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2020年09月24日(木) 発刊日

東北整備局/管内市町村・資金調達2制度の導入状況を調査/経営強化融資は2割未満に/宮城、秋田、山形が100%―中間前金払

2020.08.28

 東北地方整備局は、管内市町村の中間前金払制度および地域建設業経営強化融資制度の導入状況(6月30日時点)を公表した。東日本建設業保証の協力を得て調査したもの。それによると、中間前金払制度は管内227市町村のうち約97㌫に当たる221団体が導入。特に宮城、秋田、山形の3県は2019年度までに全市町村が活用している。一方、経営強化融資制度は45団体と2割に満たなかった。東北整備局では、地域建設業の資金繰りの円滑化・多様化に向けて、引き続き制度の周知等を図っていく考えだ。
 中間前金払制度は、当初の前払金(請負代金の4割。ただし被災3県は5割)に加え、工期半ばで2割を追加して行う前金払で、1999年から制度の導入が可能になっている。建設企業への円滑な資金提供や資金繰りの改善を目的としているため、保証料率は一律0・065㌫と低廉なほか、受発注者ともに事務手続きが簡易なのが特徴だ。
 また、経営強化融資制度は中小・中堅元請建設業者が公共工事等の工事請負代金債権を、発注者の承諾を得た上で事業協同組合等または一定の民間事業者(融資事業者)に譲渡し、それを担保に融資事業者から出来高に応じて融資を受けられるもの。建設業の資金調達の円滑化支援を目的に08年に創設された。発注者にとっては新たな金融支援策の提供が可能となり、元下間の請負代金や労働者への賃金支払いの適正化などにより適正な施工に寄与。建設企業側も信用力向上や経営の安定化に加え、この制度を利用した借入金は経営事項審査における「負債回転期間」の負債合計から控除することが認めれているなどのメリットがある。
 それぞれの導入状況を見ると、中間前金払制度は管内227団体(県を除く。県はすべて導入済み)のうち221団体と全体の97・4㌫が導入済み。県別では宮城が19年度中、秋田が18年度中、山形は16年度までに県内全市町村で導入している。残る3県は、青森が40団体中39団体(97・5㌫)、岩手が33団体中31団体(93・9㌫)、福島が59団体中56団体(94・9㌫)。本年度に制度化したのは青森が六戸町、岩手が岩手町と九戸村、福島が鏡石町、会津美里町、棚倉町、大熊町の計7町村となっている。
 一方、経営強化融資制度は県が6県すべて導入済みとなっているものの、市町村は45団体(表参照)と全体の19・8㌫にとどまっている。県別では、青森10団体(25・0㌫)、岩手6団体(18・2㌫)、秋田5団体(20・0㌫)、山形4団体(11・4㌫)、宮城7団体(20・0㌫)、福島13団体(22・0㌫)。このうち、本年度から導入は山形県上山市と福島県須賀川市。制度が浸透していないことについて、東北整備局では「東日本大震災による被災地特例措置などもあって、企業側が深刻な資金難に陥る状況が少なかったからではないか」と見ている。その上で、「制度として導入していれば緊急時にも対応できる。地域建設企業が低廉なコストで資金調達が可能となるよう、市町村キャラバンなどの機会を通じて制度の周知等を図っていきたい」としている。
 下請代金の支払いに関しては、10月1日に施行される改正建設業法により労務費相当額を現金で支払うよう適切な配慮が求められており、元請企業は手許資金の充実を図ることが必要となる。また、新型コロナウイルス感染症の影響で、工事の一時中止等の措置を講じることになった場合の下請代金の支払いや建設投資をめぐる先行き不透明感に備え、今後、手許資金の需要が高まることが予想されている。
 こうした背景から今回、東北整備局では下請け代金の適正な支払いなどを要請する「盆暮通達」が発出されたことも踏まえ、東日本建設業保証の協力を得て両制度の導入状況を調査した。