。
緊急作業に従事した労働者のうち、緊急作業終了時点で原子力発電所における通常の放射線業務による被ばく線量を超える労働者については、定期的に健康診断を実施する。
また、今回の緊急作業に従事した労働者のうち、従来の放射線業務では想定していない線量の被ばくをした労働者については、今後長期の潜伏期間を経て、がんなどの重大な疾病が発症する懸念があることから、必要な検査は健康診断として実施する。


2011/08/22 【国土交通省】
東日本大震災・土砂災害への対応

国土交通省は東日本大震災における土砂災害への対応状況をまとめた。11日現在、東北6県では113市町村で95・7%の点検を完了。このうち要緊急工事30ヵ所、要詳細点検200ヵ所を確認した。対策としては、災害関連緊急業として補正予算を合わせて宮城、山形、福島3県で16ヵ所(事業費約20億7000万円)を採択し、事業を進めている。
東北の点検対象は2万2981ヵ所で、このうち2万1982ヵ所を点検した。県別では岩手が20市町村で7348ヵ所、宮城が35市町村で7602ヵ所、福島が45市町村で5765ヵ所と特に太平洋側3県が多かった要緊急工事は岩手1ヵ所、宮城13ヵ所、福島16ヵ所、要詳細点検は岩手141ヵ所、宮城408ヵ所、福島200ヵ所で確認した。
同省では土砂崩壊などが発生した地区に対し、出水期までの応急対策に引き続き、再度災害を防止するための抜本的な土砂災害対策を実施している。
具体的には災害関連緊急事業として宮城県2ヵ所、福島県6ヵ所の計8ヵ所を採択。事業費は宮城が約5億4000万円、福島が約10億3000万円となった。さらに今年度補正予算で宮城県内の3ヵ所に約1億円、山形4ヵ所に約2億2000万円、福島1ヵ所に約1億8000万円を配分した。


2011/08/18 【国会】
がれき処理特措法が成立・国の代行処理可能に

東日本大震災で発生したがれき処理を国が代行できるようになる「東日本大震災により生じた災害廃棄物の処理に関する特別措置法」が、12日の参院本会議で可決、成立した。与野党間の修正協議により、政府案の国庫補助率を引き上げたほか、がれき処理の内容・実施時期などを工程表にまとめることとした。
がれき処理特措法は、被災地の市町村から要請があった場合に▽市町村のがれき処理の実施体制▽がれき処理に関する専門的な知識・技術の必要性▽がれきの広域処理の重要性―などを踏まえ、国が直轄で実施できるようにするもの。被災した市町村の負担軽減、がれき処理の迅速化などが狙い。
政府は7月8日に法案を国会提出したが、与野党間の協議で国庫補助率を平均95lまで引き上げたほか、国ががれき処理の基本方針や工程表を定め、計画的・広域的に処理を進めることを盛り込んだ。


2011/08/18 【中小企業庁】
中小企業等グループ復旧整備補助の2次募集
9月5日から募集開始

中小企業庁は東日本大震災で被災した中小企業をグループ単位で支援する「中小企業等グループ施設等復旧整備補助事業」の第2次募集を開始する。
岩手、宮城、福島の3県の募集期間は9月5日から22日までで、10月下旬もしくは11月初旬にも交付決定となる見込み。
同事業は被災地の経済を支える中小企業などをグループ単位で支援する制度。補助金交付の条件となる復興事業計画を県が認定されれば、国が2分の1、県が4分の1を補助する。
国は財源として2次補正で100億円を確保しており、国費、県費を合わせ岩手県は8月補正予算に54億円、宮城県は60億円を計上。前回、福島原発事故の影響で企業ニーズを把握しきれないため、申請を見送った福島県は9月27日に県議会が開会予定のため、補正額は未確定としているが、9日ごろに公表となる見込みだ。
詳細な募集要項やスケジュールについては議会承認後に各県で公表する。


2011/08/17 【国土交通省】
防災機能を評価
道路事業の評価手法案

国土交通省の社会資本整備審議会道路分科会事業評価部会は11日の会合で、直轄道路事業における防災機能の評価手法(暫定案)をまとめた。新規事業採択時評価は、これまでの費用便益分析だけでなく防災面での機能も評価、反映させる。防災機能の評価には、広域・地域防災の道路ネットワーク強化、危険個所の解消の視点を導入し、「迂回解消モデル」や「連結性向上モデル」などの具体的な評価指標を取り入れる。
従来、道路の新規事業採択は、走行時間短縮、走行経費減少、交通事故減少の3便益で費用便益分析(B/C)を行った上で、便益が費用を上回れば事業採択されてきた。
今回まとまった防災機能の評価手法(暫定案)は、交通量をベースとする従来の評価手法に、東日本大震災後に道路が果たした救助・救援活動などの防災機能についての評価を追加。新たに「広域的防災に資する道路ネットワークの強化」「地域防災に資する道路ネットワークの強化」「個々の危険個所の解消」−の3つの視点を取り入れ、それぞれの視点ごとに事業の必要性・有効性・効率性を評価することにした。(以下、詳細は本紙参照。


2011/08/17 【日本政策投資銀行】
企業行動の意識調査−震災の影響など聞く
3割以上が自家発電の導入・強化を検討

日本政策投資銀行東北支店(鈴木貴博支店長)は2011年度「企業行動に関する意識調査」結果をまとめた。
11年度設備投資計画調査と併せて、資本金10億円以上の東北の民間企業141社を対象に▽東日本大震災の影響▽電力不足への当面の対応▽長期的な生産・事業体制の見直し−について聞いた。回答したのは84社、回答率は59・6%だった。
震災の影響は、「電力不足による自社事業活動制約」が最も多く、全産業の46%、製造業の67%が挙げた。これに、「消費マインド悪化・自粛ムードによる影響」(40%)、「原発問題による風評被害の影響」(24%)などが続いた。
電力不足への当面の対応については、9割以上が「節電の徹底」と回答。このほか、3割前後が「自家発電活用」「省エネ機器導入」を掲げた。
長期的な生産・事業体制の見直しでは、33%が「自家発電設備導入・強化」を挙げた。製造業では4割以上が「調達先変更・多様化」と回答。「国内他地域への拠点移転・分散」も1割以上あり、「海外への移転・・分散」を合わせて約2割の企業が内外他地域への移転・分散を検討していることが分かった。


2011/08/12 【国土交通省】
国交省まとめ
前金払の震災特例措置・110団体で適用

東日本大震災の復旧・復興を円滑化するため、公共工事で前金払の割合を引き上げる特例を適用した発注機関は7月31日時点で計110団体に達することが、国土交通省のまとめで分かった。内訳は国と県が各9団体、市町村が76団体、独立行政法人などが7団体、地方公社などが9団体。特例が適用された工事の件数は2、482件、請負金額は994億3、200万円に上る。国交省では「第三次補正予算が編成されれば、復興に向けた工事の発注も増える。こうした中で、建設業の資金繰りを支援するため、できるだけ多くの発注機関に前金払特例の適用を呼び掛けていきたい」と話している。
前金払制度は、資材の購入や労働者の確保、建設工事の着工資金を確保するため、工事代金の一定割合を発注者が事前に支払う仕組み。国交省など関係省庁は財務省との協議によって、4月に請負金額の「10分の4」だった前金払の割合を「10分の5」に引き上げる特例措置を設けることなどで合意。また、地方自治法施行令を改正し、被災した地方公共団体が発注する公共工事でも前金払の上限引き上げが可能となった。
特例措置の対象地域は、東日本大震災で災害救助法が適用された市町村の区域(東京都の区域を除く)。岩手県・宮城県・福島県の全市町村と、青森県・茨城県・栃木県・千葉県・長野県・新潟県の一部市町村が該当する。
今回の調査は、国交省が建設保証事業会社を通じて特例措置の適用状況などを調べた。それによると、特例措置の適用機関は国が国交・農水・文科・厚労・財務・法務・環境・防衛の8省と最高裁判所の計9団体。県は災害救助法の対象となっている地域内の9県すべてが適用済みだった。市町村は76団体、独立行政法人は東日本高速道路など7団体、地方公社は一部の土地開発公社など9団体となった。
特例の適用実績を見ると、国は工事件数363件で請負金額が362億4、300万円。このうち、国交省分が301件・317億1、800万円と大半を占めた。県別では、岩手県が219件・140億3、800万円、福島県が390件・97億0、500万円、宮城県が143件・52億8、000万円と、震災で被害が大きかった地域での実績が目立った。


2011/08/11 【日本橋梁建設協会】
橋建協・損傷「比較的小さい」
鋼橋の緊急点検・調査結果

日本橋梁建設協会(橋建協、昼間祐治会長)は、東日本大震災の発生を受けてこれまでに行った鋼橋緊急点検・調査の中間概要をまとめた。マグニチュード9の地震動であったにもかかわらず、「鋼橋の損傷の程度は比較的小さく、損傷個所は支承とその周辺に偏っている」などと指摘。道路管理者が阪神淡路大震災以後に実施してきた耐震補強が効を奏したと見ている。
橋建協は、地震動による主構造部材やゴム支承などに大きな損傷が見られなかった一方で、津波による橋梁の流出や、部材や高欄・添架物などの損傷が多く発生したことが、東日本大震災による鋼橋被害の特徴と分析。今後もさらにデータの整理・解析を進め、10月をメドに点検・調査の結果を報告書にまとめる方針。
また、被災した鋼橋の補修・補強工事を迅速に行い、想定されている東海・東南海・南海地震の発生に備える必要があると指摘。国土交通省などの道路管理者に、調査・詳細設計付き工事の発注や、路線単位・エリア単位での包括発注の導入について提案していきたい考えだ。
橋建協は、大震災が発生した3月11日に災害対策本部を設置。国土交通省や地方自治体、高速道路会社(公社)などと結んでいる防災協定に基づき、岩手・宮城・福島・茨城・千葉・神奈川・新潟・長野―の8県内で鋼橋の緊急点検・調査を実施。6月末までの約3ヵ月間に延べ958パーティ、2、310人が出動し、約3、552橋の点検・調査を実施した。


2011/08/10 【中小企業基盤整備機構】
仮設施設整備の迅速化へ設計協力候補者を募集
17日まで応募受付

中小企業基盤整備機構(中小機構)は、東日本大震災で被災した中小企業等の早期事業再開を支援するため仮設施設の供給を進めているが、今回は、より早急な施設提供を目的に、小規模タイプの仮設施設の建築工事に係る“設計・工事監理業務”の協力候補者を募集する。
現在、中小機構では、市町村から要望のあった地区に、市町村と協議の上、仮設施設を建設しているが、予め“設計・工事監理業務”の協力候補者を選定することで施設整備のスピードアップを図るもの。
市町村との協議の結果、仮設施設の建設が内定すると、中小機構はただちに今回の募集により選定した“設計・工事監理業務”協力候補者に対して、具体的地区の見積もりを要請。徴収した見積もり等を審査して設計・工事監理業務の実施者を決定し、同実施者は、仮設施設の設計を実施。中小機構は、この設計をもとに一般競争入札により施工業者を決定。着工後、同実施者は、工事に係る監理業務等に当たる。
協力候補者の応募要件は、案件候補地区(岩手県、宮城県、福島県)の県内に本店、支店、営業所を有する事業者で、一級建築士事務所の登録を行っていること。また、プレハブ建築の仮設施設を設計・工事監理することができる技術力、経営能力を有し、過去5年に元請けとして延べ床面積200平方b以上の設計業務および工事監理業務を受注した実績を有すること。当該業務を担当する管理技術者は、一級建築士の取得後10年以上の実務経験を有することなど。
応募受付は8月17日までで、郵便の場合は当日まで必着。提出された申請書類等をもとに中小機構が審査し、8月19日までに協力候補者となった者に通知する。
なお、協力候補者の有効期間は、2012年3月末日まで。
問い合わせは、同機構新事業支援部インキュベーション施設管理課仮設施設担当(東京都港区虎ノ門3の5の1虎ノ門37森ビル)、電話03−5470−1605まで。


2011/08/10 【足立建設工業(東京都)】
TVカメラ車を復旧事業に役立てて
SPR工法協東北に無償提供

下水道管渠更生のSPR工法の開発者で、日本SPR工法協会・特別会員の足立建設工業(東京都)は、震災復興支援としてTVカメラ車を東北支部に無償で提供することを決め、3日、支部事務局で引渡し式を行った。
この日は本社から足立裕介副社長と内田広治常務が訪れ、式に臨んだ。TVカメラ車は、下水道など管渠内の状況を調査する特殊カメラおよびモニターを搭載した車両で、東日本大震災以降、管渠の現状調査業務が被災地一帯で相次いでいる。提供期間は当面一年間。
足立副社長は「一日でも早い復旧に向け大いに活用してほしい」と訴え、伊東正人支部長は「今後は津波被害地区の被害調査や施工箇所の追跡調査も本格化するので大変ありがたい。支部を代表して感謝したい」と謝辞を述べた。


2011/08/09 【日本建築学会】
地震動や津波被害など調査速報を報告
約140人が参加・地震災害調査報告会を開催

日本建築学会(和田章会長)は3日、仙台市の仙台国際センターで「2011年東北地方太平洋沖地震および一連の地震災害調査報告会」を開いた。
日本建築学会では、東日本大震災調査復興支援本部を立ち上げ、被害状況の把握を行ってきた。この調査結果をもとに「2011年東北地方太平洋沖地震および一連の地震災害調査速報」を刊行。報告会は全国9ヵ所で開かれている。
当日は約140人が参加する中、初めに田中礼治東北支部長が「今回の大災害の記録を残そうと、建築学会が総力を挙げて調査を行ってきた。さらに2次、3次調査をして、1年半から2年くらいのうちに学術的な調査報告書を出そうという計画が進んでいる」とあいさつした。
引き続き、東京大学生産技術研究所の腰原幹雄准教授が調査概要・被害概要を説明した。また、東北大学工学研究科災害制御研究センターの大野晋准教授が地震動と地盤について報告。東北地方太平洋沖地震は海溝型の巨大地震で、震源域は最大500q×200qにおよび、すべり量は最大50mに達したと推計されることや、マグニチュードに対して震動による被害が小さかった理由として、今回の強震動は短周期が卓越していた点を挙げた。
このほか津波や東北・関東・北陸・東海地方の被害、構造の被害などテーマごとの調査結果が報告された。


2011/08/08 【国土交通省】
東日本大震災の津波被害
国交省調べ・22万棟のうち全壊12万棟

国土交通省は、東日本大震災による被災現況調査結果(第1次報告)をまとめた。それによると、津波で浸水した区域の面積は535平方`で、このうち4割超は浸水深2m以上だった。また、約22万棟の建物が津波により被災し、うち12万棟が全壊したことも分かった。
津波の浸水区域は現地踏査やヒアリングなどによって面積を把握した。内訳は市街地を主体とする用途地域が119平方`、集落・農地・山林など用途地域以外が416平方`だった。
浸水深は、基本的に浸水区域内で現地の浸水痕を実測した結果、0・5m以下が浸水区域全体の23%、0・5m超1m以下が11%、1m超2m以下が14%、2m超4m以下が22%、4m超8m以下が14%、8m超が7%となった。
建物の被災状況を見ると、津波による被災建物棟数は約22万棟で、内訳は全壊が12万棟、大規模半壊が3万6、000棟、半壊が4万棟、一部損壊が2万3、000棟だった。
浸水深と建物被災状況の関係性を分析したところ、浸水深2m前後で被災状況に大きな差が生じており、浸水深2m以下の場合には建物が全壊となる割合が大幅に低下していた。
この調査は、東日本大震災に伴う津波に被災した市街地の復興計画づくりに役立てるため国交省が実施した。今後、地理的条件や建物構造ごとに浸水状況や被災状況を分析するほか、避難の実態や公共公益施設の被害状況などを調べ、これらの調査結果を順次公表していく方針だ。


