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2023-06-22# 物件(石巻・気仙沼)

整備局塩釜港湾/石巻港区の耐震岸壁新設/初弾の海上地盤改良工を発注へ/雲雀野地区に長さ240m・水深12mで計画

東北整備局塩釜港湾・空港整備事務所は、今年度に事業化した仙台塩釜港石巻港区雲雀野地区への耐震強化岸壁新設に向けて、構造など断面を確定するための検討に取り組んでいる。9月ごろをめどに計画を固め、ケーソン構造とする場合は引き続き本体細部設計を発注するほか、海上地盤改良工事の発注も想定している。

石巻港区の耐震岸壁は、石巻市潮見町地内の雲雀野中央埠頭北側で、東西方向に延長約240㍍、水深12㍍で計画。両サイドがケーソン構造のため、同じ構造となる可能性が高い。その場合、石巻港区の既設ケーソンを参考にすると12函程度を設置するとみられる。

過年度に通常の岸壁で設計を作成し、耐震化へ見直しも行ったが、基準改定を踏まえて現在、検討業務を委託している。件名は仙台港湾空港技術調査事務所が発注した「雲雀野地区港湾施設機能強化検討業務」で、沿岸技術研究センター・ニュージェックJVが9月までの期限で担当。

業務成果を踏まえ、ケーソン構造とする場合は「雲雀野地区岸壁マイナス12㍍細部設計」を第3四半期に発注予定。来年度以降の本体工事発注に向けた設計をまとめる。

一方、発注見通しには事業の初弾工事となる「雲雀野地区岸壁マイナス12㍍基礎改良工事」を盛り込んでいる。業務成果を踏まえ、海上地盤改良をサンドコンパクションパイル工法(発注見通しでは約70本を想定)で行う場合は第3四半期にも発注し、年明けの現場施工を見込む。

仮にセメント系材料による改良が必要と判断した場合、漁業協同組合などとの調整により施工時期の制約が生じることから発注時期はずれ込む可能性がある。

石巻ケーソンヤードの製作能力はフル稼働して年間6函ほどのため、ケーソン構造の場合に製作・据付期間を考慮すると完成まで数カ年を要する見通し。

期成同盟会を通じて事業化を要望していた石巻市の担当者は「取扱貨物の増加への対応をはじめ、災害時の物資輸送に活用が見込めることで、BCP(事業継続計画)の観点から背後地への企業集積にも期待している」と話す。

 

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