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2024年05月06日(月) 休刊日

東北各県/23年度・入札契約改正の動向/3県が週休2日制促進/宮城は自然災害対応など評価拡大

2023.04.11

 東北各県の2023年度の入札契約制度改正をまとめた。宮城県は、自然災害や家畜伝染病への対応など“地域の守り手”としての活動について総合評価落札方式で加点を拡大した。このほか、また、山形県、福島県、秋田県で週休2日制工事実現に向けて総合評価落札方式を見直すなど、24年4月に迫る建設業への時間外労働上限規制等に対応するための改善策を展開する県も見られた。
 青森県は、4月1日からの制度改正はないものの、昨年7月に総合評価落札方式を一部見直した。今まで5段階だった工事成績評定点の平均点の評価基準を8段階に、業務成績評定点は3段階を5段階に変更。評価基準を細分化することで細やかに差別化を図った。
 岩手県では、失格基準価格の算定対象者を価格の低い順に8割とした。入札者が5者以上の場合は小数点以下切り上げで、4者または3者は小数点以下を切り捨て。2者または1者の場合は、制度適用価格(予定価格×0・85)に0・95を乗じた金額を失格基準価格とする。
 秋田県は、週休2日制工事の要綱を一部変更。休日にやむを得なく作業した場合でも「作業日と同一の一週間」や「降雨などで作業ができない日が続いて当該日を休日とした際、休んだ分を取り戻すために休日作業した後の週」に振替休日を確保できたケースは「準完全週休2日工事」と定義。達成した場合は工事成績評定に3点加点する。また、鉄鋼塗装工事の総合評価落札方式において、対象を予定価格3000万円以上から4000万円以上に変更し、一般土木など他工種と同等の基準とする。
 山形県は、7月からICT活用工事と週休2日工事の普及促進に向けて、両工事の総合評価落札方式における配点を見直す。これまでは包括的に両工事で配点1点としていたが、それぞれの評定点を独立させて各工事1点ずつとし、計2点配点する。加えて、災害復旧工事と道路除雪業務の受注実績の評価方法に関して、これまで県下一律で全工事を対象としていたが、今後は「土木一式工事」「とび・土工・コンクリート工事」「舗装工事」の3工種に限定。さらに、施工地域(7ブロック)内外の実績による配点差を設ける。
 宮城県は、自然災害、高病原性鳥インフルエンザや豚熱といった家畜伝染病の防疫措置など、それらの取り組み・実績の評価を拡大し“地域の守り手”としての活動を手厚く加点する。さらに業務では、入札参加条件だった「配置する管理技術者の担当業務者数が5件以下であること」を、建設コンサルタントと地質調査に限定して「担当技術者としての業務も含めて10件」まで緩和する。その際、▽県発注の測量、建築、補償業務の管理技術者でない▽県発注の低入札業務の管理技術者でない―ことが条件となる。
 福島県は、4月から総合評価落札方式で災害や除雪などの実績評価について、県管理施設での実績を重視し、他施設よりも多く加点する。また、工事関係の評定項目に関して、「同一市町村の工事実績」と「週休2日確保工事」で発注工事と同一の発注種別の実績を評価対象とするよう見直す。