2011/08/08 【土木学会】
津波土砂の盛土材活用へ締め固め度の目標達成
土木学会の復興技術委が仙台で試験施工を公開

土木学会の復興施工技術特定テーマ委員会(吉田明委員長・大成建設)は4日、仙台市のがれき処分場の1つ「井戸搬入場」で「津波堆積土砂を活用した試験盛土施工」を報道陣に公開した。土砂類を幹線道路の盛土造成材として活用するため、タイヤローラ車による転圧を実施。施工に十分な締め固め度を確認した。今月中に報告書をまとめる。
仙台市内の津波堆積土砂量は浸水面積の表層5a程度と想定した場合、全体で260万立米。その半分に当たる130万立米が再利用できるという。大量に発生する土砂のリサイクル法を探していた仙台市と、復興に会員の技術を役立てたいとする土木学会が協力。市が復興ビジョンでかさ上げする方針を示した県道10号線(亘理塩釜線)の盛土造成材として活用できるかを判断するため、試験施工を行うことになった。
試験施工は、宅地から発生したがれき類を分級機械トロンメルで3回ふるいにかけ、最大粒径4p以内の土砂を採取。それを15m×10mの試験ヤードに高さ30pで敷均した後、タイヤローラ車で10回程度まで転圧締め固めを行う。測定は0、2、4、6、8、10回の転圧ごとに表面沈下量と現場密度を計る。この作業を3層分繰り返す。
今回は事前の室内試験で適正な強度を確保できることを確認したほか、試験施工の結果、6回目の転圧で締め固め度の目標値に達成することが分かった。
今後、8月中に報告書をまとめ、仙台市に提出する。ただ、農地から発生する土砂は水分が多く粒径も細かいため、今秋にもあらためて試験施工を行い、今回の試験結果と合わせて年末までに全体の報告書を作成する考え。
復興施工技術特定テーマ委員会は大成建設、鹿島、大林組、清水建設、熊谷組、五洋建設、鉄建建設、ハザマの大手ゼネコン8社で構成。吉田委員長は「ゼネコンの技術を結集した。求められるスペックが厳しい道路に活用できれば、盛土公園などにも使える」と活用拡大に自信を見せた。
試験施工に立ち会った仙台市環境局の担当者は「民間の最終処分場に持ち込むよりコストが安くなる」と述べ、積極的に活用したい考えを示した。県道10号線の七北田川から名取川まで8・51q区間を高さ5mの盛土構造とするためには70万立米が必要だが、再利用できる130万立米で十分まかなえる。実際に活用する際には、土砂を盛土材として活用するよう仕様書に明記することになりそうだ。

                     
                      ※タイヤローラー車による転圧を実演。

2011/08/04 【国土交通省】
社会資本整備重点計画の見直し案
災害リスク低減に重点

国土交通省は2日、社会資本整備重点計画の見直しに関する中間報告案を固め、社会資本整備審議会と交通政策審議会の合同計画部会に示した。東日本大震災を踏まえ、計画期間内に重点的・優先的に実施する事業の基準として、「いま整備することで大規模・広域的な災害リスクを著しく低減させるもの」を追加する考え方を提示。その上で、災害への対応力を高めるための対策などを充実させる方針を示した。
社会資本整備重点計画は、社会資本整備を重点的・効果的に進めていくため今後の公共投資の方向性を示すもの。当初は新計画を今夏までにまとめる予定だったが、3月11日の東日本大震災を受けて、その在り方を再検討することになった。
今回の中間報告案では、社会資本整備の最も重要な使命が「国民の命と暮らしを守る」ことにあるとの認識に基づき、ハードとソフトの組み合わせにより、人命を守りつつ被害をできる限り軽減する「減災」対策を進めていく必要性をあらためて強調した。
その上で、▽構造物の耐震性・耐浪性確保や適切な維持管理などによる「災害への対応力を高めるための対策の充実」▽交通ネットワークの代替性・多重性の確保など「災害の発生により損なわれる機能をカバーするシステムの構築」▽日本の基幹産業、地域産業を支える都市・交通基盤を強化する「地域の産業・経済に活力を与え国際競争力を確保する災害に強い都市・交通基盤などの形成」▽コンパクトなまちづくりや再生可能エネルギーの導入など「災害に強く、暮らしの安全・安心を守り、環境と調和したまちづくりの実現」―などに留意して計画を策定することとした。


2011/08/04 【岡部】
製品販売キャンペーンで売上を支援金に
 『 キッズプロジェクト 』 に協力

建設資材製造販売大手の岡部(東京都墨田区・松本憲昭社長)から、建設新聞社に「キッズ元気プロジェクト」支援金347万6、922円が寄託された。
同社では、東日本大震災の被災者支援に協力しようと型枠製品販売キャンペーンを企画。6月1日から6月30日までの1ヵ月間、北は北海道から南は沖縄までの全10支店が参加し、全国の顧客からキャンペーンに協力してもらい、売り上げの一部を今回の支援金に充てた。
本社を訪れた三上俊彦東北支店長は、「義援金として贈ることを考えていたが、すぐに行きわたる方法で協力したいという思いもあり、キッズ元気プロジェクトの趣旨が合致した」と話し、本社の河合良太郎社長に支援金の小切手を手渡した。
集まった支援金は本社を通じ、岩手、宮城、福島の両親を亡くした小中学生に贈られる。
※キッズプロジェクトの支援金募集は、7月30日で終了いたしました。皆様のご協力ありがとうございました。

                     
            ※三上東北支店長(右)から河合建設新聞社社長に小切手が手渡された。

2011/08/02 【政府】
政府の復興基本方針まとまる
事業規模は約23兆円

政府が実施する東日本大震災からの復旧・復興事業の取り組みを盛り込んだ復興基本方針がまとまった。復興期間と位置付けた今後10年の事業規模を最低23兆円程度と見込み、「集中復興期間」とする今後5年でこのうち19兆円を投入する。ソフト・ハード対策を組み合わせた「津波防災まちづくり」の推進、土地利用再編の円滑化などに取り組むとしたほか、大震災を教訓に全国的な防災対策も強化する。各府省はこの基本方針に従い、第3次補正予算の編成に本格的に着手する。
基本方針では、すでに成立した第1次・第2次補正予算(合計約6兆円)を含めた復興の事業規模を今後10年で最低約23兆円が必要と試算(原発事故関連含まず)。このうち、15年度末までの集中復興期間に約19兆円を投じるとした。
財源は、歳出削減、国有財産売却、特別会計などにより13兆円を確保。残る10兆円は基幹税などの税制改正に伴う増収分を充てることを今後検討する。
復興の具体策としては、「減災」の考え方に基づく津波防災まちづくりを進める。秋の臨時国会への提出を視野に新法をまとめ▽中高層の避難建築物の整備▽二線堤の機能を持つ道路・鉄道の活用▽被災都市の中枢機能復興のための集団移転▽土地利用・建築規制などの柔軟な活用―などの実現を図る。
液状化被害を受けた宅地については、隣接する道路・下水道などの公共施設と一体的な再発防止策を行う仕組みを検討。土地の買い上げも可能な「防災集団移転促進事業」の見直しも検討する。津波で被災した土地の再編を迅速に行うため、復興特区制度を活用し、都市計画法や農業振興地域整備法などの手続きをワンストップで処理する特例措置も講じる。
原発事故の被害が大きい福島県内には、医療産業拠点、再生可能エネルギーの研究拠点、政府系研究機関の関連部門などを整備し、産業集積による雇用確保を図る。
基本方針には、被災地の復興事業に加え、全国的な防災対策を強化する方針も盛り込んでいる。防災ルートの多重化や建築物・社会インフラの耐震化に加え、迅速な災害復旧を行うための事前準備の充実も記載。地域防災計画の中に、がれきの仮置き場や仮設住宅用地を位置付けることができないか検討する。


2011/08/02 【国土交通省】
大畠国交相・仙台市の宅地を視察
3次補正に救済策盛り込む考え示す

大畠章宏国土交通大臣は7月30日、宅地被害が甚大だった仙台市青葉区折立地区を視察し、3次補正予算に救済策を盛り込み、全面的に支援していく考えを示した。具体的な支援策は仙台市が8月中にまとめる方針を待って、検討する考え。
東日本大震災では地すべりや地割れ、造成法面・擁壁の損壊などにより仙台市内だけで2、000件以上の宅地被害が発生。これを受けて仙台市は宅地保全審議会技術専門委員会を設置し対策を検討しているほか、国交省に対し、災害関連地域防災がけ崩れ対策事業や災害関連緊急急傾斜地崩壊対策事業など既存の宅地災害復旧に関する事業について、補助対象の拡大、補助要件の緩和、補助率のかさ上げなどを要望している。
大畠大臣は奥山恵美子市長や地域住民から話しを聞きながら被害状況を視察。会見では「3次補正は1次補正を上回る規模になる。市が住民と話し合い、これからの方針を定めてもらえれば、国としてバックアップする道筋をつくっていきたい」と強調し、従来の枠組みにとらわれず支援していく考えを示した。3次補正の成立時期については、「次期臨時国会の冒頭」との見通しを示した。
市は宅地保全審議会技術専門委員会での審議を踏まえて、8月中に方針をまとめる見込み。


2011/08/02 【東北整備局】
過去最高686者を表彰
国土交通・震災功労者表彰

東北地方整備局は7月29日、仙台市の仙台国際センターで国土交通行政関係功労者と東日本大震災関係功労者の表彰式を開催した。今回は個人・団体を合わせて686者が受賞し、同整備局の表彰としては過去最大規模となった(受賞者名は下に一覧で掲載)。
建設事業関係功労では災害対策功労者として建設会社17社と、コンサルタント5社が受賞。
また、東日本大震災関係功労者には発災直後から道路・港湾啓開、応急・緊急復旧などに当たった建設会社など283社・30団体と、調査設計、測量、橋梁緊急点検などに当たったコンサルタント81社・4団体および個人・エキスパート157人が選ばれた。
式典で徳山日出男局長は「かつて経験したことのない激甚被害に対し、発生直後から皆さんの協力により迅速、的確な対応ができた。家族の安否を気遣いながら余震の危険や人員・資材不足もある中、不眠不休で対応に当たったことに対し、多くの人にお礼を言いたい」と謝辞を述べた後、各グループの代表者に表彰状を授与した。


2011/08/01 【東北建協連、東北公共品確安全協、東北土木技士会連、
                    東北建設青年会、東北各県建産連】
「がんばろう!東北 東日本大震災の教訓を生かそう
                       −東北からのメッセージ」を開催
東北建協連など5団体が宣言

◎東北の復興に全力尽くす
地域の建設企業は地域に精通した技術集団として東北の復興のために全力を尽くす−。東日本大震災の教訓を今後の復旧・復興、社会資本整備の促進につなげようと東北建設業協会連合会(佐藤博俊会長)など5団体は7月28日、仙台市内で「がんばろう!東北 東日本大震災の教訓を生かそう−東北からのメッセージ」と題した大会を開き、復興に向けた決意を表明した。
冒頭、佐藤会長は一日も早い復旧・復興を目指すことが建設業の使命と強調。岩手、宮城、福
島の代表者が意見発表・決意表明を行った後、全員で「がんばろう!東北」を宣言した。
東北建設業協会連合会、東北公共工事品質確保・安全施工協議会、東北土木施工管理技士会連合会、東北建設業青年会、東北各県建設産業団体連合会の5団体が主催。会場となった仙台市のホテルメトロポリンタン仙台には各団体の会員企業から約300人が集まった。
冒頭、佐藤東北建協連会長は「建設産業が社会的使命を果たすために東北の建設産業に関わる人々が頑張ろう東北を合い言葉に、一日も早い復旧・復興を目指さなければならない」と強調。その上で「震災がもたらした諸課題について地域住民と認識を共有し、国民の生命と財産を守る安全・安心な防災問題について情報発信を行っていきたい」との考えを示した。
来賓の脇雅史参議院議員は「何より大事なことは自然災害に真摯に謙虚に向き合い、再びこういうことが起こらないようあらゆる知恵を出して、今後に残すことだ」と述べた。
◎建設業なくしてインフラなし
この後、被災3県を代表して岩手県建設業協会の向井田岳副会長、武山興業(宮城)の武山徳藏社長、石川建設工業(福島)の石川俊社長が被災県からの意見・決意表明を発表した。
このなかで、岩建協の向井田副会長は、「岩手県沿岸部では津波により防波堤、防潮堤が破壊されたものの、津波の高さ、威力を弱めることに役立った」ことを説明。「公共事業がムダであるかのような誤解が蔓延していた。正しい事実を基に情報発信していくことがますます重要であり、堤防などの防災施設がどのように機能したかなどを伝える必要がある。この震災を転機に官民が協調し、地域再生のために進むべき」と訴えた。さらに、「建設業界が将来にわたり、住民の安全・安心を守ることが可能となるよう、努力を続けていく」との決意を示した。
津波で石巻市の自宅が流された武山氏は、自らも被災者でありながら道路啓開に当たったことなどを紹介した上で、燃料不足や連絡手段がなかったことを課題に挙げたほか、今後の問題として被災者雇用を挙げ、発注機関に改善を求めた。また、「建設業は災害前に悪者と見られていたが、災害現場を通じて少しでも地域に恩返しができた。建設業として胸を張って皆に言える。これからも建設業なくしてインフラ整備はない」と強調した。
石川氏は「福島原発の放射線問題で行政は通常の公共事業すら発注できない。あるのはがれき撤去など日当の作業ばかり」と指摘した上で、随意契約の促進、配置技術者要件の緩和、被災者雇用の重点評価など地域建設業が再起できる環境整備を要望。一方で「われわれが復旧・復興の先頭に立ち、新しい集落づくりや農地再編を担わなければふるさとに人は戻ってこない」と訴えた。
最後に東北公共工事品質確保・安全施工協議会の宇部貞宏会長が「われわれは技術集団として地域に必要な社会資本整備を担う専門家として情報発信し、安全・安心に不可欠だという自信の下、復興へ一致団結しなければならない」と述べた後、全員で「頑張ろう東北、頑張ろう日本、頑張ろう建設業」と唱和した。


2011/08/01 【日本建築構造技術者協会】
非構造部材の安全策検討など
震災踏まえアクションプラン

日本建築構造技術者協会(JSCA、金箱温春会長)は、東日本大震災を踏まえ、建築設計・構造設計分野で検討すべき内容をアクションプランとしてまとめた。天井や外壁などの非構造部材の安全性の確保策を検討する組織の立ち上げや、長周期地震動への新たな対応策などの検討を進めていく。
今回の震災で天井の落下による死亡事故が発生したことを受け、「2次部材・仕上材の耐震安全性検討WG」を設置。関係機関と連携して、非構造部材の耐震メカニズムの検討・確立を目指す。さらに、特殊な天井については、取り付け方法の設計に構造設計者が関与していく仕組みの構築を目指す。
長周期地震動については、東海・東南海・南海の3連動地震への配慮などを加えて国土交通省が見直しを進めている「対策案」への提言内容を検討する。
アクションプランではこのほか、構造物・液状化・津波の各被害を踏まえた検討の方向や、被災建築物の再利用・耐力評価策を検討していく方針を掲げている。
このうち構造物では、新耐震基準以前に建てられた施設の被害が多いことを踏まえ、旧耐震建築物の耐震診断・耐震補強の重要性を社会に呼び掛けていく。併せて、耐震診断の依頼に円滑に対応できる体制を整える。
被災建築物の再利用は、環境配慮の社会的要請などを受けて検討する。建築物の長寿命化に伴って大規模地震を複数回受ける可能性が高くなる状況も踏まえ、構造物の累積被害を評価する仕組みも議論する。


