東北農政局河南二期農業水利事業所は４日、三郡（さんぐん）幹線用水路の実施設計業務を公告した。地区北部を東西に伸びる全線の延長約４・２㌔㍍を対象に、劣化したコンクリートの補修対策を取りまとめる。工事は来年度以降に着手する。

参加資格は測量・建設コンサルタント等のＡ等級。申請書は今月１９日まで、技術提案書と入札書は７月２日まで受け付ける。開札は同２８日に行う。総合評価は標準型。

三郡幹線用水路は、地区北部で旧北上川より取水している和渕揚水機場から西側へ伸び、地区北西部の前谷地揚水機場まで至る延長約４・２㌔㍍。コンクリート３面張りの開水路で通水量は６・３９立方㍍／秒。受益面積は３８７１㌶。

和渕揚水機場から西側へ、上流部の延長約１㌔㍍はサイホン構造でφ１８００㍉㍍のコンクリート管となっている。このほか２カ所に短いサイホン構造の箇所があり、いずれも業務範囲に含む。

想定する整備内容はクラック補修、目地補修、表面被覆など。劣化して傷みがあるコンクリートを補修する。事業完了後も流量は変わらない。上流部のサイホンについては非出水期に水を抜いた上で内部を直接目視して検討に当たる。履行期限は２０２６年３月１０日。

予算や整備内容によるが、工事完了には複数年を見込む。

石巻市と東松島市などに跨る河南二期農業水利事業は、現時点では２７年度まで約１４０億円を投じる計画。能力増強を伴う下流の排水系統から着工し、現在は用水系統を含め水路補修や機場の整備に取り組んでいる。発注見通しによると近く、和渕と笈入の両幹線用水路と二間堀排水路の実施設計をまとめて委託する業務を公告予定。