2025-07-25# 物件(仙台圏)
亘理地区行政組合/亘理消防署と山元分署の統合/10月に基本設計を入札/R6沿いに総延べ3737㎡で計画
亘理地区行政事務組合(管理者・山田周伸亘理町長)が計画する亘理消防署と同山元分署の統合に向けた基本計画が明らかとなった。統合場所は、亘理町と山元町の中心に位置する国道6号沿いの亘理町吉田南堰上1の1ほか地内。施設は総延べ3737平方㍍で計画しており、8月に造成調査設計、10月に基本設計の入札を実施する予定だ。
両施設は老朽化や近年の消防車両の大型化により、車庫の狭小化などの問題が発生。山元分署には女性用の宿直設備がないことも課題に上がっていた。既存施設は、亘理消防署がRC造2階建て、延べ1045・27平方㍍、同山元分署はRC造2階建て、延べ426・28平方㍍で、いずれも築50年以上が経過している。
これまでに消防力適正配置等調査を消防防災科学センター(東京都三鷹市)に委託。出動回数や距離、将来の人口動向といった調査を行い、結果を基に建設用地を選定してきた。基本計画は組合が7月までに作成したもので、コンサルは参画していない。
基本計画によると、建設場所は亘理町と山元町の中間となる国道6号沿いの亘理町吉田南堰上1の1ほか地内。現況は田畑、空き店舗、民家となっている。敷地面積は約9000平方㍍。
ここに総延べ約3737平方㍍の統合庁舎を建設する。内訳は消防庁舎棟が約2124平方㍍、車庫棟は823平方㍍、訓練施設は730平方㍍、附帯施設が60平方㍍。階数などの詳細は未定。施設内には新型コロナウイルスなど感染症対策として個室の仮眠室を設けるほか、女性専用区画エリア、ジェンダー用の部屋を設けるといった特徴がある。このほか、緊急通報を受信する通信指令センターを岩沼消防署から移設・新設する。土地取得費を除く概算工事費は24億円。
稼働までのスケジュールは、8月に造成調査設計、10月に基本設計の入札を行う予定。基本設計と実施設計は一括発注するか検討中。造成は2026年7月から約半年かけて行い、新築工事は同年内に入札し、27年1月の着工、29年1月の竣工、同4月の稼働を目指す。入札は全て指名競争入札で行う見込み。
統合後の現施設は完成後に解体し、各町に返還する。
なお本年度当初予算では基本・実施設計費に債務負担行為として4081万円を設定。期間は26年度まで。