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2023-06-30# 物件(石巻・気仙沼)

登米市/新図書館の整備構想案/図書の収蔵能力は30万冊規模/延べ約3500㎡規模を想定

登米市は、新たな図書館の整備を計画しており、市民からより多くの意見を集めるため「登米市図書館構想改訂版(素案)」を公表した。募集期間は7月3日から8月3日まで。

同構想は2015年11月に策定されたが、他施設との複合化の検討や立地場所の選定、財源の確保など諸課題の整理に時間を要し整備が実現しないままだったため、昨年度から見直しを行っている。

市内の図書館および図書室は、迫図書館(RC造3階建て、720平方㍍)、登米図書館(RC造2階建て、124平方㍍)、中田生涯学習センター内の中田図書室(RC造3階建て、358平方㍍)の3カ所あるが、施設の老朽化に加え、閲覧席も十分に確保できていないなど、さまざまな改善が求められている。また、駐車場が非常に手狭なため利用者に不便を来している状況にあることなどから計画された。

新図書館の基本理念は「登米市の未来を創る学びと交流の拠点」。基本理念を実現するために基本方針を①生涯にわたる学びを支える②地域や暮らしの課題解決に役立つ③次世代を担う子供たちの読書を推進する④人と人が集い、交流する⑤登米市の魅力を発見し、発信する⑥市民と共に育ち、市民が育てる─6点設定した。

計画によると整備場所は、市民が集まりやすく交通の便が良いところが理想とし、買物、通勤、通学などの住民の日常生活において、容易に立ち寄れる生活動線上に整備することが必要。さらに、十分な駐車スペースが確保でき、周辺に公民館や公園など他の公共施設が多く近在することが望ましいとする。

施設規模については、登米市の将来予測人口などから算出。来館者の利用のしやすさやゆとりあるスペースを確保するため、新図書館の延べ床面積(図書館専有部分)は3500平方㍍程度を目標とした。内訳はエントランススペースや開架スペースなど利用者部門を2490平方㍍。事務・管理・業務などの事務管理部門を1010平方㍍を想定している。図書の収蔵能力は30万冊規模とし、市民の集いや交流のためのスペースを広く設けるため開架能力は12万冊、閉架能力は18万冊を目安としている。

整備に当たっては、少子高齢化や今後のさらなる人口減少を見据え、中心市街地における多様な都市機能の集積や強化を図るため、公民館や市民交流、健康づくりなどの機能を含めた多機能型複合施設としての整備を検討していく。

なお、同市では、図書館整備以外に市役所迫庁舎隣接地に多目的・複合施設となる「地域交流センター」(仮称)の整備を計画。本年度中に基本構想の策定を目指している。

 

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