2025-10-07# 物件(仙台圏)
仙台市/高畑定義線の改良事業/高畑工区は4号桟道橋など整備進む/定義工区のPC上部工が発注へ
高畑工区は県道定義仙台線との交点に近い大倉ダム堤体付近から上流側へ右岸を通り、ダム湖を上流で跨ぐ橋梁(大倉大橋)となっている市道大倉中線との交点付近までの延長1・97㌔㍍。幅員は7・5㍍に拡幅して2車線を確保する。ダム湖側に張り出すように道路を付加するためメタルロード工法による桟道橋を多用するとともに、下部工を構築できる線形不良区間には橋梁を架設する。上流側にはプレキャスト擁壁を設ける。構造物が連続するルートとなり、24年度末の進捗率は事業費ベースで57㌫。
起点側から構造物と整備状況を見ると、1号桟道橋は完成済み。続く1号橋はPC3径間連結ポステンバルブT桁の橋長73㍍で下部工は構築した。本年度に上部工のうち支承製作を先行発注しており、東日本コンクリートが施工。3日に公告した桁の製作・架設工事の名称は「高畑定義線高畑工区橋梁上部工工事その4」。予定価格は3億5146万3000円で、31日に開札する。架設には仮橋を用いる。詳細設計は協和設計がまとめた。工期は27年3月末。
2号桟道橋は上流側が完成し、現在は下流側約80㍍を河北建設が施工中。桟道橋の工事に当たってはおおむね延長40㍍を1ブロックとして発注している。2号橋と3号桟道橋は整備済み。
4号桟道橋は延長302㍍で7ブロックに分割して施工。上流側3ブロックは完成し、本年度に奥田建設と河北建設が1ブロックずつ受注した。下流側2ブロックは26年度以降に発注する。詳細設計は協和設計が担当した。
3号橋は完成している。5号桟道橋は5ブロックのうち2ブロックが完成した状況で、3ブロックの工事が残る。詳細設計は東光コンサルタンツがまとめた。6号桟道橋は完成済み。4号橋は上部工が完成したところ。7号桟道橋は完成済み。
さらに上流側はプレキャストL型擁壁が続く。1号擁壁は完成済み。8号桟道橋(延長125㍍)は未着工。2号擁壁は完成した。延長128㍍の3号擁壁は今後に工事発注する。4号・5号擁壁は完成している。8号桟道橋と3号擁壁の詳細設計は東光コンサルタンツが担当した。
上流側に続く定義工区は、大倉川右岸の現道を拡幅改良するほか、工区終点側の大倉赤岩(右岸側)~大葉羅(左岸側)で大倉川を跨ぎ、対岸の県道定義仙台線に接続する橋梁を架設する。工区延長は1・87㌔㍍で幅員は7・5㍍。24年度末の事業費ベース進捗率は11㌫。
橋梁は橋長218㍍、幅員7・5㍍(全幅8・7㍍)のPC3径間連続ラーメン箱桁。詳細設計は大日本ダイヤコンサルタントがまとめた。下部工は橋台2基を奥田建設、橋脚2基を橋本店が構築した。上部工の架設工法は張出架設で、使用する生コンクリート量はおよそ2300立方㍍。工期は約33カ月を見込み、通年で施工する計画だ。
来年度以降は橋梁前後の道路や舗装工事などを発注していく。
定義地区へのアクセスは、市中心部から向かう場合、大倉ダムの堤頂部を経由してダム左岸側(県道定義仙台線)を通るルートが一般的だった。しかし幅員が狭く交互通行する必要もあり行楽シーズンは混雑する。一方、周辺住民の生活道路となっている右岸側の道路も幅員が狭く、地震で法面が被災すると通行規制が生じる。こうした課題を解消するため右岸側の高畑定義線を拡幅改良する抜本的な対策に取り組んでいる。