2011/07/30 【文部科学省】
国立大学整備調査研究会議・震災踏まえ最終報告を修正
国立大学法人の第3次整備計画に反映へ

文部科学省の「今後の国立大学法人等施設の整備充実に関する調査研究協力者会議」は27日、国立大学などの第3次施設整備5ヵ年計画(2011年度〜15年度)に対する最終報告をまとめた。2月にいったんはとりまとめた最終報告を東日本大震災の被害状況を踏まえた形に修正。非構造部材の耐震化、実験研究設備の防災対策、再生可能エネルギーの導入などの項目を追加した。同省では、この最終報告の中身を反映させた次期5ヵ年計画を8月中に策定する。
東日本大震災による国立大学法人等施設の被害は76校・約537億円に上った。新耐震基準以前に建築された未補強の施設で、柱など構造物材に大きな被害が発生した反面、新耐震基準以降に建築された施設や補強済み施設では軽微な被害にとどまったものがほとんどだった。
一方、内装材・外壁などの非構造部材や建物内部の実験研究設備、老朽化した基幹設備(ライフライン)に大きな被害が生じた。沿岸部の大学施設では津波流失による壊滅的な被害も発生した。福島第一原子力発電所事故に伴う電力不足で、節電要請を受けている大学もある。
こうした被害状況を踏まえ、最終報告では沿岸部に位置する大学施設で「減災」の視点を取り入れた津波被害を抑える避難経路の整備などの取り組み実施するとしたほか、耐震性・代替性に配慮した基幹設備の整備を推進するなどの記述を追加。実験研究設備は免震化などの導入を検討するよう促している。
耐震化に関しては変更なく、15年度までに耐震化を完了し、IS値0・4未満の施設については原則として当初2年で完了させるとした。このほか、電力不足に対応した再生可能エネルギーの導入促進、大学附属病院の救命救急医療機能の強化なども図る。
2月の最終報告に盛り込んだ▽質的向上のための戦略的整備(Strategy)▽地球環境に配慮した教育研究環境の実現に向けた取り組み(Sustainability)▽安全な教育研究環境の確保(Safety)―の「三つのS」の方針は変更しない。
施設整備の規模も、老朽施設の改善で約400万立方b、スペース不足に対応した施設整備で約80万立方b、大学附属病院の再開発で約70万平方bと、2月の最終報告で掲げた目標は変更しない。


2011/07/29 【東北地方整備局】
東北整備局・国土交通・震災関係功労者
266人、386社、34団体が受賞

東北地方整備局は国土交通行政関係功労者と東日本大震災関係功労者表彰の受賞者を発表した。
266人、386社、34団体が受賞。表彰式は29日、仙台市の仙台国際センターで13時30分から行う。
建設事業関係功労者は20年以上樋門・樋管の操作に従事した水閘門捜査員109人を選定。
災害対策功労者は国道4号法面土砂崩壊対応や国道112号雪崩対応の建設会社17社と、コンサルタント5社が受賞した。
新たに創設した東日本大震災関係功労者には発災直後から道路・港湾啓開、応急・緊急復旧などに当たった建設会社等283社・30団体と、調査設計、測量、橋梁緊急点検などに当たったコンサルタント等81社・4団体および個人・エキスパート等157人が選ばれた(受賞者名は後日、本紙に掲載)。

2011/07/28 【建設経済研究所など】
2011・12年度の建設投資見通し
国の第3次補正予算前提 復旧・復興で増加基調に

2011年度の建設投資(名目値)は、前年度に比べ7・3%増の44兆1200億円になる見通しであることが、建設経済研究所などのまとめで分かった。第3次補正予算が編成・執行されることを前提として、政府建設投資が大幅に増加すると予測した。2012年度の建設投資も2011年度補正予算の繰り越し分や復旧・復興関連予算の上積み分を見越して、前年度比での増加を見込んでいる。
2011年度の政府建設投資は、当初予算で国の公共事業関係費が6%減、地方単独事業費が4・6%減となったことが減少要因として働くものの、東日本大震災の復旧・復興に向けた補正予算全体のうち、建設投資額が総額6兆円に上るとみて、前年度比12・8%増の18兆7000億円とした。2012年度は、当初予算の公共事業関係費や地方単独事業費を前年度並みと仮定。そこに11年度補正予算の執行繰り越し分が相当額加わるほか、被災地の復旧・復興のための投資も欠かせないとみて、3兆円程度の震災関連予算額を計上した。その結果、2%増の19兆0800億円になるとした。
2011年度の民間住宅投資は、夏以降に需要・供給マインドが持ち直し、被災住宅の建て替えなども見込まれることから、4・3%の12兆9600億円になると予測。2012年度も回復を続け3・2%の13兆3700億円になる見通しだ。
2011年度の民間非住宅建設投資は、震災被害の復旧に向けた民間設備投資が予想を上回るペースで進んでいるため、2・8%増の12兆4600億円となり、2012年度も3%増の12兆8300億円へと回復基調が強まる。ただし、電力供給が制約された状況が続けば、投資の先送りや中止が見込まれ、回復の足かせになる恐れがあるという。
「建設経済モデルによる建設投資の見通し」は、建設経済研究所と経済調査会が四半期ごとにまとめて公表している。

2011/07/27 【政府】
2011年度2次補正予算が成立・震災対策に総額約2兆円

東日本大震災の対策に充てる政府の2011年度第2次補正予算が25日に成立した。総額は1兆9988億円。東京電力福島第一原子力発電所の事故に伴う損害賠償や、被災者の二重ローン対策が中心。本格的な復興事業費は、今後編成する第3次補正予算に盛り込む計画だ。
2次補正予算のうち、原発事故の損害賠償関係の経費は2754億円。ここでは、政府の補償契約に基づく補償金の支払いのほか、放射能モニタリングの強化、福島県外を含めた校庭の放射線低減事業などを進める。
被災者支援関係経費は3774億円。このうち774億円で、中小企業再生支援協議会を核とした相談窓口の体制強化など、二重ローン対策を進める。
このほか、使途を限定しない復旧・復興の予備費として8000億円、被災自治体の財政需要に対応するための地方交付税交付金として5455億円を計上している。

2011/07/27 【国土交通省、岩手県ほか】
高規格道路の重点整備へ
復興道路整備促進連絡調整会議が初会合


国土交通省、岩手県ほかで構成する復興道路整備促進連絡調整会議の初会合が22日、盛岡市の岩手県盛岡地区合同庁舎で行われた。
8月にも国土交通省が三陸沿岸の高規格道路のルートを確定するとの動きを受けて、各関係機関が整備に必要な調整事項などを確認するとともに情報交換等を行い今後の事業を潤滑に進めることが目的。構成員は事業主体の国土交通省のほか、岩手県、NTT東日本、東北電力、JR、三陸鉄道となっている。
冒頭、高橋修岩手県県土整備部道路建設課総括課長が「3月11日の大震災では部分的に開通していた三陸自動車道が災害支援に大きな役割を果たした。今後もこうした高規格道路を復興道路と位置づけ重点的に整備していきたい」とあいさつ。引き続き、関係者間における土地利用に許認可や支障物件などの情報交換や基本的な考え方などを整理した。
調整会議は今後、国のルートの確定を待って9月にも第2回目の会議を開催するとしている。

2011/07/27 【建設産業専門団体連合会・建設産業専門団体東北地区連合会】
建専連と東北建専連が義捐金319万円を日赤に寄託
一日も早い復興を


設産業専門団体連合会(才賀清二郎会長)と建設産業専門団体東北地区連合会(千葉正勝会長)は26日、日本赤十字社宮城県支部に、義援金319万円を寄託した。
義援金は建専連と地区建専連の32団体から集めたもの。
当日は、才賀建専連会長と千葉東北建専連会長が、日赤宮城の鈴木隆一事務局長に義援金を手渡した。
鈴木日赤宮城事務局長は「普段から、建設業団体の方々は献血に大変理解を示してもらっており、非常に助かっている」と感謝した。
震災復興に向けて、才賀会長は「一日も早く復興してほしい。専門工事業者として全国的に、いつでも準備を整えておきたい」と述べた。また、千葉会長は「全国のバックアップがあることは心強いこと。実際被災した同業者がたくさんいる。今はがれき処理中心だが、地元として、援助の手を差し伸べながら頑張りたい」と話した。

2011/07/27 【東北地方整備局】
2011年度第1回事業評価監視委員会
3つの時間軸で評価を
震災を踏まえた事業評価


東北地方整備局の2011年度第1回事業評価監視委員会(委員長・平山健一JSTイノベーションサテライト岩手館長)が25日に開かれた。この中で委員からは、事業評価の在り方について、平常時、災害発生時、復旧・復興のプロセスの3つの時間軸で評価する必要があるなどの意見が出された。また、審議した3事業はすべて継続妥当とされた。
冒頭、徳山日出男局長は前回の委員会で防災をどう評価するかが議論の中心となり、その2日後に東日本大震災が発生したことを説明した上で「あの時に問題提起したことはまさに今、考えるべきことだ」と強調した。
この後、震災を踏まえて道路事業の評価の在り方について意見を交わした。この中で委員からは「通常のB/C以外で、避難を迅速に行えるような効果、命を守る新たな機能について評価する必要がある」「平常時と併せて、災害発生直後の道路啓開を想定した効果、復旧・復興のプロセスにおける効果の3つの時間軸で評価する必要がある」といった意見が出された。このほか、「道路は人流・物流の機能により評価されるもので、事業区間ではなく路線全体で評価すべきではないか」「盛土構造と高架構造の津波に関する高架・影響について検討が必要」との指摘もあった。
また、審議対象の一般国道45号高田道路、同南三陸道路と胆沢ダム建設事業はいずれも事務局の対応方針通り、事業継続が妥当と承認された。

2011/07/25 【政府】
政府・復興基本方針の骨子まとまる
自由度高い交付金を創設

政府は、東日本大震災の復興に向けた国の取り組みの全体像を示す復興基本方針の骨子をまとめた。被災地域が主体となった復興を支援する「復興特区制度」や、被災自治体にとって自由度の高い交付金などの創設を盛り込んでいる。基本方針は復興に必要な事業の規模や財源を確定し、7月中に最終決定する。
骨子では、復興特区制度について、地域の創意工夫を生かした復興を実現するため、区域限定で規制・制度の特例や経済的支援を行うとした。国と地方が協議し、土地利用再編計画手続きを一元化・迅速化するための特例措置、税・財政上の支援措置のための仕組みを導入する。
自由度の高い交付金についても、被災地の自治体主体の復興支援を目的に創設。補助事業を幅広く一括化するとともに、基金を設立して交付金の隙間を埋めることで、自治体が復興事業を実施するための資金を柔軟に確保できるようにする。
公的主体による復興に加え、民間の資金・ノウハウを活用したファンドやPPP・PFI、土地信託手法による復興が可能となるよう、最大限の支援も行う。
復興基本法に盛り込まれた復興庁の設置については、準備室を早期に立ち上げる。年内に全体像をまとめ、設置法案を国会に提出するとしている。

2011/07/21 【東北防衛局】
被災施設の復旧調査5件・計約500棟の調査など
マン・テックや山下設計などに委託

東北防衛局は東日本大震災で被災した施設の復旧に向けて、調査業務5件の見積もり合わせを6月27日に行い、設計事務所やコンサルタントに業務を委託した。
業務名と落札者は、「東北陸自施設復旧建築等調査(その3)」がマン・テック、「同(その4)」が山下設計、「東北陸自施設復旧土木等調査(その1)」がニュージェック、「同(その2)」が復建エンジニヤリング、「東北空自施設復旧建築等調査検討」が泉創建エンジニアリング(落札金額、入札者や予定価格などは本紙参照)。
業務内容は、「東北陸自施設復旧建築等調査(その3)」が多賀城・大和・反町・郡山・福島の5駐屯地における建物と外線・給汽・線路・給排水など設備の現況調査に加え、早急な復旧が必要と判断した施設については設計までを委託する。調査対象施設数は多賀城が71棟、大和が10棟、反町が50棟、郡山が18棟、福島が79棟の計228棟。「同(その4)」が仙台・霞目・船岡の3駐屯地内における同様の業務で、調査施設数は仙台が150棟、霞目が72棟、船岡が35棟の計257棟。
「東北陸自施設復旧土木等調査(その1)」は多賀城駐屯地における給水管・汚水管などの現況調査、地形測量・既設構造物調査約8万u、ボーリング調査15m×3本。「同(その2)」が仙台駐屯地における給水管・汚水管などの現況調査、地形測量・既設構造物調査約15万u、ボーリング調査10m×3本。この2件に係る工事(「東北陸自施設復旧土木等工事(その2)」)はすでに公告済みで8月24日に開札予定。
「東北空自施設復旧建築等調査検討」は、応急復旧工事を進めている松島基地について本復旧に向けた調査検討業務を委託する。基地内の建物の恒久復旧に向けた建築・電気・機械・通信設備の基本検討、津波・浸水対策の検討、改修提案図の作成および概算額算出、ボーリング調査45m×4本、地形測量・既設構造物調査約2万3000u、屋外設備(電気・機械・通信)のユーティリティー被害調査を行う。
いずれも履行期限は2012年2月29日まで。

2011/07/20 【トヨタ自動車】
中部、九州に次ぐ第3の生産拠点に
ものづくりで東北復興を支援
豊田社長が仙台で会見

トヨタ自動車の豊田章男社長は19日、仙台市のウエスティンホテル仙台で記者会見し、東北を中部、九州に続く第3の生産拠点に位置付け、コンパクト車専門に車両開発から生産まで一貫して行うことで、東北の復興を長期的に支援する考えを示した。併せて人材育成が重要との考えから、宮城県大衡村に訓練校を設立する(1面に関連記事)。
トヨタ自動車は継続的な被災地支援活動「ココロハコブプロジェクト」の一貫として今回の取り組みを発表した。
東北のものづくり強化に向けては、関東自動車工業(神奈川県横須賀市)、セントラル自動車(宮城県大衡村)、トヨタ自動車東北(同大和町)の3社が経営統合に向けて協議を開始し、来年7月をメドに新会社を発足させることを明らかにしている。こうした動きと併せて東北をコンパクトカー専門の第3の製造拠点に位置付け、スモールハイブリッド車を生産する。このためトヨタ自動車東北の敷地内に新たにエンジン組み付け工場を建設する。生産ラインは関東自動車工場を活用する。
将来的には東北だけで車両開発から部品調達、生産まで一貫して行いたい考えだ。
東北のものづくりを中長期的に発展させるため、新会社に愛知県豊田市にあるトヨタ工業学園専門部のような企業内訓練校を大衡村内に設立する。東北の工業高校の新卒者から生徒を募集するほか、近隣の関係会社からも人材を受け入れる。一期生として10〜30人程度を見込み、2013年4月に開校する見込み。
会見で奥田社長は「震災以来、トヨタができることを考えていた。ものづくりを通じて地域の人たちと一緒に東北の未来をつくっていきたい」と述べた。
このほか、生産拠点の災害対応能力強化・地域の電力安定化を図るため、セントラル自動車宮城工場に消費電力の約9割をカバーする8000kW程度の自家発電設備を導入する方針を明らかにした。年内にも整備したい考え。


2011/07/19 【建設トップランナー倶楽部】
東日本大震災テーマにフォーラム「〜現場からの証言〜」
深松社長(仙台市・深松組)が震災対応を報告

建設業の新たな地域産業化を目指した経営者の集まりである建設トップランナー倶楽部(代表幹事・和田章日本建築学会会長、米田雅子慶応大特任教授)は15日、「東日本大震災〜現場からの証言〜」と題したフォーラムを、東京・三田の建築会館ホールで開いた。この中で、深松組(仙台市青葉区)の深松努社長は、自らが副会長を務める仙台建設業協会が、復旧事業の円滑な推進に大きな役割を果たしていることに触れた上で、「仮に5年後に震災が起こっていたら、今回のような対応はできなかったかもしれない」と、建設業界が疲弊し、事業者が減り続けている現状を危惧した。そして、「この問題は日本全体の話。いまの建設業者数で地域を守れるのか、発注者は真剣に考えて対策を進めてほしい」と訴えた。
深松社長は、情報・通信が遮断した状況の震災当日から、仙台建設業協会の会員が道路の啓開作業に出動できたことについて、「机上ではなく、実際の防災訓練を行政と事前に実施していたため」と説明。協会が普段から、行政との防災訓練や打合せを綿密に行うとともに、各会員の点検エリアの設定や報告体制を確立しておくことが重要だと指摘した。
また、震災廃棄物の処理に際し、行政の関係部局が道路・公園・環境の各課にまたがり、現場の作業が円滑に進まなかったエピソードを紹介し、行政・業界側とも窓口を一本化しておくことが有効だとした。
併せて、被災地への重点配分を理由に、政府が2011年度の公共事業費の執行を5l留保していることに対し、「ただでさえ仕事がなく疲弊しているのに、全国各地の建設業協会の会員は事業が継続できるのか」と批判。早急な改善を求めた。
フォーラムではこのほか、国土交通省東北地方整備局の川嶋直樹企画部長が、緊急随意契約により、地元建設業者が震災直後から復旧作業に尽力した事例や、盛土構造の道路が津波を食い止め、地域住民の避難場所になった事例などを紹介した。
宮城県土木部の畠秀和事業管理課長は、復興に向けた最大の課題として財源の確保を提示。国に対し、使途の自由度が高く複数年度使用できる一括交付金の創設などを求めた。
今回のフォーラムは、東日本大震災の被災地の建設業者や行政の取り組みについて関係者から話しを聞き、課題や対策を共有することがねらい。当日は、地域の建設業のネットワークによる支援事例の紹介や、「大震災の復旧計画と地域建設業の役割」をテーマにしたパネルディスカッションも行った。定員400人の会場は立ち見もでるほどだった。

