宮城県庁、東北地方整備局/角田市・阿武隈川沿いのR349改良/国が地盤改良工を近く公告/全体額は約30億 工期は7年余
宮城県は、角田市北部で阿武隈川左岸に並行する国道349号の改良事業について、東北地方整備局に工事を委託する。11月定例議会で県から整備局に工事委託する議案が可決された。工期は2032年3月31日までの7年余り。東北整備局仙台河川国道事務所は関連する「阿武隈川下流上小坂地区軟弱地盤対策工事」を発注見通しに追加しており、議決を踏まえて協定を結んだ後、年内にも公告する見通し。
柴田町境に近い角田市小坂地区を通る国道349号は、阿武隈川左岸堤防が道路としても機能する兼用堤だが、路肩が狭く歩行者・自転車の安全確保が課題となっている。県は歩道新設と車道拡幅による道路改良を立案。幅員が広がることで嵩上げもなされる。工事は、堤防を管理する整備局が発注する。併せて整備局は、堤防下に設けている樋管など構造物について排水能力強化も見据えた改築に取り組む。
道路の整備延長は915㍍。現道は幅員6・13㍍の2車線で、河川と反対側に車道を2・37㍍拡幅した上で、幅員2・80㍍の歩道を新設し、全幅は11・3㍍とする。河川側には幅員3㍍の河川管理用通路も新設する。
全体の設計額は29億8300万円余りで、県負担分の事業費9億4000万円余り(ともに税込み)の工事委託が11月議会で承認された。委託内容は測量、設計、用地調査、用地補償、道路改良工、樋管改築工、機場改築工の各一式となる。
整備局が改築する施設は、北側から瓢(ふくべ)石排水樋管、土瓜(つちうり)揚水機場、松の口排水樋門。北側から着手し、瓢石排水樋管と周辺道路などの設計は三井共同建設コンサルタントがまとめている。
近く公告する工事は、瓢石排水樋管の改築に向けて前後の道路を堤外地側の高水敷に切り回すため、載荷盛土による改良を行う。概算の盛土量は約2万5000立方㍍。工期は約10カ月を見込む。
また瓢石排水樋管と土瓜揚水機場の中間で国道349号に接続している市道瓢石妙立寺(みょうりゅうじ)線も同様に改良する計画で、発注は整備局が行う。