2023-03-31# 物件(仙台圏)
TASCI/仙台市「仙台ハーベストビレッジ」計画/中田建設で着工/S1F6173㎡の商業施設を整備
TASCI(椎名晃之代表取締役)は、仙台市東部に位置する若林区上飯田地内に「仙台ハーベストビレッジ」の建設を計画し、中田建設(秋田市)の施工で着工した。同社は仙台市で活動する経営者や農家が集まって結成。市街化調整区域内で農業の6次産業化(生産×加工×販売)促進施設として小売店や飲食店、農業用ビニールハウス、多目的広場を整備する。9月中旬のグランドオープンを目指す。
建設場所は仙台市若林区上飯田天神地内の敷地4万7626平方㍍。S造平屋建て、延べ6173平方㍍のマーケット棟をメーンに、利用客の屋外休憩スペースやイベント活用など多目的に活用を想定する緑地、農作物の販売スペースとなる東屋を建設。さらにビニールハウス2カ所を設け、年中いちごの栽培ができる観光いちご農園を整備する。
テナントとして、スーパーマーケットを手掛けるヨークベニマル(福島県郡山市)、主に牛タンの加工やレストランを経営する利久(宮城県岩沼市)、「無印良品」を展開する良品計画(東京都豊島区)、いちごの生産・加工・販売を手掛ける燦燦園(さんさんえん)(山元町)が入居。加工や販売を通じて農業振興に協力するほか、燦燦園はハウスでイチゴ栽培も行う。
工期は8月末まで。施設設計はメタボルテックスアーキテクツ(東京都杉並区)・高橋勲設計(盛岡市)JV、造成工事をSHINLINE(仙台市若林区)がそれぞれ担当した。
なお対象地を含む周辺地域は市街化調整区域内の農地で、農業生産施設等以外の施設整備については強い建築規制が掛けられている。開発が可能となった背景は、仙台市がこのエリアを「農と食のフロンティア推進特区」に指定したことや、経済産業省の地域経済牽引事業計画の承認を得たことなどが挙げられる。
TASCIの椎名代表は「事業計画が認められたことで、他県の市町村担当者からノウハウが知りたいという問い合わせを受けることもある。今回の事業手法が全国で可能とするものではないと思うが、全国各地にある遊休農地利活用に向けたモデルケースの一つとはなるだろう」と話し、施設建設に向けては「観光需要の取り込みやイベントや地域の夏祭りなどに活用してもらい、地域に溶け込むような施設になればいい」と意気込んだ。