2011/07/16 【環境省】
環境省が津波堆積物の処理指針をまとめる
盛土材などへの活用を提案

環境省は、東日本大震災で発生したヘドロなど津波堆積物の処理指針をまとめた。被災地の自治体が津波堆積物を撤去する際、消石灰などの薬剤散布などの応急対策を講じ、腐敗や乾燥による粉じん発生を防ぐことを推奨したほか、埋め戻し材や盛土材などの土木資材として有効活用することも提案している。
津波堆積物は、水底や海岸の砂泥などを主成分に、木くず、金属くず、コンクリートくず、廃プラスチックなどが混在しており、腐敗や乾燥で悪臭や粉じんの発生が懸念されている。廃棄物資源循環学会では、被災6県の津波堆積物の発生量を1300万d〜2800万dと推計している。
指針では、津波堆積物を撤去する以前に、消石灰などの薬剤の散布や散水などを行い、応急的に悪臭・粉じんの発生予防を図る必要性を指摘。その後の撤去についても、水没地では湿地用ブルドーザーでかき寄せてクローラーダンプで収集したり、含水率が高い場所では汚泥吸排車の活用するよう提案した。
木くずやコンクリートくず、有害物質の混入が少ない堆積物については、埋め戻し材や盛土材などの土木資材として有効活用する。受入先と調整した上で、セメントや舗装用ブロックなどの原料に利用することも可能だとしている。


2011/07/15 【サンシティ・東北パートナーズ】
石巻市・サンシティほか・被災地で初の「分譲マンション」建設計画
復興プロジェクト第一弾・今秋着工へ RC11F3926u、

東日本大震災の津波被害で市街地の多くが被災し、住宅不足が深刻になっている石巻市に震災後初の分譲マンションが計画されている。
安心で安全な住宅整備で被災地復興への足がかりにと、マンション開発のサンシティ(仙台市青葉区一番町4丁目6の1 星山泰洙社長)と不動産ファンド会社の東北パートナーズ(仙台市青葉区一番町4丁目6の1 大森威宜社長)が提携し、復興プロジェクトの第一弾として開発する。早ければ10月下旬にも着工する見通しだ。
建設場所は、石巻市穀町5の22地内の847・27uの敷地。石巻市役所の南側に位置し、既存建物の解体後にRC11F延べ3926・64u、3LDK〜4LDKのファミリータイプを中心とした分譲マンションを建設する。実施設計は創建設計が担当している。
同地域は建物1階部分まで津波の浸水を受けたエリアであることから、住戸は2階部分から上階に設置する。また、今後の震災への対策として、防災グッズなどを備蓄する倉庫を配置するほか、津波発生時には屋上を開放し、避難場所としての利用も可能にする方向だ。
今後、8〜9月にかけて施工者を選定。9月中旬に既存建物を解体。10月下旬から11月に本体建設に着手し、来年11月の完成を目指す。
次回計画は現在検討中だが、2社は今後も継続して被災地の住宅開発事業を手掛けていく考えだ。

2011/07/15 【国土交通省】
国交省の委員会が震災を踏まえた高速道路政策を
緊急提言・必要個所の重点強化を

国土交通省の「高速道路のあり方検討有識者委員会」(座長・寺島実郎日本総合研究所理事長)は14日、東日本大震災を踏まえた高速道路政策の在り方について緊急提言をまとめ、大畠章宏国交相に提出した。
被災地域の早期復興を促進するため、「復興高速道路」として位置付けられる三陸沿岸道路などの太平洋沿岸軸と、太平洋沿岸と内陸部を結ぶ横断軸の強化に向けて、必要な高速道路は計画を前倒しして着工・推進する必要性を指摘。
首都直下地震、東海・東南海・南海地震などの大震災が想定される地域を中心に、災害面からの弱点を再点検し、必要な個所を重点的に強化するよう求めた。
この委員会は、高速道路の整備、管理、料金などの在り方を検討するため、本年4月に設置された。緊急提言は第3次補正予算の編成を見据え、高速道路分野での当面必要な震災への対応方策をまとめたもの。全国の高速道路ネットワーク(NW)整備や料金制度に関する最終報告は今秋にまとめる方針だ。
今回の緊急提言では、東日本大震災の被災地を早期に復旧・復興するとともに、大震災が想定される地域の安全を確保するため、これまでの「防災対策」に加え「減災対策」を取り入れた二段構えの耐災思想で取り組むべきとした。
今後の高速道路NWについては、地域の孤立化や多重性の欠如など災害面からの弱点を再点検した上で、ミッシングリンクの解消や隘路(あいろ)区間の改良など効果的な手法を選択し、緊急性の高い個所から重点的に強化することが必要とした。その際には、国際物流の動きを踏まえつつ、太平洋側と日本海側を結ぶネットワークの強化に取り組むこととした。
また、災害に強い地域づくりに当たっては、道路の防災機能を意識して、高速道路と防災拠点や避難場所を一体的に整備するなど、他施設との積極的な連携が必要と指摘。特に、高速道路のインターチェンジやサービスエリア・パーキングエリアなどを中心に、道路と周辺空間を災害時に計画的・積極的に活用すべきとした。
このほか、▽盛土の耐震性向上や液状化対策などに必要な基準整備の推進▽災害時の地域孤立化などを防ぐ考え方を取り入れた事業評価の充実―なども盛り込んだ。

2011/07/15 【日本経済団体連合会・東北経済連合会】
第44回 東北経済懇談会
国際拠点港の重点整備を

日本経済団体連合会(米倉弘昌会長)と東北経済連合会(高橋宏明会長)は14日、仙台市のホテルメトロポリタン仙台で、「新たな日本の創設〜震災からの復興・新生と経済界の役割」をテーマに、第44回東北地方経済懇談会を開催した。
経団連からは米倉会長をはじめ副会長ら17人、東経連からは高橋会長、副会長、会員企業ら300人が出席した。初めのあいさつで、高橋東経連会長が▽国内外の官民の英知を集めること▽イノベーション創出によるモノづくり産業の高度化▽インフラの多重性など東北全域の連携―を復興に向けた重要な視点として挙げた。また、米倉経団連会長が「安心・安全・強靭(きょうじん)な日本をつくるため、包括的なビジョンを描き新たな制度設計や手法を取り入れていくことが必要だ」と強調した。
「今後の東北の経済復興・発展」をテーマにした意見交換では、東経連会員が災害に強い産業インフラの構築として東北の一体的な多重整備が重要だとし、被災した三陸自動車道と常磐自動車道のほか日本海沿岸東北自動車道の早期整備や、東北中央自動車道につながる地方道路、地域高規格道路の整備が必要と訴えた。さらに、首都圏の迂回(うかい)機能と東日本の国際物流を担う仙台塩釜港の強化と、日本海側の拠点港の強化も挙げた。これに対し、経団連の西田厚聰副会長は、道路については「高速道路の近接地に工業団地をつくり、道路の広域的ネットワークを形成し産業集積化を強力に推し進めることが責務だ」と強調。港湾については「国際物流港湾の拠点である仙台塩釜港、小名浜港などを重点的に整備し、対アジア物流拠点としての地位を確立しなければならない」と回答した。そのほか、農林水産業の大規模集約化、コンパクトシティ、震災復興特区の設置、エネルギー問題、情報通信網問題などについて意見を交した。
懇談後の記者会見で、米倉経団連会長は「復興庁を早く設置し、復興基本計画の策定と特別復興特区の創設を実施するよう、政府に強く働き掛けていきたい」と述べた。また、高橋東経連会長も「思案中だが、震災復興特区を中心に追加提言の実施をしていきたい」とし、両会長ともに、日本と東北の経済復興・発展に向けては、特区創設が重要だとの考えを示した。

2011/07/15 【エヌエス環境東北】
土壌・水・粉じんなど放射能を測定
現地での測定も可能

エヌエス環境東北支社(南部満支社長)は、精密核種分析と現位置での簡易核種分析が可能な機材を導入し、土壌・水・粉じん・農作物などの放射能測定を行っている。
東日本大震災による福島第一原子力発電所の事故を受けて放射能測定の需要が高まっている中、企業や一般市民からの測定の依頼に対応。建設業界からは工事の際に周辺環境の安全性を確認したり、がれき撤去の現場で放射能測定の需要があるという。
精密核種分析では、放射線を解析して試料に含まれる放射性物質の種類(ヨウ素131、セシウム134、セシウム137)と放射性濃度を測定。一方、線量および簡易核種分析では、持ち運びが可能な放射線測定器とガンマ線のエネルギー分析の機能を搭載した最新機器を用いて、放射線量の高い場所や放射性核種を分析する。測定機器の持ち運びができるため、現場での対応が可能となる。
試料の量、検査期間、料金は試料によって異なる。問い合わせは、同社東北支社(電話 022−254−4561)まで。

2011/07/14 【全国知事会議】
全国知事会議・国への提言まとまる
格子状の高速道整備を

秋田市で2日間の日程で開かれた全国知事会議が13日に閉会し、東日本大震災からの復興などに関する国への提言をまとめた。
震災復興に関する提言では、▽地方の主体性を生かした迅速な復興対応▽原発事故の早期終息と安全対策の確立▽被災者支援の充実▽地域の防災対策強化のそれぞれのテーマに沿って意見を集約した。
復興基本方針の早期提示や「復興特区」の速やかな制度設計、港湾防波堤や防潮堤などの早期復旧および整備などを盛り込んだほか、高速道路については、三陸沿岸地域と日本海沿岸地域を南北に貫く「縦軸」と、東西を結ぶ「横軸」からなる格子状のネットワーク整備を要請した。
がれきの処理については、国が主導する広域処理体制構築や、国の直轄事業や県への補助事業導入など、弾力的な制度運用や特例措置を提案している。
北東北で初の開催となった今回の会議では、震災のほか原子力行政、地方分権、社会保障と税の一体改革、国と地方の協議の場の活用などをテーマに各知事が議論を展開。震災と原発関連を中心に、政府の対応を批判する意見が多く上がった。
閉会後の会見では、会長を務める山田啓二京都府知事が、「従来の会議より踏み込んだ議論が多かったが、国と地方がしっかりと協力関係を結ぶためのものだ」と総括。震災復興や社会保障について、国が財源論を先行して内容の議論をおろそかにしているとして、「現場や地方の意見を踏まえてほしい」とする一方、「単に要望するだけではなく、各都道府県が自ら決めて行動するための議論ができた」と振り返った。
今後の国土のグランドデザインについては、佐竹敬久秋田県知事が「東アジア時代を見据えた日本海沿岸の国土軸の形成、交通などの機能のネットワーク整備といった課題について、全国の知事と意識を共有できた」と成果を強調。
山田知事は「もはや国が絵を描く時代ではない」とし、従来のハード中心のビジョンではなく、ソフトも含めた議論を各地域で住民と進め、地方分権や地域主権とも結びつけて新しい社会をつくるべきとした。

2011/07/13 【国土交通省・農林水産省】
国交省と農水省「設計津波の水位」の設定方法決まる
数十年から百十数年に1度ベースに

国土交通省と農林水産省は、東日本大震災の津波被害を踏まえ、海岸堤防の計画・設計に必要な「設計津波の水位」の設定方法を決めた。海岸堤防の高さ(天端高)を決める際、過去に発生した津波の事例を整理し「数十年から百十数年に一度」の頻度で発生する津波の高さを地域ごとに想定し、この高さを基準に海岸管理者が堤防の設計を行う。復興計画の前提となる海岸堤防の高さの決定の基準を示し、被災市町村の復興への動きを後押しする。
設計津波の水位の設定方法は、「中央防災会議専門調査会」と「海岸における津波対策検討委員会」が6月にそれぞれまとめた中間報告をベースに決定し、8日付で海岸管理部局に通知した。
設計津波の水位は、一連のまとまりのある海岸線を分割した「地域海岸」ごとに設定する。痕跡高調査や歴史記録・文献などを活用して過去に発生した津波の高さを整理し、一定頻度(数十年から百数十年に一度程度)で発生が想定される対象津波群を選定する。
対象津波群の津波を対象に隣接する海岸管理者間で調整し、設計津波の水位を海岸管理者が設定する。また、海岸に流入する河川とも整合がとれるよう、河川管理者と調整することを求めている。
中央防災会議の専門調査会がまとめた中間報告では、東日本大震災の津波被害を受け「海岸保全施設などに過度に依存した防災対策には限界があった」とし、最大クラスの津波に対しては、土地利用の見直しや防災施設の整備などを組み合わせた対策を立案するよう、政府に求めている。

2011/07/13 【農林水産省、環境省、国土交通省】
農水、環境、国交副大臣が被災地視察後に会見
3次補正でバイオマス施設・がれき処理で3省連携

三井弁雄国土交通、筒井信隆農林水産、近藤昭一環境の各副大臣は11日、宮城県内の被災地を視察した後に会見し、廃棄物処理に当たって3省連携の必要性を強調したほか、3次補正で木質系がれきを燃料とするバイオマス施設を整備する考えを明らかにした。
南三陸町と石巻市で被災状況やがれき仮置き場を視察するとともに町長、市長と会談。続いて仙台市若林区に移動し、農地のがれき撤去作業現場で仙台市職員から作業内容について説明を受けた。
この後、会見した三井国土交通副大臣は「まずはがれきの処理を急がなければならない。担当は環境省だがしっかり協力をしていきたい」と3省の連携を強調。
近藤環境副大臣は「処分の課程で出てくるものをバイオマスの燃料やパーティクルボードとしてリサイクルするには各省が連携しないといけない」とリサイクルに当たって連携を進める考えを示したほか、8日にがれき処理を国が代行する特例法案が閣議決定されたことを受けて、「最終的に処分するためにはより連携が必要になる。1次仮置き場から最終処分場に持って行くところで国の直接的関与が必要になる」との見解を示した。
また、筒井農林水産副大臣は「木質系のがれきを活用するため、3次補正でバイオマス発電供給施設を整備したい」と述べた。

2011/07/13 【国土交通省】
がれきを再生エネルギーに
社整審と交政審の環境部会
合同会合で基本的な考え方を提示

国土交通省の社会資本整備審議会・交通政策審議会交通体系分科会の両環境部会は11日の合同会合で、東日本大震災の復興に向けて環境面からの基本的な考え方を整理した。この中で、日本の環境政策が世界に誇れるものであり続けられるよう、今回の震災を契機に省エネルギー・再生可能エネルギーの先進的な取り組みを展開していくことが重要と指摘。約2200万dの災害廃棄物は、海岸堤防や公園緑地、宅地盛土のほか、バイオマスのエネルギー源として活用すべきとした。
東日本大震災は、甚大な人的・物的被害をもたらすとともに、発電施設の損壊による電力不足の発生により、エネルギー政策の在り方についても大きな議論を投げ掛けた。こうした状況を踏まえ環境部会は、被災地の復興に当たり、安全・安心と環境が調和した契約や環境に配慮した事業の実施、復興を通じた環境負荷低減を実現することが重要との観点から、基本的な考え方を提示した。
低炭素社会の実現に向けては、2010年8月に策定・公表した「低炭素都市づくりガイドライン」の考え方を踏まえつつ、東北地方の自然環境や気象条件、地域構造などに適合したまちづくりを目指すとした。住宅・建築物の環境性能に応じたインセンティブの付与や、CASBEE(建築物総合環境性能評価システム)などによる環境性能の見える化(ラベリングなど)に加え、太陽光発電や風力発電、地熱発電といった再生可能エネルギーの導入を政府が一体となって促進していくことも重要とした。
循環型社会の形成に当たっては、約2、200万dに達するとみられる災害廃棄物の適正・有効利用が重要と指摘した。具体的には、津波や高潮からの安全性を確保しつつ、環境負荷の少ない市街地を形成するため、海岸堤防・公園緑地・宅地盛土などへのがれきの活用を促進。また、木材などのバイオマスについては、エネルギー源として活用すべきとした。住宅や公共施設の建設に際しては、地域資源を有効活用する観点から、木材利用を推進する考え方を盛り込んだ。
自然共生社会の実現に向けては、自然の持つ防災機能を活用するとともに、河川・海岸堤防などに多自然工法を積極的に採用することが重要とした。

