2025-08-04# 物件(大崎・栗原)
県北部土木/大崎市田尻 佐賀川の改修事業/橋梁4本の整備へ設計進む/河川工事には来年度以降着手
宮城県北部土木事務所は大崎市田尻地区で佐賀川河川改修事業を行っている。下流側は整備が進んでおり、現在は上流側で河道整備工事を実施するため用地取得に取り組むとともに、河川改修に伴って整備する4橋梁の設計を作成している。来年度以降に着工する。
一級河川北上川水系である佐賀川は大崎市田尻地区を流れ、田尻川左岸に合流した後、江合川に流れ込む。田尻川との合流部のすぐ上流では百々川が田尻川に合流している。
大雨時には、下流で田尻川と江合川の水位調整がうまくいかないことにより佐賀川の水が流下されず、洪水が発生しやすい地域。直近では2002年と15年に発生した大雨で、周辺の田んぼや家屋が浸水するなど甚大な被害が生じた。
このため田尻地区の河川改修は住民ニーズが高く、先行して08年には百々川に樋門が設置されている。佐賀川でも21年に田尻川との合流部(最下流部)で水門が供用を開始したほか、その上流で1号橋(農道橋)と、県道田尻線との交差部に架かる佐賀川橋(2号橋)が整備済み。2号橋は01年開催の宮城国体に当たってサイクリングロードとして整備した。
北上川水系江合川1圏域河川整備計画によると佐賀川の河川改修事業の概要は、水門設置のほか、流量増加へ河道掘削と築堤・護岸を整備するとともに、付帯して橋梁を架設する。
河川改修区間の延長は田尻川合流部から大沢集落センター付近までの1475㍍、うち旧佐賀川廃止区間は上流側の延長約800㍍。この区間は並行する道路の反対側に河道を振り替える。計画では、流域面積3・67平方㌔㍍、計画規模は10年に1度程度の雨に対応し、計画高水流量は12・0立方㍍/秒としている。
今後は2号橋から上流で、県道涌谷田尻線(4号橋付近から上流は市道百々・加護坊山線)に沿って道路の反対側(おおむね北側)に河道を新設するとともに、併せて3~6号橋の架け替えおよび新設を行う。3・4号橋は田尻大沢新中江、5・6号橋は田尻大沢岩穴前一地区で、いずれも県道および市道から北側のほ場へのアクセスなどを確保する。また、河道の改変によって現在の佐賀川の一部(約800㍍)を廃止するが、2号橋付近に旧川と連絡する樋管を設ける。
河川改修のコンサルタント業務は、21年度に施工計画策定(担当=復建技術コンサルタント)、23年度に護岸詳細設計(担当=協和設計)を行っている。今後は上流部の用地測量などを完了させて早期着工を目指す。
3号橋はPCプレテンホロー桁の橋長12・6㍍、幅員5・2㍍。橋台は逆T式橋台(既製杭8本/基)2基。詳細設計は復建技術コンサルタントが担当した。4号橋は予備設計をいであが担当し、詳細設計は26年度以降に発注する。
5号橋はPCプレテンホロー桁の橋長11・5㍍、幅員5・0㍍。橋台は重力式橋台(既製杭10本/基)2基。詳細設計はいであがまとめた。6号橋はPCプレテンホロー桁の橋長11・4㍍、幅員6・25㍍。橋台は逆T式橋台(既製杭10本/基)2基。詳細設計は平面交差点詳細設計と併せて復建技術コンサルタントが担当した。