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2023-05-12# 物件(仙台圏)

県仙台振興/農業用ため池の改修事業/実施設計など6月に発注/愛子ため池と斉勝沼ため池を改修、24年度の工事着手目指す

宮城県仙台地方振興事務所は、仙台市西部にある愛子ため池と斉勝沼ため池の安全対策工事に向け、実施設計業務などを6月にも発注する。農業用ため池の改修事業に本年度採択されたもの。2024年度の工事着手を目指す。総事業費は26億3700万円。

発注見通しによると、「愛子ため池測量設計業務」は履行期間9カ月で概算事業費は4000万円、「同地質調査業務」は期間6カ月、概算は1000万円をそれぞれ予定している。

対象となるのは、仙台市西部の錦ヶ丘団地からほど近い2つの農業用アースダム。このうち愛子ため池は月山池とも呼ばれ、堤長は113㍍、堤高は16・7㍍、総貯水量は120万立方㍍、取水工はコンクリート斜樋管。愛子ため池の上流に隣接する斉勝沼ため池は、堤長124㍍、堤高10・9㍍、総貯水量が42万3000立方㍍、取水工はコンクリート取水塔。2池を合わせた受益面積は愛子地区の約32㌶。

それぞれ防災重点ため池に指定されており、2池の連鎖決壊が想定されている。また、愛子ため池は昨年3月の福島県沖地震によって堤体にひび割れが発生している。

愛子ため池は堤体の断面を大きくして安定化を図る補強改修工事を計画。斉勝沼ため池は取水施設の改修を行う。既存の取水塔は整備されてから90年以上経つとされ、老朽化が進んでいることから取り壊し、斜樋・底樋管を整備する。来年度から工事に取り掛かり、事業期間は29年度まで。

19年度と22年度の基本計画(耐震性能照査や設備劣化調査および設計など)はNTCコンサルタンツが担当。21年度に委託した関連道路などの設計は大江設計がまとめた。

 

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