2011/07/13 【全国知事会議】
東北の復興テーマに秋田でシンポ
被災3県の知事らが被害や復旧状況を報告
未来を見据えた「再構築」を宣言−村井宮城知事

秋田市で7月13日まで開かれる全国知事会議のプレイベントとして、宮城県知事など東北4県の知事らが参加するシンポジウムが11日に秋田ビューホテルで開かれた。参加者は東日本大震災からの東北の復興をテーマに意見を交換。国の迅速な対応や強いリーダーシップ、地方分権の推進を求める声が多く上がった。
シンポジウムには約300人が参加。開会に先立ち佐竹秋田県知事は「多方面の課題に対し、東北各県がそれぞれの役割を果たすことが重要。また、インフラや物流拠点の太平洋側への集中を是正することも必要だ」とあいさつ。続いて村井嘉浩宮城県知事、達増拓也岩手県知事、佐藤雄平福島県知事、佐竹敬久秋田県知事のほか、大井誠治岩手県漁業協同組合連合会会長、臼井賢志気仙沼商工会議所会頭の6人がこれまでの被害や復旧状況を報告した。
このなかで、村井宮城県知事は、宮城県内142の漁港すべてが被災した状況を受け、漁港を3分の1程度に集約するほか、農地については、コメ以外の農産物もバランスよくゾーニングするビジョンを示し、「農業・水産業は労働力の減少や高齢化といった問題を抱えており、集約化や競争力強化が大切」と強調したほか、単なる復旧ではなく、未来を見据えた「再構築」を宣言した。
また、佐藤福島県知事は「人材、食料、エネルギーなど、今の日本の基礎は東北がつくっている」と指摘。エネルギー生産の一極集中を是正することなど、均衡に配慮した国土政策が必要と訴えた。
達増岩手県知事は「復興には地域資源のフル活用を」と語り、岩盤が強固な北上山地にリニアコライダーの実験場を建設し、科学研究拠点を築く構想を紹介。また、世界文化遺産に登録された平泉を復興のシンボルにしたいと語った。
直接被害のない秋田県の佐竹知事は、東北6県がいずれも林業県であることを踏まえ、「地場産材を住宅などの建設に活用し、雇用や経済効果に結びつけては」と提言。国の特区制度については「『原則規制、部分開放』の現状を『原則自由、部分規制』に改め、地元のエネルギーを生かすべき」と述べた。これを受け、商工会議所会頭の立場から臼井会頭が「現在困っていることが国には届かないが、県には届く。財源を県に回してほしい」と地方分権を求めた。
また、岩手・宮城両県共通の課題として、水揚げは再開されたものの、加工業の工場や冷蔵施設の復旧が進まない点が挙げられた。気仙沼市では、建築規制のある宮城県を離れ、規制のない岩手県に施設を設ける業者や、東北の外に移転する業者が出ていると臼井会頭が発言。岩手の大井会長は、「補助事業に事前着工が認められないことが復旧・復興のブレーキになっている」と指摘した。
これに対し達増知事は、補助の遡及適用を国に訴えていると回答。また、村井知事は「建築制限の方針の違いは、国が大きな方針を迅速に示さないことが原因」と、政治のリーダーシップを強く求め、他の参加者からも国の指導力欠如を指摘する声が多く上がった。佐藤知事も同意し、政治と霞ヶ関の連携、縦割り行政の解消による対応のスピード化が必要とした。
高速交通ネットワークの必要性も話題になり、佐竹知事は、秋田港から岩手の北上市まで、高速道路を使って物資のピストン輸送を展開した事例を紹介。橋本氏が「道路整備など公共工事は無駄と言われてきたが、根本から考え直す機会だ」と述べた。

2011/07/12 【政府】
国直轄のがれき処理が可能に
特例法案を閣議決定し国会に提出

政府は8日、東日本大震災で発生したがれき処理を国が代行するための特例法案を閣議決定し、国会に提出した。がれき処理は、市町村か、市町村の事務委託を受けた県が行っているが、実施体制が整わなかったり、技術者が不足している市町村からの要請があった場合、国直轄で事業を行うことを可能にする。
震災で発生したがれきは、岩手県で47%、宮城県で29%、福島県で23%を仮置場まで搬入済み(6月28日時点)。仮置場への搬入から、中間処理や最終処分などへ移行するに当たり、実施主体の市町村・県からは、国直轄での処理を求める声も挙がっていた。
閣議決定した代行法案では、被災地の市町村から要請があった場合、環境相が▽市町村のがれき処理の実施体制▽市町村の専門知識・技術の必要性▽がれきの広域処理の重要性―などを踏まえて直轄化の実施を判断するとしている。処理費についてはこれまでと同様に、補助金と交付金を組み合わせ、全額を国が負担する。
国直轄化をめぐっては、自民党などの野党も特別措置法案を国会に共同提出しており、今後、与野党間での協議・修正もありうる。
がれき処理をめぐって環境省は、被災7県に県外業者の活用を要請したり、市町村ががれき処理を発注する際に再委託を認める特例措置を講じるなど、処理の迅速化を図る対策を進めている。

2011/07/12 【東北地方整備局】
国道45号気仙大橋の仮橋が開通
同時進行や地域協働で2ヵ月以上も工期短縮

東日本大震災で被災した国道45号気仙大橋の仮橋が10日、開通した。
気仙大橋は、橋長181.5m、幅員12.5mで1982年に竣工。陸前高田市と気仙沼市方面を結ぶ橋として震災前は1日約1万4000台が通行していた。しかし、津波により上部工が落橋し、震災後は大きく迂回(うかい)を余儀なくされており早期の復旧が望まれていた。
東北地方整備局三陸国道事務所では、4月16日から作業台船の航路確保のため浚渫作業を実施。5月12日には下部工打設工事、同月28日は上部工仮設工事にそれぞれ着手。今月に入ってからは、防護柵設置や舗装.区画線工事を行った。
当初、9月末の完成を予定していたが、測量、設計、施工の同時進行や県、漁協、地権者との協議がスムーズに行えたことなど地域との協働による早期合意形成に加え、休日返上など工程管理面でも工夫をし、完成が2ヵ月以上も短縮された。
なお、仮橋は、橋長210.6m、幅員9m(車道3.5m×2、歩道約1.5m)。仮橋設置工事は東亜建設工業、道路復旧工事は明和土木が担当した。

2011/07/12 【建設業労働災害防止協会】
被災3県に支援センター設置
震災復旧工事の労災防止へ
安全衛生確保支援事業をスタート

建設業労働災害防止協会(錢高一善会長)は震災復旧工事安全衛生確保支援事業をスタートさせた。岩手、宮城、福島の各県支部内に東日本大震災復旧復興工事労災防止支援センターを設置。復旧・復興工事現場での安全衛生確保のために巡回指導を行うほか、建設業での就業未経験者に対する安全衛生教育を実施する。このほか、安全対策などに関する相談業務も行う。
東日本大震災の復旧・復興工事が本格化するに当たって、比較的小規模な工事が短期間のうちに数多く行われることが予想される。このため同事業は、労働災害の発生を防止することを目的に厚生労働省から建災防への委託事業として立ち上がった。実施期間は来年3月まで。
宮城県支部では「東日本大震災復旧工事労災防止支援センター」を設置。巡回指導員が復旧・復興工事現場を巡回する。指導員は建設店社の安全衛生実務者やその経験者とし、数人で編成するチームに分かれ、県内被災地の全域を対象に巡回する。
また、教育支援では、建設業就業の未経験者を対象にした安全衛生教育を実施する。建災防が定めるカリキュラムとテキストを用い、2時間コースの新規参入者教育を受講料無料で行う。
このほか、支援センターのメンバーが中心となって安全対策や健康に関する窓口相談、電話相談にも対応する。支援センターが必要と認めた場合は、巡回指導員を現地へ派遣することも想定している。
なお、岩手県支部は15日、福島県支部は8月の設置を予定。同様の事業を行う。

2011/07/12 【国土政策研究会】
仙台で技術交流会
復旧支える6技術を紹介

国土政策研究会(岩井國臣会長)は6日、東日本大震災復旧・復興技術交流会を仙台市の仙台国際センターで開催した。
冒頭、岩井会長は毎年開催している技術交流会を震災復興を祈念し仙台で開催した経緯を説明した上で、「一日も早い復旧・復興に向け、会員の技術が少しでも役立ってほしい」と述べた。
この後、▽汚染土壌封じ込め技術(日本海水)▽移動式土壌改良プラント(SSB協会)▽酵素散布による土壌改良技術(ニシヤマ)▽耐圧樹脂管を用いた造成技術(大日本プラスチックス)▽移動型(仮設)汚泥等脱水プラント(カドック)▽路面調査システム(ニシヤマ)―の6技術が紹介された。

2011/07/11 【東北農政局】
東日本大震災で被災した農地・集落排水・ダム検討の企画提案を公示
11、12日に説明会・3件とも20日まで募集


東北農政局は、東日本大震災により管内の農業施設が甚大な被害を受けたことから検討に向けて「平成23年度農業基盤復旧整序化検討調査 東日本大震災と農村復興・振興のあり方に関する検討業務委託」と「平成23年度農業集落排水事業継続計画検討業務委託」および「平成23年度東北農政局管内国営ダム機能技術検討業務委託」の3件を公示した。
応募資格は、民間企業、独立行政法人、認可法人および民間団体(公益法人を含む)のいずれかで、農林水産省競争参加資格(全省庁統一資格)の「役務の提供等(調査・研究)」の資格を有する者など。募集期間は7月20日まで、提案書の提出は21日までで、提出された企画提案書をもとに7月28日に選定結果を通知する。
3月11日に発生した東日本大震災では、津波により農地に海水が浸入し、農地・農業用施設に甚大な被害が発生した。今回被災した地域では、従来型の災害復旧計画による農業農村の再生が困難な地域があると予想されることから、農業農村の将来を見据えた復興計画、さらには地域の活性化を図るための振興計画の策定が必要されている。また、農業集落排水施設でも、地震動や液状化によるマンホールの浮上や管路の変形、津波による処理施設の破壊等があり、農業集落のし尿などの汚水処理機能が停止するなど、被害が広域かつ同時多発的に発生。発災後の対応力の向上や速やかで高いレベルで農業集落排水が、その機能を維持・回復するなど事業継続計画(BCP)マニュアルの策定が喫緊の課題となっているほか、管内国営ダムにおいて、堤体に亀裂や変状が生じており、目視等の臨時点検で異常が生じていないダムについても二次災害防止の観点から地震による影響を確認することが求められている。
今回の業務では、これらの課題に対応するため、被災状況を把握し、学識経験者等による委員会を設置して検討を行い、提案・提言等をとりまとめるもの。履行期限は、農村復興・振興のあり方に関する検討が2012年2月2日まで、農業集落排水事業継続計画検討業務と管内国営ダム機能技術検討業務が2012年3月16日まで。
なお、同3件の業務に関する説明会をきょう11日13時30分と14時30分、12日10時に農林水産省東北農政局土地改良技術事務所(仙台市宮城野区幸町3の14の1)で開催する。

2011/07/11 【東北の社会資本整備を考える会】
「フォーラム・がんばろう!東北」を開催
復旧・復興へ一致団結 仙台に約500人が誓う

東北経済連合会や東北建設業協会連合会など経済・建設関連5団体で構成する「東北の社会資本整備を考える会」(会長・高橋宏明東北経済連合会長)は8日、仙台市の江陽グランドホテルで「フォーラム がんばろう!東北」を開催した。
冒頭、高橋会長は震災を振り返り「特に高速道路は代替路としての機能のほか、想定していなかった防潮堤や避難場所としての役割を果たしており、『命の道』であることが証明された」と強調。その上で、「いまだ着工の見通しが立たない区間の早期事業化を望む声が強くなっている」とし、復興予算と来年度以降の公共事業費の確保が必要と訴えた。
この後、元国土交通技監で芝浦工業大学大学院工学マネジメント研究科教授の谷口博昭氏が「がんろう!東北〜復旧・復興から日本再生へ」と題して基調講演を行った。
この中で谷口氏は「震災から約4ヵ月が経ったが、残念ながら復旧・復興は道半ばだ。待ったなしの決意で復旧・復興を成し遂げなければならない」と強調したほか、「公共事業に対する見方はまだまだ厳しいが、このピンチをチャンスと捉え新しい切り口、シナリオで乗り切ってほしい」とエールを送った。
最後に東北・北海道中小企業団体中央会連絡協議会の後藤久幸会長が「東北の一日も早い復旧・復興に向け、われわれ経済団体が牽引役として一致団結し、まい進していくことを誓う」と述べ、会場に集まった約500人全員が「がんばろう東北」を唱和した。

2011/07/11 【建設コンサルタンツ協会東北支部】
建コン協東北・東日本大震災特別講演会を開催

「今こそ必要な社会資本整備」をテーマに、建設コンサルタンツ協会東北支部(遠藤敏雄支部長)の東日本大震災特別講演会が7日、仙台市の仙台国際センターで開催された。約400人が参加し、インフラ整備の重要性に理解を深めた。
開催に当たって遠藤支部長は「地域の人が望むまちづくりこそが復興につながる。しかしインフラなしでは復興は成り立たない。復興の基礎となるインフラ整備を行うために国民の力が必要だ」と訴えた。
◎神山東北工大名誉教授−3日前から地震の予兆
引き続き、神山眞東北工業大学名誉教授が「東日本大震災を経験して、いま私たちは」と題して講演し、想定外とされた今回の震災は3日前から予兆があったことを明らかにした。
神山氏は国土地理院が公表しているGPSデータに基づき東北の座標変動を独自に分析。長期的に西側に変動していたが、本震発生3日ほど前から東側に移動していることに気付いたという。
一方、地殻変動で列島に大きなひずみが生じたことから今後、「どこで誘発地震が起こってもおかしくない」と指摘。特に仙台圏では長町・利府断層の直下型地震が必ず発生すると警鐘を鳴らし、「専門家に任せず自らの命は自ら守らなければならない」と訴えた。
◎藤井京大教授−10年で200兆円投入
この後、京都大学大学院工学研究科の藤井聡教授が「列島強靱化論」と題して、今後の大震災に備え10年間で200兆円を公共事業に投資すべきと提言した。
藤井氏は、東日本大震災の復興についてまずは迅速さを第一に考え、エコタウンなどの創造的まちづくりを目指す前に「『元に戻りたい』という被災者の思いに全力で応えるべき」と指摘。そのために20兆円分の国債と、10兆円の建設復興国債を発行を訴えた。
また、今回の震災により企業の供給能力とともに、失業や計画停電などによる消費意欲、投資意欲の減退を背景に「需要能力が破損している」と指摘。こうした時期に増税や公共事業費を削減すればデフレが加速し、企業倒産や自殺が増えると予測した。
併せて過去にマグニチュード8以上を記録した貞観地震(869年)、慶長三陸地震(1611年)、明治三陸地震(1896年)、昭和三陸地震(1933年)では、いずれも発生後10年以内に現在の首都直下型と連動し、4例中3例が18年以内に東海・南海・東南海地震が発生していることから、数年後に再び大震災が発生すると指摘。今後10年で200兆円を公共事業などに投資し、国内全体の経済力を強化することが重要との考えを示した。

