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2020年08月06日(木) 発刊日

岩手県内の河川整備事業/四十四田ダムで実施計画調査など推進/簗川ダムは10月に試験湛水へ

2020.07.27

 岩手県内の河川整備事業は、東北地方整備局北上川ダム統合管理事務所が北上川ダム再生事業として四十四田ダムの嵩上げを計画。県営ダムでは2020年度内の完成を見込む簗川ダムの試験湛水を10月ごろにも実施する予定。このほか気仙川では広域河川改修事業を進めている。
 近年、激甚化する災害を踏まえ、東北地方整備局が治水能力の向上や洪水対策機能の増強を目的とする北上川上流ダム再生事業は、盛岡市上田松屋敷地内の四十四田ダムと同市繋山根地内の御所ダムを対象に実施。2019年度から着手し、四十四田ダムは堤体の嵩上げ、御所ダムは雫石川への流入量を低減させるため調節方式を変更する。事業期間は全体で10カ年を予定。
 嵩上げ予定の四十四田ダムは堤高50㍍、堤頂長480㍍、堤体積38万2000立方㍍の中央部が重力式コンクリート、両端部がアースフィルの複合化したコンバインダムだが、堤高を最大2㍍嵩上げした場合、有効貯水量は現在の3550万立方㍍から1・2倍の約4300万立方㍍となる見込み。
 19年度では、四十四田ダムの構造、ダムサイトの地形、地質などを踏まえ、形状や手法の検討のほか、雨水解析の結果を基にゲート増設などを検討する概略検討業務を日本工営に委託。20年度は実施計画調査などを推進する。
 現在、19年度業務と別発注の概略検討業務を日本工営に委託し、嵩上げ手法や形状の検討、構造体の解析、施工計画のスケジュールや概算事業費検討などを行っている。また、関連業務として治水計画等検討業務や、ダムサイト地質調査業務なども委託する予定だ。
 一方、岩手県が事業主体となり、本年度の完成を目指している盛岡市川目地内の簗川ダム(堤高77・2㍍、堤頂長249㍍、重力式コンクリートダム、総貯水量1910立方㍍)は、10月ごろにも試験湛水を予定している。県営ダムでは最大級の貯水量となる同ダムの施工は清水建設・鴻池組・平野組JVが担当。
 ダム建設に併せ県企業局では、再生可能エネルギーの維持拡大を図るため簗川発電所を整備中だ。
 簗川ダム右岸直下に建設する発電所は、最大出力1900㌔㍗とし、売電電力量は一般家庭約3300世帯分に相当する1年当たり約1100万㌔㍗時。水車形式は横軸フランシス水車となる。
 運転開始は21年度を予定。施工は建屋が平野組、水車発電機の製作・据え付けは明電舎が行う。
 岩手県が事業主体となる陸前高田市の広田湾に注ぐ気仙川の広域河川改修事業は15年度から実施。全体完成は30年度を予定している。
 気仙川の治水対策は当初、河川整備基本方針に基づき、ダムと河川改修により治水安全度を70年確率(概ね70年に1回発生する規模の降雨による洪水が氾濫しないように河川を整備すること)とし、当面は30年確率として計画していたが、東日本大震災で被災した下流域の新たなまちづくりに併せ再検討した結果、河川改修により治水対策を進めるに至った。この新たな治水対策でも同様に、長期的に達成すべき治水安全度として70年確率を目指しつつ、当面は30年確率を確保できるよう河川改修を進める。
 河川改修延長は住田町から陸前高田市までの1万2800㍍。これまで陸前高田市の誂石橋から広田湾までの整備が概ね完了した。
 本年度では、河川改修に併せ架け替えを予定している住田町世田米地内の昭和橋(橋長約73㍍)の旧橋撤去工事や、陸前高田市矢作町地内の延長200㍍で築堤や樋門などの工事を発注する予定。
 21年度以降は、上流側や陸前高田市の出口大橋付近などで河道掘削などを進める予定だ。
 このほか河川関係では、20年度からの新規事業として二級河川鵜住居川の鵜住居地区と二級河川久慈川の久慈市大川目地区の治水施設整備に取り組む。
 この2地区は、無堤部区間であったため16年8月の台風10号により溢水し浸水被害が発生した。治水施設整備では鵜住居地区延長360㍍、大川目地区延長281㍍でそれぞれ堤防を整備する。
 事業期間および総事業費は、鵜住居地区が24年度までで2億5900万円。大川目地区は25年度までで2億円となっている。