2025-05-26# 物件(仙台圏)
山元町/町内全4小学校の再編計画/9月から導入可能調査へ/町内初のPFI 小学校新築で30年度開校へ
山元町が計画している町内4小学校の再編を巡って、PFI(BTO)方式を採用する方針が明らかとなった。山元中学校の敷地を活用し、小学校を新設する。6月補正予算に導入調査とアドバイザリー業務の委託費2060万円を計上し、9月ごろから調査を開始する。開校は2030年度を目指す。PFIを採用すれば町で初となる。
現在、基本構想・計画(担当=日本工営都市空間)に着手中で、配置計画などを検討している。現時点で施設一体型の小中一貫教育学校で進めたい考え。小・中一貫校か義務教育学校とするかは26年度に決定する見込み。基本計画は8月までに策定を完了する見込み。
町は事業の効率性や発注者の負担、財政負担などを従来方式と比較し、PFI方式を採用するに至った。PFI導入に向け、6月補正で民間導入可能性調査に920万円、アドバイザリー業務(公募要領作成)に1140万円を盛り込む。可能性調査では事業手法やスキームの精査のほか、市場調査として建設業者3社と管理会社3社からサウンディング調査などを実施する。
事業者公募を行う場合は改めて補正で1400万円を計上する。公募は26年10月から開始予定。約6カ月の選定を経て、27年5月に協定締結を見込む。設計・施工・備品購入まで合わせて約3年間を要するスケジュールだ。
再編対象校は▽坂元小(坂元舘下159の1地内)▽山下小(山寺樋前12地内)▽山下第一小(大平握6地内)▽山下第二小(つばめの杜1丁目3地内)―。町内の児童・生徒数は24年度時点で小学校479人、中学校224人。開校目標の30年度時点では小学校342人、中学校225人と推計している。
再編用地は山寺畑中29地内にある山元中学校の敷地内で、現中学校の敷地に新しく小学校を新築する想定。中学校校舎を活用する場合は改修も行う。
再編後の4小学校は、本年度から既存校舎の在り方について検討している。解体する場合は26年7月から解体設計に入り、再編完了後に解体する。
なお県内の市町村が学校整備にPFIを導入したケースは、美里町が本年度に開校した統合中学校で採用したほか、約20年前に旧古川市が古川南中学校に取り入れた事例がある。