2011/06/21 【建設コンサルタンツ協会】
建コン協・震災復興へ緊急提言・設計に「超過外力」を導入へ

建設コンサルタンツ協会(大島一哉会長)は、東日本大震災からの復興に向けた緊急提言をまとめた。設計外力を上回る「超過外力」という概念を設計に位置付けることで、これまでの想定外を想定内とする設計思想の転換を打ち出した。その上で、単体構造物と異種構造物の連帯による減災やソフト対策の法的義務付けなどを取り入れた、新しい設計思想「ハード・ソフトベストミックス(HSBM)」による防災対策への転換を提唱した。
提言の大きな特徴は、防災対策の在り方をハードの設計の立場から見ているイメージの強い建コン協が、「施設は毀損(きそん)しても人の命だけは何としても守る」ことを前提として「HSBM」という新たな設計思想を掲げ、災害の規模に応じた「ハード」と「ソフト」の組み合わせの最適化による防災を提案している点だ。
これまでL1「(土木構造物が壊れない)弾性設計」と、阪神・淡路大震災を契機に導入されたL2「(土木構造物は変形するが限定的な破壊にとどめる)塑性(そせい)設計」―の二つだった設計外力の概念に、これらを超える超過外力という新しい概念(L3)を導入。超過外力に対して「粘り強い壊れ方」と「壊れた後の早期の機能回復」という、これまでにはなかった考え方を設計に付加する方向を示した。
その上で、被害の発生を遅らせることによって住民などが避難する時間や機会の提供を可能にするリダンダンシーや早期の機能回復の視点も盛り込んだ。
ハードと組み合わせることで防災上の相乗効果が期待できるソフト対策については、平常時、非常時それぞれの段階での法的義務化が必要と考えられる対策を挙げ、国や都道府県などの施設管理者と、住民それぞれの役割を明確化する必要性を指摘した。
建コン協は、この提言を国土交通省と土木学会に提出。道路や都市計画・下水道など12の技術分野別に抽出した28の提言内容についてもさらに調査・検討を継続。指針・基準・マニュアルや新しい事業創設の必要性などについても検討していく考えだ。

2011/06/21 【東北地方整備局】
国道45号・気仙大橋と小泉大橋の仮橋・7月中旬の完成にメド

東北地方整備局が国道45号で整備を進めている気仙大橋(岩手県陸前高田市)と小泉大橋(宮城県気仙沼市)の仮橋が7月中旬までに完成するメドが付いた。これにより大きく迂回していた部分がすべて解消されることになる。
国道45号気仙大橋の仮橋は、当初予定より2ヵ月以上の前倒しで7月中旬に完成する見通し。
気仙大橋は、橋長181.5m、幅員12.5mで1982年に竣工。陸前高田市と気仙沼方面を結ぶ大動脈として市民生活に欠かせない橋梁となっていたが、気仙川を逆流した津波により上部工が流出。橋脚のみが残された状態となっていた。
同事務所では、4月16日から仮橋工事に着手。当初、9月末の完成を予定していたが、悪天候による中断が少なかったことや一日に最大90人もの作業体制により休日を返上し工事を行った。
仮橋は、既存橋梁の約10m下流に橋長210.6m、幅員9m(車道3.5m×2、歩道約1.5m)で建設。今後は、引き続き上部連結作業や橋梁前後アプローチ部の改良工事を急ピッチで進め7月中旬の完成を目指す。なお、橋梁工事は東亜建設工業、道路改良工事は明和土木が行っている。
一方、小泉大橋は気仙沼市本吉町下宿地区の津谷川に架かる橋長182.1m、2車線、両側歩道の橋梁。津波により上部工と橋脚5基のうち1基が流出したほか、河川堤防などの一帯が津波によって崩壊した。
現橋梁の下流川に橋長182.0m、2車線の仮橋を建設する。武山興業と若生工業が施工しており、6月中に完成する見込み。

2011/06/21 【中小企業庁】
中企庁・中小企業倒産防止共済制度を改正・貸付限度額は8000万円へ

中小企業庁は、取引先の倒産により発生する連鎖倒産を防ぐ「中小企業倒産防止共済制度」を大幅に改正する。共済加入者が連鎖倒産で受ける被害を全額カバーできるよう、共済金の貸付限度額を3、200万円から8、000万円に引き上げ、これに伴い掛金の積立限度額を現行の320万円から800万円に変更する。「早期償還手当金」も創設し、貸付金の早期返済を後押し。10月までの早い段階で施行する。
共済制度は、契約者が事前に積み立てた掛金について、取引先が倒産した際に掛金総額の10倍を限度に、無利子・無担保・無保証で貸し付け、中小企業の連鎖倒産を防ぐ仕組み。中小企業基盤整備機構が運用している。加入者は約30万社(うち建設業は23・8l)に上っているが、近年は回収困難になる売掛金債権額の高額化が進み、現行の貸付限度額(3、200万円)では被害額を賄いきれず、連鎖倒産を防ぎきれないケースも出てきている。
このため、中小企業庁では10年4月に中小企業倒産防止共済法を改正し、貸付限度額を8、000万円に引き上げることを決めた。1985年に現行の貸付限度額となって以来、26年ぶりの改正。今回の引き上げで、加入者の約95lの売掛金債権額を賄うことができる見込み。
貸付限度額の引き上げに合わせて、掛金総額の上限も引き上げる。掛金を限度額の満額である320万円まで積み立てている加入者は、最大800万円まで積み増すことができるようになる。掛金月額も8万円から20万円に上限を引き上げるほか、償還期間の上限を5年から10年に延長する。また、共済金の前倒し返済を行った加入者に対する早期償還手当金も創設。早期返済時に貸付額の最大4l程度(償還期間に応じて変動)を還元することで、共済金の運用リスクを改善する。
遅くとも8月には施行日を定め、改正法で示した期限である10月下旬までの早い段階で施行する考えだ。

2011/06/21 【国土交通省】
常磐道全線開通の前倒しを検討・3次補正予算までに津波防災新法
大畠国交相が福島、宮城を視察後に会見

大畠章宏国土交通大臣は18日、福島、宮城両県の視察後に会見し、被災地の復旧・復興に向けて道路、港湾などインフラの復旧を急ぐ方針を示した。特に福島第一原子力発電所事故の影響で工事の遅れが懸念されている常磐自動車道について、20q圏外の工事の「ピッチを上げる」とともに、早期全線開通に向けて計画の前倒しを検討する。また、3次補正予算編成の課程で津波被害を受けないまちづくりに向けた新法を創設したい考えを示した。
大畠大臣は午前中に福島県入りし、福島市下水道管理センターを皮切りに阿武隈東道路工事現場、常磐道工事を視察した後、南相馬市長と会見。その後、相馬市相馬中核工業団体の応急仮設住宅、相馬港、JR常磐線新地駅を経て、応急復旧作業を進めている山元海岸(宮城県山元町)へと移動し、津波被害が甚大だった沿岸部を中心に視察した。
山元海岸で会見した大畠大臣は常磐自動車道工事について、「20q圏は工事を再開すれば1年くらいで完成できるところまで進んでいた。そういうところの事前調査をしておく。20q圏外についても工事を急ぐ。ネットワークをしっかりつくるという意味で、仙台までの高速道路整備をピッチを上げて進めなければいけない」と強調。その上で計画の前倒しを検討する考えを示した。
常磐道は、常磐富岡ICから相馬ICのうち原発から20q圏外の原町IC以北の工事を再開。全線開通となる山元ICまでは2014年度の完成を予定している。
また、相馬港で新地発電所が今年12月までに油を使った発電所を再稼働し、来年夏までに石炭の火力発電所を稼働させる方針と説明を受けたことから、「再稼働に合わせて港整備が進むように取り組んでいく」としたほか、海岸整備、仮設住宅などについても「できるだけ早く復旧・復興が進むように環境整備をしていきたい」と述べた。
このほか、津波に強いまちづくりを進めるための新法については、「再び同じ津波が起こっても命が守れるという考え方が必要。そのために必要な法律があれば大いにつくるべき。国交省として第3次に乗せるようにしたい」と強調し、3次補正予算までに創設したい考えを示した。

2011/06/20 【日本建築士事務所協会連合会】
日事連が岩手、宮城、福島に建築復興支援センターを設置

日本建築士事務所協会連合会(三栖邦博会長)は17日に東日本大震災対策本部会議を開き、東北3県の各建築士事務所協会への「日事連 建築復興支援センター」の設置を決めた。本部会議後に会見した三栖会長は、被災した自治体の各建築士事務所協会が、地域社会の信頼や期待に応えるため災害復興対策に取り組んでいる状況を説明した。しかし、被害が特に甚大だった3県については、「単独では人的・資金的パワーに限界がある。日事連が地元と一緒になって復興を支援していく」と、センター設置の目的を説明した。
センターを設置するのは、岩手県建築士事務所協会(村上勝郎会長)、宮城県建築士事務所協会(栗原憲昭会長)、福島県建築士事務所協会(田畑光三会長)の各事務所内。各センターに担当職員を配置し、あす(21日)から業務を開始する。
センターでは、▽被災者の建築相談に対する支援▽復旧・復興に向けた建築士事務所の技術力向上に対する支援▽復興まちづくりや各種防災イベントに対する支援▽建築行政への協力・連携▽広報、その他―を柱に業務を実施する。詳細な内容は各地域の状況を踏まえて各協会が定める。
日事連は、センターの活動事業費を年間1、000万円を限度に負担する。支援期間は3年間を想定している。

2011/06/17 【農林水産省】
農水省・地方組織の再編へ東北に地域C11ヵ所設置

農林水産省は、地方農政事務所や統計・情報センターなど346の拠点を廃止し、地域センターを設置する。「農林水産省設置法の一部を改正する法律」が8日の参議院本会議で可決し、成立。15日公布となった。再編時期は9月1日を目指す。
地方農政局の下に置いていた地方農政事務所や統計・情報センターなど346の拠点を再編。全国65ヵ所の地域センターと38ヵ所の支所に集約する。戸別所得補償申請の受け付けなどを行う地域センターは、東北では11ヵ所(大崎、青森、八戸、盛岡、奥州、秋田、大仙、山形、酒田、福島、いわき)となる。支所は5ヵ所(石巻市、弘前市、宮古市、北秋田市、会津若松市)を置く予定。

2011/06/17 【東北農政局】
東北農政局管内「農地・農業施設」の被害額は6364億円余

東北農政局がまとめた東日本大震災による管内の農地・農業用施設の被害は、5月末現在で6364億1100万円となった。15日に開かれた東北農政局長と報道機関との懇談会で示された。被害額は、岩手、宮城、福島の3県で6000億円を超える。今後は出水期に備えて排水機能を強化するとし、排水ポンプの仮復旧作業を早期に完了させるほか、亘理・山元農地海岸地区では仮堤防を5bの高さにかさ上げする応急工事を行う。
農地・農業用施設の被害額は、宮城県が3792億8300万円、福島県が2302億5800万円、岩手県が260億5300万円、青森県が4億5000万円、山形県が3億2900万円、秋田県が3800万円。農業用施設の被害個所数は、福島県が3075ヵ所、岩手県が2956ヵ所、宮城県が1627ヵ所に上った。
これまでの対応は、震災後から排水機場や水門の機能点検を行い、仮復旧可能な機場を修理。また、津波によりがれきが詰まって通水能力が低下している排水路(26路線・総延長6万0175b)で約5万dのがれき撤去を実施した。進捗率は94lでおおむね完了している。
現在は、出水期に備えて排水対策を強化。被災した排水ポンプのうち回復可能なもの(宮城県内149台のうち91台、福島県内107台のうち53台)の仮復旧作業について、台風期までの完了を目指す。また、排水機場が流出し排水機能の回復に時間がかかる地域では仮設ポンプを配置。宮城県内は4ブロックで50台、福島県内は1ブロックで20台を配置して対応する。
さらに、亘理・山元農地海岸地区では、津波で破壊された堤防900bについて大型土のうを2bの高さに積み上げる仮復旧を実施。宮城県による施工で、作業はほぼ完了している。今後、本格的な台風期に備えて大型土のうによる仮設堤防高を5bの高さまでかさ上げする応急工事を行う。
このほか懇談会では、6月から復興対策本部を立ち上げるとともに、農林水産省職員で編成する現地支援チームを被災地へ派遣する体制を取っていることを報告。被災地の復興計画の策定や農村・農地の復旧へ向けた取り組みを手助けする。すでに、大船渡・陸前高田地区、亘理・山元地区で支援チームが設置されているほか、8地区で調査チームが動いている。佐藤憲雄局長は、「東北農政局も土地利用の在り方を地域と一緒になって考えていく。地域のニーズを踏まえた政策展開を進めたい」と話した。

2011/06/16 【国土交通省】
国交省・2010年度の土地白書で震災の影響を考察

国土交通省は、2010年度の「土地白書」をまとめた。この中では、3月11日に発生した東日本大震災が不動産市場に与えた影響を考察。多くの土地所有者が不明となったため、地籍調査未実施の地域では土地の境界画定に多大な困難が想定されるとして、まず地域の骨格となる道路などと民有地の境界(官民境界)を明確化することが重要と指摘している。
10年度の地価・土地取引の動向について白書案は、「年度前半ではリーマンショック後の大幅な景気後退からの持ち直しの動きが見られたものの、急激な円高などの影響もあり秋以降は足踏み状態となった」と分析。その上で「東日本大震災は、地震やそれに伴って発生した津波の被害に加え、その後の電力供給制限などと相まって、日本の経済活動にも影響を及ぼすと考えられる」との見方を示した。
大震災による不動産市場への影響をめぐっては「災害に対する安全性や電力不足による経済活動への懸念といった需要サイドへの影響のほか、住宅、オフィスなどの建設に必要な資材の調達、不動産業の資金繰り状況の変化といった供給サイドの影響が想定される」とし、震災復興に向けた取り組みと併せた不動産市場の早急な回復・安定化策を求めた。
復興を進めていく上での課題としては、被災地の地籍情報に着目。津波による浸水地域では地籍調査の進捗率が約9割と、全国平均の約5割を大きく上回っているものの、大規模な地殻変動によって地籍調査の成果と現場にずれが生じている実態を踏まえ、その早急な是正が必要とした。また、地籍調査が未実施の地域では「官民境界だけでも明確になれば、速やかな災害復旧・復興に効果的である」との認識を示した。
白書にはこのほか、日本や世界各国の不動産投資市場の現状や今後の課題、11年度の土地に関する基本的施策などを盛り込んだ。

2011/06/15 【東北大学】
東北大学・東日本大震災3ヵ月後報告会
復興に活かす研究17題を発表 秒速6mで家屋流出

東北大学による東日本大震災3ヵ月後報告会「復興に向けて見えてきた課題」が10日、仙台市の仙台国際センターで開かれた。▽津波による被災の実態とメカニズム▽地震・地震動と振動被害▽地域社会を取り巻く諸課題―保健医療・生活文化・情報・復興―の三つの分野で、計17題の研究が報告された。
この中で、東北大学大学院工学研究科の越村俊一准教授は、津波来襲時の映像解析や現地調査によって水位や流速の測定を進めていることを報告。今回は、RC造、SRC造のビル6棟が流出・転倒した宮城県女川町での映像解析結果を紹介した。それによると、女川町では第1波到達後、約15分でおよそ15mの最大遡上点に到達。建物被害に着目すると、浸水深5m、流速毎秒6m程度で家屋が流出していることが分かったという。今後、詳細な解析を行い、建物の被災メカニズム解明につなげていくとした。
また、災害制御研究センターの今村文彦センター長は、今回の地震による津波メカニズムの解析をどのように進めているかを紹介した。今村センター長は津波浸水域を再現するモデルを検討しているとし、現在提案されている津波発生モデルをベースに、検潮記録などが十分ではない岩手県側に焦点を当て、三陸北部側まで対象範囲を広げた地盤変動量や浸水域を解析した結果を報告した。このモデルでは、北側の海溝沿いですべり量が大きいことが特徴的となり、「巨大地震や巨大津波で共通的にあるものなのか見極める必要がある」としたほか、浸水の状況を防潮堤整備などのハード面をどの程度強化するかといった検討に生かされていくことに期待を込めた。

