2025-05-28# 物件(仙台圏)
鹿島/東北支店ビルを現地建替/自社の設計・施工で26年着工/新開発の木造制震構造を初採用 9/1F延べ8871㎡
鹿島(東京都港区元赤坂1の3の1 天野裕正代表取締役社長)は、自社の設計・施工で東北支店ビルを現地で建て替える。新たに開発した「欄間制震システム」を初採用する木造制震構造。自社による解体工事を経て2026年秋に着工、28年度内の竣工を目指す。
施工地は勾当台通に面した仙台市青葉区二日町1の27地内の敷地約1600平方㍍。制震構造のW一部S造地下1階地上9階建て、延べ8871・98平方㍍で新築する。
新たな支店ビルは、日本の伝統建築から着想を得た木造制震技術と純木質耐火集成材を組み合わせた「欄間制震システム」を初めて採用。一般的な木造ラーメン構造では柱と梁の接合部の剛性と耐力確保が困難だったが、梁と並行する鴨居との間に生じる欄間状の空間に制震ダンパーを設けてエネルギーを変換・吸収するシステムを開発した。超高層ビルと同等の耐震設計基準の高い安全性を有する。
執務スペースは柱と梁が全て木造の多柱空間を実現し、木に囲まれた心身ともに快適さを感じられるワークプレイスとする。豊富な地下水の熱を空調に利用した輻射パネルを採用するなど自然を活かした設備計画を導入した上で、最先端のデジタル技術で制御する。
構造材には一般的な木造住宅80棟超分に相当する約1810立方㍍もの木材を使用予定で、木材(カラマツ)は岩手県と福島県にある社有林からも供給する。
建て替え期間中の支店機能は、アーバンネット仙台中央ビルなど市内複数のビルに置く。