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2023-04-03# その他

東北整備局/23年度予算・事業概要を公表/事業費総額6165億余/県内の補助分は12%増の654億

東北地方整備局は3月31日、2023年度当初予算・事業概要を公表した。一般会計は前年度比1・8㌫増の5944億9800万円、東日本大震災特別会計は11・6㌫増の220億2900万円。事業費総額は6165億2700万円で2・2㌫増加した。一般会計のうち直轄事業費は0・6㌫増の2481億3800万円。また、補助事業費3463億6000万円のうち、宮城県内の配分額は654億6600万円で12・1㌫増加した。

取り組みのポイントは、激甚化・頻発化する自然災害に屈しない国土づくりのため「防災・減災、国土強靱化のための5か年加速化対策」を計画的に進める。経済好循環の加速・拡大には、渋滞対策の推進、洋上風力発電の導入促進、産業競争力強化を図る港湾整備を推進し、強い地域経済を確立する。

このほか、官民連携による建設業の担い手確保、インフラ分野のDX推進など、「東北未来 働き方・人づくり改革プロジェクト」の取り組みを進化させる。

県内において、道路の新規事業化に向けては仙台東道路と、国道4号白石市斎川~大平森合、大崎市古川荒谷~栗原市高清水豊田を対象に、計画段階評価を進めるための概略ルート・構造を検討する。また、国道48号上愛子地区の渋滞対策を検討するほか、仙台駅周辺の交通拠点機能強化に向けた調査を行う。

県内の主な新規事業を見ると、直轄事業では阿武隈川水系(内川)直轄特定緊急砂防事業(鷲ノ平砂防堰堤)に22億9000万円(※河川水系全体額)、仙台塩釜港石巻港区予防保全事業に3億2000万円を計上。補助事業では、登米市の長沼川2期大規模特定河川事業に3億5000万円、柴田町の都市拠点(船岡)地区都市構造再編集中支援事業に1億7800万円を配分している。

また仙台河川国道事務所の2023年度事業概要を見ると、道路事業は前年度比3・5㌫減の69億9400万円、河川事業は5・5㌫増の10億3500万円、海岸事業は48・2㌫減の4億8100万円、合計では7・0㌫減の85億1000万円となる。

ここに22年度第2次補正予算を加えると、道路事業が91億0300万円、河川事業が16億9300万円、海岸事業が7億9100万円、合計では115億8700万円となり、切れ目なく事業を執行していく方針だ。

主な取り組みは、道路事業では国道4号仙台拡幅を推進。篭ノ瀬~鹿の又で道路・構造物の設計を作成する。国道108号石巻河南道路と国道398号石巻バイパス沢田工区は、ともに設計と用地調査などを実施する。

国道108号古川東バイパスは、25年度開通に向けて国道4号接続部までの道路設計や移転補償、改良工事を展開。国道47号中山平地区線形改良は、23年度に橋梁上部工を予定する。

国道4号築館バイパスは、終点側で迫川橋(仮称)を含む区間の道路設計や、起点側で国道4号拡幅区間の測量などを進める。

河川事業は、丸森町の河川防災ステーションで基盤整備工事を推進。角田市・柴田町・丸森町の阿武隈川下流・河川大規模災害関連事業は河道掘削工事を展開していく。同じく阿武隈川下流で、角田市・柴田町・亘理町の堤防拡幅や堤防浸透対策も推進する。海岸事業は仙台湾南部海岸でヘッドランドと養浜工を行う。

そのほか北上川下流河川事務所の事業概要を見ると、北上川下流と鳴瀬川の河川改修事業に、22年度補正と合わせて28億8800万円を措置。吉田川災害復旧等には補正70億5300万円、当初分8億0700万円を盛り込んだ。

事業箇所は、登米市の安場地区堤防整備や日根牛地区堤防整備を継続して取り組む。石巻市で三輪田地区と鹿又地区の堤防整備、美里町で練牛地区の堤防整備を展開する。

国土交通省は3月31日、2023年度当初予算配分を発表した。配分対象額(事業費ベース)は、前年度当初比0・8㌫減の7兆5121億7000万円となった。

国交省の23年度当初予算は「国民の安全・安心の確保」「経済社会活動の確実な回復と経済好循環の加速・拡大」「豊かで活力ある地方創りと分散型国づくり」を3本柱とし編成。社会資本整備に当たっては、既存施設の計画的な維持管理・更新・利活用を図りながら、波及効果の大きいプロジェクトを展開していく方針だ。

こうした考えを踏まえ▽流域治水の本格的実践▽持続可能なインフラメンテナンスの実現▽地域の総合的な防災・減災対策、老朽化対策に対する集中的支援(防災・安全交付金)▽物流ネットワークの早期整備・活用▽国際コンテナ戦略港湾の機能強化▽社会資本整備の総合的支援(交付金)▽コンパクトでゆとりとにぎわいのあるまちづくり推進▽多様な世帯が安心して暮らせる住宅セーフティネット機能の強化―などに予算を充てた。

全体の配分対象額を直轄と補助事業に区分すると、直轄は1・1㌫減の2兆5486億8700万円、補助は1・7㌫減の4兆9634億8300万円となる。当初予算の成立時では配分しない保留額は608億7900万円を計上している。

直轄事業の地方整備局別配分額(空港整備分を除く)を見ると、関東整備局が4281億4600万円と最も多く、近畿整備局3085億8700万円、中部整備局2985億0900万円、北海道開発局2856億4100万円、九州整備局2685億0600万円と続き、東北整備局は2481億1300万円で6番目の水準だった。

 

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