2011/06/14 【東北建設業青年会】
通常総会後に藤井京大教授が講演
復活5年計画を提言「原形復旧が基本」

東北建設業青年会の通常総会後に京都大学大学院工学研究科の藤井聡教授が「緊急提案・日本復興計画」と題して講演し、「東日本復活5年計画」を提言した。
この中で藤井氏は、東日本大震災の被災地を病気で苦しむ家族に例えながら、「自分の家族が死にかけている時は、すぐに病院に連れて行き助けなければならない」とスピードが重要だと強調。その上で、国が進めている復興計画について、創造的復興を議論している時間的余裕はなく、増税では税収が1年後になることから、20兆円の国債を早急に発行し、復旧・復興に使うよう求めた。
また、まちの再生については、地域によって被災状況がまったく異なることから「絵を描くことではなく、地域の実情に即した計画が重要」と指摘。高台移転などは地域の実情を無視しているとした上で、「以前の生活に戻ることが人間の本質としてある。元通りのまちにすることが大事だ」と提言した。
その理由について藤井氏は、@迅速に対応できるA不足事態発生リスクの回避B合意・納得形成が容易−の3点を挙げた。ただ、すべての市町村を一斉に行うのは困難なため、優先順位を付け、元気なまちから整備すべきとした。

2011/06/13 【国土交通省】
国交省・被災建設業向けに経審特例措置の検討を開始

国土交通省は、東日本大震災で被災した建設業者に対して、経営事項審査(経審)に特例措置を設ける方向で検討に入った。震災で必要書類を失ってしまった建設業は、今後、経営の実態を適切に反映した審査が受けられなくなる恐れがあるため、既存評定結果の有効期間を大幅に延長することなどを含め、早急に対応策をまとめる方針。
経審制度は、建設業者の信用、技術、施工能力などを総合的に評価する仕組み。建設業者が公共工事を直接請け負おうとする場合、契約締結日の1年7ヵ月以内の決算日を基準日とする経審の結果通知書を交付されている必要がある。審査に当たっては、完成工事高の実績や技術者数などを示す書類に加え、登録経営情報分析機関による「経営状況分析結果通知書」の提出が求められる。
政府は大震災への対応として、経審を含む許認可の有効期間や届け出の履行期間を一律に8月31日まで延長した。ただ、経審には工事実績を証明する書類をはじめさまざまな資料の提出が必要となり、仮に津波などでそれらが失われてしまった場合、このような有効期間の延長だけでは対応しきれない可能性が高い。
このため国交省は、被災建設業に対し新たな救済策が必要と判断し、何らかの対策を講じていく考え。本来なら1年7ヵ月で途切れてしまう経審の有効期間を、審査に必要な工事実績などが証明できるようになるまで大幅に延長することも検討項目の一つに位置付けていくもようだ。

2011/06/13 【東北地方整備局】
東北整備局・防波堤・岸壁等の復旧方針案まとまる
津波防波堤は将来的に嵩上げ検討・「粘り強い構造」を採用

東北地方整備局は9日、第2回東北港湾における津波・震災対策技術検討委員会(委員長・高山知司京都大学名誉教授)を開き、「防波堤および岸壁等の復旧方針」案を示した。復旧期間は技術的に困難なものを除き原則3年。津波防護を目的とした防波堤については、数百年〜千年に一回程度の津波が来ても崩壊しない「粘り強い構造」を採用し、被災しても迅速に修復できるようにする。釜石、大船渡両港の津波防波堤は将来的に嵩上げを検討する。  
防波堤・海岸等の復旧方針では施設全般について、原則3年間で原形復旧することを基本とし、3年間で困難な場合は個別に復旧期間を検討するとした。
防波堤は「津波防波堤」「偶発発対応施設の防波堤」「通常防波堤」の三つに区分し、それぞれの方針を示した。想定される津波は「数十年〜百数十年に一回程度」のレベル1と、「数百年〜千年に一回程度」のレベル2に区分した。
釜石、大船渡両港の津波防波堤については原形復旧を基本とするが、レベル1で損傷がなく、レベル2の津波が来ても大きく変形せず、すぐに修復可能なようにする。具体的には波力に抵抗できる「粘り強い構造」を採用し、変形することはあっても壊れないようにする。また、自治体の復興計画にあわせて将来的に必要によって嵩上げをし、機能向上を図る。復旧の実施に当たっては、必要な機能や要求性能が追加された場合にも施工が可能な二段階施工を検討し、手戻りを防止する。
粘り強い構造のイメージは、▽水中不分離コンクリートやアスファルト系材料による捨石マウンドの安定性の向上▽ケーソン背後の腹付石の設置や被覆石・根固工の重量増加などによる安定性の向上▽袋詰め工法によりケーソン目地を不透過にすることによる被覆石の流出対策|などが挙げられる。
八戸港防波堤のように第一線で津波防護効果が期待される「偶発対応施設の防波堤」は、港内の静穏確保と津波対応を目的に、レベル2の津波が来ても壊れないよう「粘り強い構造」とするが、天端を高くすることは想定していない。
通常防波堤のうち、ケーソン本体に異常はないが地盤沈下や地震動により沈下した防波堤については、必要に応じて嵩上げを検討する。ケーソンが大きく沈下・滑動していても再利用が可能な場合は、マウンドの復旧、ケーソンの据直しを行う。一方、ケーソンが基礎マウンドから滑落し再利用ができない場合は新設する。
委員会後に会見した高山委員長は「災害復旧は限られた時間の中である程度復旧させなければならない」と早期復旧が必要との考えを示した。
東北整備局では今後、防波堤について「津波による水理模型実験」を行った上で、7〜8月に開催する次回委員会で設計の方針をまとめる。

2011/06/10 【文部科学省】
文科省学校施設整備検討会・耐震と津波の対策を6月末に緊急提言へ

文部科学省の「東日本大震災の被害を踏まえた学校施設の整備に関する検討会」(座長・長澤悟東洋大学教授)の初会合が8日に開かれ、6月末までに提言をまとめることが決まった。学校施設の震災被害を踏まえた耐震対策や津波対策、応急避難場所としての利用に耐えられる施設機能、電力不足に対応した省エネ対策などを議論する。辰野裕一文教施設企画部長は、検討会の提言を「第二次補正予算や2012年度当初予算に反映させたい」と述べた。
東日本大震災の公立学校における建物被害は6、250校に及んだ。このうち復旧工事が必要なものは764校。さらに建て替えなどが必要になる、被害が大きかったものが202校あった。
建物倒壊による死亡報告はなかったが、天井材・照明器具など非構造部材の落下などの被害が多く発生。検討会では耐震対策について、構造体の耐震化を引き続き推進するとしながらも、非構造部材の落下防止、耐震点検・対策工事の在り方などを論点に議論する。
津波などによる死者が596人に上ったことを踏まえ、津波対策についても検討する。高台への移転など津波被害を受けないための立地計画、高層化などによる避難場所の確保などの具体策を想定している。
また、今回の震災で避難所に利用された学校がピーク時(3月17日時点)に622校に上ったことを踏まえ、学校施設の防災機能強化についても考える。被災地の自治体からは▽非常用電源▽トイレ機能▽備蓄倉庫▽通信設備―などの確保を求める声が挙がっているという。
今後の電力不足を見据えた省エネ対策についても提言する。照明・空調設備の高効率化、自然光などの活用、再生可能エネルギーの導入などのテーマで議論を進める。
今後2回の会合を開いて6月末に提言をまとめる。提言の内容を二次補正に盛り込み、被災地の本格復旧・復興に反映させる。被災地外の学校施設の安全性向上にも利用する。

2011/06/09 【水産庁】
水産庁・漁港海岸復旧工事の一部発注代行へ地元業者に事前登録を要請

水産庁は7日、仙台市の宮城県建設産業会館で入札制度説明会を開き、災害復旧事業の発注代行を前に、地元建設業者に対し事前の入札参加資格登録の実施を呼び掛けた。説明会には宮城県建設業協会会員約120人が参加した。
「東日本大震災で被害を受けた公共土木施設の復旧事業に係る国等の代行に関する法律」が4月22日に閣議決定され、被災市町村、県に代わって国が道路、港湾、河川などの復旧事業を代行することができるようになった。
これに伴い宮城県などから要請を受けて漁港と海岸の一部を発注する見込み。原則一般競争入札・総合評価落札方式を採用する。財務省との協議と併行して設計を進めており、早ければ7月の公告、入札は8月以降となりそうだ。
入札参加希望者は農林水産省の一般競争参加資格(建設工事)を取得する必要がある。取得に当たっては同省の窓口に申請書類を提出(郵送可)し、資格審査を受けなければならない。
水産庁は東北での発注実績がない上、東北農政局の競争参加資格を取得している業者も新たに登録が必要なため、注意を呼び掛けている。

2011/06/06 【東北地方整備局】
震災に対する当面の発注方針・本復旧は原則指名
1000万円以上は施工体制確認型・総合評価


東北地方整備局は2日、東日本大震災に対する当面の発注方針を発表した。今後発注する災害復旧工事の本復旧については、WTO(6億9、000万円以上)を除き原則指名競争入札を適用する。ただし価格競争だけにならないよう施工体制確認型の総合評価で落札者を決める。建設コンサルタントなどの設計業務も本復旧業務は指名競争入札とし、合わせて履行確実性を確認する総合評価方式を適用する。工事、業務とも総合評価方式は1、000万円以上に適用。緊急復旧に関するものは引き続き緊急随意契約を実施する。適用する期間は「災害復旧工事が一段落するまで」としており、今年度から複数年になるもよう。
震災に関連した災害復旧工事のうち、緊急復旧は従来通り緊急随意契約を実施し、今後発注が見込まれる本復旧工事は原則指名競争入札・施工体制確認型総合評価方式を適用する。総合評価方式は1、000万円以上が対象で、1、000万円未満は指名競争入札となる。
入札手続きを簡素化することで迅速な発注を目指す。総合評価方式の場合、現行の実績重視簡易型に比べ公告から落札決定までの期間が1週間程度縮まる見込み。
指名に当たっては施工実績、工事成績、表彰の実績、地域要件などに基づき点数化し、上位10社程度を指名する。また、総合評価ではあっても技術提案や施工計画を求めないため、価格以外の評価は施工体制を確認するだけになる。評価値は標準点100点と施工体制評価点30点の130点満点とし、これを入札価格で除して評価値を算出。最も高い応札者が落札する。
施工体制確認は調査基準価格未満で入札した者、または調査基準価格以上で入札した者でも施工体制に不安がある者を対象に資料の提出を求め、ヒアリングを実施した上で「品質確保の実効性」と「施工体制確保の確実性」を評価する。
災害復旧以外の工事については総合評価落札方式の手続きを簡素化。簡易型は必要に応じて、施工計画の提出を求めない「実績重視型」とし、標準T・U型では採否の通知と質問は継続するが、面談説明は当面実施しない方針。
一方、コンサルタント業務についても基本的に同様の扱いとなる。緊急復旧に関するものは緊急随意契約、本復旧は指名競争入札を適用。ただし1、000万円以上の場合は品質確保を図るため、総合評価方式(履行確実性評価)を採用する。
評価点は価格点と技術点が1対1の場合、価格点評価点60点と技術評価点60点とし、1対2の場合は価格点を30点とする。
技術評価は配置予定技術者と技術提案が対象となる。技術提案は「実施方針、業務フロー、工程計画」で評価する。また、履行確実性は▽業務内容に応じた費用が計上されているか▽配置予定技術者に適正な報酬が支払われることになっているか▽品質管理体制が確保されているか▽再委託先への支払いは適切か―の4項目について審査し、「1・0、0・75、0・5、0・25、0」の5段階で評価する。
審査はヒアリングを行うが、調査基準価格に満たない応札者には追加資料の提出を求める。追加資料を提出しなかったり、ヒアリングに応じない場合は無効となるが、ペナルティーなどはない。
また、災害復旧以外の業務は総合評価方式の手続きを簡素化。ヒアリングは必要時に応じて実施する。

2011/06/06 【建設業労働災害防止協会】
建災防の震災復旧・復興安全委が初会合・安全対策の検討着手

建設業労働災害防止協会は3日、建設業界が連携して、東日本大震災の復旧・復興工事の安全対策を検討・推進する「震災復旧・復興工事安全推進本部」(本部長・加藤正勝前田建設工業安全部長)の初会合を開いた。復旧・復興工事の個別状況に応じた安全対策の在り方や、新規参入労働者への安全衛生教育の徹底手法を検討する。併せて、これらの取り組みを各被災地で推進する「安全衛生協議体制」について議論する。本部の設置期間はおおむね3年間を想定している。
震災の復旧・復興工事は、複数の工種が同時並行的に進められるだけでなく、雇用対策などで不慣れな労働者が多数就業することから、労働災害の発生が懸念されている。このため厚生労働省では、復旧・復興工事を安全かつ迅速に実施することを目指した「東日本大震災復旧・復興工事安全プロジェクト」の展開を決めた。推進本部は同プロジェクトの一環として、建設業界に設置を求めたもの。
被災地の実情を熟知した建設業の労務安全担当責任者らが、安全対策を検討・推進する。大手ゼネコン、専門工事業者、被災地の地場ゼネコンのほか、厚生労働省安全衛生部と建災防の担当者で構成。国土交通省技術調査課の担当者もオブザーバーとして参加する。
初会合では事務局が、状況に応じた適切な施工計画・作業計画の作成に向けた論点として、▽今後考えられる復旧・復興工事の内容▽安全衛生ノウハウが不十分な中小建設業者に対する支援策▽新たな問題が生じた場合の迅速な対応の枠組み―などを提示した。
安全衛生教育を徹底するため検討事項は、最低限必要な教育・作業レベルに応じた教育の在り方や、労働者の教育状況を踏まえた作業配置―など。安全衛生協議体制の検討内容は、構成メンバーや対象エリア、具体的な協議事項などとした。次回会合で、検討項目を追加した上で、具体的な議論に着手する。

2011/05/31 【国土交通省】
国交省・震災踏まえ道路の事業評価手法見直しへ
防災面の機能も反映

国土交通省は、東日本大震災を踏まえ道路の事業評価手法を見直す方針を固めた。社会資本整備審議会道路分科会事業評価部会(座長・家田仁東京大学大学院教授)を27日に開き、今後の事業評価の在り方について検討に着手。現状の3便益による費用便益分析では道路が持つ多様な効果が十分に評価できていないとの観点から、特に防災面での機能、効果を適切に事業評価に反映させる手法を具体化していく考えだ。来年度の新規事業評価に反映させるため、早ければ6月下旬にも検討成果をまとめる。
今回の大震災では、津波を考慮して高台に計画された三陸縦貫道が、住民の避難や復旧のための緊急輸送道路として機能した。また、仙台東部自動車道路は押し寄せた津波を食い止める役割を果たし、防災面での道路の重要性が再確認された。
他方、道路の事業評価手法は走行時間短縮・走行経費減少・交通事故減少の3便益を用いて費用便益分析(B/C)を行い、便益が費用を上回っている場合に事業採択を認める仕組みとなっている。安心・安全や防災、産業立地など道路のさまざまな機能は評価に反映されにくいのが現状だ。
このため、事業評価部会では、現行の3便益では評価しにくい道路の機能、効果について、特に防災面での役割を重視し、適切に反映させる手法を検討。論点としては▽どのような防災面の機能、効果を評価するか(緊急輸送ルート、津波襲来時の避難路、盛土構造による津波せき止め効果など)▽防災面の機能、効果をいかに評価するか(貨幣換算化して現行便益に加えるか、貨幣換算化せず別の観点で評価するか)―などを想定する。

