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2025-07-15# 物件(大崎・栗原)

東北地方整備局/鳴瀬川ダム迂回路TNの施工者決まる/延長439m、内空44㎡で上流側から突込施工

東北地方整備局は宮城県加美町で取り組んでいる鳴瀬川総合開発事業で、鳴瀬川ダムの新設に関連して設置する迂回路トンネルの施工者を鉄建に決めた。段階的選抜方式によるWTO対象一般競争入札で今月3日に開札。1落の16億8200万円で決定した(詳細は後日掲載)。

現道(国道347号)がダムサイトに掛かるため付替道路を建設するが、付替道路の供用までは時間を要することから、ダム本体の工事期間中に一般車両が通行するトンネルとなる。事業完了時には閉塞する。

建設場所は加美町漆沢筒砂子地内でダムサイトの北側(筒砂子川の左岸側)を迂回するルートで設ける。両坑口は現道付近に配置し、迂回路の大部分がトンネルとなる。延長は439㍍。内空断面積は約44・5平方㍍で幅員6・5(全幅8)㍍。NATM工法で発破掘削を採用する。起点側(上流側)から2~3㌫程度の下り勾配で掘削する計画。一部インバートを施工する。

中央部からやや終点側の延長約30㍍区間は事業完了時に閉塞する予定で、他の区間より覆工の厚さを増す。一時的に使用する構造物だが、通常のトンネルと同様に2次覆工まで施工する。舗装工事は別途発注する。迂回路(トンネル)前後の改良工事は6月に開札済みで上流側は丸か建設、下流側は橋本店が担当する。

工事内容はトンネル工(掘削・支保・覆工)延長439㍍で、坑門工と仮設工各一式。工期は2026年9月24日。設計は東京コンサルタンツがまとめた。

なお総合評価は技術提案評価型S型で、技術提案の課題は▽トンネル掘削時(インバート含む)に切羽などの安全性を向上させる施工▽閉塞区間の覆工コンクリートの充填性を向上させる施工▽トンネルでのICT活用などによる生産性向上について―としていた。

鳴瀬川ダムは加美町漆沢筒砂子地先の鳴瀬川水系筒砂子川に新設。台形CSGダムで堤高107・5㍍、堤頂長358㍍。総貯水容量は約4560万立方㍍。現時点で事業期間は36年度までを見込み、事業費は約1450億円を試算する。左岸側に仮排水トンネルを西松建設の施工で建設しているほか、工事用道路などの工事を展開中。

 

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