2011/05/30 【東北地方整備局】
東北整備局・被災9港湾対象の復旧・復興検討委が初会合
7月下旬までに基本方針策定 暫定復旧の在り方検討

被災港湾の復旧・復興基本方針を検討するため東北地方整備局は26日、国、県、学識経験者からなる検討委員会(委員長・稲村肇東北工業大学教授)の初会合を開いた。被災した9港湾を対象に、台風が頻発する9月までにできる暫定復旧の在り方を検討。港湾の重要度に配慮しながら工程を示す。各港湾ごとの復興会議の意見を踏まえ、7月下旬までにまとめる。
東北地方の早期復興のためには物流基盤となる港湾の計画的な復旧・復興が必要となる。このため、台風シーズンの9月までに暫定的な復旧作業を終わらせようと、各港湾ごとに設置した復興会議と併せて、全体としての復旧・復興に向けた基本方針をまとめる。
対象は八戸、久慈、宮古、釜石、大船渡、石巻、仙台塩釜、相馬、小名浜の9港湾。すでに各港湾ごとに復興会議が開かれている。
初会合では、▽港湾機能の回復▽産業を支える拠点としての港の復興▽産業活動やまちづくりと連動した、津波に強い安全で安心な港づくり−について意見を交わした。
港湾機能の回復では、台風期までの応急対策や背後企業の経済活動再開状況、本格復旧完了の期間、市街地の円滑な復興支援を検討。産業拠点としての復興については、地域特性を踏まえた岸壁の機能強化・機能集約・利用転換・再開発、港湾内の施設の再配置などが論点となり、産業活動・安全安心のみなとづくりでは、外力の津波からどのように港湾や背後地を守るか、堤防などの防護ラインをどのように発揮するか、工場や倉庫の防災をどうするかなどが話し合われた。
稲村委員長は「コンテナ埠頭は1、2ヵ月で安心して船が寄港できるようにし、港湾全体としては1年で完全に機能が回復するようにしたい」とした。また、震災前に策定した港湾BCPは今回のような事態を想定していなかったため「切り離して考える必要がある。BCPは見直すべき」との考えを示した。
今後、委員会で出された意見を各港湾の復興会議に示し意見を出してもらい、それを踏まえて7月下旬に開かれる第2回委員会で基本方針を策定。2012年2月下旬にフォローアップを行う。

2011/05/24 【自由民主党】
自民党震災法整備緊対PT・復旧復興へ第3次提言案
技術者専任配置の緩和を

自民党の「東日本巨大地震・津波災害の法整備等緊急対策プロジェクトチーム」は24日、東日本大震災の復旧・復興に向けた第3次提言案を固めた。この中では、被災地の建設業を対象に主任技術者や監理技術者の専任配置を緩和し、地域の防災に貢献してきた企業との随意契約などによる復旧・復興事業の迅速化が必要とした。第2次補正予算の編成に当たっては、中小企業の資金繰り対策に、第一次補正予算に盛り込んだ5100億円を大幅に上回る規模の積み増しを求めた。
提言案は「現行の諸制度では、長期的に資金を必要とするインフラ整備を含めた総合的な生活再建は困難」とし、被災者や被災事業者の生活再建を支援する「きずな基金」設立を提唱した。基金の設置期間は3年間。第2次補正で3000億円の計上を想定している。
インフラ整備への支援では、▽液状化被害に対する支援金制度を新設する▽地すべり・地盤崩落被害を受けた宅地の復旧・再整備に要する制度の拡充や新たな制度の創設を進める▽地盤が沈下した地域で、早期に暫定堤防を整備し、さらに防護レベルを設定した上で本復旧を図る▽PFIなどによる民間資金の活用も視野に入れて合理的に復旧を進める―ことなどを盛り込んだ。
また、農林水産分野では、▽農地海岸保全施設、農林生活環境施設などで十分な復旧・復興予算を確保する▽林地、林道、作業道など、林業生産基盤の復旧に必要な予算を確保する▽がれきに含まれる木質系災害廃棄物をバイオマス発電に活用するため、発電施設の支援策も予算化する―ことなどが必要とした。
中小企業の資金繰り対策については、「第1次補正の5100億円では上半期分すら足りない可能性もある」とみて、大型の第2次補正予算を組み、下半期では5100億円を大幅に上回る予算措置を講じることが必要と指摘。中小企業基盤整備機構が実施している仮設店舗、仮設工場などの整備については、恒久的な活用も見据え予算を拡充するよう求めた。

2011/05/23 【大分建設新聞社と川邊組】
大分建設新聞社と川邊組がキッズ元気プロジェクトに支援金を寄託

大分建設新聞社(大分市 川邉伴子社長)と川邊組(大分県豊後大野市 川邊誠一社長)から、建設新聞社の「キッズ元気プロジェクト」に支援金が寄託された。
18日に本社を訪れた大分建設新聞社の川邉伴子社長は、「両親を亡くした子どもたちの話しを聞き、居ても立ってもいられない思いだった。母として、娘として家族を支える自分も人ごととは思えない。できることを支援したい」と話し、プロジェクトの趣旨に賛同を示す。「メディアを通じてではなく自分の目や肌で感じたことを後世に伝えていきたい」と、川邉伴子社長と両社若手社員が被災地を視察、取材した。
支援金は、大分建設新聞社と川邊組から各30万円、川邉伴子社長、川邊誠一社長からそれぞれ20万円の計100万円と、両社社員の方々からの募金も合わせて寄託された。夏には、本社を通じて岩手、宮城、福島の各県から両親を亡くした子どもたちに贈られる(キッズ元気プロジェクトの詳細は1面参照)。

2011/05/23 【国土交通省】
国交省・被災建設業の資金繰り支援策強化・がれき処理も対象に
6月1日から運用開始

東日本大震災の対応として国土交通省は、被災した建設業者に対する金融支援策を強化する。中小建設業の資金繰りを支援する「地域建設業経営強化融資制度」では、融資対象に被災地でがれき処理などを行う元請け企業を追加。下請け企業などの連鎖倒産防止に向けた「下請債権保全支援事業」では、被災地での工事やがれき処理で発生した債権の買い取りを新たに実施する。いずれも6月1日から運用を始める。
地域建設業経営強化融資制度は、公共工事請負代金債権を流動化させ、それを担保に工事完了前の融資を可能とする仕組み。2010年12月からは公共工事に限定していた工事の対象を病院や福祉施設、学校、PFIなどの公共性の高い民間工事にも広げた。今回、東日本大震災で被災した地域建設業の資金繰りを支援する観点から、被災地域でのがれき処理も対象に加えることにした。
下請債権保全支援事業は、下請けや資材会社が持つ売掛債権(手形)の支払いについて、国がファクタリング会社に対して保証料の一部を助成するとともに、元請けが倒産した場合でも下請け代金などの債権を保全するもの。10年12月には、保証対象とする元請けの要件について、「過去2年間に公共工事の受注実績があること」としていた点を「経営事項審査の受審企業」にするなど、制度を大幅に拡充した。
今回の見直しに当たっては、被災地域でのがれき処理などで生じた債権を保証対象に追加するとともに、被災地域での工事やがれき処理などで生じた債権をファクタリング会社が買い取る仕組みを新たに導入。対象企業は▽被災地に主たる営業所を持つ下請け▽被災地で工事やがれき処理などを元請けから請け負う下請け―のいずれかの要件を満たしていればよいことにする。

2011/05/23 【環境省】
環境省・がれき処理の迅速化へ県外業者の活用も要請

環境省は20日、東日本大震災で被災した7県に対し、県外業者や県外の処理施設を活用してがれき処理を迅速化するよう要請した。同省はがれき処理に関するマスタープランで、居住地周辺などを優先的に進め、8月末までに仮置場への移動を完了する目標を立てたが、県内業者だけではこの目標に間に合わないケースを想定し、地元雇用に配慮した上で県外業者の活用も促す。東北地方環境事務所内に自治体向けの相談窓口も設置した。要請は、7県(青森、岩手、宮城、福島、茨城、千葉、栃木)の廃棄物行政部局に対して行い、県内の市町村への周知も求めた。膨大な量のがれきが発生している中で、県内業者だけでは円滑・迅速な処理の実施が困難な場合に、県外業者や県外の処理施設の活用を促した。
既に同省では、全国の自治体にごみ処理施設の受入体制に関する調査を行い、522市町村から、自治体の所有施設だけで年間290万tが受け入れ可能だとの回答を得ている。また、国土交通省と連携して港湾・鉄道を利用した輸送体制の構築も進めている。
こうした広域的な処理体制の整備に加え、県外の建設業者らを現場の作業に活用することで、がれき処理のより迅速な実施を可能にする。
同省がまとめたがれき処理のマスタープランによると、避難所・居住地周辺のがれき処理は、仮置場への移動を8月末、中間処理・最終処分を11年度末までに完了させるとしている。このほかの地域では、仮置場への移動を11年度末、中間処理・最終処分を13年度末までに終える計画だ。
被災3県のがれき推計量は2486万tで、仮置場へ搬入した割合(5月18日時点)は、岩手県が19%、宮城県が14%、福島県が11%。

2011/05/23 【国土交通省】
がれきの迅速処理で対応強化・相談窓口の設置や建設業団体への要請など

国土交通省は、東日本大震災で発生した膨大ながれきを迅速に処理するための取り組みを強化する。がれき処理に当たって、被災地の自治体が県外の建設業者や処理施設を活用しようとする際の相談窓口を20日から東北地方整備局に新設した。また、建設業団体に対し、自治体から協力要請があった場合には迅速に対応するよう求める通知を同日付で送った。同省が指定するリサイクルポートなどで受け入れることが可能な廃棄物の種類や海面処分場の候補地に関する情報を自治体に提供することも決めた。
こうした取り組みは、政府の緊急災害対策本部が20日に決定した「東日本大震災に係る被災地における生活の平常化に向けた当面の取組方針」を踏まえたもの。取組方針では、がれき処理について「効率的な輸送体制の確保を含め、県を超えた全国規模の広域的な処理体制を整備する」などとした。
国交省が新設した相談窓口は、県外の建設業者や建築機械を活用する場合の手法などをアドバイスする。相談は東北地方整備局建政部計画・建設産業課 電話022(225)2171で受け付ける。
また、▽日本建設業連合会▽全国建設業協会▽日本建設業経営協会▽日本道路建設業協会▽全国中小建設業協会▽全国解体工事業団体連合会−に対しては、「関係地方公共団体から、迅速な撤去の執行体制の確立などについての協力要請などがあった場合には、迅速に対応する」よう要請した。
さらに、廃棄物の広域処理を推進するため、国交省が指定したリサイクルポートなどの港湾で受け入れ・リサイクルが可能な廃棄物の種類や、海面処分場の候補地などに関する情報を自治体に提供していく。

2011/05/20 【国土交通省、経済産業省、環境省、林野庁】
国交・経産・環境・林野4省庁の建設資材需給調査
生産回復も調達に遅れ

国土交通省、林野庁、経済産業省、環境省の4省庁は、住宅建設資材の需給状況に関する2回目の緊急調査を行った。東日本大震災による生産拠点の損壊などで落ち込んだ生産量は除々に回復しているものの、過去の受注残などへの対応もあり、需要側への調達は合板やグラスウール(断熱材)など多くの資材で遅れている状態。給湯設備は特定製品の調達が困難で、大半の住宅供給者が代替品で対応している状況にあるという。
4省庁では、震災による生産拠点の損壊、物流の停滞、計画停電の影響、応急仮設住宅の需要増などの住宅建設資材に対する影響について、3月24日から31日に緊急調査を行っており、4月20日から5月6日に行った2回目の調査で、その後の状況をフォローアップした。 対象資材は▽合板▽パーティクルボード▽MDF▽断熱材▽外装材(窯業系)▽サッシ▽複層ガラス▽鋼材▽キッチン▽給湯設備機器▽電気配線▽塩ビ管―など16品目。 3月末に通常の7割程度だった合板の生産量は、被災していない全国の工場がフル生産して震災前の水準に回復。流通段階でも、需要側に当面の納入時期が示されるなど、供給不安は解消に向かっている。合板の代替品として利用されているパーティクルボードやMDFは現時点で価格上昇は見られないが、原材料費などの上昇でメーカー側に価格改定の動きもあるとしている。
断熱材は、グラスウールとロックウールで、いずれも震災前の供給量を確保しているが、住宅供給者への納期は通常と比べて遅れるなど不安定な状況。外装材(窯業系)の生産量は、被災工場の操業再開で震災前の92lまで回復したが、調達できる製品の種類が限定され、特定製品の調達が困難になっている。
給湯設備機器は、福島第一原子力発電所の20`圏内に生産拠点があるため、ただちに改善の見込みはなく、メーカー側が今後の部品納入に支障がないよう代替方法を検討中。電気式高効率給湯器などで、基盤入手が困難になって調達が遅れているため、住宅供給者は代替品での対応を迫られているという。
電気配線(銅)と塩ビ管は、増産する企業などもあり、調達に関する問題はなかった。ただ、出荷価格は原材料価格上昇が影響し、電気配線で5l程度、塩ビ管で1から2割程度の上昇が見られるとしている。

2011/05/20 【国土交通省】
東北6県・2010年度の建設工事受注動態統計

◎2010年度総額は6・2%減の2兆円・震災で3月は36・1%減
国土交通省がまとめた2010年度の受注動態統計によると、東北の元請け、下請け総受注高は青森以外の5県がマイナスとなり、前年度比6・2%減の2兆0369億0200万円にとどまった。特に3月は東日本大震災で工事・契約が中断されたことから元請け、下請けとも3割以上減少し、総額は1548億8600万円と前年同月比36・1の大幅減となった。
10年度受注額を元請け、下請け別に見ると、元請けは6県すべてが減少し、13・8%減の1兆2138億8700万円だった。このうち公共機関からの受注は6県すべて減少。特に青森、秋田、山形の3県が2桁減だったため全体で15・8%減の6676億6800万円となった。民間等からの受注は青森と山形が2桁台の伸びを示す一方、岩手、宮城の落ち込みが顕著で、全体では11・2%減の5462億2000万円だった。
これに対し下請けは、青森が40・3%、宮城が20・3%、秋田が9・9%増加したことから、全体で8230億1500万円と7・6%の伸びを示した。
県別では、青森が11・6%増の3191億4300万円と唯一増加したものの、福島が23・3%減の2797億3000万円、岩手が15・6%減の2780億6600万円と2県が2桁減。このほか秋田が0・3%減の2458億5600万円、山形が7・0%減の2133億8000万円、宮城が2・2%減の7007億2700万円だった。
全国の受注高は0・1%減の41兆6646億5300万円。このうち元請けは、公共工事民間工事とも落ち込み1・4%減の29兆1812億2000万円だったのに対し、下請けは3・3%増の12兆4834億3200万円だった。
◎岩手宮城福島では半減・3月の工事受注額
3月は地震被害が甚大だった岩手、宮城、福島3県の受注額が半減した。岩手は前年同月比55・6%減の147億9300万円、宮城は52・2%減の448億2l00万円、福島は52・1%減の214億9000万円、山形は6・4%減の208億5700万円にとどまった。一方、青森は10・1%増の289億3600万円で4ヵ月連続、秋田は8・5%増の239億8800万円で3ヵ月ぶりに増加した。
元請け受注高は岩手が60・4%減宮城が57・4%減福島が47・0%減と落ち込みが大きく、全体で36・1%減の1144億7500万円となった。このうち公共機関が24・4%減民間等は53・6%減となり、民間の減少が顕著だった。
下請け受注高は6県すべてがマイナス。特に青森岩手宮城福島が2桁減となり、全体で36・0%減の404億1200万円にとどまった。
全国の受注高は元請けが7・3%減下請けが6・7%減で総額は7・2%減の5兆2044億8100万円となっている。

2011/05/18 【東京商工リサーチ】
震災関連の経営破たん状況・倒産46件、実質破たん40件

東京商工リサーチは、東日本大震災関連の経営破たん状況(5月11日現在)をまとめた。震災関連の経営破たんは86件に達した。
このうち倒産は46件、負債額は456億8000万円。阪神・淡路大震災時と比べて3倍増ペースで推移している。また、倒産として集計されないが、事業を停止し弁護士一任、破産準備中などの手続きを進めている実質破たんも40件に上る。
産業別では、サービス業ほかが14件で最も多く、製造業12件、卸売業9件と続く。建設業は3件(負債額20億8700万円)だった。
地区別では、全国9地区のうち中国を除く8地区で倒産が発生し、全国的な広がりを見せている。最も件数が多かったのは関東の20件で、東北はこれに続く8件だった。内訳は、青森と福島が3件、岩手と秋田が1件。
都道府県別では20都道府県で倒産が発生。震災の被災企業は震災特例による「不渡り報告の記載猶予」や「破産手続き開始決定の2年間の留保」などにより倒産が表面化しない救済措置が行われている。
実質破たんに陥った40件を地区別に見ると、東北が18件(構成比45・0l)でほぼ半数を占めた。内訳は、宮城6件、福島5件、岩手4件、秋田2件、山形1件。被災程度が比較的軽微な内陸部を中心に目立っているという。


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